発狂眼帯に転生!しかしそこはフォドラの大地だった……… 作:ナナシのG愛好家
ガルグ=マクの郊外にある小さな村。そこで、五人の少年少女が生きていた。その一人、漆黒の髪と深紅の瞳を持つ少年は、食べ物の詰まった袋を手に、仲間の元へと駆けた。
「みんな!今日も食べ物いっぱい手に入れて来たぜ!」
そう言い、勢いよく隠れ家にしている廃墟の教会の扉を開けた。すると、祭壇に座っていた黒髪の少女が飛びついてきた。
「お兄ちゃん!まさか盗んだんじゃないでしょうね?」
「違うよマユ。食堂のオッチャンがサービスしてくれたんだ。マユの収穫は?」
「へっへーん。実はすごいものを見つけちゃったんでーす。」
と言うと、祭壇の裏に置いてあったものを引きずってきた。槍だ。二股に分かれており、その中心には石がはまっている。
「これって、」
「何か解んないけど高そうじゃない?」
そう言い、ニヤリと笑った。
「すげーじゃんマユ!これを売れればしばらく美味しい飯が食えるぞ!」
そう言ったのは、入ってきた青髪の少年。背中にちいさな袋を担いでいる。
「アウル、収穫は?」
「大量大量。ほら。」
そう言い、バサバサと袋をひっくり返す。そこから出てきたのは鉱石だ。
「全部おれが掘り当てたんだぜ。」
そう鼻高々に言う。
「参ったな。俺たちが最後か。」
そう言って入って来たのは、緑髪の少年と彼にくっついた金髪の少女だ。
「スティング、ステラ、お帰り。収穫は?」
「アウル、お前大手柄だぞ。この間お前が掘り当てた鉱石、ダイヤの原石だったんだ。鑑定屋のおやじが値切ろうとしてきてさ。踏ん張ったよ。」
そう言うと、ポケットから札束を出した。
「マジか。やったな!」
そう言い、アウルは笑う。そんな笑顔を絶やさない日々。それがいつまでも続くはずだった。なのに、
「な、何だよ………何が………。」
黒髪の少年は食べ物の入った袋を取り落した。教会に入った矢先、彼の目に飛び込んできたのは、最愛の妹の亡骸だった。脅えきった眼をし、血だまりの中に倒れ伏す彼女は、身体を切り裂かれていた。
「マユ………マユ………嘘だ、………何で、………うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
彼は絶叫した。すると、
「何だ?騒がしいな。」
そう声がし、奥から男が歩いてきた。青白い肌の杖を突いた男だ。
「お前………お前がマユを………。」
そう言うと、男は考え込むような動作をした。
「マユ?ふむ、もしかしてそこのモルモットの名前か?」
「モルモット?ふざけるな!マユが何をしたっていうんだよ!スティングは?アウルは?ステラは?どこに居るんだよ!?」
怒りに顔を歪ませ問うと、男は愉快そうに笑い、
「残りの三人は使い道がありそうだからな。さらったよ。」
「な、ふざけるな………!」
そう言い、立ち上がった少年に異変が起きた。立ち上がり、走り出した拍子に右手が神々しく光り出したのだ。
「む?」
「ステラを………返せええぇぇぇ!!」
こぶしを握り、男を思いっきり殴りつけようとする。しかし、男の方が早かった。魔方陣を描き、闇魔法『ルナΛ』を使う。
「うわぁぁぁ!!!!………ごめん………ス、テ、ラ…………」
「………ふむ、勢い余って殺してしまった。まぁ、仕方ないか。」
そう言うと、『ワープ』の魔法で退散した。その経緯を、まだ息の合った少年は、ずっと、見続けていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、クソッ。」
とび起きた少年。いや、もう十五歳となり、立派な青年となった彼は、あの悪夢に今日もうなされ、飛び起きたのだ。
「どうしたよ、シン。」
そう言ってきたのは、茶髪の男だ。ボサボサの髪と武将髭からは分からないだろうが、これでも彼の先輩で、数々の戦場を潜り抜けてきた歴戦の傭兵だ。
「………サーシェスさん。」
「………またあの夢か?」
「………はい。」
「そうか。………先食堂言ってるぞ。」
「………解りました。」
サーシェスと呼ばれた男は彼の部屋を後にした。
「………ステラ………。」
青年、シン=アスカは彼女の私物だったペンダントを握り締め、愛する人の名をつぶやいた。
「いよいよ模擬戦ね。………いい機会だわ。
ベレト殿はそうエーデルガルトに話しかけられていた。今日は、大樹の節31日学級対抗戦の日だ。当然模擬戦だが、学級の全員が参加するわけではない。私、ベレト殿を入れた精鋭部隊十名の中からその半分、五名を選ぶのだ。その五名の内、担任であるベレト殿、級長であるエーデルガルトは参加が決まっている。また、私が出るのは流石に不公平なため無しとなっている。そのほかのメンバーには誰が参加するかは伝えていない。何故なら、事前に伝えると、選ばれなかった生徒がふてくされたり鍛錬を怠ったりするからだ。
「私たちを教え導くに足るどうか、器を測らせてもらうわ。」
支配者として見定めたいという訳か。面白いことを言う。
「解った。任せてくれ。」
そう頼もしい返事をするベレト殿に、エーデルガルトは微笑み、
「自信がありそうね。私たちもそれなりに訓練を積んできている。きっとあなたの采配にも応えられると思うわ。だから、遠慮なんてせずに、貴方の全力を見せてくれる?」
そう言った矢先だった。
「やあ、お二人さん。作戦会議かい?俺達も混ぜてくれよ。」
飄々とした口調で声をかけてきたのは
「いいわよ。手土産に貴方たちの弱みを教えてくれるというのならね。」
そんなクロードにエーデルガルトは皮肉を返す。二人の間にバチバチと火花が散るのを、私の隻眼は確かに見た。
「おやおや?弱みが無いと勝てないのか?随分と自信薄なんだな、皇女様は。」
「勝つための努力を惜しまないだけよ。貴方だって、策を巡らしてるくせに。」
「策?はっはっは、一体何のことやら。俺達は正々堂々、戦うだけさ。」
挑発に挑発で返す二人、それに仲裁を入れたのは、
「クロード、お前の口から「正々堂々」と聞くと嫌な予感しかしないんだが、」
訂正、火に油をぶち込んだだけだった。
「ほう?短い付き合いでもう俺の事が解って来たか?やるな王子様。」
「茶化すな、俺は正々堂々と戦う。だからといって、勝ちを譲るつもりなどないからな。」
三人の間でバチバチと火花が飛ぶ。もう一触即発!!ベレト殿黙ってないで止めてくださいよ!!!!お願い誰か何とかしてこの状況………
「ふふ、それはこちらも同じよ。そうでしょう、師。」
「ああ、もちろんだ。負ける気はない。」
そう言った瞬間、この空気が解けた。ディミトリが警戒を解き、先生に向き合ったのだ。
「良かった。先生がそう言うのなら、こちらも心置きなく戦える。」
「諸君らの戦いぶりは私が見せてもらおう。」
「ああ、いい評価を期待してるよ。先生、」
「それは君たち次第というものだ。」
「全くだ。」
と、肩をすくめてクロードが言った。すると、来客があった。
「あらあら、みんな揃ってお喋りかしら?すっかり仲良くなったようね。」
そう言ってきたのはドレスのような服に白のコートを羽織った女性、
「君たちが親睦を深めるのは結構だが、そろそろ作戦会議の時間だ。」
そう言って来たのは
「あの事なら問題はないよ。」
何故か暗い顔をして答える。何があった?
「はは、何の事は無い。ちょっとマヌエラ君に怒られただけだ。それにしても、あの紋章、どの紋章とも形状が一致しない。すべての紋章には形状に一部共通点があずだ。何故?」
何かブツブツ呟いているな。まあいい。なにせ、次に会うときは敵同士なのだから。
「もうそんな時間か、それじゃお二人さん、また後でだ。」
「エーデルガルトも先生も、あまり無茶をしないようにな。」
そう言い、去って行った。
ザビーネSide
「これより!学級対抗戦を行う!各学級、そして国の誇りを掛け、正々堂々と戦うように!」
「危険行為などは俺とザビーネが取り締まる!
私に続き、ジェラルド殿も声を上げる。
「さてと、殿下の指揮はあの傭兵の先生にどこまで及ぶのかね?」
そう言うのは
「何馬鹿なこと言ってんの。殿下が勝つに決まっているでしょう?」
そう言うのは隣にいる金髪の女性、イングリット=ブランドル=ガラテアだ。財政難の家を建て直そうと、様々な努力をしているらしい。
「こちらの先鋒はローレンツとイグナーツ、心配ですね。」
そう言うのは白髪の少女、
「そうだな。あたしはベレト先生が勝つと思う!!」
そう敵の応援をするのはレオニー=ピネッリだ。
「何敵の味方してるのよレオちゃん、」
そうため息を付くのは
「まあそう言うなって、俺達の応援してくれるんだ。いいじゃねぇか。」
そう言うのは水色の髪の少年。ベルグリーズ家の二男坊、カスパル=フォン=ベルグリーズだ。紋章も持たず、継承権が無いから自分の手一つで生きていくことを決断した男気のある男だ。多少熱血が過ぎて問題をホイホイ起こすのは困ったところだが………。
「では、私も見せていただくとしよう。」
すると、丁寧に撫で付けた白い長髪を、後ろで括った男が、私の隣に腰かけてきた。………誰だ?どこかで見たことのある気がする。心なしか、懐かしい声を聞いた気が………、
「学級対抗戦、初め!」
ジェラルドが合図を下し、学級対抗戦が幕を開けた。
対抗戦会場Side
「学級対抗戦、初め!」
ジェラルドの合図が轟いた。
「いよいよ対抗戦よ、師、思う存分、采配を振るってくれる?」
その問いかけに、ベレトは
「勿論だ。任せてくれ。」
「頼みましたよ、先生。」
その答えに、ヒューベルトが安定の闇スマイルを浮かべながら答えた。
一方ヒルシュクラッセのヒルダとクロードは、簡易柵の奥に待機し、その奥に設置された、体力を回復する聖なる床、回復床の上にマヌエラが陣取っている。
「おいローレンツ、俺達は
しかし、
「黙れクロード。お前の浅知恵など必要ない。僕とイグナーツ君で敵の出鼻を挫いてやる。」
そう言い、簡易柵を飛び越え、敵に向かって行く。
「え、ボク?まだ心の準備が………て、待ってくださいローレンツさん!」
ワンテンポ遅れて眼鏡をかけた亜麻色の髪の少年、イグナーツ=ヴィクターはローレンツを追いかける。
「やれやれ………だな。」
そう言い、肩を竦めるクロードだが、その口角は少し上がっていた。
一方少し奥の小高い丘に陣を構えた
「アッシュ、お前は前線に迎えるか?敵を中央に吊りだしたい。」
「はいっ!やってみます、殿下!」
それに銀髪の背に矢筒を背負い、弓を持った青年、アッシュは、礼をして、敵の元へと向かって行った。
「用意が整い次第、攻勢に出る。ドゥドゥー、メルセデス、それまで準備を頼む。」
それに、短く整えられた銀の髪の色黒で斧を構えた大柄な青年、ドゥドゥー、弓を持つベージュのふわりとした一見落としやかな長髪の少女、メルセデスは、
「はっ、お任せを。」
「あらあら、頑張れるかしら~。」
と、それぞれ応じた。
「見えた。11時の方向からローレンツ、1時の方向からアッシュ、あ、待って、ローレンツの奥からもう一人、イグナーツだね。」
そう望遠鏡をのぞきながら言ったのは緑色の髪を後ろでくくった青年、リンハルトだ。士官学校に入学したのに血は嫌いで、授業中、休み時間問わず基本寝ている男だ。
「解った。エーデルガルト、ヒューベルト、2時の方向にある森でアッシュを迎え撃て。挟撃するんだ。やられないようにな。残りの者は森から出てローレンツたちを誘い込み迎撃する!いいな!」
「解ったわ。アッシュは倒してくる。」
「ヒューベルト、エーデルガルトのカバーをよろしくな。」
「貴方に言われるまでもありません。」
そう言い、二人は森へと向かった。
「残りの者は迎撃する。フェルディナント、森の中じゃ槍は不利だ。イグナーツを頼む。リンハルト、フェルディナントのアシストを頼む。」
「先生は?」
リンハルトがそう問いかけると、木剣を鞘ごと抜いた。
「ローレンツを無力化する。任せろ。」
「解った。頼りにしているぞ!先生。」
こうして、戦いが幕を開けた。
最近掛け持ちで書いてるんですけどかなり時間かかりますね。本当はオリキャラを登場させたかった砂原凜太郎です。オリキャラを出す予定だったのですが、尺の都合でここまでとなりました。出来るだけ早く新しいの書きます。
今回出てきた白髪の髪をくくったキャラ。誰でしょうね?ガンダム好きなら多分わかると思います。あの人です。
今回登場したシン君は伏線です。傭兵団という事でサーペントテイル所属にしようと思ったんですが、友人からサーシェスを出してほしいとリクエストがあったのでサーシェスになりました。光落ちした彼の所業にお楽しみください。
ディミトリは生存ルートと死亡ルート、どちらがいいでしょうか?(皆さんの選択で、この後の展開が大きく変化します。)
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生存ルート
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死亡ルート