発狂眼帯に転生!しかしそこはフォドラの大地だった………   作:ナナシのG愛好家

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 こんなタイトルですが闇に蠢く者達はほとんど登場しません。


第七話 【不穏な影】

 模擬戦が終わり、黒鷲の学級(アドラークラッセ)の生徒たちは、勝利の余韻に浸っていた。

 大広間で祝勝会をしていたのだ。

「お疲れ様、(せんせい)。まぁ、当然の勝利だったわね。」

「ああ、余裕だった。」

「私から見ても、皆素晴らしい動きだったぞ。」

 そう教師二人に言われるとエーデルガルトは、

「そうね。私たちの(せんせい)となるのだから、その位の態度でいてもらわねば。」

 何か上から目線だな。減点してやろうかな?

「先生、勝利、運んで、きました。素晴らしいです。見事な剣技、そして采配。感謝します。」

「全くだ。今回の戦闘の立役者は、ベレト先生、君だな。全く、魔法を切り落とすなど、私にもできないよ。その戦闘の腕だけは凄まじい様だな。」

 そう言い、私はワイングラスに注いだワインを飲むこの世界でもお酒は二十歳から。私の体は三十七歳だ。士官学校の生徒たちは二十歳を超えていないため私とベレト殿しか飲まない。彼もあまり積極的に飲んだりはしないようだ。

「ええ、個々人の働きもあったと思うけど、やっぱり先生の指揮には言うに及ばずですねぇ。」

「実力はどんなものかと思っていたが、なかなかやるじゃないか、あの先生。」

 少し離れた所では、フェルディナントとドロテアがオレンジ色の果実飲料(ジュース)片手にお喋りをしていた。どうもベレト殿の事について話しているようだな。

「今回は、エーデルガルト様あっての勝利だと思いますね。」

 そう言い、ヒューベルトがテフ(コーヒー)を飲む。

「どうかな?この戦いにおいて、彼女は兵、先生は将だった訳だ。強兵といえど………」

 そうリンハルトがヒューべルトに反論としたが、

「まぁまぁ、細けぇことはいいんだよリンハルト!今は勝った事を喜ぼうぜ!!」

 そう言いながら、カスパルが二人の肩を組んだ。二人は、やれやれという顔をしながらカスパルのジョークに耳を傾ける。

 全く。相も変わらずまとまりの無い。まぁ、そこがこのクラスの面白みでもあるのだがな。

 そんな事を考え、私はグラスに注いだワインを一気に煽った。

 

 翌日、ベレト殿は私とレア様に呼ばれた。

「見事な采配でしたね。ベレト、ジェラルドのジェラルドの薫陶を受けただけのことはあります。この催しを経て、生徒たちと親睦を深められたのではありませんか?」

「いえ、まだまだです。」

 ベレトは跪いたまま、そう答える。ふむ。昨日の祝勝会では随分と楽しそうに喋っていたのだがな。彼としてはまだまだなのか。

「そうですか………出会ったばかりですし、無理もないでしょう。」

「ちなみに、今回行われた模擬戦は前哨戦に過ぎない。本番は、」

「飛竜の節に帝国領、グロンダーズ平原行われる【鷲獅子(じゅじしせん)】。ザビーネ殿に教えていただきました。」

「………そうか、伝統ある鷲獅子戦に恥じぬよう、生徒たちをきっちり鍛えてもらいたい。」

「はっ。」

 セテスの声に、ベレトはそう返答する。

「さて………今日貴方をここへ呼んだのは翌節の課題を伝えるためです。」

 このガルグマク大修道院に所属するものは、身分に関係なく奉仕活動が義務付けられている。それは生徒も例外ではない。生徒たちも奉仕、『課題』として奉仕活動をすることになっている。

「貴方がたの学級には、賊の討伐を命じます。」

 あくまで初歩的なことなのだな。まぁ、盗賊の技量にもよるが、どうせ、調子に乗ってポカやらかした間抜けな盗賊団だろう。大した事はあるまい。

「生徒と共に課題に取り組み、期日までに大司教に結果を報告するように。仔細は追って伝える。下がるといい。」

「「ハッ!!!!」」

 そう言い、出ようとした時、レア様に呼び止められた。

「ベレト、貴方には、特別な何かを感じます。………期待してますよ。」

 そう言われると、扉が閉じられた。

 

 【赤き谷】ザナド。そこは、谷の大地が深紅に染まっていることからこんな名がつけられた。何故土が赤いのか?この地には、女神が舞い降りたという逸話がある。三国のどの文化とも違う建造法が用いられた集落の跡があり、女神の地上の仮の住まいだったという伝承がある。そんな神聖な場所を土足で踏み荒らす不信仰者がいた。

「クソッ、何が貴族のガキ共を数人殺すだけ、だ。セイロス騎士団が追ってくるなんて、話が違ぇじゃねぇかよォッ!!」

 そう怒鳴るのは厳つい四角顔に無精ひげ、黒い長髪を後ろで括った男、コスタス盗賊団団長、【”双斧”のコスタス】だ。

「貴様が仕損じたからだ。つまらぬ搖動などにかかりおって。それども、目的は果たせると思ったが、流石は騎士団長の子。なかなかやる。」

 そう言うのは、仮面と重層鎧で全身を覆った人間だ。声色や、鎧に包まれた体では、性別を判断できない。

「てめぇッ!聞いてんのか⁉この始末、どう付けて………」

「死ね。」

 とうとつに、コスタスは一言そう言われた。

「もはや教団は容赦せぬ。貴様らは地獄へ旅立つことになるだろう。せいぜい、お仲間(・・・)を増やしておくことだな。」

 そう言うと、転移魔法、【ワープ】でその場を去った。

「ま、待て!………クソッ、クソオオオォォォォォォォ!!!!!!!!!!!」

 盗賊の絶叫が、赤き谷にこだました。




 はい、炎帝登場回です。次回は、コスタス戦となります。ほぼほぼオリジナル展開なので、期待していてください。

 ディミトリは生存ルートと死亡ルート、どちらがいいでしょうか?(皆さんの選択で、この後の展開が大きく変化します。)

  • 生存ルート
  • 死亡ルート
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