【悲報】転生したらツンツン頭で知らない部屋にいたんだけど   作:現実殺し

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暗部抗争編の続き?知らないですそんな殺伐とした世界。
まあ冗談はナシにしても、ちょっとネキたち以外の視点を書くのは難しいです。
だから取りあえず、それぞれに何が起こったか説明。


浜面:帰ったら『アイテム』が襲撃される。そのせいで駒場と絹旗はやられ、さらに浜面を守ろうとした滝壺も体晶で瀕死。
   唯一無事の半蔵とフレメアと一緒に三人を病院に連れて行く。


垣根:アイテム襲撃後。そのまま流れに乗って一方通行も襲撃。一方通行は打ち止めの退院日だったから彼女と一緒にいたため、垣根君は冷蔵庫にはならなかったが学園都市に回収された。
   要は原作のレディリー状態。イッチとの邂逅はナシ。


フレンダネキ:気絶した後イッチに病院に運ばれる。その時イッチにお姫様抱っこされたけど本人は気づいていない。


グループ(仮):一方通行いないから滅茶苦茶頑張った。それはもう凄い頑張った。




【急募】原作を生き残るために頑張るイッチのスレ【暇人集まれ】: part7

403:上条当麻(転生)

悲報。

俺、あのクソゴリラに命を狙われてるらしい

 

404:以下、名無しの転生者でお送りします

ゴリラ?

 

405:以下、名無しの転生者でお送りします

あぁ、アックアさんか

 

406:以下、名無しの転生者でお送りします

イッチテメェアックアさんをゴリラとかいうんじゃねぇ!

 

407:以下、名無しの転生者でお送りします

そうだぞ!原作上条さんを数ページで退場させたアックアさんだぞ!

 

408:上条当麻(転生)

>>407

強烈すぎる

 

409:以下、名無しの転生者でお送りします

でもぶっちゃけ聖人と神の右席の力を合わせるって言うチーターやからな

 

410:以下、名無しの転生者でお送りします

イッチじゃ百勝てないです

 

411:上条当麻(転生)

>>410

じゃあ原作ではどうやって勝ったの?

 

412:以下、名無しの転生者でお送りします

天草式が頑張った

 

413:上条当麻(転生)

>>412

五和たち?俺が言うのもなんだけど、あんまり強そうには見えないぞ

 

414:以下、名無しの転生者でお送りします

>>413

マジでイッチが言うのもあれだな。

まあ、聖人崩しっていう対聖人用の術式があって、それで勝つねん

 

415:以下、名無しの転生者でお送りします

途中でねーちんも参加するしでぇじょぉぶだ

 

416:以下、名無しの転生者でお送りします

イッチは気にせずボコられればいいから

 

417:上条当麻(転生)

>>416

ボコられることが前提なのやめてくれません!?

 

418:以下、名無しの転生者でお送りします

>>417

無理です

 

419:以下、名無しの転生者でお送りします

諦めろ

 

420:上条当麻(転生)

タスケテ里えもーん!

 

421:上里翔流(転生)

>>420

もしかしてそれワイの事?しばくよ?

 

422:以下、名無しの転生者でお送りします

>>421

キレてて草

 

423:以下、名無しの転生者でお送りします

ぶちギレじゃん上里ニキ

 

424:上条当麻(転生)

>>421

そう怒んないで秘密道具だしてよ

 

425:上里翔流(転生)

>>424

しょうがないなーとうまくんは。はい、自滅の刃ー!

 

426:上条当麻(転生)

>>425

サイコロステーキ先輩かよ!

 

427:以下、名無しの転生者でお送りします

バラバラにされそう(小並感)

 

428:以下、名無しの転生者でお送りします

自滅の刃って言われたらサイコロステーキ先輩が真っ先に出てくるの草

 

429:以下、名無しの転生者でお送りします

っていうかどんな秘密道具だよ!

 

430:以下、名無しの転生者でお送りします

それより、イッチは今何してるの?

 

431:上条当麻(転生)

>>430

五和に料理を作ってもらってる。

こういう家庭的な女の子っていいよな

『画像』

 

432:以下、名無しの転生者でお送りします

>>431

は?

 

433:以下、名無しの転生者でお送りします

あ”?

 

434:以下、名無しの転生者でお送りします

ぶち殺し確定だな

 

435:以下、名無しの転生者でお送りします

>>434

暗部抗争編で頑張ったし許してやれよww

 

436:以下、名無しの転生者でお送りします

>>435

あれは205ニキが有能だっただけでは?

 

437:以下、名無しの転生者でお送りします

イッチも麦のんボコったし頑張ったダルォ!?

 

438:以下、名無しの転生者でお送りします

>>437

イッチの戦闘センスが磨かれてて草

 

439:上条当麻(転生)

うぉっ!?なんかベランダからメイドが!?

『画像』

 

440:以下、名無しの転生者でお送りします

あっ、舞夏ちゃんちっス

 

441:以下、名無しの転生者でお送りします

こうしてみるとロボットで他人の部屋に侵入ってやべーな

 

442:以下、名無しの転生者でお送りします

いとも容易く行われるえげつない行為

 

443:上条当麻(転生)

なんか風呂が爆発した(白目)

『画像』

 

444:以下、名無しの転生者でお送りします

www

 

445:以下、名無しの転生者でお送りします

クソワロタww

 

446:以下、名無しの転生者でお送りします

草草の草

 

447:以下、名無しの転生者でお送りします

何をどうしたらそうなるの!?

 

448:上里翔流(転生)

さてはおめーインデックスだな?

あ、眠い。寝るわ

 

449:上条当麻(転生)

>>448

おやすみ。

あと、俺は最近銭湯とか使ってたから家の風呂洗ってなくてな。

今日はしっかり洗おうと思ったらこの様さ。

ふっ、笑えよ

 

450:以下、名無しの転生者でお送りします

プギャーwww

 

451:以下、名無しの転生者でお送りします

www

 

452:以下、名無しの転生者でお送りします

ッエーイ☆

 

453:上条当麻(転生)

笑ってんじゃねぇ!

 

454:以下、名無しの転生者でお送りします

>>453

えぇ……(困惑)

 

455:以下、名無しの転生者でお送りします

お前が笑えって言ったんじゃろがい!

 

456:以下、名無しの転生者でお送りします

矛盾し過ぎで草

 

457:上条当麻(転生)

まあそれはおいといて、とりあえず第二十二学区のスパリゾートとかいうとこに行くらしい。

っていうか、なんで五和の奴俺より学園都市に詳しいんだ?

 

458:以下、名無しの転生者でお送りします

>>457

なんででしょうねぇ~?

 

459:以下、名無しの転生者でお送りします

ふふっ(母の目)

 

460:以下、名無しの転生者でお送りします

>>459

ドラえもんの優しい目を思い出す

 

461:以下、名無しの転生者でお送りします

あれ普通に笑った。

マジでキモかったww

 

462:上条当麻(転生)

スパリゾートのある第三階層に到着!

星がやばい

『画像』

 

463:以下、名無しの転生者でお送りします

oh……

 

464:以下、名無しの転生者でお送りします

ふつくしい……

 

465:以下、名無しの転生者でお送りします

学園都市の美点

 

466:以下、名無しの転生者でお送りします

元が汚れてる分こういうのが余計輝いて見える

 

467:以下、名無しの転生者でお送りします

>>466

汚れてるは言いすぎやwww

 

468:以下、名無しの転生者でお送りします

まあ暗部とかある時点で、ね?

 

469:上条当麻(転生)

そんじゃ風呂入るし、一旦落ちるぞ

 

470:以下、名無しの転生者でお送りします

>>469

おK

 

471:以下、名無しの転生者でお送りします

混浴があれば五和っぱいも……

 

472:以下、名無しの転生者でお送りします

>>471

学生の街にそんなのあるわけないだろいい加減にしろ!(建前)

それな(本音)

 

473:以下、名無しの転生者でお送りします

さて、アックアさんとの戦いどうなると思います?

 

474:以下、名無しの転生者でお送りします

無理だろjk

 

475:以下、名無しの転生者でお送りします

>>474

だよなぁ~

 

476:以下、名無しの転生者でお送りします

聖人崩しがあればワンチャン……

 

477:以下、名無しの転生者でお送りします

>>476

あれって天草式全員の魔力集めないと無理なんじゃなかったっけ?

 

478:以下、名無しの転生者でお送りします

>>477

それやばいやん

 

479:以下、名無しの転生者でお送りします

これはRTA不可能ですね

 

480:以下、名無しの転生者でお送りします

まあアックアさんならきっと、もしかしたら、手加減してくれる、かも……

 

481:以下、名無しの転生者でお送りします

>>480

疑問形多過ぎぃ!

 

 

 

―――――――――

 

――――――

 

―――

 

 

「ふぅ……さっぱりしたぜ。にしても、後方のアックアねぇ……」

 

 夜風に当たり、天井に映し出される星を見上げながら、物思いに耽る上条。

 神の右席。ローマ正教の最暗部と言われる存在。

 何度もその存在と邂逅し、戦闘をくり広げてきた。再び襲ってくると分かった時は思わず、こいつら暇なのか?とか思ってしまった上条だが、今度の敵は聖人の力も併せ持つ強敵だという。

 

「まっ、大丈夫だろ。五和たちが守ってくれるって言うし、天草式スゲーからな。聖人ってのと戦ったことはないけど、今回も何とかなるだろ」

 

 それは、魔術に精通してるものからすれば、楽観的過ぎると怒鳴られても仕方のない言葉かもしれない。

 だが、生憎上条には、聖人がどれほど凄まじい存在なのかイマイチ分からないし、そもそもそう言った存在とは、会いこそしたが実際に戦っているところを見た事はないのだ。

 言葉でどれだけ凄い存在だと語られても、実感など湧くはずもない。

 そんなことを考えながら、散歩をしていると、いつの間にか橋のような所まで来ていた。

 

「……にしても、随分と人少ねぇんだな。夜の学園都市ってこんなもんなのか?」

 

 上条は辺りを見渡すが、車どころか人っ子一人いなかった。

 流石に不自然に思い、訝しむ上条。 

 

「宣告は与えた」

 

 すると、上条の耳に、男性の声が届く。

 彼の知り合い……少なくとも、天草式にはこんな声の男はいなかった。自分が知らない人物かもしれないが……ならば姿を見せもしない理由はない。

 ましてや、『宣告』などという言葉を上条に掛ける意味もない。

 

「貴様の前には、いくつかの選択肢があったはずである。実行し、自分の命を預けると判断した選択肢が『あれ』だったと言うなら――」

 

 カランッと、何かが上空から落ちる音がする。

 音の方に視線を向けると四つ葉のクローバーがついた笛のようなものが、糸で繋がれているネックレスのようなものがあった。

 そのアクセサリーに、上条は見覚えがあった。それは、かつて上条と対峙し、今では自分を守ってくれる存在である天草式十字凄教の教皇代理、建宮斎字のものだ。

 上条は上へと目を向ける。それが上から落ちてきたというなら、必然的に落とし主は上にいるはずなのだ。

 

「率直に言おう。もう少しまともな選択肢はなかったのかね」

 

 そして見つけた。橋の上、アーチのようになっている建造物の上に。

 上条がかつて見た事のないほど巨体、そしてその手に握られているメイス。長さは5メートルほどはあるそれを、片手で持つほどの力。

 それだけでまず間違いなく、上条身体能力を上回っていることが容易に想像がつく。

 果たしてそれは神の右席としての力か、それとも聖人としての力なのか。

 どちらにせよ、確実に言えるのは、片方を攻略しても、もう片方が牙を剥く……ということだけ。

 

「テメェ……天草式に何を――!」

 

 上条は彼らの実に何が起こったかを問い詰めるため叫ぼうとする……が。

 

「……は?」

 

 いつの間にか、彼は()()()()()()()()()

 上条は自分に妙な浮遊感があるのを感じ、首を動かして下を見ようとする。

 だが、体が凍っているかのように固く、まるで動かせない。

 そして次の瞬間、上条はまるで何かにぶつかったかのような衝撃を背中に受け、肺の中の空気をすべて吐き出し悶える。

 

「ガハッ!? ……く、そ……何が……‼」

 

 口の端からツーっと伝う血。

 それを左手で拭い、いつの間にか橋の上から降り立っていたアックアを睨みつける。

 立ち上がって拳を構えようとするが、何故か足はガクガクと震え上手く立てず崩れ落ちる。

 

「!? あ、がぁ……!?」

(……な、んだこれ……いきなり痛みが……!?)

 

 上条が最初に空を見上げたのは、恐らくアックアの持つメイスで殴り飛ばされたのだろう。

 それも、上条が捉える事も出来ないような、圧倒的な速度で。

 その時受けたダメージを、漸く体が認識し始めたのだ。

 

「この世界で起きている騒乱の元凶を排除しに来た。……右腕だ。差し出せば、命の方は見逃すのである」

 

 アックアが上条の右手を指差して言う。

 今までの敵は、問答無用で上条の命を狙うものばかりだった。

 しかし、アックアは右手を差し出せば見逃すという。これだけも、十分譲歩しているのだろう。

 けど、そんなことは関係ない。

 

「……ふざ、けんじゃねぇ! ……誰が、テメェなんかに……‼」

「そうか……、それならもう少し、現実を知ってもらうのである‼」

 

 上条の返答に、特に何も言うことなく、あっさりと返答を返すアックア。

 そして彼は、右手で持つメイスを上条に向けて振り下ろした。

 

 

―――

 

――――――

 

―――――――――

 

 

540:上条当麻(転生)

【がぁぁぁぁぁぁぁ―――――ッッッ‼‼‼】

 

541:以下、名無しの転生者でお送りします

イッチ!

 

542:以下、名無しの転生者でお送りします

えげつねー……

 

543:以下、名無しの転生者でお送りします

なんで五和たんいないの?

 

544:以下、名無しの転生者でお送りします

>>543

風呂の後に会わなかったんだろ

 

545:以下、名無しの転生者でお送りします

これイッチ死ぬんじゃね?いや冗談抜きで

 

546:以下、名無しの転生者でお送りします

アックアさんが転生者じゃないから容赦ないもんなー

 

547:以下、名無しの転生者でお送りします

右腕渡せば見逃すって言うあたり、譲歩はしてるけどな

 

548:上条当麻(転生)

【……まだ、渡す気にはならないのであるか?】

【……、】

【最早喋る気力もないのであるか。ならば、こちらで回収させてもらうのである】

 

549:以下、名無しの転生者でお送りします

あ!幻想殺しが引き千切られる!

 

550:以下、名無しの転生者でお送りします

これやばくね?

 

551:以下、名無しの転生者でお送りします

出てきたらアックアさんボコられるぞ

 

552:以下、名無しの転生者でお送りします

アックアさんに見られたら☆さん動くんじゃね?

 

553:以下、名無しの転生者でお送りします

うわーこれはやばいー

 

554:上条当麻(転生)

【…………………渡す……もんか。テメ…、ェは、ここで……ぶっ飛ばす……‼】

【……いい度胸だ。1日待つ。期限までにその右腕を自ら切断し、我々に差し出すというのならば、その命は見逃してやるのである】

 

555:以下、名無しの転生者でお送りします

おぉ……なんとかアックアさんは帰ってくれたか

 

556:以下、名無しの転生者でお送りします

けどイッチがやばくね?

 

557:以下、名無しの転生者でお送りします

一日待つ間に死ぬだろこれ

 

558:以下、名無しの転生者でお送りします

誰かー!誰か助けて―!

 

559:上条当麻(転生)

【リアル中継モード終了】

 

560:以下、名無しの転生者でお送りします

>>559

え?

 

561:以下、名無しの転生者でお送りします

>>560

あ、これやばい

 

562:以下、名無しの転生者でお送りします

>>561

どゆこと?

 

563:以下、名無しの転生者でお送りします

これあれだ。

イッチの意識がなくなったから中継できなくなったんだ

 

564:以下、名無しの転生者でお送りします

>>563

気絶したってこと?

 

565:以下、名無しの転生者でお送りします

もしくは死んだか

 

566:以下、名無しの転生者でお送りします

>>565

不吉なこと言うなよ。

寝覚めが悪いだろーが

 

567:以下、名無しの転生者でお送りします

>>565

それは笑えない

 

568:>>565

>>567

笑わせるつもりで言ってない

 

569:以下、名無しの転生者でお送りします

>>568

お、おう……

 

570:以下、名無しの転生者でお送りします

これしばらくイッチの安否は不明ってことか

 

571:以下、名無しの転生者でお送りします

頼むから誰か助けてくれよ!

 

572:以下、名無しの転生者でお送りします

アックアが人払いのルーン刻んだせいで人が通らないんだよなこれ?

 

573:以下、名無しの転生者でお送りします

>>572

アイツのせいかよ!

 

574:以下、名無しの転生者でお送りします

とりあえず祈りましょう

 

575:以下、名無しの転生者でお送りします

アーメン

 

576:以下、名無しの転生者でお送りします

アーメン

 

577:以下、名無しの転生者でお送りします

ラーメン

 

578:以下、名無しの転生者でお送りします

ザーメン

 

579:以下、名無しの転生者でお送りします

>>578

おいwww

 

580:以下、名無しの転生者でお送りします

最後ひでぇww

 

581:以下、名無しの転生者でお送りします

誰もラーメンに触れないのワロタ

 

582:以下、名無しの転生者でお送りします

>>581

>>578ニキのインパクトが強いからね?

 

583:以下、名無しの転生者でお送りします

フレンダネキスレの205ニキはいないのか!?

 

584:以下、名無しの転生者でお送りします

冗談抜きで誰か助けてやってくれー!

 

 

 

―――――――――

 

――――――

 

―――

 

 

 結論から言えば、上条当麻は一命をとりとめた。

 アックアは人払いを解除したので、死に体だった上条を見た通りすがりの一般人が発見し、病院に連絡を入れてくれたのだ。

 そして、上条は集中治療室へと運ばれた。全身打撲、裂傷も酷い。血も大量に流し、生きているのが不思議なくらいの状態だと担当した医者は告げた。

 少なくとも、彼が今までの戦いで負った傷の中で、一番大きなものとなるだろう。

 そして、上条が眠る病室……その前で、天草式の面々が、表情を暗くして、彼の安否を憂いていた。

 

「……、」

 

 誰も、何も語らない。

 アックアが何故上条を見逃したのか、次の襲撃はあるのか、その話し合いすらしない。

 扉の奥には、無数の点滴を腕に刺し、人工呼吸器を取り付けて、今にも死にそうな状態で眠り続ける上条が一人いる。

 

「……クソッたれが……ッ‼」

 

 そんな中、建宮が沈黙を破る。

 近くの壁を殴りつけ、己の無力さを噛みしめ、拳を力いっぱい握る。

 何も出来なかったのだ。

 守ると決めたにも拘らず、相手が強大な存在であると分かっていたに関わらず、準備をしてきたにも関わらず、皆やられた。

 舞台に上がることも出来なかった。上条とアックアの戦いに参戦し、傷つき倒れる上条に手を差し伸べる事も出来なかった。

 今もそうだ。上条に回復魔術を施そうとしたが、彼の右手……幻想殺し(イマジンブレイカー)が邪魔をし、結局治療は医者に委ねることになってしまった。

 正真正銘のお荷物。彼に手を差し伸べるどころか、伸ばすことも出来ない役立たず。それが、今の天草式の限界だった。

 

「……で、お前さんはそこで何を蹲っているのよな?」

「……………、」

 

 建宮が、隣で膝を抱える五和に声をかける。

 暫くの間、沈黙が続いた。

 

「……なにも………」

 

 五和が、震える唇を動かし言葉を続ける。

 

「なにも……出来なかったんです。守るって言って、彼がありがとう、お前がいるなら安心だ、って返してくれて。嬉しかった。なのに、結局この様なんですよ? ……治療を受ける直前、一瞬目を覚ました上条さんが言ったんです。「アックアは24時間待つって言ってた。それまでに、俺が何とかして見せる」って……。……おかしいじゃないですか。なんで、彼がその言葉を言うんですか? それは本当なら、私たちが言わなきゃいけない言葉なのに……! どうしてこんなことになってるんですか――ッッ⁉⁉」

 

 悔しさ、悲しさ、後悔。

 それだけが、五和の心を占める感情だった。

 いつも、その背中を見ていた。

 法の書の事件の時、敵の親玉に突っ走る上条の背中を。

 イタリアでの戦いの時、誰よりも早く先陣を切って駆けていく上条の背中を。

 アヴィニョンでたった一人、今回の敵と同じ、神の右席と戦う上条の背中を。

 その背中に頼もしさを感じていた。なんて大きな背中なんだろう。そんなことを、いつも思っていた。

 彼の支えになれたら、どんなに幸せだろう。そんな思いが、いつも五和の心にあった。

 

「あの人は……回復魔術の恩恵も受けられない。力を高めることも、敵を惑わすこともできない。どんな防御術式に身を固めることも出来ず、武器の一つも持っていない。……正真正銘、その身一つで戦っているんです。私たちみたいに、何かに頼ることも出来ないような人なんです……」

 

 前に五和が上条の事を称賛した時、彼は自分はそんなにすごい奴じゃない、と手を振った。

 その時の五和は、決して自分の力を傲らず、慢心しない、高潔な精神からくる謙遜だと思っていた。

 なんて的外れな考えなのだろうか。彼は事実しか告げていなかったのだ。

 幻想殺し(イマジンブレイカー)、大層すごい力だ。

 けど、それはテストで満点を取れるわけでも、お金を稼げるわけでもない。何の変哲もない、ただの右手。世界で一番頼もしい時もあれば、世界で一番邪魔になる……そんな右手だった。

 ベッドで眠る上条を見るたび、かつて自分の見ていた背中が、とても小さなものに見えて仕方がない。

 彼の積み重ねが、実績が、本当の上条当麻を隠していたのだ。

 ポツリ、と。五和の目の端から、雫が流れる。

 

「……何も知らずに、彼にいろんなものを押し付けた私たちが、なんでのうのうと生きてるんですか? いろんなものを背負い続けるあの人が、どうしてこんなにも傷つかなきゃいけないんですか? おかしいですよこんなの……全部おかしい‼ 天罰の一つも降ってこないなんて……、こんなの――!」

「いい加減にしろ五和‼」

 

 涙を流し、自暴自棄になりながら喚き散らす五和を、建宮が一喝する。

 胸ぐらを掴み上げ、彼女の瞳を真っすぐと見据え、言葉を紡ぐ。

 

「アイツがあんなにも傷ついた。それは俺たちの弱さが原因だ。俺達が後方のアックアに襲撃された時、そのまま奴を撃退していれば……アックアが来たけど返り討ちにしてやったぞと、そう言ってやればよかったのよな。……だが、出来なかった。過去は変えられない。アイツが傷つき、俺達が残っちまった。その事実は変えられないのよな。……けど、だからこそ、俺達しか残ってないから、やらなくちゃならんことがあるんじゃねぇのか!? ……後方のアックアは、必ず来る。こうしてる今もタイムリミットは迫ってるのよな。……まだやるべきことは残ってる。なのにお前さんは、そうやって蹲って何もしないでいるつもりか!? 自分の都合で他人の人生を投げ捨てるんじゃないってのよ――ッ‼」

「!……、」

 

 建宮の言葉が、五和の心に突き刺さる。

 暗い何かに包まれた彼女の心を、少しずつ引き出していく。

 確かに、過去は変えられない。だが、未来は違う。抗うことが出来る。

 守れなかった。でも、これから守るチャンスが、まだある。それを、つまらない後悔や罪悪感で棒に振るなど、あってはならない。

 

「もうアイツに傷ついてほしくないか? 今度こそ守りたいか? だったら戦え! あいつの墓の前で懺悔したくなければ、俺達は戦うしかねーのよ」

 

 建宮の言葉に、五和だけでなく、他の天草式のメンバーも、少しずつ瞳に光が戻る。

 

「ったく……救われぬ者が目の前にいてこれ手を差し伸べねぇってことはねーのよな。となれば、やるべきことはただ一つ!」

 

 いつしか、天草式の暗い雰囲気は消え、活気に満ちていた。

 救われぬものに救いの手を。

 本人ですら知らないうちに、大きなものを背負う羽目になった少年の為に、天草式十字凄教が、立ち上がる。

 

 

 

 




何気に初セリフの五和ちゃん。
そして負けたまま終わるイッチ条。
アックアには、勝てなかったよ……
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