――仮面ライダー。
それは正義のために行使する者たちを指す名である。
……だが、彼にその名は重く、自身を戒める意味を込めて彼は悪を名乗り続ける。
――三人称視点――
―三年前―
雨が降り続ける炭素が辺りに降り積もった街の中、蒼き戦装束を纏った少女――風鳴 翼は地面を駆け出し、アームドギアの剣を蒼白い炎のような模様を刻んだ紫色の鎧を纏った男――ネガ電王に向けて振り下ろした。
だが、ネガ電王は冷静にその手に持ったネガデンガッシャー・ソードモードをネガデンガッシャー・ロッドモードに組み合わせ、こちらに向かってくる翼にロッドモードの穂先を下から上に振り上げた。
振り上げられたロッドモードの穂先が顔に迫るのを視認した翼は駆け出した足を止めて身体を反らす事でその切っ先を紙一重でかわし、もう一度ネガ電王に向かおうと刃を翳そうとするが横凪ぎに振るわれたロッドモードがその行く手を阻み、更に二度と三度ロッドモードを振り回してから遠心力を増した横凪ぎを繰り出し翼の足元を払い転倒させ、頭上に掲げたロッドモードを躊躇なく翼に向けて振り下ろした。
翼は咄嗟に横に転がる事でかわしたがその行動を読んだネガ電王が翼に迫り、繰り出した蹴りがまだ立ち上がってない彼女の身体に突き刺さり、その身体が地面を大きく転がった。
『話にならないな。その程度でオレに挑もうなんてな……』
『グゥっ……!』
地面に刀を突き刺し、力を入れて倒れていた身体をゆっくりと起き上がらせ、離れた場所で自身を返り討ちにし、見下ろしているネガ電王に怒りと憎しみが込めた言葉を投げ掛けた。
『お前は……お前はいったい何者だ!そのような力を持っているのにいったい何を目的なんだっ!』
ネガ電王はこちらを睨み付けている少女――風鳴 翼を見下ろし、ため息を吐くと彼女の問い掛けに答えようと口を開いた。
『目的ね……いいだろう。そんなに知りたいなら聞かせてやるよ。オレの名は……ネガ電王』
『ネガ、電王……』
ネガ電王はネガデンガッシャー・ロッドモードを肩にかけ、地面に倒れている翼に自身の名を告げた。
『そうだ。この世に存在する全ての悪を憎む、悪の………仮面ライダーだ』
◇◇◇
――現在――
「さ、さすが響さんデス。まさかあの巨大パフェをクリアするとは……」
「私達には真似出来ないね」
学校が終わって放課後の帰りに以前来たことある喫茶店で調と二人で楽しく話していると、店の壁にある【巨大パフェ完食者】と書かれた掲示板に貼られた巨大パフェが盛られた空のバケツを持って笑顔の響の写真を観と二人は感嘆の声をあげていた。
「確かこの前切ちゃんが挑戦したやつだよね?あの後、残ったパフェを良牙さんがパック詰めしてくれて、その日の夕飯になったよね……」
「うぐ……あの時は反省したデス。でも、響さんみたいにとは言わないデスがアタシも挑戦してクリアしてみたいデス!」
そう言った切歌が拳を握りしめていると二人の背後からこの店の店長である良牙が声をかけてきた。
「……そんなに言うなら新しく考えたやつに挑戦してみる?」
「ほぇ?新しく考えたデスか?」
「それはなんですか良牙さん?」
良牙に声をかけられた二人は首を傾げて質問すると、良牙が持っていた紙をテーブルに置いた。紙にはお子さまランチに付いてくるのに似た少し棒が長い旗が刺さった炒飯の絵が描かれていて、その下の欄には【店長に勝て!チャーハン対決!】と書かれていた。
「チャーハン対決?」
「ああ。簡単に説明すると旗が刺さった旗を倒さないように交互に掬って空いた皿に移す、要するに棒倒しの炒飯バージョンだ。ちなみに掬った炒飯は後で食べてね」
「…………。(これ、普通の炒飯に旗を刺しただけの手抜きなんじゃ、それに喫茶店なのに炒飯って……)」
「ほほーう。店長と勝負ですか……。それで店長に勝つと何かもらえるのデスか?」
調がジト目で良牙を見つめていると隣に座っていた切歌が面白そうだとワクワクとした表情で良牙に質問した。
「フッ、勝った人にはなんと……次回来店した時に使える無料券を七枚分進呈する!」
「な、なんデスとぉ!?」
切歌は良牙が上に掲げた【一品無料(ドリンクもセット)】と書かれた七枚の券を見て驚愕の声をあげた。隣に座っている調も声をあげてないが口をあんぐりと開けていた。
「いいデスよ店長、その申し出受けてたつデス!」
「切ちゃん受けるの?こんな手抜き料理に?」
「手抜きはひどいな調ちゃん。それにこれは一見簡単そうに見えて、意外と高度な対決なんだよ」
「………………」(疑いの眼差し)
「ンンッ!それじゃあ早速やろうか切歌ちゃん。今炒飯用意するからちょっと待ってて」
調が疑いの眼差しを向けられた良牙は誤魔化すように咳払いをした後切歌にご縁かけ、対決に使う炒飯を用意しにカウンターに向かった。
◇◇◇
数分後、旗を刺した炒飯を持った良牙は切歌が座るテーブルの上に置き、一緒に持ってきたチャーハン対決用のスプーンを渡した後、彼女の対面にある椅子に座る。
「フッフッフッ……店長、後悔しても遅いデスよ。高度な戦いといえど所詮は棒倒し……この勝負、アタシがもらったデス!」
「フーン……さてそれはどうかな?調ちゃん合図をお願い」
「……ハァ、わかりました。それじゃ用意……スタート!」
「まずはアタシが先デェス!」
調の合図で先に動いた切歌が手に持ったスプーンで旗が刺してある山盛りの炒飯にスプーンを突き立てた。
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数日後、S.O.N.G.内にある食堂で旗を刺した炒飯を掬って別のお皿に移す調と切歌の姿が確認された。
――三人称視点、終了――
どうも皆さんクロトダンです。
今回は短めの話ですみません。次はもう少し長めに書くよう努力します。
XDのロストソング悲しすぎるだろ……。思わず泣いちゃったじゃないか。(ナケルデッ!
それにOPに出てたマリアとセレナが姉妹逆転してたのがビックリしました。
第二章がますます気になります!
次回の話はクリスを出す予定です。お楽しみにしてください。