遅れながら明けましておめでとうございます。
今回は以前投稿した予告、【悪を名乗る偽善者と時を護る番人】の前日章です。
前日章は三話に分けて投稿する予定です。
更に今回の話から主人公についての過去が少しずつ明らかになります。
――三人称視点――
突如市街地に現れ【親指姫サンブリーナ】に登場するモグラをイメージした複数の《NEWモールイマジン》を引き連れたイソップ童話【キツネとワニ】に登場するワニの姿をイメージして作られた怪人、《アリゲーターイマジン》が破壊活動を行っていた。
六人のシンフォギア装者達は街を破壊しているアリゲーターイマジン達を止めようと出撃したが、アリゲーターイマジンの指示を受けたNEWモールイマジンが装者達の相手をし、アリゲーターイマジンは鼻で笑った後、その場を跡にした。
時間がかかったがなんとかNEWモールイマジン達を倒した装者達はすぐにS.O.N.G.本部のサポートでアリゲーターイマジンの追跡していると彼女達の耳に戦闘音が入り、音がする方向に向かうとそこには仮面ライダーネガ電王が荒々しい動きでアリゲーターイマジンと戦っていた。
「ネガ電王!?いつの間に現れたんだあいつ!」
「でも、なんかいつもと雰囲気が違う?」
「……ああ、確かにいつもの奴らしくない動きだ。一体、何故……?」
「……ああっ!君、大丈夫っ!?」
「立花どこに……なっ!?子供っ!?」
「「「「っ!?」」」」
クリスが驚愕の声を上げていると調がネガ電王の動きに疑問の声を上げる。それに答えるように何度も刃を交えていた翼もいつもの彼の様子の違いに怪訝な表情で彼の姿をみていると、自身の視界の端に入ったのを視た響が声を上げながらその場を駆け出した。
突然駆け出した響に翼は声を掛けようとしたが、その視線の先にネガ電王の背後で血を流して倒れている少年の姿を目撃し驚愕の声を上げた後すぐに響と同じく少年の下に向かう。それを聞いた装者達も遅れながらもすぐに少年の下に向かう。
「酷い……こんなに血が!君、しっかりして!眼を開けて!」
「本部!すぐに救護班を!」
「この傷……あのイマジンの仕業か!」
「まさかネガ電王はこれを見て……!」
最初に駆け寄った響が血まみれになった少年の姿に悲痛な表情を浮かべ、意識を失なっている少年に声をかけ続け、その間に翼が本部に救護班の要請をする。
少年の爪で切りつけたような傷口を見たクリスがアリゲーターイマジンを睨み付け、マリアはネガ電王は少年を傷付けたアリゲーターイマジンに怒り、武器を振るっていると気づく。
「答えろ!何故あの子供に手を出した!」
「何故だぁ?それは俺の契約者の望みだ!自分の子供より天才のガキがいなければ、自分の子供が一番になれると願ったんだよ!!」
「っ!それであの子供を殺そうとしたのかっ!」
「ああ?それがどうしたぁ!!」
アリゲーターイマジンの言葉を聞いたネガ電王は声を荒げるとネガデンガッシャーSを振るい、それに対してアリゲーターイマジンは自身の鋭い爪を振り下ろす!
一合、二合、三合……幾度もなく、ネガ電王の怒りが籠った刃とアリゲーターイマジンの獰猛な爪が火花を散らし続ける。
「ネガ電王のあんな姿見たことないデスよ……」
「うん、それにいつも私達と相手をする時に見せる余裕さもなくなってる」
「どうやら悪党のあいつにとって、許せねーみたいだな」
ネガ電王の気迫を見た装者達は普段の彼から見たことない様子に戸惑いを隠せないでいた。
「ハッ!貰ったぞ!」
「しまっ!?グアッ!!」
アリゲーターイマジンネガデンガッシャーSの刃を掴み奪い取ると空いた右の爪でネガ電王の身体を二度、三度振り下ろし、奪い取ったネガデンガッシャーSを振るいネガ電王の身体を斬り飛ばした!
「グゥッ!?くそ……が!」
「お前、確か悪を憎んでいる仮面ライダーだったな?」
「それが……なんだっ!」
アリゲーターイマジンは地面に倒れたネガ電王に声をかける。痛みに堪えながら、身体を起こしたネガ電王はアリゲーターイマジンの問いかけに答えるとアリゲーターイマジンは鼻で笑いながら口を開いた。
「フンッ、あれだけ悪を憎んでるお前がたかがガキ一人襲っただけで怒りに染まり、動きが雑になるなんてなぁ……その上で悪を名乗ってるなんて、無様過ぎて笑えてくるわ!ハハハハハッ!」
「あの野郎……!」
アリゲーターイマジンの言葉を聞いた装者達は怒りが沸き起こり、少年の介抱をしている響を除いた五人の装者達は各々のアームドギアを展開してアリゲーターイマジンに向かおうと足を踏み出そうとしたその時。
「違う……!」
「ネガ電王?」
アリゲーターイマジンの言葉を否定して地面から立ち上がったネガ電王は斬られた胸を抑え、肩で息をしながら、仮面越しにアリゲーターイマジンを睨み付ける。
「オレは……繰り返したくないだけだ……。もう目の前で……助けられる命を、見逃したくないだけだ!」
「っ!助けられる命を見逃したくない……?なら、何故あの時――」
―――奏を助けてくれなかったの……?
翼の呟いた言葉は誰にも聞かれる事もなく、アリゲーターイマジンの声に掻き消される。
「ハッ!何が見逃したくないだ!武器も残ってない死に損ないがさっさと消えろぉぉっ!」
そう叫んだ後、地面を駆けたアリゲーターイマジンは奪い取ったネガデンガッシャーSでネガ電王にとどめをさそうと大きく振り上げた。
ネガ電王は自身にとどめをさそうと迫ってくるアリゲーターイマジンを見ながら、仮面の下でフッと小さく嗤い、虚空を掴むように右手を前に伸ばす。
「武器?何を言ってる?武器なら……」
―ジャキッ!―
「
「なっ!?―ズドンッ!―グオォォオオォォォッ!?」
ネガ電王の右手には赤い線が入った黒い無骨な長銃《ネガボルバー》が握られており、ネガボルバーの銃口から赤黒いエネルギー弾が放たれ、そのあまりの威力にネガデンガッシャーSが地面に落ち、撃ち飛ばしたアリゲーターイマジンの身体は地面に落ちた後大きく転がった。
「ヌウォォォォォッ!?グッ……!お前、どういう事だ!?それは俺達イマジンが使う武器の筈!何故人間であるお前が使える!?」
「何を驚いている?
―フルチャージ―
地面から起き上がりながら驚いているアリゲーターイマジンの問いかけに答えたネガ電王はデンオウベルトの中央にある【ターミナルバックル】にライダーパスをセタッチするとデンオウベルトから低い機械音声が流れるとネガ電王の右手にネガボルバー、左手に槍ではない赤い線が入った黒い両端に六角形の刃を備えた棒【ネガタロッド】が握られる。
「
ネガ電王がそう告げると右のネガボルバーからエネルギー弾を連続で撃ち放つ。放たれたエネルギー弾がアリゲーターイマジンの身体に当たり、思わず動きを止めてしまう。
その隙を逃さずネガボルバーを投げ捨てると次に左のネガタロッドを振りかぶりアリゲーターイマジンに向けて投擲、その次に虚空から出現させた赤い線が入った黒い斧【ネガタロアックス】を握りしめると地面を蹴るように飛び上がる。
「ガッ!?か、身体が……!グオッ!?」
ネガタロッドが身体に突き刺さると刺さったネガタロッドが吸い込まれ、紫色をした亀の甲羅のようなマークが浮き出ると同時に動きを封じ、間髪入れずに頭上から飛び上がったネガ電王がネガタロアックスを振り下ろし、アリゲーターイマジンの身体を斬り付けた!
「グゥッ!よくも……ムッ!?あいつどこに行った!」
斬り付けられ大きく後退し、なんとか踏ん張ったアリゲーターイマジンは反撃しようと両手の鋭い爪を振ろうとしたが、目の前にいた筈のネガ電王の姿を見失い、どこにいるのか探そうとする。
「どこを見ている?こっちだ」
「ッ!後ろか―ドスッ―……ガ、ハッ……!?」
背後からネガ電王の声が聞こえ振り向こうとしたアリゲーターイマジンだったが、自身の腹部から飛び出た赤い線が入った黒い大剣【ネガタロスォード】が彼の目に入ると、アリゲーターイマジンは眼を見開き『馬鹿な』と言おうとしたが彼の口からは掠れた声しか出なかった。
「終わりだ……」
「グ、ヌァァアアアァァァァァッ!?」
その言葉と同時に突き刺したネガタロスォードを横に振り抜き、アリゲーターイマジンの身体を両断し、アリゲーターイマジンは断末魔の声をあげながら爆発した。
◇◇◇
その後、駆け付けた救護班の働きにより病院に運ばれた少年だが、血まみれになっていたが怪我は酷くなく命に別状はないと判り、それを聞いた装者達は良かったと胸を撫で下ろした。
そして、アリゲーターイマジンを倒したネガ電王は姿を眩まし、S.O.N.G.のオペレーター二人が行方を探ったが、【時の列車】を使ったのか彼の反応がなく、追うことは出来なかった。
――翼のマンション、バスルーム――
その日の夜。自宅のマンションのバスルームでシャワーを浴びていた翼は今日の戦闘でネガ電王が言っていた言葉を思い出していた。
「《助けられる命を見逃したくない》……か。…………ッ!」
―ガシャンッ!―
ネガ電王の言葉を呟き、眼を瞑り数秒無言になると唇を強く噛みしめ、強く握り締めた拳をバスルームに備え付けられている全身を映す事が出来る鏡に向けて突きだし、突き立てた拳が鏡に大きな罅を作り、それと同時に割れた鏡の破片がバスルームの床に落ちる。
「じゃあなんで……!なんであの時、奏を助けてくれなかったのっ!?」
翼は割れた鏡の破片で切って血塗れになった拳の痛みを無視して、自身の胸の内に浮かんだ感情を言葉にして叫んだ。
「教えてよ……奏を見捨てた貴方と、あの少年を助け、お爺様から私を助けてくれた貴方。……どっちが本当のあなたなの…………?誰か、教えてよぉ……!」
割れた鏡に両手を付け、涙を流した翼の嗚咽がバスルームに響き渡った……。
◇◇◇
――???――
【時の砂漠】
ここは【過去】、【現代】、【未来】のあらゆる時間が交差した時の空間。
そこには一台の新幹線を模した赤を基調とした時の列車――【デンライナー・ゴウカ】が線路を引き、収納を繰り返しながら走行していた。
場面はデンライナーと連結している車両の客車の一つの食堂車に移り変わる。
食堂車の中には机と椅子が並んでおり、真ん中には乗客に提供する飲み物や食料を作るキッチンスペースが備え付けられている。
更にその食堂車には赤、青、金、紫の色をした四人の怪人達が各々寛いでいた。
まず最初に赤い鬼をイメージした馬鹿そうなイマジン【モモタロス】。彼はとある青年と最初に契約したイマジンであり、イマジンでありながら時の運行を護り続けた人物?であり、短気かつ好戦的だが、涙もろく良識もある優しい男でもある。
「オイコラッ!誰が馬鹿っぽい鬼だ!」
「ちょっとどうしたのセンパイ?いきなり怒鳴って?」
声を荒げたモモタロスに声を掛けたのは青い亀をイメージしたイマジン【ウラタロス】。モモタロスと同じくとある青年と二番目に契約したイマジン(正確には違うが)であり、時の運行を護り続ける人物?でもある。
冷静沈着で頭の回転も早いが、かなりの自信家な上にキザで女好き。更に嘘をついて人を騙すことを好み、口八丁で周囲の人間を手玉に取る詐欺師のような性格だが、意外と面倒見がある一面を見せる事もある。
モモタロスをセンパイと呼んでいるが敬意はない。
「いや、なんか急に誰かに馬鹿にされた気分になってよ……。っかしいなぁ?」
「なんやそんなことか?モモの字がおかしいのは元からやろ?」
「あ、そりゃそうか……って!俺が元からおかしいってどういう意味だ!この馬鹿グマ!」
モモタロスをさらっとディスったのは一本角を生やした金色の熊をイメージしたイマジン【キンタロス】。先の二人と同じくとある青年と三番目に契約したイマジンであり、時の運行を護り続ける人物?である。
「泣けるでぇ!」や「俺の強さにお前が泣いた!」が口癖でありながら、その決め台詞が示す通り義理人情に脆い世話好きな性格。
関西弁を話し。浪花節が大好き。基本的にマイペースで、突然眠ってしまいなかなか起きないことも多い。
手を顎に当て、首を捻って鳴らす癖がある。
四人のイマジンの中で一番の力持ちであり、張り手一発で人間を数十m先のビルの屋上まで吹っ飛ばすなどパワーは高く、身体も頑丈。その力故に公共物をぶっ壊してしまうことも多く、慌てふためくこともしばしば。
「そうそう!モモタロスが馬鹿なのは元からだしー!ヤーイ!モモタロスのバーカバーカ!」
「オイコラ小僧!テンメェ……ッ!もう一度言ってみやがれぇぇぇ!」
「わー、怒った怒ったー!ハハッ!」
最後にモモタロスを馬鹿にしたのは紫色のドラゴンをイメージしたヘッドフォンを付けたイマジン【リュウタロス】。ウラタロスと殆ど同じタイミング(厳密にはリュウタロスの方が僅かに先)で青年と契約したイマジンである。
口調は無邪気、性格は我が侭で気分屋、動物好きで甘えん坊である等、非常に子供っぽい。行動も強引且つ一方的で相手に「~するけど、いいよね?」と許可を求めるが、答えを聞かず行動に移す。
また、お絵かきも好きだがお世辞にも上手いとは言えないが、数回見ただけで特徴を書き記す鋭い観察眼の持ち主であり、後に彼等の契約者である青年の助けに繋がった。
「ちょっとバカモモ!少し静かにしなさい!」
―ドスッ!―
「ウグォッ!?な、なんで俺だけ……(ガクッ)」
四人のイマジン達が騒ぐ食堂車に入ってきて、モモタロスを拳一発でのしたのは髪を首もとまでには切り揃えたショートヘアーの少女【ハナ】。見た目は少女に見えるがこれでも立派な大人でもある。本来は大人の女性でもあったが、とある事情で子供の姿になってしまった。
元の姿からも四人のイマジン達を拳一つで制すほど腕っ節は強く、素手でも戦闘能力は高い。小さくなってもモモタロス達は頭が上がらず先ほどのように沈めてしまう。
負けず嫌いで勇敢な性格であり、気が強く口調がキツめで、少々ガサツ。子ども相手でも容赦のない話し方をする。とはいえキツイ口調なのは本人も自覚しており、心根は繊細で優しい少女である。
「まったく。今日は彼が戻ってくる日でしょ?なのにあんた達は懲りもせず騒いでもう……」
「イヤー、ごめんねハナさん。センパイが突然騒いだせいで」
「オイ亀……テメー、なに人のせいにしてんだコラァ……!」
ハナの近くに近寄ったウラタロスが謝罪しながら、騒いだ原因をモモタロスに押し付けた。
それを聞いたモモタロスは地面に倒れたままの状態で、低い声でウラタロスに声をかける。
「だって、そもそもの発端はセンパイがいきなり怒鳴ったからでしょ?僕達は何も悪くない筈だよ?」
「せやせや!モモの字一人が勝手に騒いで暴れただけやろ。俺らはなんも悪うない、グォーーッ!」
「もしかしてもうボケちゃった?ヤーイ!モモタロスおじいちゃん!」
「テメーらぁぁ…………ッ!もう我慢ならねー!ぶん殴ってやるからそこを動くんじゃねぇぇっ!」
ウラ、キン、リュウの三人に馬鹿にされ堪忍袋の尾が切れたモモタロスは立ち上がって、三人に殴りかかろうとしたが――。
「いい加減にしなさい!」
―バキィッ!―
「グオォッ!?ま、またかよ……(ガクッ)」
再び放たれたハナの拳により床に倒される。倒れたモモタロスの身体をリュウタロスが棒でツンツンしていると食堂車の扉が開き、そこから一人の青年が入ってきた。
「はは…。相変わらずだね、みんな」
「ああーーーっ!良太郎だぁ!ひっさしぶりー!!」
「やぁ、良太郎」
「元気にしてたかぁ?ふんっ!(ゴキッ)」
「久しぶりね。良太郎」
「うん。みんなも元気そうで良かった」
【野上 良太郎】。
四人のイマジン達の契約者であり、共に時の運行を護ってきた青年であり、【仮面ライダー電王】の顔を持つ。
かつては気弱な性格で争い事が苦手な気弱な青年だったが、アクの強いモモタロス達と過ごしていくうちに肉体的にも精神的にも強くなり、最後までイマジンから時の運行を護り続けた事がある実績を持つ。
「久しぶり、モモタロス。相変わらず元気だね」
「……へっ。オメーも相変わらずだな。良太郎」
まだ床に倒れていたモモタロスに再開の挨拶をしながら手を差し伸べる良太郎。
その手を見たモモタロスは照れくさそうに鼻を指で擦り、優しい声音を出して彼の手を掴んだ。
――三人称視点、終了――
因みに良太郎の姿は元の青年の姿に戻っています。
はい、お久しぶりです。クロトダンです。
いかがでしたか?
今回は主人公の思いと口調の変化が出ましたね。そして涙を流した翼の押し込んでいた感情が爆発しました。
この二人が今後どうなるかは次回をお楽しみに!
それと今さらながら主人公の見た目は【リトルバスターズ】に出てくる【棗 恭介】をイメージしてください。