死神英雄譚   作:ちゃむこ

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更新遅くなってすいません!

そして気づいたらお気に入りが450を突破していました!
本当にありがとうございます!これからも頑張ります!


あと、先に言っておきます、今回オチが……笑


10話 豊穣の女主人

ダンジョンから帰ってきたハデス・ファミリア一向は、ハデス達のお迎えを終え、ホームへと帰っていった。

遠征から帰ってきた当日は、男女順番に風呂を終え、個人の時間を過ごしている。

ウルも普通ならみんなと同じように遠征後はのんびりなのだが、彼は今ある場所へと向かっていた。

 

「シルも良くやるよねー、わざわざ待ち伏せしてまでウルをお店に誘うとか」

 

「豊穣の女主人には世話になってるからな、誘われなくても近いうち寄ろうと思ってたんだよ」

 

 

 

 

クランはウルの隣を歩きながら、数時間前のことを思い出していた。

それはハデス・ファミリアが揃ってホームへ帰ろうと向かっていた時だった。

 

誰もが都市最強のファミリアの雰囲気に呑まれ、話しかけることもなく道を譲って行く中、緑を基調としたどこかの制服を着ている少女が笑顔でハデス・ファミリアへと近づいていった。

 

「おぉ!シルではないか!どうした、我に何かy「ウルさん!」…デスヨネェ」

 

(((ハデス様がモブ扱い!?)))

 

笑顔で手を振っていたハデスに完璧なスルースキルを決めたシル。

ハデスも分かってはいただろうが、こんな完璧にスルーされると流石に応えたのか、少しばかりやつれていた。

そんなハデスの様子に、周りにいた一般人はあまりの光景に目が飛び出そうにつっこんだ。

 

「シルか?久しぶりだな、どうした?」

 

ハデスに完璧なスルーを決め、ウルの前へと走ってきたこの少女、名をシル・フローヴァ。

ヒューマンで灰色の髪と目を持つ、誰から見ても可愛らしい美少女。

 

「お久しぶりですウルさん!私こうして今日ウルさんに会う為に、1ヶ月間身体に鞭打って辛いお仕事頑張りましたよ!」

 

「それは凄いな、お疲れ様。だがあまり無理はするなよ?シルが倒れでもしたらリュー達が心配する」

 

「むぅー…ウルさんは心配してくれないんですか?」

 

「するに決まっているだろ。だから頑張るのも良いが、適度に休め。分かったな?」

 

「えへへ〜はい、ウルさんがそういってくれるなら、もう無理はしません!

約束です!」

 

「フフッ、ああ約束だ」

 

頭を撫でながら告げるウル。それを気持ちよさそうにしながらどんどん表情が溶けていくシル。なんだが周りに花が見えるその空間に、ハデス・ファミリアの女性陣(ティエリアとエメ以外)は背後に般若のようなオーラを幻視させる。

 

「それで?そんなことわざわざ言う為に僕たちの前に来た訳じゃないでしょ?」

 

「そうでした!私としたことがつい大事なことを忘れていました!

今日、もし良かったらウチに来ませんか?リューも喜ぶと思いますし、何より私が一緒にいたいので!なんだったらクランさんもご一緒に!」

 

「なにそのついで感。そしてなんで僕なの?ベルクは…予定あるけどティエリア…は僕たちの遠征のまとめでネロ達は…あんなだからそっか、僕しかいないか」

 

クランははぁ…と溜息を吐いた。

 

ベルクは毎度、遠征帰還の当日はやる事があり、ティエリアも後日休みの代わりに当日は僕たちファミリアのことで忙しい。ネロ達も普段は仲良しだけどシルの時々するこれを見たあとじゃ、バチバチが止まらないし…

 

「わかった、僕も行くよ。ウル、僕もいいかな?」

 

「久しぶりに2人で外食だな。今度はベルクも一緒に男会をやろう」

 

【男会】

ハデス・ファミリアの女性陣が、意外にも定期的に女子会をやっているので、それじゃ男もやろうと言うことで始めたもの。

ちなみにその男会の日ハデスは神友達と飲みに行く日と決めている。

 

「ああ。今度は俺も参加させてもらうさ」

 

「良い返事が聞けて良かったです!クロエもクランさんに会いたいって言っていたので、きっと喜びますよ!」

 

「あー…それはなんだか…聞きたくなかったかも…」

 

クランは苦い表情をする。

クロエとはシルと同じ豊穣の女主人で働く猫人の女性。

好きなタイプが少年という事で、年齢、見た目ともにドストライクのクランによく絡んでいる。

 

「それじゃ席も取っときますので、お二人とも今夜お待ちしてますね!」

 

そう言ってシルはウル達とは反対方向へと走って行った。

 

 

 

 

「まあ、あそこのご飯は僕も好きだから全然良いんだけどね。あの猫さえいなければもう少しマシだけど」

 

「だがあそこにいる時のクランを見るに、案外あそこの雰囲気は嫌いじゃないんだろ?」

 

「うちも騒がしいからかね。似たような場所だから慣れちゃっただけだよ」

 

「ハハハッ、そういう事にしておく」

 

2人は仲良さそうに話しながらも、しっかりと目的地の豊穣の女主人へ向かっていった。道中、美青年と美少年だからか、女性とすれ違うたんびに少し騒がしくなっていたがなんや感やで目的地へとついた2人。

それに気づいたのか、店内からタッタッタッとこちらにかけてくる足音。

 

「ウルさん、クランさん!お待ちしてました!どうぞこちらへ!」

 

シルの案内で店内へと入り、店の奥にあるカウンター席の端っこに座る2人。

一応店に入る前に二人は気配をほとんど消した。あまり目立ちたくない有名人は色々と大変なのである。

ウルとクランは飲み物と料理を一通り注文した。

シルは注文を受けてから、店の前で立っていた少年に気付き、ウル達の前のカウンターへと案内した。

 

(あれは…もしかしてあの子ヘスティアに預けた…今はいいか)

 

クランは自分の前方に座った白髪赤目の少年・ベルを見て1ヶ月前、遠征前日に裏道で倒れていた少年のことを思い出していた。

昼にヘスティアが自分のファミリアに入ってくれたと言っていたから、今は冒険者として奮闘しているんだろうと、心の中で少しばかりの応援をした。

 

「ウルさん、クランさんお久しぶりです。こちらご注文の品です」

 

「クラ〜ン会いたかったニャ!ウルも久しぶりニャ」

 

「リュー、クロエ久しぶり。ありがとう」

 

「げっ、クロエ…」

 

しばらくして、二人に料理を運んできたのは、見目麗しいエルフのリュー・リオン、そしてクランを気に入っている猫人のクロエ・ロロ。

 

クロエにしつこく絡まれるクランを視界の端に置いて、ウルはリューと話していた。するとそこに先ほどまでベルと会話をしていたシルも合流する。

 

「あっちは凄い楽しそうですね」

 

「仲が良くて嬉しいが、迷惑になってないか?」

 

「毎回クランさんがクロエの標的になっていますからね。私たちも慣れましたし、ウルさん達が来てくれた時、あの様子を見るのは私たちも楽しいですから」

 

「ありがとうリュー。そう言ってもらえるとありがたい。

……今日も美味いよミア母さん」

 

ウルは目の前にいるこの店の主人・ミアに料理の感想を伝える。

ウルの言葉にミアは、フッと笑った。

ミアの機嫌が良いとわかったのか、シルはクランとは反対側のウルの隣に椅子を持ってきた。

 

「ミアお母さん、今少しだけ外れてもいいですか?」

「ああ、構わないよ」

「ありがとうお母さん!ね、リューもどう?」

「…シルのお誘いは嬉しいですが、その機会は別の日に取っておきます。私まで休憩したらアーニャがうるさいと思うので。

…それではウルさん、ごゆっくり」

 

するとリューは仕事の方に戻っていく。ウルはミアが了承したのなら大丈夫だろうと、ミアにシルの分の飲み物と軽い食べ物を注文した。

 

「そ、そんな悪いですよ!」

 

「俺が勝手に注文しただけだ。無理にとは言わないけど、少しでもシルと一緒に食事したいっていうちょっとしたわがままだ。だからシルが良ければ付き合ってくれると嬉しいよ」

 

「…ウルさんのそういう言い方、少しずるいと思います!」

 

「フフッ、今度から気をつけるよ」

 

「それ前も聞きました!」

 

とシルはプイッと顔を逸らすも、すぐに出てきた料理をぱくぱくと摘んでいた。モグモグと少し膨らませてる頰はほんのりと赤く染まっていた。

 

『いらっしゃいませー!』

 

しばらくして店員の一人が大きく挨拶をし、ウル達もちらっとそちらに視線を向けた。

 

「……巨人殺しの【ファミリア】」

「あれが…」

「ハデス、フレイヤ・ファミリに並ぶ、第一級冒険者のオールスターじゃねえか」

「誰が噂の【剣姫】だ?」

 

ゾロゾロと大人数で入ってきたのは、これから遠征の打ち上げを行うロキ・ファミリアだった。

 




なかったです…
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