死神英雄譚 作:ちゃむこ
「ねーつまんないんだけど。なんでこうも中層って雑魚ばっかりなのかなー。もっとこう…斬りごたえというか、簡単に壊れないのっていないの?」
「流石バカね。ここはまだ26階層、25階層までは下層の範囲よ。ちゃんとお勉強しました?これからはさすばかって呼んであげるわ」
「あはは!ごめんごめん!あまりにも弱かったからてっきり中層かと思っちゃった。そーだよね、エルカにとって、ここのレベルはちゃんと下層ってわかるぐらいには強く感じるんだよね。ごめんよエルカ、僕はもう少し気を使えるようになるよ」
「ちょっと…それどういうことかしら?こんなモンスターなんて上層も下層も関係なく雑魚よ!なんならどっちが多く狩るか勝負でもする?…あ、でも無理よね〜レベル差で私が勝つのは当たり前だし、それであんたが泣いちゃったらめんどくさいもの!」
「自分から言っておいて逃げるのはダサいんじゃないかな?まぁ、負けるのが見えちゃったなら無理に言わないよ」
「…上等じゃない…負けた方は奢りよ!勝負は18階層まで、良いわね?」
「いいよ!せいぜい悪あがきでもするんだね!」
「「よーい…すt「子供だな」誰が子供だ!(よ!)」」
「少しは黙ってろ馬鹿者共が!」
ハデス、ロキ・ファミリアの面々はこんな騒がしくしながらも順調に階層を登っていく。
それもこれも、モンスターが出現した瞬間に殺しているハデス・ファミリアのおかげなのだが。
ダンジョンによって生み落とされたその瞬間に、その命を絶たれるモンスター達に段々と同情の気持ちが芽生え始めていたロキ・ファミリア。
それからも着々と歩みを進める一同。
「俺たち、いつの間にか18階層にいるよな」
「なんかあっという間だよな」
一同は【18階層・
迷宮の楽園とは冒険者達が初めて訪れる安全階層。
ここの特徴としては地下でありながら“空が存在する”
天井を埋め尽くす青水晶群に中心の巨大な白水晶が、時間と共に光量を変化させ、地上とは違ったサイクルで『朝、昼、夜』をつくり出す。
そしてこの階層には、冒険者達が経営するダンジョンの宿場街【リヴィラの街】がある。
昨日この階層に着いた時、すでに夜だったためハデス、ロキ・ファミリアの面々は着いてすぐに眠り、久しぶりの朝を経験していた。
「ねーねーティオネ!みんなで水浴びしに行こうよ!」
「良いわね、そうと決まればアイズ、レフィーヤ行きましょ」
「水浴びですか?…アイズさんが行くなら…」
「…良いy「早くいきましょう皆さん!」
「あんたってそんな現金だったっけ?」
「よーし!それじゃしゅっぱーつ!」
アイズ達は、森の中に滝が流れる小さな泉へ水浴びしに向かう。すると道中でアイズ達と同じ目的地へ向かうハデス・ファミリアの女性陣+リヴェリアと会った。
どうやらリヴェリアはティエリアに誘われたようで、アイズ達にも声をかけようとしたがいなかったらしく、ちょうどすれ違っていたようだ。
アイズ達は泉の近くで服を脱ぐ。見回りはネロの影兵がするらしく、ネロの影から6体ほど出てきて早々に、周りに散っていった。
「フッ、どうしたレフィーヤ・ウィリディス、私たちが水浴びするなど意外だったか?」
「は、はい!…じゃ、じゃじゃなくて!すいません!私顔に出てましたよね!?すいませんティエリア様!」
「ハハッ!お前は可愛らしいな。そんなに緊張するな。もっと砕けて話していい…と言っても難しかろう。リヴェと同じで構わんよ。リヴェに聞いたことがあるかも知れないが、私はハイエルフとか王族だとか別にどうでもいいからな」
「あ、ありがとうございます…ティエリア様。…それでその、「意外か?」…はい…」
「フフ、レフィーヤは正直者だな。そうだな、確かにあの二人は喧嘩が耐えないが、神々の言葉を借りるなら、ツンデレというやつだ。そちらの【
ティエリアは今も言い合いをしてるエルカとフェルナに目線を移す。
「え…ベートと一緒ってちょっと最悪」
ボソッとティオナが呟き、それを聞いたティエリアはまた笑った。
レフィーヤは、先ほどから綺麗な笑顔を見せるティエリアを見て、失礼かも知れないが変わった人だと思った。
ほとんどの者が持つエルフのイメージは清廉潔白で品のある感じ、それが王族であるハイエルフとなると、さらにイメージは高くなる。
レフィーヤ自身エルフなため、自分より上のハイエルフに対してそのようなイメージを持っている。自分のよく知るハイエルフのリヴェリアはそのイメージを具現化したような存在だと思っている。
だが、同じハイエルフのティエリアは少し違い、動作一つ一つは王族のそれだが、笑う時は声を出して笑い、話す時もすぐに相手の緊張を和らげる。不思議なオーラを持った人だとレフィーヤは感じた。
「ティエリアに気に入られたゾ【千の妖精】。ティエリアは気に入った相手には意外とぐいぐい来るゾ。早めに慣れたかないと後々大変だゾ」
「あ、ネロさん。ありがとう…ございます?」
「フフッわかるぞレフィーヤ。アイズ達も最初は慣れない様子だった。ハデス・ファミリアは最強派閥故に近寄りがたい感じがするが、こうして話すと皆優しく個性的だ。なにより
「おいリヴェ、いい風に言ったようで少し私を馬鹿にしてないか?
…だがまぁ、リヴェの言った通りだよ。私たちと関わろうとする人は限られていてな。良かったらあの子達と仲良くしてやってくれ。エルカもフェルナもあんなに喧嘩をするが、凄い仲良しだ。同じエルフだしな」
「え!?フェルナさんはわかりますけどエルカさんもなんですか!?」
「あの子はちょっと特殊でね。エルフとアマゾネスの混血なんだよ。エルフの血が強かったのか、今までアマゾネスはアマゾネスしか産まない筈だったのだが、何故かアマゾネスの特徴である褐色の肌ではなくてな。魔力もエルフと同じぐらいで、アマゾネスらしくないからと里を追われた子だしな」
「そんなことがあったんですか…」
「本人はあまり気にしてないがな。他にもうちは色々と複雑でな。だから良かったらみんなと友達になってやってくれ。みんなきっと喜ぶだろう。
…ほら見てみろ、あの3人なんか会話が聞こえていたのかウェルカム状態だぞ」
ティエリアがある方向に指を刺す。レフィーヤはその方向を見ると、エメと、シャルル&マリルが凄い勢いでブンブンと手を振っている。友達になってくれるかもとわかったのか、シャルルとマリルはキラキラな笑顔だった。
エメは誰とでも仲良くなれる性格だからか、アイズ達4人でいるときに何回か出かけたことがある。
レフィーヤはこれから少しずつでも、ハデス・ファミリアのみんなと絡んでいこうと心に誓った。
「あれ!?泉に誰かいるよ!」
「先約がいたんじゃない?」
ヒュリテ姉妹の声に全員が反応し、みんなでこっそりと泉の方へ視線を移す。
そこには確かに人影があった。
全員はその人影をじっと見る。
背中を隠すほど伸びた美しい銀色の髪は水に濡れ、泉に反射する光も合わさって神々しい。雪のように白い肌にすらっと高い身長、どれをとっても完璧なその姿は泉の妖精のよう。
あまりの美しさに息を呑み、放心状態になる一同。
「全員なんで裸で固まっている?なにかの遊び?」
件の人影が首を傾げる。頭からは大量の?が浮かんでいる様に見える。
綺麗で落ち着いた男性の声。一部の者は今までの特徴からして、人影が誰だかすぐにわかった。
「「「「ウル!?(さん!?)」」」」
ヒュリテ姉妹、レフィーヤ、リヴェリアは顔を真っ赤にして驚き、アイズは恥ずかしかったのか顔を赤らめる。
一方でエルカ達は、ウルとわかってからすぐにウルの元へと突撃する。
ティエリアは面白いものを見たと言わんばかりに満足そうな笑顔だった。
「え!?ウルいつから入ってたの?」
「1時間前から……そっちも水浴びか?」
「そーだよ!せっかく18階層にいるんだから浴びなきゃ勿体ないし!
そーだ!ウルも一緒に遊ぼーよ!」
「…誘いは嬉しいが、また今度誘ってくれ。俺はもう行くよ。
……不快な思いをさせたレフィーヤ。あまり面識もないのにすまなかった。
近いうちなにかお詫びでもする」
ウルは一瞬で全身が隠れるローブを着る。去り際顔を赤くして口をぱくぱくと固まっているレフィーヤの頭を軽くぽんっと撫でてその場を後にした。
「ウル君行っちゃったぞ…」
「まぁ流石に今回は仕方ないんじゃない?うちらだけってわけじゃないんだし」
「今度は初めからウルも誘うとしよう」
「エメちゃんもそれで良いと思う!」
「シャル(まりる)もー!」
ハデス・ファミリア女性陣は、気持ちを切り替えて水浴びをする。
リヴェリアとティエリアは端で
ヒュリテ姉妹も水浴びを楽しむ中、アイズとレフィーヤは固まっていた。
アイズは、昔に依頼後一緒に風呂に入ったことが何回かあったが、それはあくまで自分が子供の時の話。恋愛などわからなかったため、ウルの身体を見ても今以上に反応はしなかった。だが先ほど、久しぶりにウルの身体を見た時、急に鼓動が早くなり体が熱くなった。自分でもなにがあったのか分からず、アイズはフリーズしていた。
一方でレフィーヤは、一気に色々ありすぎて軽くパニクっていた。
(み、見られた!?それに事故ですけど…初めて男の人の裸を見ちゃった…
無駄のない引き締まった身体…女性とは全く違う…って何を考えてるんですか私は!?」
「あ〜レフィーヤ、今ウルのこと思い出してたでしょ?」
ピクピク…
「そ、そそそんなこととな、にゃいですよ!」
「あんたそんなに動揺してると信用性ないわよ…」
レフィーヤはまた顔を真っ赤にして手をブンブンしながら否定するも、動揺しすぎで余計怪しくなっていた。どうしたら納得してもらえるのか必死に考えるレフィーヤ。そんなレフィーヤの後ろにゆらりと忍び寄る人影。
ギギギ…と壊れた機械のようにゆっくりと後ろを振り向く
「その話…」
「詳しく…」
「聞かせてもらおう」
上からネロ、エルカ、フェルナが目を光らせながらレフィーヤをロックオンしていた。
「ぎゃああぁぁぁぁ!!」
第一級冒険者から拷問(精神的)を受けるレフィーヤの叫びは18階層全体に響き渡る。
その間ヒュリテ姉妹は距離を離れ、せめてもの償いとして静かに合掌していた。
なんかだんだん書いていくうちにわけわかんなくなってきましたね笑
これ以上伸ばしてもアレなのでもうそろそろ話を進めます!笑
どうかこの話を読んでつまんないと思っても、次回から頑張っていくので、もしよかったら読んでください!笑
それではこれからもよろしくお願いします!