とある東京の運転・能力使い(ドライブテクマスター) 作:KBS滝原
退院してから1週間後、あずまは日常に戻っていた。この日は何もないとのことで、愛車のハチロクを走らせ、第七学区を走っていた。
あずまはこの日、靴・靴下は黒、下着は緑に上着は白、別の人のマスクと、緑色のカツラをリュックに忍び込ませていた。というのもあずまは、美琴と関わりたくないからである。
操車場での脅し対決から、あずまは美琴と仕事以外で関わりたくないとした。プライベートでは何をされるか分からない。そんなあずまは、ハチロクを降りて、セブンスミストの中に入っていった。あずまが入っていったのは化粧室。その中に入り、彼は着替えた。何食わぬ顔で出てゆく。
2階の部分に出てゆくと、そこに困っていた女性がいた。変装しているあずまとて、さすがにジャッジメントに所属している以上は見過ごせない。そこであずまは、女性に何があったのかを聞くことにした。
「実は、自分の止めた駐車場が分からなくてな・・・」
聞くと、その女性は、どうやら自分が停めた駐車場が分からないそうだ。34年間生きてきて、あずま自身それは初めてだった。元鉄道員でバス運転士のあずまは、少々驚いている。
その頃、美琴は近くのコンビニで雑誌の立ち読みをしていた。美琴は、以前に聞いた都市伝説の話で、掲示板に、どんな能力も効かない能力と言うところにひっかかっていた。実はこれ、都市伝説ではなく、学園都市に実在している。その人物は、何を隠そう、上条当麻という人物だった。当麻は能力レベルとしてはゼロ、いわゆる無能力者だが、右手でどんな能力も打ち消してしまうという異能の力がある。実はこれも、以前に美琴が深夜、チンピラたちに絡まれていたことがあり、そこを救い出そうと当麻がやってきた。すると、美琴は誰なのかと言ってしまい、当麻の救出作戦が水の泡となった。すると、その後当麻が説教としてチンピラたちに警告を鳴らしたのだが、その際に、当麻は、
「よく見てみろよ。まだガキじゃないか!」
と失言してしまった。それがどんどん美琴の怒りのボルテージを上げてしまい、ついに怒りが爆発。その際に大きい電流が流れてしまった。チンピラたちは感電して倒れてしまったが、なんと当麻だけは、右手で電流を無効化してしまっていた。それから、美琴は絶対ありえないと思った。コンビニを出ていく美琴。そこには、道案内で聞いている、変装したあずまの姿が。あずまは美琴の姿に気づかぬまま、女性の道案内をしている。
道案内をしていたあずまは、まだジャッジメントの人間になってあまり経っていない。そこにツンツン頭をした、ワイシャツを出した男が来る。上条当麻だ。
「何かあったのか?」
「実は、止めた駐車場が分からないみたいなんですわ。ぜひお力添えを・・・」
そういうと当麻も応援に入る。
「何か目印になるものってありましたか?」
「確か、横断歩道があったような・・・」
「横断歩道では目印とはなかなか・・・じゃあ、ここまでどれぐらい歩いてきたか分かりますか?」
すると美琴は、男を呼ぶと、
「よっ!ビリビリ中学生!」
「ビリビリじゃない!御坂美琴!今日と言う今日は決着つけてやるんだから!」
決着を迫られている男は、上条当麻。暇か?と言い、女性の案内をあずまと一緒に行ってほしいとお願いした。すると美琴は、適当な理由で逃しているため、それは効かないとして逃がすまいと粘り強く行く。すると・・・
女性は暑いのか、なんと、ワイシャツを脱ぎ、ブラウス1枚の姿をさらしてしまっていた!嫌な予感がしたあずまと当麻、美琴は、その姿に驚いてしまう!さすがにまずいと思い、前を隠せと指示!だが、
「女性が襲われてるわ!」
「変態よ!」
そんな罵詈雑言が聞こえてきた。当麻は誤解だ!と言い、逃げた。危機的状況に立たされたあずまは、とにかくワイシャツを着よと指示!なんとか事態を回避できたが、こんなことになるとは思っていなかった。
当麻を追ったあずまは、当麻に事情を聞く。更に、マスクを外し、自分の姿を見せた。
「そっか。お前も俺と一緒にあいつから勝負掛けられているのか。」
「この前なんか操車場でやりましたからね?危うく貨車ぶっ壊しそうだったんですよ?たぶん線路に過大電流が流れて、変なセンサーでもついてなければいいんですがね・・・」
美琴に対しての思いを話す。2人とも美琴に翻弄されて疲れている。特に当麻は、右手の件があってか、それが未だに解決できていない。更に当麻は、あずまにこう警鐘を鳴らした。
「あいつはほぼ地獄まで追うぐらいの執念深さだからな。LEVEL5なら気を付けろよ。」
そういい、当麻は去っていった。
5分後、2人で一緒に女性を待っていた。あずまは変装した姿で、美琴と話していた。
「そういえば、あなたは誰なんですか?」
「私ですか?私は、通りすがりの、城陽真治です。」
「私は、常盤台中学の、御坂美琴です。」
「あー、なんかお話し聞いたことあります。常盤台中学ではエースとされている、学園都市第三位の方だと。お会い出来てうれしいです。これも何かの縁。どうぞよろしくお願いいたします。」
なんとか変装で頑張っているあずま。美琴と話を全部合わせている。すると美琴の携帯に、一本の電話がかかってくる。
「お姉さま?今どちらですの?これから初春とお茶しに行くのですけれど、お姉さまも来られますか?」
黒子からの電話だった。だが美琴は、なんか変な人に絡まれたと話す。黒子が何かと聞き、美琴から話を聞くと、黒子は驚く。すると涙子と飾利が騒ぐ。それを聞いていた美琴は、
「あのね、変わってるけど中身は普通の・・・」
「変わっているというのは、私の事かな?」
すごい目力で来た女性。美琴が驚き、思わず電話を切る。黒子から電話がかかってくるが、出られず、応答拒否をした。女性が買ってきたのは、熱いカレースープだ。
すると女性は、
「熱いときは温かい飲み物の方がいいのだよ。それに、カレーのスパイスには、疲労の回復を促すものが含まれている。」
そういうが、美琴は理屈は分かるけど気分的には冷たいものの方がいいかなと話す。女性は、若い女性はそういう選び方をするものだったと思い出し、買いなおそうとするが、美琴はそのままでいいと流す。あずまも美琴に同乗。女性は研究ばかりしているものだからと理由を説明する。
「研究って、学者さんなんですか?」
「大脳生理学、主にAIM拡散力場の研究をしているんだ。」
すると美琴は、人間が無自覚に周囲に発散している微弱な力の事だと思い出す。女性は授業で習ったのかと聞くと、美琴はそうと言う。
「人間の五感では感じ取れず、機械でないと計測できないぐらいの弱い力って。」
すると女性は、自身がそれを応用したものを研究していると話す。すると美琴は、能力についても詳しいのかと聞く。女性は何かを調べたいと思ったのか、美琴に聞く。美琴は、都市伝説であった、どんな能力も効かない能力なんてあるのかと聞いた。女性は、能力とはいっても色々なものがあるため、美琴に具体的なものを聞く。
「高レベルの電撃を受けてもなんともなかったり・・・」
「電撃…か。例えば避雷針のようなものを発生させ、電流をそらせるような能力とか。」
「そういうものとは、また違う感じなんですけど…。」
女性は美琴に、知り合いなのかと聞くと、美琴はあくまで都市伝説で聞いたものだからと話す。するとあずまは、自分が話に乗って行けていないと思ったのか、思わず・・・
「では、私からもいいですか?」
「君も何か調べたいことが・・・?」
「実はその今の関連なんですけれどもね、なんでも、高レベルの電流を流したけど、それが全部熱として捨てられているという話も聞いたんですよ。」
「あれ、城陽さんもそれ知ってるんですか?」
「私も職場で色々お話を聞いたんですよ。」
自分の能力を聞くという驚きの話に出た。さすがにやりすぎたかと思ったあずまだが、気づかれていないようで一安心をする。
「確か、電車と同じ能力だって聞いたぞ。」
「どういう能力なんでしょうか?」
「確か、電車では昔から使われていた、抵抗制御というものだったな。少量の電圧をモーターに流し、他は全部熱として外に捨ててしまうという奴だったな。」
「なるほど。その抵抗制御というのが、可能性は高いと。」
あずまはやはり自分の能力はそういうことだったのかと分かった。自分自身で使っていた能力が分からなかったのだが、ついにこれではっきりした。だが話をしている時、子供が2人、その付近を走っていた。だが、男の子がつまずき、アイスクリームが女性のスカートについてしまった。男の子は謝ると、女性は大丈夫だと言い、なんとスカートを脱ごうとする!
「だから脱ぐなって!!」
美琴とあずまが突っ込む。
その頃、ファミレスでは、黒子が美琴に電話をかけ続けていた。だが、つながらない。すると涙子は、脱ぎ女に襲われたのだと話すが、黒子は信じない。美琴は常盤台のエース。エースがそんなことに遭遇するはずはないと信じているからだ。
すると飾利は、脱ぎ女についての掲示板を発見、涙子に見せると、なっ!?驚いてしまった。
「白井さん···脱ぎ女に遭遇した人は、叫び声を最後に残して、連絡が取れなくなるって···」
「またそんなヨタ話を···大体お姉さまは、常盤台が誇るエースですのよ?」
「いや。もっと恐ろしいことが起きてるのかも···」
意味深な発言をする涙子。すると涙子は、脱ぎ女が伝染すると話す。それは、脱ぎ女に遭遇した人が、その呪いで、自らも脱ぎ女になるとのこと。飾利がもしかしたらと話し、あれだけ信じていなかった黒子も、恐ろしい想像をしてしまう。そして、黒子は不安定になり、頭をテーブルに激しくぶつける。更に飾利に、それを解くための方法を見つけよと指示。飾利は焦らないでくださいといい、更に涙子も、都市伝説だからと話す。
あれだけ信じていたのに、開き直るか。
その頃、美琴とあずまたちは、トイレの自動乾燥機能で、スカートを乾かしていた。アイスクリームがスカートについてしまったからである。美琴はスカートを渡し、あずまは外で待っている。
すると女性は、あずまのことについて話し始めた。
だがそれは、城陽真治の姿をしているあずまだ。
「あの方は別に知り合ったというわけではないですよ。でも、あいつに似ているというか、変わったスタイルというかなんというか。」
「あいつってのは、誰だ?」
「子安あずまって奴ですよ。学園都市に突然やってきた、なんかボロそうな車で、34歳のくせに、ジャッジメントの仕事とか、バス運転士とか、色々やってるんですよ。ちょっと表に立ちすぎなんですけどね。でも、本当はいい人なんですよ。いざって言うときには、冷静な判断ができて、分からないところには真剣に向き合って教えてあげられる、温かい人なんです。」
それを聞いていたあずまは、そう思われていたのだと感じる。この声を聞いたからには、自分も磨かなくてはなと思った。今まではただ生きていればいいと思っていた。だがそれは間違い。これだけ期待されたことはないと悟った。だが急に非常ベルが鳴動。急いで2人が出てきた。何があったのかはあずまは察しがついていた。更に、あずまは何かわからないが、そんな異変を感じていた。何かは分からない。だが危険な匂いがすると。
10分後、なんとか、駐車場にたどりつくことに成功。ここまでの時間は5時間だ。女性を見送る2人。あずまと美琴は別れようとしたその時だった。美琴があずまの肩を掴んだ。
「あなた、城陽真治じゃないでしょ?誤魔化しても無駄よ。子安あずま君。」
「なんのことかさっぱり分かりませんな。」
「あんたが来た時、いつもと同じ匂いがした。更に非常ベルが鳴ったとき、何があったのかを聞こうとしなかった。絶対にその能力を知ってるってことよね。」
美琴がそれらからあずまであることを掴んだ。正体をばらそうとする美琴。あずまは観念し、マスクとカツラを外した。どうしてそんなことをしたのかを聞こうとする。すると当麻の叫び声が。
そこには、当麻が無残な姿になっているところが。パックで買ったたまごが割れてしまっていた!ほぼ液体になっている。特売で買った品は水の泡。これぞ不幸な男の宿命と言うところか?
「さっきはよくも逃げてくれたわね!そんなときに呑気に買い物か!?」
「貧乏学生にとっては死活問題なんだ!常盤台のお嬢様には分かるまい!」
美琴は今までに起きたことを当麻に話す。するとその後にツンデレと言おうとしていたが、言葉に詰まり、顔を赤くしてしまう。誤魔化そうとして、自分と勝負せよと言った。
「お前またこれか?上条さん迷惑してるの気づかないか?彼は確かに右手で能力を消せるけど、だからと言ってむりやり勝負に引きずり込ませるのかいささか疑問に思うけど?」
「あずま君には関係ないでしょ!!これは私とこいつの問題なの!!」
「だからと言ってそれを見逃すと俺が思うか!?お前はその傲慢さで、上条さんがけがをしたらどうするんだ?尻ぬぐいはどうやってするんだ?」
「あずま、いいよ。何を言ってもこのビリビリ中学生には、伝わんないわ。そこまで言うなら、戦ってやる。」
あずまは呆れ果ててしまった。もう知らんと言わんばかりに立ち去る。だがあずまはその後に・・・
「言っておくぞ。勝手に勝負させていてもいいが、お前がどうなろうと俺は知ったこっちゃない。自分で蒔いた種だ。自分で尻を拭え。」
そういい放った。
翌朝。
常盤台208号室。そこにある女性が入ってくる。
「御坂。聞きたいことがある。ちょっと来なさい。」
「りょ、寮監!?」
険しい顔で入ってきたのは、常盤台の寮を仕切る寮監だ。美琴は連行される。
「お前、昨日ある男子中学生に勝負と言う名目で一方的に能力を放ったみたいじゃないか。報告が入っておるぞ。」
「えっ!?」
(あのバス運転士め・・・余計なことを・・・)
「で、どうなのだ?」
寮監の問い詰めにかなり圧縮される美琴。それを認めると、寮監は美琴に厳しい制裁を下した!
追い詰めた犯人から回収した音楽プレーヤー。爆発事件が発生して以降調べることができていない。改めて調べようとすると、あずまが当事者としての呼び出しを喰らう。果たしてその呼びだしをした人物とは一体?
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