とある東京の運転・能力使い(ドライブテクマスター) 作:KBS滝原
練習を終え、あずまは美琴と一緒に、第七学区を歩いていた。あずまは、美琴が苦手としながらも、人間関係維持のため、適当に付き合っていた。専ら付き合うのは、4人揃ったときだ。
実は最近、あずまと美琴の関係を、ハイブリッドカップルと呼んでる話を聞くそうだ。
美琴は、電撃関係の能力を持ち、あずまは多重能力を持っているのだが、よく軽油を飲んでいる。
そもそもハイブリッド自動車の仕組みは、モーターがエンジンをアシストするという仕組みになっている。
つまり、電撃を放てる美琴が、エンジンの能力を持つあずまをアシストしているということになる。
「どうして俺を呼んだんだ?」
「暇だし、あずま君でも掴まえてどっか出かけようかなーって。」
「言っとくぞ。俺は34歳。君は14歳。20も違うんだぞ?俺が君を連れているってだけでも視線が熱くなってしまうんだから。」
「兄妹だって思われれば大丈夫なんじゃない?そんなこと言ってたら、私だけじゃなく、黒子や初春さんたちと出かけられなくなるわよ。」
「似てねぇし。」
理由のない会話が続く。その頃、あずまの後ろを31人の部隊と思われる人物たちが尾行していた。無論アンチスキルではない。あずまがそれに気づき、美琴に走れという。
「どういうことよ?」
「後で説明する!」
とにかく走り、七学区の住宅密集地に逃げ込む。逃げ込んだ先は、人一人分が入る狭い通路。部隊から一度くらまし、上空から攻撃する!
美琴はテンプレの、電撃で一気に11人を殲滅。
すると部隊は、マシンガンであずまを攻撃しようとした!だが、あずまも電撃の剣状のようなものでマシンガンの弾丸を破壊!更に7人を倒した!すると残りの隊員は退散した。あずまは逃がすものかと、口に含んでいたガムに発信機をつけ、隊員の靴に貼りつける。
「さてと、まずはジャッジメントに連絡だな。ん?」
2人が倒した隊員の手から、EWNSと書かれた通信機が。他の隊員からも回収すると、EWNSと書かれた通信機が出てきた。それらを押収したあずま。
4分後、アンチスキルとジャッジメントが到着した。
「ご苦労じゃん。どうした?」
「こいつら、俺と常盤台のエースを追ってたみたいで、ここに逃げ込んで何か用かと聞いたところ、突然マシンガンぶちかましてきました。」
「随分と厄介な連中じゃん。ここから先は、我々が引き継ぐから、あずま君はジャッジメントに・・・」
するとそこに、黒子が寄ってきた。テンプレの黒子が美琴にアップローチするところは変わらない。すると黒子が、
「ちょっとあずまさん?私のお姉さまと何かやらしいことをしたとかはありませんわよね?」
「そんなことするわけないだろ?逆にこっちが呼ばれたんだよ。」
黒子がそれを聞き、美琴に事情を聞く。美琴はここに至るまでの経緯を説明する。
「そういうことでしたの。」
「まったく誤解しないでくれ。それより、こいつらのポケットから、EWNSと書かれた通信機が発見されたんだ。それも隊員全員。」
すると黒子が、何か見たような聞いたような既視感のある表情を出した。あずまはとにかく、ジャッジメント一七七支部にむかった。美琴と黒子も。一七七支部には、飾利がいた。どうしたのかをあずまに聞く。
「飾利君、至急調べてほしいことがある。EWNSと書かれた発信機が、さきほど拘束された隊員からすべて見つかった。」
すると飾利も、何か疑問に感じていた。
「EWNSって、確か2年前に学園都市で超能力者と高能力者を誘拐して殺害したグループだよね?どうしてあずま君を尾行していたのかしら?」
「もしかしたらそのEWNSっていうグループがまた再結成したのかもしれんな。解散したけど裏では普通に結成して動いているグループもある。」
あずまは、学園都市に来てばっかりとしながらも、今までの経験から可能性を話した。あずまは、走り屋をやってきて、勝負で色々卑劣な手で狙われたことはあったが、命を狙われることがあったのは2回目だ。1回目は、何を隠そう、ジャッジメントの協力者となってから、グラビトンで狙われた事件だ。
その頃、あるアジトでは・・・
「子安あずまと、御坂美琴、かなり厄介な人物です。作戦に当たった数名が拘束されました。」
側近と思われる人物がボスと話していた。
「だがこれはまだまだ序の口。子安あずまを殺しさえすれば、学園都市の長はこの私になるのだからな。ついでに御坂美琴も殺してしまおう。LEVEL5・・・この2人の命も、あとわずかなのだからな。」
前夜祭。5人は涙子の家で、ジュースを飲んでいた。一斉に乾杯する。
「今回の大覇星祭は、9日間開催の一般の部新設ということになりましたわね。」
黒子が話す。
「ホント。しかもあずま君は、モータースポーツで出場するんだからね、AE86、スプリンタートレノで。作戦はもう考えてあるの?」
「ああ。練習も何回か行ってるし、今回協力してくれる人もかなりいるから、はかどってるよ。だが、さっきのあの事件が絡むと厄介なんだよなー。」
あずまは、練習は通常通り行えてるとしながらも、先ほどの美琴とあずまの事件がまた起きるのかもしれないと危惧している。しかもあずまは、モータースポーツの部のみならず、5人1組を組んで出場するクイズに関してもまた出場しなければならない。かなり負担を強いられているが、ここであきらめたら、負け。そう思い、あずまはひるまず前に進む。涙子は何があったのかを聞くと、あずまはその経緯を話す。
「まぁでも、ジャッジメントもいるし、何かあればアンチスキルが動くから、あまり気にしなくていいでしょ?」
涙子はそう話す。だがあずまには、その心配が拭えていなかった。
そして、大覇星祭当日。
あずまはこの日、モータースポーツの練習をやめ、ジャッジメント協力者として、巡回をしていた。
その頃、あるアジトでは、
「大覇星祭のプログラムですが、9日間開催され、そのうち、一般の部は、2日目と5日目に行われ、2日目にモータースポーツの部、5日目に5人1グループで出題するクイズがあります。これに、子安あずまと、御坂美琴が出場します。」
「そうか。では、今夜第2両隊から第4両隊と、殺戮兵器「J-EB」を出動させよう。2人を消し飛ばしてしまえば、学園都市の長を取れるのだからな。」
大覇星祭の借りもの競争では、こんな問題が出た。
「勝どき橋の跳ね上がる瞬間の動画」
「東京発大阪行きの夜行バスチケット」
「学園都市トラフィックサービス東の燃料電池バス」
など、かなり無理難題な問題も出た。当麻は燃料電池バスを借りるという問題になっていた。当麻は学園都市トラフィックサービス東の営業所に行き、借りもの競争のお題を伝える。営業所は、あずまに連絡した。
「子安君?あのね、ちょっとお願いがあって、借りもの競争で、一人燃料電池バスを借りたいという高校生が来てるのよ。申し訳ないけど今から大丈夫かな?」
そういわれ、あずまはそれを了承し、急いで営業所に向かった。
10分後、営業所に到着したあずまは、燃料電池バスを起動させ、驚異のスピードでゴールへ向かう。
7分後、あずまは燃料電池バスをスタジアム内に入れる。
「ありがとな。それにしても、この燃料電池バス、加速がめちゃくちゃ速いな。おかげで腰を抜かしちまったぜ。」
「まぁ、こいつの燃料は軽油ではなく、水素だからな。モーターで動いているから加速がバカみたいに速いのさ。」
大覇星祭1日目が終了し、あずまは涙子の家に戻った。翌日は、あずまの出場する、モータースポーツの部。あずまも気を抜けない。
第3学区。午前3時すぎ、トラック3台が停車。
大勢の隊員と、殺戮兵器がトラックから降車。あずまと美琴の殺害計画が、進んでいた!
2日目、モータースポーツの部に出場したあずま。
このサーキットには、大勢の観客がいる。それも大半が学生だ。また、大覇星祭は世界に中継しているため、モータースポーツを取り入れるというのも、また一つ違う味を出している。
今回は初の試みではあるが、サーキット内はかなりの歓声が。
「来たぞ!ハチロクだ!」
あずまのハチロクがサーキット内に入る。今回のモータースポーツは、あずまのハチロクのみならず、RX-7、クラウン、ゴルフ、エスティマ、BB、ポルシェ911、パジェロ、ハイエース、キャラバンの10台が出場。27周することになっている。ピットインするコースもあり、世界的に開催されているモータースポーツのグランプリのようになっている。なお、エントリーは自車。つまり、自分でエントリーして勝負するというわけだ。
「あずま君ならきっと、優勝できると思うわ。」
「そうですわね。」
美琴、黒子、飾利、涙子も観戦に来ていた。あずまは試運転でサーキットを1周する。コースの形状、坂、シケインなどいろいろなものをもう一度確認し、シミュレーションをする。あずまはこれまでにも、他の山岳地帯で他の走り屋と勝負するときにそのスキルを身に着けてきた。今回はそれが久しぶりに生きる瞬間でもある。全員が一周し、車両を各々のポジションにつける。
「さぁ大覇星祭で新しい試みが開催されます!果たしてAE86は30年前の力を活かして優勝にこぎつけるのか!?それとも現代に製造された車両が優勝を取るのか!?」
実況も盛り上げに動いていた。赤のランプが1つずつついていき、そして、青ランプに変化!スタート!
あずまは5番手からのスタート。最初は右カーブになっているため、各々が車両を右側に寄せる。そして780mの直進の後、今度は左に100度のカーブ!サーキットでの戦いは、どこの部分で車両を追い越すのか、どの部分にどのスピードで進入するかを計算しながら走る。
あずまのハチロクはやはり非力であるためか、少しずつ追い抜かれてしまう。走り屋の意地をかけてでも、あずまの負けたくないという気持ちは強まる。更に言えば、あずま自身もモータースポーツの中継番組を見ていて、出場したいという気持ちはあった。だがそれよりも強い気持ちを持っている。
「やはりハチロクは非力なんでしょうか?」
飾利もハチロクの出力に少し疑問を持っている。
「あずまさんが乗っているハチロクは、非力だったみたいで、特に上り坂は不向きだったみたいです。今回のサーキットも、第5コーナーの左カーブ、150度に曲がるんですけど、その際に上り坂があるんです。」
飾利がサーキットの中身から、ハチロクの進行具合に疑問を感じていた。だが、他に信じるとしたら、あずまの技術次第。4人はあずまの技術に信じていたのだ。
だがその頃、サーキット周辺では、あずまと美琴の殺害計画に加わっていた部隊と殺戮兵器が、サーキットに集まっていた!果たして、あずまと美琴の運命は!?
モータースポーツで戦っている中、あずまの走行を妨害する者が現れた!殺害計画との関連性は果たしてあるのか!?あずまはこのモータースポーツの戦いで、頂点に立つことができるのか!?
次回 大覇星祭モータースポーツ 学園都市グランプリ