とある東京の運転・能力使い(ドライブテクマスター) 作:KBS滝原
その挑戦を申し込むあずまは、果たしてどう動くのか…。
(お詫び
前回、学園都市最大のバトルとして後書きに予告しましたが、早い段階から学園都市最大のバトルは早すぎたため、学園都市のバトルに修正しました。)
朝、涙子の家。
テレビをつけているあずまは、コーヒーを片手にソファに腰かけてみていた。彼は未だに答えを導き出せていない。能力が勝手についたことについてはどうにもならないので考えないが、この能力を今後どうすればいいのか。秋名スピードスターズの皆はどうしているかが気になるだけでなく、自分も今後どう生きていけばいいのか、まったく分からなくなってしまっている。だが、涙子をはじめ、美琴、黒子、飾利の3人は、俺が急に現れてきたことは知っている。説明ができない、そして学園都市の生まれでもない、言ってみれば化け物だ。もっと言えば、学園都市の住民はこの4人、いや、あの事件の関係者以外誰も知らないのだ。何も見えてこない答え。相棒はあのAE86トレノ。どうすればいいかもわからないあずまは、AE86トレノに乗り、区役所に向かった。彼は運転中に1つ決めた。学園都市の住民に、自分の名前が入っていなければ、涙子の家を出ていく、そういう覚悟がある。これ以上あの4人組と接していれば、今後自分がどうなるか分からない。言ってみれば、何か探りが入ってしまえば、自分は答えられない、いわゆる不法侵入とほぼ同じことだ。
区役所。
彼は住民票を発行する手続きを取った。すると、その学園都市の中に自分の名前は、入って・・・・いた。不思議だ。こんな自分なのに名前が入っていた。あずまはその後、第十九学区に向かった。この十九学区は、街を再開発したが、再開発に失敗してしまい、寂れてしまった学区だ。今では人口が片手で数えるほどしかいないのだ。車もあまり通らないこの学区に、なぜ来たのか。実はここに、あずまの今後勤める先がある。実は2週間前、あずまは学園都市トラフィックサービス東の採用試験に向かった。そして3日後、あずまは合格したのだ。学園都市の大多数は無人のバスになっているが、この会社は数少ない、ワンマンのバスだ。アミューズメント施設が集う第六学区と、食品施設のある第四学区から、第五学区の西部山駅までの社員輸送も行っている。数少ない路線だが、それでもあずまはこのバス会社を選んだ。
昼。あずまは涙子の家に戻った。涙子は授業があるため、現在は留守にしている。荷物をまとめ、彼は・・・家を出た。何も残さずに。
夕方、涙子はいつも通り帰宅すると、何かの違和感を感じとった。あずまの荷物がない。更にあずまのハチロクが帰ってきていない。彼は2日、3日と帰ってこなかった。
異変を感じた涙子は、美琴に電話をかける。
「もしもし?」
「あ、御坂さん?あの、昨日から今日にかけて、あずまさんに会ってませんか?」
涙子の質問に美琴は、会っていないと答えた。なぜそれを聞いたのかと尋ねると、涙子はあずまが3日も帰ってきていないことを耳にする。まずいと思った美琴は、黒子に電話をかける。だが黒子もあずまの姿を見ていない。異変を感じた3人は、緊急で集合する。
その頃、あずまは第十九学区にいた。すると、誰かわからない強面の男たちがあずまに近寄ってくる。
「おめぇ、ハチロクの使い手と言われている子安あずまだよな?」
男の1人があずまに尋ねる。あずまがそうと答えると、男たちはあずまを中傷する。
「もうハチロクなんて時代遅れなんだよ。とっととその車廃車しちまえ!」
「そうだぜ?時代はもうFDなんだよ!」
次々と中傷されるあずま。あずまは・・・
「だったら、見せてもらおうか。そのFDの力とやらを。」
なんと攻めの方向に入る!これは完ぺきな挑発に乗るということだろうか?更にあずまは、
「バトルは3日後の午後10時。第二一学区の川原から第十七学区の根本まで、都道194号線でどうだろうか?」
「いいだろう。絶対に約束守れよ!」
リスキーな約束を交わした3人。
その頃、美琴たち4人は、ジャッジメント一七七支部に集まり、緊急会議を開いていた。
「私が家に帰った時、あずま君の荷物がなかったし、深夜になっても全然ハチロクが見えてこなかったの。それに携帯もつながらない。」
涙子がその時の状況を伝える。最後に見たのはいつかと飾利に尋ねられると、涙子は朝の6時あたりと説明。更に6時30分あたりに、あずまは外出していたことも伝える。
それを基にすべての監視カメラを確認する。すると、7時44分に、区役所付近にてハチロクが発見された。ハチロクが区役所に入る姿を捉えていた。更に1時間20分後、第十九学区にハチロクがいたことも捉えている。そこから出てきたのは、やはりあずま。また、あの強面の男2人がいたことも捉えている。
「何か会話していますね。あ!胸ぐら掴んだ!」
飾利は他3人と状況を見る。カメラにはそのあと、あずまが後にしたところも映っていた。美琴は、飾利に、あずまが乗っているハチロクのナンバーを控えさせた。その後4人は、一七七支部を後にした。
午後5時。あずまはコーラを片手に、交通量の少ない陸橋にいた。この時間帯は車が通らないため、ハチロクを停車させていた。実は第十九学区を後にし、彼は第七学区のカフェに入った。すると、あずまの左3席側に座っていたある男が、突如あずまのすぐ隣の席に移動してきた。そんな気はしたが、あずまは無視。すると、男は、
「お前、ハチロクの兄ちゃんだろ?」
突然あずまにこう声をかけたのだった。あずまはそうと返事をすると、男はなんと、あずまの行動を知っているかのように尋ねてきたのだった。
「失礼だが、名前を名乗っていただけないですか?急に接近されて、その上急に私のことについて知っているような言動をされると、少し気に障るもので。」
怒り交じりに話すあずま。すると男は・・・
「俺は元学園都市ラピッドスピーズの戸田康広だ。お前さんのことについては色々と調べさせてもらったよ。銀行強盗が発生した時、突然巨大な光を放ち、その中から降りてきた。更にはあのバスで犯人たちを成敗させ、今では学園都市の人気者になっている。そんな奴がここに来るというのは何か違和感を感じたものでな。」
と、あずまの経歴を知っているような話し方だった。気に障ったあずまは、地団駄を踏み店を出ようとする。すると戸田は、
「お前、あの強面の奴らと戦うんだろ?第二一学区から第十七学区までバトル。奴らの持っている車両はFD。」
なぜそれを?あずまは戸田に伺う。戸田曰く、奴らは学園都市の走り屋を卑劣な手で沈めたと言われる、恐怖の走り屋連中のようだ。元々この学園都市には、3グループの走り屋がいたようだが、ある日、突然あの強面の奴らが集まり、バトルでは車両をぶつけるなどの悪質な行為で走り屋を沈めていったため、現在ではあの奴らの巣窟になってしまっているようだ。その警告をしようとしたようだ。あずまは、それを聞いているのか聞いていないのか分からないまま、店を後にした。
そして今現在。あずまはそれをふと思い出したのだった。缶のコーラを飲み干したあずまは、車にさっさと戻り、第二十一学区へと車を走らせた。
20分後、あずまは到着した。そこには、あずまに挑発してきた、あの男たちがいた。
「遅せぇじゃねぇか。34歳の人間が集合時刻に13分も遅れるとは、落ちたものだな。」
男の1人が話す。ここで奴らの紹介といこう。奴らはニュースピードライナーズというグループで、戸田の言っていた、3つの走り屋を沈めたと言われるグループだ。何かを感じ取ったあずまは、過去の対戦歴を振り返った。そういえば、こいつらみたいな卑劣な手を使った奴がいたような、そんな感じがした。すると、戸田の話をまた振り返る。
「勝負の決め所は、あの根本付近のらせん状の部分だ。それはお前さんが見ていれば分かることだ。とりあえずそこまでは、後ろを走っていることだな。」
そういわれたことを思い出す。いったい何を言っているのかわからなかったあずまは、とにかくハチロクを、スタート位置につける。
「ゴールは第十七学区の根本!では、始めます!Leady!! GO!!」
一人の男が、スタートを切った!順調な滑り出しをした2台。あずまは戸田の言われたとおりに後ろについていく。最初は少しきつめの上り坂だ。ハチロクは、非力と言われているほど、上り坂には弱い。拓海と一緒に改造させてもらった、回転数のメーターを、11000回転まできっちり回す!カーブは多少あるものの、スピードは95kmを突破。
「学園都市に来てからあまり経ってないからな。ルートに関してはだめだ。特にこの国道194号線とやらは!だが、奴らは本当に卑劣な手で追い落としてくるのか?あ、そういえば・・・」
あずまは拓海から話を聞いたことを思い出した。それは庄司慎吾と戦っていた時であった。その日はガムテープデスマッチといって、右手とステアリングホイールをガムテープで固定して走っていた。慎吾はなんと勝つためにと、拓海のハチロクにぶつかった。そうして勝とうとした慎吾を拓海は許せなかった。更に拓海が先頭を走っていた時も、拓海のハチロクに衝突しようとしていた。しかし拓海はそこを避け、慎吾はガードレールに激突させた。もしかしたらそれと同じ手口かもしれないと感じ取ったのである。
緩やかなカーブが続き、ついにスピードは160kmを越えた。そして25分後、ついにあのらせん状の道路に突入!左にカーブが続く耐久路線だ。するとあずまは何か違和感を覚えた。なんと相手方のFDが熱ダレを起こしたのである。そうか、そう思ったあずまは、これを言いたかったのだと改めて感じ取ったのだった。そしてあずまは、何と道路幅ギリギリのところを攻める!
「らせんカーブだというのに、外からだと!?」
相手は驚愕した。普通であれば、このような道路は外から攻めない。だがあずまのやろうとしていることが驚きでしかなかった。するとあずまは、カーブ途中でハンドルを右に切り、スピードを出す!そして先行があずまとなった時、道路は直線に入った!ここはラストスパート。だがあずまのハチロクも熱ダレをもはや起こしかけてきていた。この状況下の中、とにかく走ることに専念した。
「ここで負けると、俺らの面子は丸つぶれだ。だったら勝てばいいんだ!どんな手を使ってもな!」
あずまは察した。相手のやろうとしていることがまさしく、あの庄司慎吾の時と同じであることを!だがすぐ先には右カーブが!FDは右側に一度入り、ハチロクに衝突しようとした!だがハチロクは右カーブで後ろ部分を左に振った!ぶつかろうとしたFDはガードレールにそのままぶつかり、更に前照灯の左部分を破損。車そのままバックで下り坂を下っていき、ガードレールに後ろ部分をぶつけ停車した。
13分後、ゴールの第十七学区、根本に到着した。FDはその後遅れて到着した。
駐車場があったため、車を止め、車から出ようとしたその時だった。なんと右には、美琴、黒子、飾利、涙子の4人が立っていた!
「ようやく見つけましたわ。ハチロクの操縦者、子安あずまさんでしたわね。たっぷりとお話を聞かせてもらいますわ。さぁ同行を。」
抵抗をすることなく、あずまは黒子の指示に従った。4人の表情が険しいことに気づいたあずまは、これはやらかしたなと痛感したのだった。
ゴールをしたあとのあずまは、黒子ら4人にどこかに連行されたのだった。
険しい表情の先には、この4人の思っていたことが奥に組み込まれていたのだった。
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