とある東京の運転・能力使い(ドライブテクマスター)   作:KBS滝原

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この話では、あの4人がハチロクを追うまでの話をしますので、今回は子安あずま君は少ししか出ません。ご了承ください。

美琴、黒子、飾利、涙子の4人は子安あずまを追跡するため、あずまの情報についてをしらみつぶしに調べていた。追跡していく上で次々と現れる不可解な事実に、この4人はどう取るのか?


第4話 追跡

黒子と飾利は、書庫、つまりバンクから子安あずまの情報についてを調べていた。

 

「何を調べても見つかりませんわ。あの子安あずまという男の情報が。」

 

黒子がつぶやく。飾利も探すが、子安あずまの情報が載っていないためこれ以上の調べようがないと判断。一七七支部のデスクに戻り、逆に今度は学園都市の中で車を所有している住民を探す。だが全住民を調べてみても、車は全て4気筒の車、またはハイブリッドディーゼル、完全な電気自動車、そして燃料電池自動車などの現代的な車両しか走っていないため、ハチロクを持っている人がいないことが分かった。だが2人は確信したのである。全住民が現代的な車両を持っていないというのなら、ハチロクは1台しかいないということになる。一方美琴はというと、単独でハチロクを探していたのだ。

あの怒り口調に何が気にくわなかったのか分からなかったのだった。

 

「あのなお嬢ちゃん。言い方ってもんに気を付けろ。」

 

そんなあずまの一言にイラつき度が増していく美琴。BRTのバスジャック事件の時、あずまが電撃でジャック犯を仕留めたとなれば、負けず嫌いの美琴は勝負をしてみたくなってしまう。だがその後も、1時間近く探し回ったが、ハチロクは見つからなかったのである。埒が明かないと判断した美琴は、一度、一七七支部に戻る。

 

「そちらはどうでしたの?」

 

「全然いないわ。まったくどこ行ったのよ!」

 

すると後ろから、涙子がやってきた。

 

「ちょっといいですか?実は最近、あずま君の調子が良くないみたいなんです。私がいろいろ話しかけても何も応じてくれなくて、更に食欲もないみたいで・・・。」

 

涙子が感じ取った異変を3人に話す。

 

「まぁ突然学園都市に来たのですから、相当な迷いに侵されてるのは無理がないとは思いますけれど・・・」

 

黒子が言う。

 

「でもあのBRTのバスジャック事件では、御坂さんと同じ電撃で犯人を仕留めたって話ですからね、もしかしたらLEVEL5がまた一人増えるかもしれませんね。」

 

飾利が言う。この学園都市には7人しかいないのだが、もしあずまがLEVEL5なら、8人の超能力者がいるということになる。美琴はそれを聞いて闘志がみなぎってきている。元々負けず嫌いな性格であるがため、自分と互角な能力者がいるとなれば勝負したくなるのだ。そんな話をしていた、その時だった。監視カメラを開いていたパソコンに、なんとあずまの姿が!

 

「初春!パソコン見て!」

 

涙子の声に飾利は反応した。監視カメラには、交差点を渡るあずまの姿が見えていた。するとあずまは、ある建物に入った。

 

「あそこって確か、学園都市トラフィックサービス東というバス会社の本社よね?もしかして何か用があったのかな?」

 

美琴が疑問に感じていた。そういえばこの4人は、あずまがかなり交通機関好きであることを知らなかったのだ。BRTに乗った理由も分からない。更に言えば、どうやって電撃能力を習得したのかということが分からなかった。普通であれば、学校に通わなければ分からないもの。元々その能力は備わっていたのか?根底から疑問に思っていた。カメラをそのまま動かし続けると、会社から出てきたあずまの姿が。そして彼は、タクシーを走らせ、涙子の家へと向かった。

 

涙子は追跡していたということを知られないために、何食わぬ顔で帰宅したのだった。なぜ彼女たちはそこまであずまにこびりつくのか?先ほどの通り、あずまはハチロクで強盗現場に舞い降りただけでなく、BRTのバスジャック事件で能力的にジャックした犯人を成敗したからである。更に涙子は、チンピラたちに囲まれていたところをあずまに助けられたこともあり、4人はあずまが何者なのか、逆に興味を引き付けられたからである。涙子は帰宅した後、ご飯どうするかと聞くと、あずまはいらないと答えた。ここ数日であずまの顔色が悪い。見かねた涙子は、あずまの横に寄りそう。

 

「学園都市に来てあまり分からないことがあるのは分かるよ。でもさ、ここに来た以上は、やはり前を向かないといけないよ。」

 

宥めた涙子だったが、

 

「お前に・・・何が分かるんだよ・・・。俺がどうすればいいのか分からないその心情をお前にどうやったら分かるんだよ!」

 

激高したあずまは、ちゃぶ台をひっくり返した。もはや精神が錯乱状態と化してしまっていたあずまは、涙を一滴垂らし、2階に上がった。涙子はどうすればいいのか分からなかった。自分は何をしたのだろうか、それが分からないでいた。もしあずまを傷つけてしまったのなら、謝ろう、そう思っていた。そして翌日、あずまはこの日から3日も帰らないという事態に。

 

緊急会議の時。飾利は自分のパソコンを取り出し、インターネットを開いた。すると掲示板にこんな書き込みが発生した!

 

「ちょっと皆さん!見てください!」

 

飾利の言葉に3人が寄る。そこには・・・

 

「今日ハチロクとFDが第二一学区から第十七学区まで勝負するってよ!」

 

「久々にこれを見られるなんてなんという奇跡だ!」

 

「どっちが勝つと思う?」

 

「俺だったらハチロクだな。あの子安という奴なら、非力のハチロクでも巻き返しできそうかもしれないからな!」

 

ハチロクが戦うかもしれないという情報を聞きつけたつぶやき住民が掲示板に書き込みをしているのだ!

 

「もしかして・・・あの走り屋と戦うとかじゃ・・・!」

 

黒子は恐ろしいことが脳裏をよぎったのである。学園都市の走り屋を荒らした謎の走り屋たちが、あずまに挑発した可能性もあるということだ。謎の走り屋は、元々学園都市にいた3つの走り屋グループを卑劣な手を使って沈めたという話が広まっており、あずまが来る1カ月前、走り屋の1人がその事故で亡くなったという事案が発生した。この事件は、あの謎の走り屋たちが故意に衝突させて死亡事故を引き起こしたものだが、警察、学園都市で言うアンチスキルは、これをただの操作ミスによる事故として処理をしてしまった。その事件が起きてからか、第二一学区では治安が悪くなってしまったのだ。事件が事故として処理されたことに、3つのグループが怒りをあらわにしていた。

 

「それってまさか・・・」

 

飾利が思ったことを黒子に尋ねると、合っているとした。だとしたら、かなり危険である。急いで飾利は、学園都市にいる走り屋たちを検索し、そこから一人一人当っていく方式をとった。あずまの身に何が起きるか分からない。それは誰もが回避したいと思っている。4人は一斉に分散して動き出した。

 

各々が走り屋たちに尋ねていく。

 

第十九学区。午後6:00に謎の走り屋たちは車に乗ろうとしていた。するとそこに来たのは、なんと美琴だった!!

 

「なんだよお嬢ちゃん。俺らになんか用あんのか?

 

「ええ。たっぷり用件があるわ。」

 

そういい、美琴は、あずまの写真を走り屋たちに見せる。走り屋たちは知らないというが、美琴は、

 

「へぇー。じゃあなんであのカメラにあんたたちとこの男が話しているところが写っていたのかしらね?」

 

怒り口調気味に言う。謎の走り屋たちの返答は変わらない。すると美琴は体に電気を帯び始めた!それにびびる走り屋の2人。

 

「さぁ正直に話しなさい。この男となにをしていたのかを。」

 

「ちょ、挑戦してやりたかったんだよ!ハチロクが来たって言うから、そいつをおちょくってやろうかと思っただけだ!」

 

「それは違うでしょ?あんたたちはこの男にバトルを申し込んだんじゃなくて?」

 

「あ、ああ・・・。今夜、7:00に、第二一学区に集合となっている・・・。」

 

怯えながら話す男2人。美琴は黒子に連絡する。聞きつけた黒子は、10分後、4人を招集させ、スタート現場に向かう!しかし、時すでに遅し!バトルは始まっていたのだった!急いでゴールの根本に先回りする!

47分後、ゴールにたどり着いたあずまを見かけた4人は、すぐさま一七七支部に連行。

 

177支部。

 

「まぁお座りくださいな。」

 

黒子はあずまに、着席するよう命令。会議テーブル1台に、1台の椅子。あずまを囲むように4人が立っている。

 

「あなたに聞きたいことがありますわ。まず、あなたはなんというお名前ですの?」

 

黒子が聞く。あずまは自分の名前を言った。

 

「あずまさん。あなたはあの銀行強盗の事件の日、突然上から降りてきたんですけど、何があったんですか?」

 

「そんなの俺が知りたいよ!大体なんであんなやべぇところに舞い降りるんだか。」

 

「そんなことは知ってますの!私たちはあなたがここに来る前どうしてたのかを教えてほしいと言ってますの!」

 

「ここに来る前、俺は箱根というところでバトルをやってたんだ。小田原駅からスタートして、三島駅がゴールなんだ。そしたら、俺、ハンドルの切る位置誤って、壁にぶつかりそうになったんだよ。死ぬなと覚悟したあの時だったんだよ。黄色い光が出てきたのは。それでああなったんだよ。」

 

飾利、黒子の2人はあずまを徹底的に調べ上げる。あずまはそれにただ応じているだけだった。事の経緯を話すと、美琴は、

 

「これは私も聞きたかったんだけど、あんたなんであたしと同じ能力を持っているんのよ?どうやって習得したのよ?」

 

と聞く。

 

「それも知らんよ!こっちだって知りてぇよ。ってかおめぇよ、言ったはずだぞ?言い方に気を付けろと。ため口で結構。でもあんたという呼び方やめろと言ってんだ。おめぇ次そんな呼び方やったら、ただじゃすまねぇからな?」

 

美琴のあんたという呼ばれ方によっぽどグサッと来てしまったらしい。手は出なかったが、怒りに任せてか、美琴の胸ぐらを強くつかんでしまったあずま。

 

「ちょっと落ち着いてください!あずま君。私だって心配してたんだよ!なんで3日も帰ってこなかったの?」

 

涙子は強い口調であずまに聞く。

 

「どうせ俺なんかいらねぇんだろ?」

 

「は?」

 

あずまの腑抜けた答え方に疑問を抱く4人。

 

「俺なんかいらないんだろ!?学園都市に俺のハチロクは降ってきて現場はめちゃくちゃ。そのくせBRTでバスジャック犯成敗、それに急についた能力。電撃・・・俺は34歳なんだよ・・・俺は、元々バス運転士だったんだよ!変な能力がついて、下手すれば人を殺すかもしれないのに・・・それに、カフェで知り合ったおじさんが言ってたんだよ!俺は、学園都市に必要とされていなければ、その先どうにもならなくなるだろうって。とにかく34歳の俺は、君たち中学生に迷惑をかけたくないんだよ!だから3日、いや、永久に家を出ようと思ったんだよ!」

 

その言い分を聞いていた4人。するとそれを聞いていた涙子は・・・

 

「必要だよ!あずま君は、私にとっては必要だよ!そりゃ、学園都市の皆からすれば、この答えを聞けば、何だよこの人って思うけど、でもあずま君は、私を助けてくれたじゃない!そんな腑抜けたあずま君の言い分なんて聞きたくないよ!」

 

「そうよ!」

 

美琴が同情すると、胸ぐらをつかみ、

 

「どこで習得したか分からないその能力がついたからって、人生をやめるような発言をするんじゃないわよ!私だって、このレールガンの能力が付いたとき、本当に人を殺傷する恐れもある能力だって・・・でも私は、その能力を人のために使う。そう決めてるの!34歳といういい大人が、そんな腑抜けたこと抜かしてんじゃないわよ!」

 

美琴はその後、あずまの右頬に強烈な一発を食らわせた。あずまは・・・

 

「そうだよな・・・まだ未来のある君たちの前でそんな台詞を吐くって、どうかしてるよな・・・。俺は間違ってた・・・。皆に迷惑かけたくないって思ってやった行動がこれとはな・・・。」

 

後悔の一言を吐くあずま。美琴の一言が突き刺さったのか、彼は大粒の涙を流す。あずまは人生でこんなに大粒の涙を流すのは2回目だった。

 

「自分一人で抱え込もうとするなんて間違いですよ!佐天さんだって、白井さんだって、御坂さんだって、それに私だって、どうなるか心配だったんですよ!?別に迷惑をかけたって、いいじゃないですか・・・私だってまだ迷惑かけてしまってることたくさんあります!でも、協力して事を成し遂げるって、私はすごいことだと思います・・・だから、そうやって悲観的にならないでください!私たちも、できる限りのことはします!」

 

飾利が涙を垂らしながらあずまに一言発した。あずまは戸惑いを見せる。34歳の自分がこんな年下の中学生たちに支援を受けるなんて・・・でもこれを言われてしまったのだから、仕方ない、そう思った彼は・・・

 

「でも言っておくけど、俺は色々と頭悪いよ?ミスだって起きてしまうし、文句だって言われてしまうし、迷惑をかけること多いよ?そんな俺でも、大丈夫?」

 

「いいですのよ。ね?皆さん。」

 

黒子は尋ねる。全員OKしたのである。

 

「あなたは元々この世界の人間ではない、バス運転士をしているんですのよね。私たちは元々受け入れる準備はしてましたの。あなたが異世界の人間でも、別に堂々としていればいいと。これからよろしくお願いしますわ。」

 

あずまは涙を拭い、返事をした。

 

「改めて、俺は学園都市トラフィックサービス東の新人社員、子安あずまです。」

 

「常盤台中学2年、御坂美琴よ。」

 

「同じく常盤台中学の1年、白井黒子ですわ。」

 

「柵川中学1年、初春飾利です。」

 

「改めて、柵川中学1年、佐天涙子よ。」

 

こうして全員の自己紹介(改)が終わった。4人の中学生と1人の34歳新人社員の、新たな活躍に、青信号が点灯した!




5人が団結し、動き出した新たなグループ。果たして、彼らの活躍はどう輝くのか?

次回 消えない事実、やるせない気持ち
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