とある東京の運転・能力使い(ドライブテクマスター) 作:KBS滝原
夜の学園都市。自動販売機で炭酸飲料を3本分購入したあずまは、ハチロクを走らせ、涙子の家に戻った。彼はその後私服に着替え、少しの間出かけることにした。時刻は午後7時30分。こんな時間になぜ出かけるのか、涙子は心配になった。あずまはハチロクを使わず、徒歩で出かけることにした。セブンスミスト方面に向かったあずまは、炭酸飲料片手に中に入ろうとする。すると、後ろから右肩を掴まれる。誰だ?そう思い振り向くと、なんとそこには、美琴がいた!
「さぁ捕まえたわよ。今日こそは勝負をしてもらうんだから!」
「嫌だね!俺は君みたいな人と戦う気など起きねぇわ!」
「じゃあ、この写真ばらしてもいいのかしら?」
美琴が脅しをかけた。なんだと思いあずまが尋ねると、そこにはあずまと由美子が一緒に歩いているところの写真が!しかもそこには、手をつないでいるという写真が!
「この写真を黒子たちに見せたらどうなるかしらね?更にあんたが本当は学園都市の人間じゃないってばらしたら、あんたの人生は終わりよ。」
美琴の脅しの一言に、ビビるどころか、あずまはむしろ突っ込みたくなってしまう。
(なんかどこかで見たことのあるような脅し方だなww こんな脅し方で俺は動じると思うのかな?ww あ、でも美琴君の能力を見てみたいからな、今回は敢えて脅しに乗りますか!)
「ちょっとあんた、聞いてんの!?人生どうにかなっても知らないからね!?」
「分かった。今回は美琴君の求めに応じて、勝負を承ってやる。いいか?今回はだ。俺がその勝負に勝ったら、その写真消してもらおうか。」
敢えて応じる姿勢を見せる。20分後、2人は貨物の操車場に到着した。
「ここなら誰だって迷惑かからないし、勝負にはもってこいの場所だ。貨車があるからな。どこからでも勝負に来なさい。」
すると美琴は電気を帯び始める!この勝負を待っていたんだからと言わんばかりに、高圧電流を流し始める!無防備のあずまはその電流を受け流した。
(電撃が効かない・・・?まさか!?)
電流を受け流したあずまに驚く美琴。まさかあの男と!?そう思った美琴は、あずまに尋ねる。
「なんで無防備なのにあずま君は感電しないのかしら?まさかあいつと同じじゃないとかいうんじゃないわよね!?」
「あいつって、あの上条とかいう男だったか?聞いた話では右手で能力をぶっ壊してるみたいだが?だけど俺はそいつとは能力が違う。だが俺はこんなことより、美琴君に聞いておきたいことがある。あの時の俺は、精神が錯乱していて、君の頬に一発拳を入れて、推定80m以上飛ばされたんだぞ?なのになんで美琴君はそんな平然とした態度で俺に勝負挑めるのかね?」
自分が美琴に何をしていたのかを分かりつつ、あずまはなぜそんな勝負をしたいという気持ちでいられるのかが気になっていた。
「あずま君に殴られて倍返ししてやりたいという気持ちはあるけど、私はそれ以上にあずま君と勝負したいという気持ちが勝ってるのよ。」
「なるほど。だが、あいにく私は今精神的肉体的にも疲れが発生しているのでな、あまり時間はない。勝負は手短に済まさせてくれ。」
「弱気になったのかしら?その台詞を吐くというのは。あずま君が何と言おうと、私は全力で勝負するだけだから!」
そういい美琴は、砂鉄の剣を作り出した。あくびをしながらあずまは、砂鉄の剣かと尋ねた。美琴は、チェーンソーみたいになっているので、触れたら出血するかもと言い、あずまに接近する!あずまは身のこなしに徹する!あずまの動体視力は並大抵のものではない。振ってくる剣の特性を分析する。そしてあずまは、分析に成功した。だがあずまは敢えて泳がせ、美琴がどう攻撃してくるのか、パターンを見つけることに徹していた。
「ちょこまか逃げ回ったって、こいつには、こんなこともできるんだから!」
そういい美琴は、砂鉄の剣を鞭に変化させた!あずまはその鞭の内側に入り、美琴の持っている鞭の持ち手に一発キックを入れる!砂鉄が散りばめられていく!あずまはその後、近くにある貨車に隠れた。
「さぁ出てきなさいよ!隠れるなんて男気がないわ!」
美琴があずまをけん制する!あずまはというと、貨車の下に入り、コンテナを積載する部分に捕まっていた!偶然にも貨車はつながっており、そこから伝って逃げようとしたのだ。だが車止めに足が当たってしまったか、音を鳴らしてしまった!
「そこにいたのか・・・逃がさないわ!」
あずまが逃げようとしたが、手を掴まれてしまった!
「電流は打ち消せても、感電してしまえば終わりよ!」
そう言ったが、あずまに流した電流は全て熱として捨てられてしまっている!それどころか、手がどんどん熱くなってきている!
「どういうことよ!あずま君の手はどうなってんのよ!?」
「君は知ってるか?電車では古くから使われてきた制御装置、抵抗制御を。」
抵抗制御。美琴はそれを初めて聞いたため、分からなかった。あずまは抵抗制御についての説明を始める。
抵抗制御とは、電車では古くから使われ続けてきた制御装置で、電車はモーターに電気を流して走行する。しかし、そのまま高圧の電流を流すと、モーターは焼損してしまうため、変電させて、少量の電流だけをモーターに流す。余った電気は全て熱として捨ててしまうのだ。あずまはその制御装置と同じ方式の技が使えるのだ。
「だから君の電撃でも、俺には効かないってわけよ。さぁもういいだろ?俺は疲れてんだ。君と勝負する時間はない。」
だがその時、
「おい、こっから声がするぞ!」
操車場の作業員と思しき人たちが声を聞いて駆け付けた。見つかるとまずいと思ったあずまは、美琴をお姫様だっこした!
「ちょっと、どういうつもりよ!?」
「少々手荒だが、我慢してくれ。」
そういうと、ポケットから透明の筒を出し、軽油を飲み込んだ!
「美琴君。俺に電気を流してくれ。」
あずまはそういい走り出す。美琴はあずまにしがみつき、不本意ながらも電気を流し始めた。すると、徐々にスピードを出し始めた!抵抗制御は、ある一定のスピードになると、スイッチを閉じ、スピードを徐々に上げていく。これは界磁弱めでスイッチを閉じていくという方式だ。
美琴は顔を赤くしながらしがみついている。14分後、第七学区、学舎の園に到着した。あずまはかなり疲弊してしまっている。美琴は大丈夫かと尋ねる。ここまで疲弊し切っているあずまは初めて見たようだ。あずま自身も、ここまで息を切らしたのは初めてのようだ。
美琴を寮の近くに置いたあずまは、息を切らしながら、よろけながら、涙子の家へ向かった。午後9時。涙子の家に到着したあずまは、すぐ部屋に戻り、入浴した。その後彼は、夕食を食べずに部屋でぐっすり寝たそうな。
午前8時。この日あずまは休みのため、ジャッジメント一七七支部に向かった。そこには、黒子、飾利と、もう一人の女性がいた。
「あなたがバス運転士の、子安あずま君ね。私は固法美偉。よろしくね。」
眼鏡を装着しているこの女性は、固法美偉。黒子の先輩だ。あずまは少しばかり驚いている様子だ。無理もない。見たこともないのだから。
「さっそくだけど、あずま君には巡回に行ってほしいの。今後巡回するというのも仕事に入ってくるから、今から研修しておけばいいと思うわ。じゃあ、初春さん、お願いします。」
飾利は返事をした。あずまは飾利にお願いし、一緒に巡回へと向かった。一七七支部には巡回する範囲が決まっており、その範囲を巡回するが、ただ巡回すればいいというわけではない。道を覚えなくてはいけない上、その管轄する巡回範囲内を走る路線も覚えておかなくてはならない。また、どこがどのお店というのも覚えなくてはいけない。あまり分からない人からすれば、人に聞くのが最終手段となるためだからだ。
30分後、あずまと飾利は、あるお店に寄った。名前は、「海浜スクリーンシール」だ。あずまはネーミングセンスに疑いを思った。スクリーンシールをとっさに訳すと、何か聞いたことのある地名が浮かんだ。そんなことを考えていると。
「あずまさん?急にぼーっとしてどうしたんですか?」
飾利はあずまがぼーっとしていたことが気になり、話しかけてしまう。ふっと覚ますあずまは、飾利に何かと聞き始める。
「ここ、人気のケーキがおいてあるお店なんですよ。これです。しじみケーキです。しじみって、独特のにおいが発生すると思うんですけど、それを消して、でもしじみの味は残しているという新種のケーキです。私が出しますから、食べましょう!」
「でも、今は業務中だぜ?」
「大丈夫ですよ。」
そういわれ、渋々食べることに。テーブル席で食べると、今まで食べたことのないケーキだと実感するあずま。スプーンの勢いが増す!
「確かにしじみの味は残ってるね。においがないから、これならいけるわ!」
そのあずまの姿を見た飾利は、なぜかあずまがかわいく感じてしまった。だがその時、
「なんか遅いと思ったら、こんなところで油を売っていたとは、呆れましたわ。」
黒子がいた!目は怒りモードになってしまっている。2人の体がすくむ!そして2人は強制連行。
一七七支部。
戻ってきた3人は、今回の研修を含め、次回の研修についてを話し合った。そしてさきほどの路線。各路線のルートが載っているマップを渡される。
「まぁ、あずまさんだったら、こういう交通機関系については詳しいでしょうから、すぐに覚えられると思いますよ。」
飾利が一言付け加えた。期待を裏切りたくない、そんな決意が固まったあずま。そして3人は、今日の研修はここまでという事で解散した。
一七七支部を後にしたあずまは、徒歩で涙子の家に帰宅しようとしていた。すると道中で、財布を無くしたと叫んでいる中学生に会った。黒い髪に少し噴火しているような頭、ワイシャツは飛び出ていて、ズボンに入っていない。その姿は、何を隠そう、上条当麻だった。
「何かお困りですか?」
そう声をかけると、当麻はあずまに事情を説明し始める。これは大変だと思ったあずまは、すぐさま捜索に入った。捜索に入ったあずまは、どこに落としたのか、今どの道中かを尋ねた。この日はどうやら、買い物からの帰りだそうで、そのお店からさかのぼって調べることにした。しかし、探しても未だに見つからない。あずまは、能力を発動する。すると、
「もしかして、さっきスーパーに行ったとき、落としたと思うんですが。」
あずまは当麻に聞き、さきほどのスーパーに入る。店員に尋ねると、当麻の財布が出てきた!財布は貴重品だ。無くしてしまうと大変なことになってしまう。
「ありがとう。ところでお前は、何者?」
「私はバス運転士兼ジャッジメント協力者の子安あずまです。」
そう紹介すると、あずまはその証明するカードを提示する。
「俺、昔から運悪くてさ、こういうことしょっちゅうあるんだよな。俺もよくよく運のない男だな。」
「それは俺も同じさ。学園都市にかなり最近に入ってきた新人なんですけどね、前は他のところでバス運転士やってたんだよ。だけど、客からクレームが毎日来るわ、バスになんか知らないけどキッズたちがボール当ててしまったり、挙句にはスケボーで制動効かずにぶつけられたこともあったからね、私もよくよく運のない男だな。」
「そりゃバスはお客さんと近いだろ?それに事故の頻度も電車と違って多いからな。」
話が進むあずまと当麻。2人は当麻が住んでいるマンションまで行った。
「ありがとな!あと一つ気を付けてほしいのが、最近電撃をぶっ放すビリビリ中学生がいるから、気を付けろよ。」
あずまは、美琴の事かと察した。そんなこんなで2人は解散した。
(上条当麻・・・あの男がか。なかなかいい男だったな。)
(子安あずまか。あいつならあの御坂の暴走を食い止めてくれるだろうな。期待してるぜ。)
涙子の家。帰宅したあずまは、お土産にと買った、あのしじみケーキを涙子に上げる。
「どうしたの?」
「これね、しじみケーキって言って、せっかくだから涙子君にも買ってあげようかとおもったのさ。」
涙子は何だかうれしかった。早速開封すると、円柱にしじみが4地点もあるのだ。食べると涙子は、おいしいと叫ぶ。そして涙子は、あずまに、口を開けてといい、ケーキをあずまに食べさせた。これはまさにカップルというか、なんというか・・・
いつもの夜を迎えたあずまは、今日はコーラを2杯ほど飲み、眠りについた。
ジャッジメントの研修が始まったあずま。バス運転士も大変だが、学園都市の人間として、倦まず弛まず頑張ることを決意した。だが早速、あずまにミッションが発生する。
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