勇者ヨシヒコと魔法少女   作:ぶんた

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いろいろ足りないクロス冒険活劇!

まどマギ×勇者ヨシヒコ
舞台はまどまぎ中盤、人魚結界からとなりますゆえ、
まどまぎ未視聴の方にはネタバレになります。
ご注意を!


その1

 海の底のように青く暗い闘技場で、ひとつの闘いが幕を閉じようとしていた。

 

 異形と化してしまった友人を正気に戻すべく、杏子とまどかはそれと対峙したのだった。心の底から訴えれば、優しくて正義感の強い彼女は正気を取り戻してくれると二人は信じて。

 

 そして。結果は無残なものになりつつあった……。

 

 さやかであった巨人は多腕に持つ剣で杏子に斬りつけ、車輪を投げつける。優れた敏捷性を生かしての強襲離脱を得意とする杏子にとって、まどかを守りつつ防御に徹する闘いは、最も不得手な戦闘行動。そんな彼女が記録的な時間を防ぎ稼いだ時間をもって訴えても、巨人に変化はなく。むしろ手ごたえのない相手に苛立ったのか、攻撃は激しさを増していき……。

 そして満身創痍の杏子はついには倒れ、巨人に捉えられてしまったのだった。

 

「杏子ちゃん!」

 

 まどかが悲痛な叫びをあげる!それをかき消すように観客席の楽器をもった影たちは、悲劇を彩る演奏をより一層盛り上げた。

 

 ああ、やっぱりそうだ。現実は非情なんだ。愛だの夢だの魔法だのじゃあ、それが覆ることなんて、ない。そんなことわかっていた。わかり切っていた。誰よりもわかっていたはずだった!

 でもあいつなら……。ボロボロになっても夢と理想を目指し、自分を曲げなかったあいつなら、甘っちょろいキレイ事でうまくいくかもしれないって思ってしまったのだ。いや、思いたかったのだ。

 元に戻ったさやかとまどかと三人で笑いあう、未来がくることを。

 

「神様……。こんな人生だったんだ。せめて一回幸せな夢を見させてよ……」

「……ョーコ、キョーコ」

 

 杏子がらしくない泣き言をこぼしたそのとき、彼女に呼びかける声がしたのだった。

 

「ううん?誰だ?」

 

 助っ人か?いや、心当たりはまったくない。だが事態の変化によって、まどかを逃がすことはできるかもしれない。杏子は周りを見回し気配を探る。

 

「あ、あれっ……!」

 

 驚きのまどかが指さす先に、それはいた。いつのまにかもくもくとわいた雲の合間から、ブサイクなおっさんがキョドっていた!

 

「な、なにここ?なんかこわっ!さむっ、こわっ!」

 

 状況把握に長けたベテラン魔法少女の杏子だが、あまりのことに思考が固まり判断できない。

 

「ぶつぶつ頭に、大きくて地味な顔!大きな耳たぶと袈裟!後光も差してるし間違いないよ。あれは仏様だよ!」

 

 まどかが興奮して叫ぶ。いや仏って、あんな顔のでかい、さえないおっさんが?

 

「ね。あれよばわりってなに?それにきみもなんか失礼なこと思ってるだろ?仏にはわかっちゃうんだぜ?」

「やっぱり仏様だ!仏様お願いです!さやかちゃんを助けてください!かんぴょーほーれんそー!」

 

 両手を合わせ膝をつき、まどかは記憶の底からからひっぱりだしたお経を唱えだす。

 

「おい、桃子。それツッコミまちか?おまえなーいくら可愛くても許されることと許されないことがあってだな……」

「なんでもいいから、なんとかしてくれよ!おっさん!」

「なんとかっておい!藪から棒になんとかいわれたってわかるわけねーだろが?」

「あのおっきいのが、さやかちゃんなんです!」

「あれにさやかとかネーミングセンスなくない?いじめ?」

「いろいろ違うがこっちは急いでんだ!仏なんだから、なんとかしてくれ!はやく!」

 

 実際掴みつぶされる寸前の杏子に余裕はない。

 

「あーもうね!わけわかんない!それに人にものを頼むならそれ相応の頼みかたってのが……」

「おねがいです!仏様!さやかちゃんを元に戻してください!」

 

 涙ながらに訴えるまどかを見て、仏は盛大にため息を吐く。

 

「あーもう、わかったわかった。女の子に泣きつかれちゃあなぁ。えーと、そのでかいのね?」

 

 仏はおもむろに人魚の巨人に掌を向けて、むにゃむにゃつぶやきながら体をくねらしだす。次の瞬間、巨人は光り輝き消滅する。

 

「はーい!なおっちゃった!なおしちゃいましたー!」

 

 仏は得意絶頂で叫んだ!

 

「やった!やったよー!さやかちゃーん!」

 

 巨人の居た場所に倒れてたさやかに、まどかは駆け寄る。

 

「どうよどうよ?まぁね、ほら、仏だし?やろうと思えばできちゃうわけよ」

 

 あまりの事態に固まる杏子だが、(自称)仏のドヤ顔はその大きさもあってひたすら鬱陶しいとだけ思っていた。

 

「なにがどうなっているの……」

 

 まどかを救うべく人魚の魔女結界最深部に侵入したほむらは困惑していた。

 元にもどるはずのないさやかにまどかが抱き着いている。あの喜びようだから死体ではないのだろう。その横で呆然と佇む杏子。極めつけが雲の合間から覗く、顔の大きな怪しいドヤ顔したおっさん。今まで見たことのない事態だ。

 

「さて、四人そろったところでと」

 

 自慢げに体をくねらせていた仏に視線を向けられて、ほむらは体を硬直させる。

 

「こっちも忙しいんだからさ、さっそくはじめるぜ?えーごほんごほん。あー、山を一つ越えたところにある村に……天空の鍵があるという噂が……あるようだ……。ヨシヒコとその仲間たちよ、至急赴き鍵を手に入れるのだ!」

 

 仏は空を指さし、決め顔で高らかに宣言する。

 

 ――暫しの沈黙の後、杏子がつぶやいた。

 

「……ヨシヒコって、誰よ?」

「え……え?」

 

 仏は目をぱちくりする。ちっとも可愛くはなく、鬱陶しさ増し増し。

 

「よくみれば女の子四人って……、ヨシヒコ達の変装だったりする?」

「いや、ぜんぜん……」

 

 杏子は首を横に振った。

 

「いやさっき、呼びかけに答えたでしょ?答えないとこれ、繋がらないからさ!そこの赤子がヨシヒコでしょ?」

「キョウコ!私はヨシヒコじゃなくて、キョウコだ!」

「キョウコ?ヨシヒキョー……。ヨシフィキョーゥ……、ヨシフィ、キョーゥコゥ?」

 

 仏は頭を捻りながらブツブツいっていたが、ぽんと手を打って頷きだす。

 

「ああー。フランス語っぽく呼んだから、違うとこに繋がっちゃったのか!謎は解けた!ごめんごめん!まーしょうがなくね?」

 

 仏は片目をつぶりながら舌を出した。

 

「おっさんのテヘペロうぜぇ」

 

 杏子は苦虫を潰したような顔で吐き捨てた。

 

「でもさ、ふつう間違ってますよー?とかいうもんじゃない?最近の若い子はさ、どうなの?あーもう損した!こうみえて暇じゃあないんだぜ?仏だし!あ?こう見えてって、どう見えるの?暇そうにみえるの?もうほっとけー!仏力も結構つかったしなぁ、経費でおちるかなぁ……」

 

「仏様!さやかちゃんを助けてくれてどうもありがとうございました!」

 

 テンション高く一人でしゃべり続ける仏に、まどかが声をかける。

 

「むぅ。きみはよくできた娘さんだね。じゃあきみに免じてよしとするけどさ。これは貸しよ?貸し!じゃーそういうことで!あー、ヨシヒコ?ヨシヒコー……」

 

 小さくなる呼びかけの声とともに、仏の姿は薄くなり消えてしまった……。

 

 魔女の結界が消えたそこは、暗闇に沈む多くの電車車両のある車庫のようだった。静かに寝息をたてるさやかに、まどかはしがみつき、すすり泣く。杏子とほむらは余りの事態に固まっていたのだった……。

 

 

 そうして暫くした後、杏子はぽつりと呟いた。

 

「仏教、すげぇ……」




手探り投稿ですいません。どうでしょうか……(汗)
のんびり、お付き合いいただければ幸いでございます!

まあ二朗さん変換なだけで、こんなんでもわらっちゃうますよネ!(w
そうでもない?ゴメンナサイ……;
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