勇者ヨシヒコと魔法少女   作:ぶんた

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その11

 ――本編より暫し前の出来事。

 

「……残念ですが、氷の魔女討伐は仏に禁じられているのです」

 

 氷の魔女の城から漂う冷気によって、麓の村々は深刻な冷害を受けていると村人は訴える。

 その助けを求める声に、ヨシヒコは苦渋の返答を絞り出したのだった。

 

「お願いです!このままでは村は……。氷の魔女は見目麗しい外見に反し、恐ろしい魔物なのです」

「!」

 

 村人の叫びに、ヨシヒコが激しく反応する!

 

「そこ、もうちょっと詳しくお願いします」

「恐ろしい魔物です」

「違う!その前!」

「見目麗しい外見?」

「そう、そこ!」

 

 ぐいぐい食いついてきたヨシヒコに、村人はどん引きだ。

 

「氷の魔女は妙齢の美女。絶世の美貌と、ボン!キュッ!ボン!な、魅惑のわがままボディ……」

「行きましょう」

「は?」

「勇者として、やはり困っている人を見過ごすわけにはいきません。速やかに美女の城に向かうべきです!」

「ヨシヒコや。欲望がだだ漏れているぞ」

 

 暴走をはじめたヨシヒコにメレブはあきれ顔。

 困ったことになった。こうなったヨシヒコを止めることはできないだろう。三人の仲間がため息を吐いた。

 

 

 

*****

 

 

 

 はらはらと落ち続ける小雪と、風に舞い上がる粉雪。そこは一面の銀世界だった。吐く息も白くなる。

 そんな険しい山の中に氷の魔女の城はそびえ建っていた。いくつもの尖塔。その真ん中の主塔は天を刺すよう。その名の通り氷でできているのだろうか。曇天の空にもきらきらと美しく光る。

 

「ここが氷の女王の城……」

 

 紫色の布を頭に巻いた男、勇者ヨシヒコが城を見上げた。

 

「どこもかしこも凍り付いているな。まったく冷えるわい」

 

 見事なもみあげの渋い男が独り言ちる。この男の名はダンジョー。手練れの戦士だ。

 

「氷の城とかけまして、ムラサキの胸と解く。そのこころは、つるつる~!」

 

 おどけた口調でなぞかけを披露した金髪マッシュルームカットの男はメレブ。ローブと長い杖というまさに魔法使いといった様だ。

 

「あああ?氷の城とかけまして、メレブの冗談と解く。そのこころは、スベリまくりなんだよ!」

 

 凄みを効かせてメレブを睨み、すかさず応戦した女は村娘ムラサキ。小鳥を肩に止めている。もちろんただの村娘ではない。様々な技や術を使いパーティの危機を幾度も救っている。

 

「おお、二人ともうまいものではないか!どれ、儂もひとつ……」

 

 ぐぬぬ、と睨み合う二人を顎を撫でつつ眺めていたダンジョーが視線をさ迷わせだしたその時。

 

「先を急ぎましょう!」

「なにっ!まだなぞかけができていないぞ!」

「おっさん、いいから!それ心底どうでもいいから!」

「うむ。誰も得をせぬ」

「むむむ……」

 

 足早に進むヨシヒコに置いて行かれないようにと、メレブとムラサキが不満顔のダンジョーを引っ張る。

 そうして、氷の魔女の城攻略が開始された!




回想シーンに突入!
長くなりそうだったので、短めだけどここまで
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