勇者ヨシヒコと魔法少女   作:ぶんた

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その14

 翌朝。冒険者の宿。

 

「今だとダーマ神殿に匹敵する賑やかさだね」

 

 ゆっくりめの朝食を取りながら、ムラサキが少女達に教えてくれる。

 トーレボ王の街が大きく活気に満ちているのはいくつかの要因があり、その一つが『転職』できる施設があるかららしい。

 この世界では、戦士や魔法使いといった『職業』に就くことにより、その『職業』特有の技能を使用できるようになる。そうして戦闘を有利に進めることができるそうなのだ。

 さらに『職業』を変えることにより、より多くの技能を習得することもできる。その世界でも数少ない『転職』ができる施設があるというのだ。

 

「おい、それよりこれ……」

 

 驚き顔の杏子がとりだしたのは深紅のソウルジェム。少しの曇りなく深い輝きを放っている。

 

「わ。なにそれ、宝石?すっごい綺麗じゃん!あんたにぴったりだね」

「……そりゃどうも。それより濁りが無くなってるんだけど」

「!」

 

 その指摘にさやかとほむらが反応する。『魂』を褒められたからか、杏子はなんだか気恥ずかしい。

 

「ほんとだ……」

「……」

「なにそれお揃い?どれも綺麗な色だね。可愛いじゃん!ぴったりにあってるよ!」

「ぅ……」

 

 それぞれのソウルジェムを確認し目を見開いているところ、不意に飛ぶムラサキの褒め殺しに微妙な反応となる。

 

「よくわかんないけど大抵のものは宿屋で一泊すれば全快するからさ。ここは大きな街だから宿代かさむけどね」

 

 ムラサキは驚く少女達に微笑みつつお茶を一啜り。

 

「あんた達、仏に連れてこられて動き詰めだったんだろ?今日くらいは観光気分でゆっくりするといいよ」

「ありがとうございます。ムラサキさん!」

 

 蓮っ葉にツッコミをいれる好戦的なイメージのムラサキだったが、そんなことはないのかもしれない。

 メレブ、ダンジョー、仏。必然的にツッコミ役となっているのかな。ムラサキに対する印象を変えてお礼をいうまどかだった。

 

 

 

*****

 

 

 

 一面に広がる中世西洋の街並みは巨大なテーマパークのよう。少女達のテンションは上がりまくり。はしゃぎながら街中を巡る。

 ひときわ大きい店構えの『ボッタクリ商店』。なんだか粗野な客で満員なので少女達はスルー。

 静かなたたずまいの『カントー寺院』。神聖で荘厳な宗教施設はやはり胸打たれるものがある。三拍三礼しだしたさやかが睨まれたり。

 見慣れない品の並ぶ屋台を見てまわるだけでも、とてもおもしろく。

 

 ……そうして。ムラサキからもらったお金で軽食を屋台で購入し、一休み。

 

「あ!じゃあ、あれもいっちゃう?『訓練場』!」

「ああ、『職業』ね。あのおっさんが人間であれだけ強いのも、それなのかもな」

「…………」

 

 『転職』することによって、私も足手まといでなくなるかな?まどかはきゅっとこぶしをにぎる。そんな緊張しているまどかの様子を、ほむらはそっと見つめていた。

 

 

 

***** 

 

 

 

 『訓練所』はやはり多くの冒険者でにぎわっていた。

 暫しの順番待ちの後。それぞれに係員が付き、様々な質問をしたり宝石をかざしたり。これによって『職業』適正を測定するのだという。

 

「おお!これは……!」

 

 杏子の測定員、続いてさやか、ほむらの測定員が驚愕の声を漏らす。

 

「素晴らしい!これならどの『職業』も選びたい放題だよ!」

 

 三人のリトルルーキー少女出現に会場が沸く!

 

 ――その横で。

 

「……うーん。君は帰った方がいいよ?」

 

 無慈悲な戦力外通知に、まどかが押しつぶされていた……。




いつもの大変更;いじくりまわしです
みゃー!毎回超ごめんなさい!
長くなりそうなんで切ったんだけど、そうすると構成的に当初の冒頭は次回の冒頭にまわします;
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