勇者ヨシヒコと魔法少女   作:ぶんた

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その17

「わあ!お店がいっぱいだよ!」

「まどか。そんなにはしゃがないで」

 

 まどかとほむらも炎の宝珠を求め、露店を巡っていた。

 

「ん……。いい匂い!あれなんだろう?」

「焼いた肉をパンのようなものに挟んでるわね」

「ハンバーガーみたいなものかな?美味しそう!」

「まどか。遊んでないで探し物をしなくちゃだめよ」

 

 軽食の露店に激しく反応するまどかに、ほむらが特大のくぎを刺す。

 

「ううっ。そ、そうだよね……」

「……しょうがないわね。少し早いけれどお昼にしましょうか」

「うん!やったぁ!」

 

 未練たらたらのまどかに、ほむらはため息をつき、譲歩するのだった。

 

 

 

*****

 

 

 

 軽食を屋台で購入し、手ごろな芝生に並んで座る。

 

「いただきまーす!」

「…………」

 

 上機嫌なまどかに、ほむらは困り気味。遅めの朝食からあまり時間も経っていない。食べきれるか少し心配だ。

 まどかって、そんなに食べるほうだったかしら?

 勢いよく食べ始めるまどかを見つつ、ほむらも小さく齧りだす。 

 

「お肉本来の味を引き出すために、お塩をふるだけにしているのかな」

 

 ……脂身の多い肉に、塩をまぶして炙っただけ。臭みが残っているわ

 

 ご機嫌に絶賛するまどかの横で、ほむらは眉をよせた。

 

「ザクザクと歯ごたえのある強い風味のパンに、お肉からあふれる肉汁が染み込んでる!」

 

 ……粉が違うのかしら?ぼそぼそするバンズ……。

 

「口の中に広がる確かな満足感!ん~!おいひいー!」

 

 ……素朴な味わいといえば聞こえはいいけれど、現代日本人の味覚には合わない粗末な料理だわ。

 

「はむっはむっ!」

「もう……、そんなに美味しいの?」

 

 まどかの父親は料理の達人だ。それだけ舌も肥えているのかと思ったけれど、そうでもないのだろうか。

 できたてを差し引いてもあんまりな食事をべた褒めし、がっつくまどかに、ほむらは呆れた視線をむける。

 

「うん!ヒンナだよ!できたてアツアツだしね!それに……」

 

 まどかは食べるのをやめてほむらに微笑みかけ、空を見る。 

 

「こんなにとってもきれいな青空の下で、大事なお友達と食べてるんだよ?格別だよ!」

「えっ……!」

 

 ほむらは目を瞬いて固まった。まどかの言葉を心が理解するまでに少しの時間が必要だったのだ。

 そして、のろのろとパンを齧る。

 口の中に広がる強烈な味覚!

 あの時から、何を食べても何も感じることが無かった。無くなっていた。それなのに。

 

 ……不思議だわ。とっても美味しい! 

 

「美味しいよね!ほむらちゃん!」

「ええ……」

 

 食事に夢中になっていたまどかがほむらを見やると、ぐずぐずと泣きながらほむらが齧っていた!まどかは驚愕にびくりとする。

 

 ……泣くほど美味しかったのかな?

 

「だいじょうぶ!だいじょうぶだよ、ほむらちゃん!」

 

 まどかは肩をぶつけるようにほむらにくっついて、微笑みかけた。俯いてほむらの表情は見えなくなってしまったけれど、小さく頷いてくれている。

 

 並んで座る二人のうえに、青い空がどこまでも広がっていた。

 

 

 

*****

 

 

 

「ふ~美味しかったぁ!」

「……さ。探し物を再開しましょ」

 

 ほむらは泣いてしまった気恥ずかしさを隠すように、つとめて冷静を装う。

 優しい彼女のことだ。お見通しでしらないふりをしてくれているのだろうけれど。

 

「ほむらちゃん、あれ!なんだか甘い匂いがするよ。ベビーカステラっぽくない?いってみよう!」

 

 あれ?ほむらはグイグイまどかに引っ張られながら、んんん?と首を傾げた。 




小説情報>アクセス解析で、どんな感じに読まれてるとか見れるんすよ
16話の数値が異常なんですけど……
なに?なんで?バグってません?(汗
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