「わあ!お店がいっぱいだよ!」
「まどか。そんなにはしゃがないで」
まどかとほむらも炎の宝珠を求め、露店を巡っていた。
「ん……。いい匂い!あれなんだろう?」
「焼いた肉をパンのようなものに挟んでるわね」
「ハンバーガーみたいなものかな?美味しそう!」
「まどか。遊んでないで探し物をしなくちゃだめよ」
軽食の露店に激しく反応するまどかに、ほむらが特大のくぎを刺す。
「ううっ。そ、そうだよね……」
「……しょうがないわね。少し早いけれどお昼にしましょうか」
「うん!やったぁ!」
未練たらたらのまどかに、ほむらはため息をつき、譲歩するのだった。
*****
軽食を屋台で購入し、手ごろな芝生に並んで座る。
「いただきまーす!」
「…………」
上機嫌なまどかに、ほむらは困り気味。遅めの朝食からあまり時間も経っていない。食べきれるか少し心配だ。
まどかって、そんなに食べるほうだったかしら?
勢いよく食べ始めるまどかを見つつ、ほむらも小さく齧りだす。
「お肉本来の味を引き出すために、お塩をふるだけにしているのかな」
……脂身の多い肉に、塩をまぶして炙っただけ。臭みが残っているわ
ご機嫌に絶賛するまどかの横で、ほむらは眉をよせた。
「ザクザクと歯ごたえのある強い風味のパンに、お肉からあふれる肉汁が染み込んでる!」
……粉が違うのかしら?ぼそぼそするバンズ……。
「口の中に広がる確かな満足感!ん~!おいひいー!」
……素朴な味わいといえば聞こえはいいけれど、現代日本人の味覚には合わない粗末な料理だわ。
「はむっはむっ!」
「もう……、そんなに美味しいの?」
まどかの父親は料理の達人だ。それだけ舌も肥えているのかと思ったけれど、そうでもないのだろうか。
できたてを差し引いてもあんまりな食事をべた褒めし、がっつくまどかに、ほむらは呆れた視線をむける。
「うん!ヒンナだよ!できたてアツアツだしね!それに……」
まどかは食べるのをやめてほむらに微笑みかけ、空を見る。
「こんなにとってもきれいな青空の下で、大事なお友達と食べてるんだよ?格別だよ!」
「えっ……!」
ほむらは目を瞬いて固まった。まどかの言葉を心が理解するまでに少しの時間が必要だったのだ。
そして、のろのろとパンを齧る。
口の中に広がる強烈な味覚!
あの時から、何を食べても何も感じることが無かった。無くなっていた。それなのに。
……不思議だわ。とっても美味しい!
「美味しいよね!ほむらちゃん!」
「ええ……」
食事に夢中になっていたまどかがほむらを見やると、ぐずぐずと泣きながらほむらが齧っていた!まどかは驚愕にびくりとする。
……泣くほど美味しかったのかな?
「だいじょうぶ!だいじょうぶだよ、ほむらちゃん!」
まどかは肩をぶつけるようにほむらにくっついて、微笑みかけた。俯いてほむらの表情は見えなくなってしまったけれど、小さく頷いてくれている。
並んで座る二人のうえに、青い空がどこまでも広がっていた。
*****
「ふ~美味しかったぁ!」
「……さ。探し物を再開しましょ」
ほむらは泣いてしまった気恥ずかしさを隠すように、つとめて冷静を装う。
優しい彼女のことだ。お見通しでしらないふりをしてくれているのだろうけれど。
「ほむらちゃん、あれ!なんだか甘い匂いがするよ。ベビーカステラっぽくない?いってみよう!」
あれ?ほむらはグイグイまどかに引っ張られながら、んんん?と首を傾げた。
小説情報>アクセス解析で、どんな感じに読まれてるとか見れるんすよ
16話の数値が異常なんですけど……
なに?なんで?バグってません?(汗