てーってててっててー、てーってててっててー
街道を行くヨシヒコ達。
てれてれてん!
「ちょい、まちいなあ」
「!」
その行く手に人影が立ちふさがる!
左のワンサイドに纏めた色素の薄い長めの髪。三角のたくわん眉に少したれた大きな目。犬歯ののぞく、ふにゃりとした口元が愛嬌のある、おっとりとした感じの美少女だった。
「なっ……!」
いざないの剣をいつでも抜けるようにと身構えていたヨシヒコが驚きに目を見開いた!
娘の胸元が、その豊かなもので大きく盛り上がっていたためだ!
「なぁなぁ、おかむらー。今日って、なんの日やとおもうー?」
その娘は楽しそうに微笑みながら、もじもじと問いかけてきた。
オカムラって誰?ダンジョー、ムラサキ、メレブが首を傾げる横で、「はい!」ヨシヒコがぴしりと挙手をした。
「じゃあ、ターバンの君!」
「はい!今日はあなたと私が出会った運命の日です!」
「せやなー。そんでな。うちの村では、ウソをつきあって楽しむ日なんやで」
ヨシヒコの発言を、するりと受け流し娘が続ける。
「ほう。それはまた、おかしな風習だな」
「そうだね。嘘をつかれたって、いい気はしないね」
「まったく。この世の理を見渡す賢者メレブに対して嘘を吐くなぞ、愚行としかいいようもないな」
三人はそれぞれ眉をよせた。
「あっ!それ、聞いたことがあります!なんでも、マミさんの世界にもエイプリルフールなる日があるとか…」
「せやでー。百年続いた戦争をウソだけで終わらせてしまったエイプリルフール男爵の偉業を称えるための日なんやでー」
記憶を探りながら小さく呟くヨシヒコに、娘が解説を付け加える。
「ほう、そのような偉人がいたとはな……」
「うそやでー」
娘の博学さに感心したダンジョーの視線の先。娘は不吉なドングリ眼で佇んでいた!(*´◔σ◔)
「なっ!!」
「あかん、あかんでえ?そんなんじゃエイプリルフールを生き抜くことは、かなわへんよ?」
すかさず騙され驚愕するダンジョーに、娘が首を傾げた。
「エイプリルフールって、いったいなんなのさ?」
慄くムラサキが目を見開く。
「せやねー。とりあえず、発音がちょっとちゃうねー。エウィップ・ウリィ・フゥーッ!正確な発音はこうやねー。さ、いってみー?」
「えっ?えうぃっぷ・うりー・ふー?」
「もっと、ええ発音ださなー」
「エウィップ・ウリィ・フゥーッ」
「ええかんじ!」
「エウィップ!ウリィ!フゥーッ!!」
「その言い方な。うそやでー」
「んがっ!!」
いい発音をしようと変顔になっていたムラサキは、娘の言葉で白目を剥いて固まる!そんなムラサキの横で、娘はどんぐり眼で微笑んだ!(*´◔σ◔)
「な、なんて恐ろしい日なんだっ!」
「うむ……。まさに生き馬の目を盗むが如し……。からの圧倒的……如しっ!」
恐怖に顔を歪めるヨシヒコの横で、三角鼻のメレブがざわ……ざわ……と震える!
「しかし。将来的にマミさんの伴侶となる私は、こういった風習にも馴染まないと、と思うのです」
「……えっ?」
まだ諦めてないんだ……。複数の呆れた視線がヨシヒコに向けられた。
「なので、とりあえずウソをついてみます!」
「お、おう……」
異様に真剣なヨシヒコに視線が集まる。
「私は!おっぱいがきらいです!」
「!!!」
いきなりそれ?周りは顔を歪める!
「そして!小さくても平気です!」
「!!!」
あからさまなセクハラ発言に、その場に戦慄が走る!
とくにその言葉をガン見されながら聞いた娘は、さすがに両手で胸元を隠し、眉をよせて目を逸らした。
「あ、あんな?私の胸そんな見ると、石になるんやで?」
「なっ!」
ヨシヒコが顔を歪める!
「うそやでー」(*´◔σ◔)
「いえ!待ってください!私の体は石に成りつつあります!」
「?」
娘は首を傾げる。
「私のここが、石のように……」
「ヨシ君!シャラップ!シャー、ラップ!」
メレブが慌てて、まったを掛ける!
――駄目だこいつ……。早くなんとかしないと……!
仲間の三人が阿吽の呼吸で飛びかかろうとした、その瞬間。
「天啓です!」
突然叫ぶヨシヒコに、三人はびくりと固まる。
「今……。大切なことに気づきました。エイプリルフールはウソを楽しみためのものじゃなかったんです!」
「え?」
「ウソをつくことによって、物事を別の角度から見る。本当の自分と向き合う日だったのです!」
「なるほど……」
ヨシヒコは一人、感動に体を打ち震わせていた。
「私は今までの自分は愚かだと気づきました!大きいとか小さいとか、色とか関係ない。おっぱいは、等しく素敵なのだと!まぁ、私は大きい方がよいですが!」
「!!!」
――今までといってることは、同じでは……?
いい話でまとまりそうだったのに、いろいろ台無しだった。
天を仰ぎ、恍惚の表情でつぶやくヨシヒコに、四人はあっけにとられてしまう。
感極まったヨシヒコは、人差し指を立てた右腕を上に伸ばしてポーズを決め、雄たけびを上げた!
ポーーウッ!
もちろん左手は股間に添えられている。「ッダ!ッダ!」などと、リズミカルに動きながら爪先立ちになる始末。
「ねえ、ヨシヒコ。とりあえずマイケルに百万回謝って?」
いつの間にか現れた仏が、ヨシヒコを半眼に睨む。
「とにかくね。そこの娘も聞いて?エイプリルフールはウソを笑う日だけれど、笑えないウソは駄目なの。そう、冗談にならないってことなーのよう!」
「!!」
「ウソを楽しむ日だけれど、だからってなんでもいいってわけじゃないの。ね?幸せなウソでいかなくちゃ。でしょ?」
仏の言葉に、ヨシヒコ達は目を見開いた。
「な?だからこそ、さ。いうことがあるだろ?」
「あ、ああ……」
仏は優しく微笑みながら、小さく頷いた。
「では……」
五人は目を合わせ、息を合わせた。
「勇者ヨシヒコ続編決定ー!!まど☆マギ続編近日公開ー!!ゆる△キャンアニメ三期決定ー!!」
仏、ヨシヒコ、バンジョー、メレブ、ムラサキ、娘の六人が、いい笑顔で思いっきり叫ぶ!
そして。違う世界の、あの娘達の叫びも聞こえた気がした……!
「つぎはー願いを短冊に書いて、川に流すんやでー」
「マミさんから聞いています!綿流しですよね!」
「待て待て。その前に上手く折って飛ばして、飛距離を競うのだろう?」
「そうだね。一番遠くに飛んだものをキャッチした者が幸福になるんだってね」
「この風……。少し泣いている……。儀式にはぴったりだな」
ヨシヒコに娘を加えた五人は、わいわいと盛り上がる!
「んんん?なんだろう?まって、ねえ、まって?ちょっと?いろいろ?へんだから!ねぇ?」
腑に落ちないで慌てる仏を、五人はどんぐり眼で眺めた。(*´◔σ◔)
(*´◔σ◔)
うそいぬこ顔文字、すげー考えたんですけど、どうすっか?
おっふ。へんな順番になってました……。すんません;
→2021.4.25。10周年記念でまどマギ続編『ワルプルギスの夜の廻天』発表!
→ゆる△キャン映画2022.7.1公開!
→ヨシヒコは監督が2017に「終わり」宣言をしているので、実は残念賞
→と、2021.4.1の段階で、実はかなりの的中率?だったという!(じゃじゃーん!