てーってて、てっててー。てーってて、てってってー。てろりろりん!
ヨシヒコ一行の前に、不審な人物が現れた!
「…………」
黒と金のツンツン頭に全身黒装束。首から掛けた金色の逆四角錘のペンダントといういで立ち。両手をポケットにいれ、のけ反りつつ敵意ある視線を飛ばしていた。
「あの、すいません。通りますので、どいてくれませんか?」
ヨシヒコがその人物に声を掛けた。
「……それはできない」
「えっ?」
「それはできないといっている!」
その人物の激しい反応にヨシヒコは目を見開く。
「なぜだっ!」
「なぜ?そうそれは……。なぜなら。私がデュエリスト……だからだっ!」
「な、なんだとっ!」
「こうしてエンカウンしたならバトルするしかない。それが
「なんだこいつ。ただの追い剥ぎじゃねえか」
デュエリストの言い分を、ムラサキが吐き捨てた。
「まて!まてまてまて!俺は追い剥ぎなどではなくデュエリストだと言っているだろうが!いいか?お互いの全力をぶつけての闘い!それこそが
「おお!」
デュエリストの熱い語りにヨシヒコとダンジョーが頷く。
「ゆえに!俺が勝ったら身ぐるみおいていけといっているのだ!」
「うむ。それは追い剥ぎ。ただの。うむ。ただの追い剥ぎ。人はそういうのを、すなわち追い剥ぎという」
メレブは呟いた。
「否!デュエリストだっ!」
「まーいいや。お前、そーゆー名前の追い剥ぎな」
めんどくさくなったムラサキが雑にまとめる。
「では、勝負と行きましょう!」
「ああ!
ヨシヒコとデュエリストの視線はバチバチと火花を散らした!
「まずは俺のターン!」
「なっ!」
「俺のターン!いい?俺のターン!」
デュエリストの声に、剣に手を掛けたヨシヒコとダンジョーの動きが止まる。
「早いものから行動するものでは?」
「そうじゃない。
「よくわからないけど、わかりました」
ヨシヒコは大人しくターンを待つことにした。
「では俺のターン!ドロー!」
デュエリストはいつのまにか左手に肘から手首あたりまでの長さの板を装着。その板からカードを取り出す。
「カードを1枚伏せてターンエンド!」
「では私の番ですね」
「ターン。ターンだ!」
「私のターンです」
デュエリストの迫力に思わず言いなおしつつ、ヨシヒコはいざないの剣の柄に手を掛けた。
「まて!まてまてまて!なにやってんだ!」
「なにって私のターンなので攻撃しようかと」
「その剣で?」
「はい」
デュエリストは項垂れて深く息を吐いた。
「いい?
「な、なんだとっ!」
「このままだと、そっちの反則負けですー!」
「試合に負けて勝負に勝った的なやつで、やっちゃっていいんじゃね?」
かなり面倒くさくなっているムラサキ。
「よくわからぬが、カードを使うらしい。うむ。ならば丁度ほむらから譲り受けたものがある。これを使うがよい」
「あ、はい」
ヨシヒコはメレブからカードの束を受け取った。
「ええと。ドロー!」
ヨシヒコはその《UNO》と書かれた黒いカードの束から一番上のカード勢いよく引く!
《Reverse》
引いたカードを見つめ、ヨシヒコはわけのわからなさに首を傾げた。そしてなにより。
「すいません。カードを置く場所がないのですが……」
ヨシヒコは左手にカードの束、右手に引いたカードを持ち困惑する。
「とりあえずこの木箱でいいんじゃね?」
「あ、はい」
ムラサキが蹴り飛ばしてきた木箱の上に、ヨシヒコはカードを並べた。
「か、カードを伏せてターンエンド?」
そして、とりあえずデュエリストの真似をしてみた。
「ふふ。流石だな。この胸の高鳴り。ゾクゾクするぜ。俺のターン!ドロー!」
デュエリストは引いたカードを横目で確認する。
「俺は《モンスターマスターガール》を召喚!」
その宣言とともに、デュエリストの前に桃色ツインテールの少女が出現する!
「ええっ?」
「なっ?マドカ?!」
驚きに目を瞬かせる少女と、ヨシヒコ一行。
その少女はヨシヒコ達の知り合いでもある鹿目まどか、その人であったのだ!
*****
「あの娘がくるなら、あの娘も……?兄様。ヒサは心配です……」
その様子を木陰から覗いていたヒサはポツリと呟いたのだった。
「特別なカードを手に入れろ!」
《モンスターマスターガール》はかなりレアかも!