勇者ヨシヒコと魔法少女   作:ぶんた

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番外編。その8。下

「《モンスターマスターガール》の特殊効果によって、場全ての魔法少女は《モンスターマスターガール》に支配される!」

 

 その言葉の意味にヨシヒコ以外の顔が驚きに歪む!とっさのことでヨシヒコだけは理解が追いついていない。

 デュエルでの攻撃手段は場に召喚されたものの直接攻撃か、特殊な呪文カード。そして場に召喚されているのはまどか、マミとほむらの魔法少女のみ。デュエリストは場を掌握して一気に畳みかけようとしているのだ。

 

「なら!あきらめる必要なんて、ない!」

 

 まどかの瞳が輝く!

 デュエリストの魔法少女への支配権はあくまでまどかを介してのもの。自分へのオーダーが来る前の一瞬を、まどかは見逃さない。

 

「マミさん!ほむらちゃん!あのひとに集中射撃(フルアタック)!」

 

 まどか自身は非力だが魔獣使いとしての経験を積み、非凡なる戦闘指揮能力を開花させているのだった。

 

「「了解!」」

 

 二人の銃口はまどかのオーダーによりデュエリストに向けられ、集中射撃(フルアタック)が開始される!

 

 ダダンダーン!!ドンドカドン!!

 

 …………盛大な銃声の後。もうもうと煙漂う中、デュエリストは下着一枚に四角錘のペンダントのみという姿で、ぴくぴくと体を痙攣しつつ倒れていた。

 

「なっ!」

 

 デュエリストに幾つもの驚きの視線が向けられる。

 

決闘(デュエル)でのダメージは決闘者の服にダメージを与える……。敗北すなわち身ぐるみ剝がされるということなのだ……」

「やっぱり追い剥ぎじゃねえか!サイテーだな?おい!」

「エロゲーか?貴様が脱いでも誰得だが。否、むしろ皆損」

「この画期的システムによって命の危険なく決闘が……」

「やかましい!」

 

 ヨシヒコがすかさずいざないの剣でデュエリストに斬りつけ、速やかに沈黙させた!

 

 

*****

 

 

「ダンジョーさん!」

 

 涙目のまどかがダンジョーに飛びつく!

 

「ふふ!マドカよ!久しいな!」

 

 ダンジョーはまどかを抱き留め微笑む。

 

「ま、マミさん!」

「?」

 

 ヨシヒコも準備万端らしかったが、マミにはなにも伝わらなかった。

 

「えーっと。これは結局どうゆうことなんだい?」

 

 困惑に眉をよせたムラサキが首を傾げる。

 

「いきなりなことで、なにがなにやらさっぱり……」

 

 召喚された少女達は力なく首を振る。

 

「さて。こんな時だからこそ、呪文を思いついていた私だよ」

「「ど、どんな呪文なんですか!!」」

 

 またしてもまったく場違いなメレブの言葉に、ヨシヒコとまどかが激しく反応した!

 

「そう。それはいうなれば、大きな流れの力を取り込む呪文さ。私はそれをそう『ノリナミーラ』そう名付ける事にするよ」

「大きな存在から力を借りる……。素晴らしい!」

「そうして闘いを有利にすることができるんですね!」

 

 ヨシヒコとまどかは阿吽の呼吸でメレブに答える!

 

「な、なに?そのノリ……」

 

 メレブを挟み興奮するヨシヒコとまどかのテンションに周りはドン引き。

 

「「かけてください!かけてみてください!」」 

「「!」」

 

 そこまでシンクロしていたヨシヒコとまどかは、はっと互いに気づき視線を向けあう。

 

「メレブさんの呪文を試されるのは私だっ!」

「ううん!ほむらちゃんです!いつも楽しみにしてるのにっ!」

「いいえ、違うわ。そう、まったく。ねえ、まどか。私はそれいいから。ほんとそれ、これっぽっちのかけらもなくいいから。だからその争いをやめて、譲ってあげて?ね?いますぐ。なう」

 

 ぐぬぬと視線を飛ばすまどかに、ほむらが心からの声を掛ける。

 

「だが安心するがよい。そうしたことも見越した私。そう賢者たるこの私はすでに呪文を唱えているのだよ」

「!!!」

 

 メレブの言葉に場が驚愕した!

 

「うむ。そして安心せよ。まずこの呪文は範囲魔法であるからに全員にかかっている。あとは個人毎によって効果が表れているはずだ。因みに私。私はそう、かなり。かなりのっかっているよ。まさに霹靂」

 

 金髪をうざくサラサラさせたるメレブを見つつ、それぞれが自分を見たり周りを見たりとその効果を調べる。

 

「とくに私はなんともないようです。よもやよもや」

「…………よもやね」

「うむ。わしもだ。よもやの呼吸」

「私もです!あ!よもや全集中!」

「ティロよもや?」

「おまえらいい加減そこらへんにしとけ!よもやの呼吸!一ノ型 よもやよもや!」

 

 ムラサキがとりあえずのっかろうとしだした面々につっこむも、しっかりのっかっていた!

 

 

*****

 

 

「なんとかひと段落っぽいですけど、私達帰れるんでしょうか?」

「ううむ」

 

 心配そうなまどかの言葉に、ダンジョーは腕を組み大きく息を吐く。

 

決闘(デュエル)とやらが終われば元に戻れるはずだが。うむ。それが原因だった故に。うむ」

 

 したり顔でメレブが呟いた。デュエリストは斃され決闘(デュエル)は終わっている、はず。

 

「そういえば、私の伏せカードはこれです」

 

 ヨシヒコが箱の上に伏せられたカードをめくった。すると《Reverse》はトラップカードとして発動し光を放ち、まどか、マミ、ほむらの三人も光輝いた。

 

「む!それは帰還カードであったのか?か?あ!よもや!」

 

 メレブはひたすら金髪を揺らし、説明的なセリフを吐きつつどこまでものっかるの呼吸!

 

「会えてうれしかったです!いつか、また……!」

 

 涙ぐむまどかと二人はそうして消えていったのだった。

 

「うむむ。摩訶不思議な事があったものよ」

「まったくだね」

 

 ダンジョーとムラサキは事態に顔を歪めつつ、マドカ達の帰還を確認し溜息を吐く。

 

「ああっ!折角マミさんと再会できたのに!おいおまえ!なんとかしろ!」

 

 憤慨するヨシヒコは倒れるデュエリストに《UNO》カードを叩きつけていた!

 

「まあなんだ。いうなればまさに、よもや一閃よ。うむ!」

「でもあれよ?新編だと思ってたのに、映画編挟まれてよもやな人多いみたいよ?うん」

「な!仏?!」

 

 どこまでものっかろうとするメレブに答える声。当たり前のようにいつの間にか会話に入り込んだそれは仏のものだった!ヨシヒコ達は驚きの声を上げる!

 

「それよりね、いい?なに遊んでるんだってことなのよ。山賊パートいつまでやってんの?そこはほんのちょっとの掴みのコーナーなわけ。ね?その後の私のお告げパートが本番なのに、ソッチで尺使ってコッチの尺削れるとか本末転倒よ?ねえ?ソッチでそうやっていろいろ呼ぶってんならさ、コッチだって神々呼んだっていいのよ?いいの?やる?やっちゃうの?神VS人類最終闘争(ラグナロク)?!仏だけ徒歩すんぞ?ってなんで仏だけ徒歩?!」

 

 怒りに取り乱す仏にヨシヒコ達は眉をよせる。もっともヨシヒコに至っては視認すらできていない状態。

 

「あーとりあえずおちつけ」

 

 ダンジョーが仏をなだめる隙に、メレブはヨシヒコにほむらから受け取ったパーティーグッズのヒゲ眼鏡を手渡す。

 

「仏。先程の奴は尋常ならざる力を持っているようでした。あれはいったい……」

 

 仏を視認したヨシヒコはまっすぐな疑問を仏にぶつけた。

 

「ああそれね。うん。それはいい質問。すごく。うん」

 

 したり顔の仏は何度も小さく頷く。

 

「そう。あれは魔王の力!この度の魔王は強大な力を持つゆえ、ああやって異世界へ干渉することができるようなのだ」

「な、なんだと!」

 

 仏の言葉にヨシヒコ達は驚愕する!

 

「やつはその強大な力を用いて異世界に配下(トラック君)を送り、様々な世界の住人をこちらの世界へと送り込むとゆう荒業をも仕掛けようとしている。まさに移民を利用した……」

「えっ!それ今すっごい問題になってるやつよね?やめよ?ほんとやめよ?」

 

 仏の言葉をメレブが遮る。

 

「ともかくマドカ達を巻き込まぬように、魔王を斃さねばなるまい」

「ああ、そうだね。しっかし最近、魔王多くね?」

「それもいい質問。うん。我が仏アンテナはさらに強大な存在の気配を感じている……」

「おまえ髪の毛全部ブツブツじゃん。アンテナ的なもの、ねーじゃん?」

「ドーム型なんですー!複数のー!最新のものはそーゆーものなんですー!」

 

 厳しい表情のダンジョー。仏と言い争うムラサキの横で。

 

「マミさんとまた会える!」

「え。なに?これって続くの?それとも劇場版で続く的な?続くの?続けちゃうの?需要あったらって評価を催促?露骨に催促?」

「そこ!だから真面目にやれっていってんだろうがよ!」

 

 それぞれブツブツと勝手なことを呟くヨシヒコとメレブに、仏の怒号が響いたのだった!

 

 

*****

 

 

「ヒサの今日のまかない!」

 

 ヒサはこのタイミングでCパートぶっこむ気まんまんだった!




 『勇者ヨシヒコと魔王の城』は2011~なので、まどマギと同じ10周年!
 2017に完結は宣言されてるものの、勇者シリーズとしてでも復活するといいなぁと思います
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