勇者ヨシヒコと魔法少女   作:ぶんた

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その7

「よっと!」

 

 頭を踏まれ甲羅に引っ込んだ亀人間達を、杏子はひょいっと蹴り飛ばす!

 

 かこーん!

 

 幾つもの甲羅は軽快な音を立て、遠くにすっとんでいく。

 

「お見事です!亀人間を難なく退けるその身のこなし!……もしかすると配管工のひとですか?」

 

 激しく拍手するキノヒコに、杏子は首を傾げて困惑の視線をむけた。

 

「配管工?なんだい、それ」

「ええ。われらが英雄マルオ様です!」

「残念ながら人違いだね」

 

 テンションあがるキノヒコに反比例して、杏子はわけのわからなさにタジタジとなる。

 

「そのマルオって人はどんな人なんですか?」

 

 ひょいっと現れたまどかが、キノヒコに問い掛けた。

 

「配管工を生業としつつ医者としての知識もおありで。さらにレース、格闘技を含むあらゆるスポーツを嗜むお方です!」

「すごい!万能の天才さんだよ!」

「ええ!トレードマークは赤い服装とひげ……」

「おい。ひげってなんだ?」

 

 盛り上がる二人に杏子が割り込んだ。ひげを生やした人物扱いは流石に乙女の沽券にかかわる。

 

「ひっ!……いえ、マルオ様は様々な戦闘形態をお持ちでして……。新たにJC形態を開発されたのかと……」

 

 怒りの杏子にひるむキノヒコが、冷や汗だらだらと弁明した。

 

「他にはどんなものがあるんですか?」

「カエル、たぬき、お地蔵さんなどなど!」

「すごい!すごいよ!」

 

 カエル、たぬき、お地蔵さん……。すごいのか?

 

 再び盛り上がる二人をよそに、杏子は眉をよせるのだった。

 

 

 

*****

 

 

 

「ち……。囲まれたね」

 

 杏子は鋭く視線を周りに走らせた。

 

「……ここから先にはいかせないぜぇ?」

 

 行く手を阻むように全身緑、甲羅を背負ったムキムキの亀人間達が姿を現した。少女達に緊張が走る。

 

「ただの亀人間だと思うなよ?我らは魔法化学で生み出されたエリート!デジ亀人間様なんだぜぇ?」

 

 そう!亀人間達の双眼はカメラのレンズのようになっており、ウィンウィンと照準を合わせようと気味悪く蠢く。

 

「……ひっ!」

 

 さやかとほむらが、あまりの恐怖に身を縮めた!

 

「偵察と情報収集にも優れた我らが、甲羅に搭載しているえっちでーでー容量一杯に貴様らを撮影してやるんだぜぇ?」

「いや!きょうすけー!」

「そんな、そんなことって……。あんまりだよ……」

 

 デジ亀人間のワイルドな死刑宣告にさやかとまどかが恐怖に震え、抱き合ったまましゃがみ込んだ。

 その時。二人を隠すようにほむらは、ゆっくりと歩を進めた。

 

「……ほむらちゃん?」

 

 ……まどか。私はあなたを守る。私がどうなっても、あなたを救ってみせる!

 

 群れる亀人間と対峙したほむらの瞳が強い決意に輝く!

 

「わ、私を撮りなさい!!」

 

 叫ぶほむらはぴしりとキメ☆ポーズ!

 

 まどかはおびえている!

 さやかはおびえている!

 ほむらはこんらんしている!

 

「……なんなんだよ。おい!」

 

 杏子はあまんまりにあんまりな状況にガビーン!と驚愕!

 

「くっそ、踊らせてやんよ!」

 

 杏子の孤独な闘いが幕をあけた……!




だらだらとしたくだらない感じに、ヨシヒコっぽさがでてるとよいのですが。
次回、亀王編終了(予定)
満を持してのあれが登場(予定)
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