メレブの名乗りに、少女達も自己紹介をすます。
とりあえず。詳しい事は今晩の寝場所を確保してからとし、一行は移動を開始するのだった。
……その夜。5人は運よく見つけた廃寺で囲炉裏を囲んでいた。
「猫の手も借りたいっていってもさ。実際、猫の手どうするの?迷惑じゃん?で……。助っ人がこの娘達?あの馬鹿なに考えてるの?ロリなの?パヤオなの?」
「私ら三人は魔法少女だからね。実際、かなりなもんだと思うよ?」
「……魔法少女ぅ?」
ブツブツ文句をいうメレブの言葉を杏子が遮るが、逆に胡散臭い視線を向けられた。
「この偉大なる魔法使いたるメレブを前に、魔法を語るとはねぇ。フゥー!」
メレブは肩の位置で両の掌を上に向け、目を閉じ小さく首を何度も振り、長く息を吐く。アメリカ人ばりの呆れと挑発表現に少女達がイラリとする。フルフルと揺れるさらさらの金髪が、まったくもって鬱陶しい。
「!」
次の瞬間。メレブの頭の上に、大きい真っ赤な達磨がのっていた。ほむらを除く全員が驚きに目を見開く。
「少なくとも片手間にこんなことはできるわね」
つんと、ほむらは手櫛で髪をなびかせた。
いつの間にか取り出してのせる凄まじい手管!するとこの達磨はほむらの物なのだろうか。政治家の選挙で見るような大きな達磨のどどん!とした圧倒的存在感ッ……。
……なぜ達磨?というか、なんでこんなのもってるの?
そしてなにより。その達磨は片目!よっぽど叶えたい願いへの願掛けなのだろうか?
……叶うといいね。がんばれ、がんばれ!
やさしさに包まれたなら、きっと……。
やりかえしてちょっと得意げなすまし顔のほむらを、皆が微笑みながら見つめていた。
*****
「やれやれ。魔法のプロとして、後れを取るわけにはいかないね。そうして、新しい呪文を習得した私だよ」
「すごい!この世界には魔法があるんだね!」
得意げにゆらゆら動くメレブに、まどかが興奮し声を上げる!
「ほんと大丈夫?」
「そんな青子に、えい!」
胡散臭げな視線を向けてくるさやかに、メレブはすかさず杖を振った!
ぴろりろりん!呪文発動音が響く!
「っ!」
次の瞬間。さやかは体をビクリと震わせ目を見開く。
「お、おい。さやか平気かよ?」
「え。う、うん。なんだろ?なんかびっくりした」
「ふふふ。私の呪文の効果だよ」
「えっ!」
「この呪文をかけられると、ちょっとびっくりしてしまうのさ。『メガテン』の呪文と、私は名付けることにするよ」
メレブはドヤ顔で呪文を解説し、驚く少女達を眺めた。
「……ねえ、杏子。これってどうなの?」
「そうだね。地味かもしれないけれど、ギリギリの勝負はちょっとしたことで勝敗がわかれるからね。そういう意味ではアリなんじゃないか?」
「…………」
戦闘経験豊富なベテラン魔法少女である杏子の意見を聞いたまどかは、真剣な表情で頷く。
「……すごい。魔法すごいです!」
まどかの発する圧に周りは引き気味。
「かけてください!かけてみてください!ほむらちゃんに!」
「ええっ!なんで私?」
「えいっ!」
ぴろりろりん!ほむらに呪文が発動する!
「……んっ!」
小さく体を震わせ、ほむらは目を瞬かせた。
……その様を全員に観察されるという公開処刑!あまりの羞恥に、ほむらの体が固まり唇が震える。頬が染まる。
「…………」
ほむらの首がぎりり……と、まどかに照準をあわせ、恨みのこもった涙目を向ける!
「やっぱり、ほむらちゃんもびっくりしたりするんだね。驚いてるほむらちゃん、とっても可愛いかったなって」
「……っっ!」
そんなほむらに、まどかはにっこりと微笑みかけて褒め殺しでの追い打ち!
こうかはばつぐんだ!!
ほむらのゲージがぐりぐり減っていく……!
「ま、まどかっ、そういうことでなく……」
「うぇひ?ごめん。ごめんね?でも、そんなほむらちゃんもすっごい可愛いなって!」
「……ううっ!もう!まどか、もうっ!」
あのほむらが両手でまどかをポカポカ叩きながら追いかけまわしてる……!その様に杏子とさやかは呆然としていた。
ほむらが壊された……。コイツ、実はすごいのかもしれない……。
ごくりとつばをのむ杏子とさやかの驚愕の視線に、満足気に気味悪くにやにやするメレブであった。
投稿はもうちょい後の予定だったんです
でも、メレブの呪文ははずせないですよね!
ニタニタ興奮しながらの強行軍。
いろいろやばい;