パソコンのある日常-Daily lives of there's a personal computer- 作:海色 桜斗
これはオタク達のオタク達の為のオタク達の日常譚。一部の方にはあまり受け付けないような単語が含まれる可能性があります。前書きとタグの方に記載されている事項をしっかりと確認し、読み進めていくようお願いします。
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それでもいいよという同志は、迷わず本編へGO!!
2025/4/7 PM16:00
コンピュータ室
向坂 祐都
「・・・・・・」
「お、おい、そこは違うだろ。必勝宣言したくせにこれは酷すぎるだろ、jk」
「う、うるせぇ!?お、俺様は『テイクス』しかやんねーぞ!こ、これはそ、そう!く、クソゲーだ!」
「自分が出来ないからってクソゲー呼ばわりとか何様のつもりだよ・・・・・・」
ここは秋田県夢島市の夢島駅より徒歩10分程度のところにそびえる山を切り崩した丘の上に忽然と立つ、市立夢島高等学校の正面入り口近くの螺旋階段を上った、すぐ近くに設置されたコンピュータ室。普段は情報処理など調べものをする際に使う特別教室で、放課後にはそこはコンピュータ部の部員達の根城と化している。何故なら――
「ええい、ちきしょう!こうなったらとことんやってやんよ!・・・・・・って、爆弾!?ぎゃあああああっ!?」
「あ、それオレが設置したタル爆弾。さっきそっちに行くなってあれほど言ったじゃねーか」
「そ、そんなこと初耳だぞ!?ほら見ろ、お前のせいで俺様がライフ0になって報酬金へったじゃねーかよ!?」
「フ・・・・・・これだからRPGしかやらないゆとり君は使えないんだ」
「なんだとぅ!?」
――ご覧いただけただろうか?今のところ部長を除く4名の部員達はパソコンなんぞ全く手につけておらず、学校に密かに持ち込んだ今流行の最新携帯ゲーム機「PSV2」を手にしてゲーム三昧な日々を送っているのだ。なお、この現状はここ最近になって黄金期とも呼ばれた元部長様の時代が終わりを告げたと共に部員数が激減した事に原因がある。つまり、部活として存続できるかどうか危うい状況にある訳だ。まぁ、かく言う俺もパソコンはいじってるけどあくまで自分の小説を執筆してるだけなんだよね。ワードソフトで。
「俺の名前は向坂祐都。ごくごく平凡な男子高校生。趣味といえばパソコンで自作の小説を執筆する事、男ものの恋愛ゲーム・・・・・・所謂ギャルゲーをプレイすること、後は某2次元アイドルグループを応援する事。自慢ではないが、今まで同じ学年の女子生徒とはクラスメイトだとか同学年のゲシュタルト崩壊するほど友達が付いた後の友達という範囲以上の関係になれたことが一度も無い。勿論、バレンタインで誰かから本命ならまだしも義理チョコすらもらえた経験が無い」
「・・・・・・一人でぼそぼそ喋ってるとかキモ。さては新しい脳内妹さんにご挨拶?」
「違ぇよ。つーか、妹じゃねぇし。義妹だし」
「訂正するほど大差ねぇよ」
「いやいや、妹と義妹だと海より深い明確な違いがあるのだぜ?」
今、俺と会話しながらパソコンソフトをいじっているのが今期のコンピュータ部部長の篠崎龍。クラスは同じではないが体育のときいつも木陰で体育座りしてつまらなそーに授業を見つめている龍を見つけ、ある時思い切って声をかけた結果、すんなりと趣味が合い、そのまま友達・・・・・・むしろ親友のレベルまで到達するほど仲が良くなった男子生徒である。
「では、解説してやろう。ちなみに俺に義妹について語らせると軽く3日は語れるZE!?」
「んじゃ、聞いてやるから5分間だけ時間をやる。好きなだけ喋ろ」
「少ねぇよ!?それじゃあ、冒頭部分すら語れないじゃねぇか!?」
「五分もあるのに冒頭はいらねぇとか前述どれだけ長いんだよ」
趣味は合うといっても一致しているのは、アニメとかゲームが好きだ!という論点ぐらいで後は割と噛み合わず。そのため、毎回俺がやる気を出して義妹を愛する理由を語ろうとしているのにだ。こいつはそれに滅法興味が無く、俺に与えられる時間はたった数分。ま、俺もあくまで冗談としていってるだけで本気で語ろうなんて思っちゃいねぇけどさ。
「ふはー、到着ぅ~。皆の衆、ちわちわ~」
「あわわ・・・・・・少し待ってよ、優海~ぃ」
――と、ここでパソコン部の天使二人が降臨なされた。先陣を切ってきたハイテンションガールは水鳥優海。一見普通の女の子だが、その実、かの堤頭3:20の大ファンな少し変わったお方だ。中でも特徴的なのがハイスピードボケの実力。オレといい勝負が出来るのも今のところ彼女のみである。
そして、もう一人のお方が藤林慧巳。生真面目な委員長タイプで1年前に起きた進撃のゴリラ事件の被害者であり、現在はここパソコン部の部員となってもらっている。そう忘れもしない、あれは高校入学して間もないころに起こった事件にしてはインパクトが強すぎたのだ。
――そう、その日は今と同じく校舎に夕日の指す、とある日の放課後のことだった。
『暇だな』
その日、入学当初からの友人であった修二と飯島は、バイトの時間帯という事もあり、早々に下校した。俺はバイトのシフト日ではなかったため、暫く一人で校内をふらついてみることにしたのだ。
『こんな時、相棒か彼女がいればそれなりに楽しい大冒険と化したのではなかろうか』
そんな自虐的な独り言を呟き、歩を進めた。途中で螺旋階段なるものが現れたので迷わず上っていく。ここは一年と二年のエリアだ。ここから左に行くと一年のクラスエリア、右に行くと二年のクラスエリアとなっている。一年のエリアは探索済みだな。二年のエリアに行ってみるか。
『さて、探索となれば必要なのがこいつだな』
ふと思い当り、ズボンのポケットから買ったばかりのYphoneを取出し、リサーチに特化したやたら名前の長ったらしいアプリ『DG297 3rd EDITON ver.4.11』を起動する。そして、誰もいない虚空の空間にその画面を翳す。すると、校内に設置されてある物をリサーチし、その情報を表示させる。これを通称『ジオタグ』と呼び、今の世の中散策してみれば都会だろうが町だろうが村だろうが関係なく、無数に存在している。恐らく全国コンプリートは一生賭けても無理な話だろう。
『ふむ・・・・・・まぁ、普通だな』
我ながら当然のことを言ってのける。まぁ、俺が住んでいるこの秋田と言う土地は都会や外国みたく、派手な殺人事件や強盗等滅多に名乗りを上げない。それくらい平和で何も起こらないのだ。只一つ上げるとすれば年々、過疎化や自殺者や癌死亡者が増え続けているというネガティブ具合。正直、悲しくなってくる。
『きゃぁぁぁぁぁっ!?』
――と、何やら女子の悲鳴らしき声が空間に木霊した。俺がその聞こえた方角を振り向くと一人の女子生徒が必死の形相を浮かべて俺の横を猛スピードで走り抜けていった。
『な、何ですとぉ!?』
鬼気迫った具合のとても素晴らしい速度であった。あまりにも突拍子のない展開に俺が呆然としていると、何やら体格のデカい男がひぃひぃ言いながら走ってくる。防げるか・・・・・・?
『うぉ~い、待っちくり~!!俺様にツンしているとしても逃げなくてもいいだろ~?しゃあ、大人しく俺様の愛を受け取りやがれぇぇぇぇぇぇぇっ!!』
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?ご、ご、ゴリラが出たぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?くそっ、この学園の七不思議の一つなのか!?放課後に出没する謎のゴリラ男・・・・・・だが、しかし、ここで奴を野放しにすれば追われていたあの女子が可哀想だ。ここは一発、恐怖を沈めて撃退するしかあるまい!飛ばすぜ、スカした一撃をっ!!
『あぁ、しまった。バランスを崩してモップの軸があさっての方向を向いてしまった~(棒読み)』
『ひょっ!?』
『歯ァ、喰いしばれェェェェェェェェェェッ!!』
『げごふぅっ!?歯喰いしばれとか言った地点でわざとじゃねぇ?!』
掃除用具入れからモップを取出しそれを奴の腹に思いっきり叩き込むと、奴はナイスな突っ込みをした直後に呆気なく気絶した。ふぅ、何とか危機を免れた。後は・・・・・・追われてた子に撃退した旨を話して帰ろう。なんつーか凄い疲れた。
以上、特に面白みのない過去回想でございました。まぁ、しかし現状として加害者が同じ部員仲間としてすぐ近くにいる訳だが・・・・・・まぁ、監視の目が行き届いているから大丈夫だろう。彼女からの同意も得てるしな。
「ぎにゃああああああっ!?報酬金が0になったぁぁぁぁぁぁ!?」
「バーロー、おめぇのクエ手伝ってやってんのに誘った奴が死んでクエスト未達成とかマジありえね」
「はいワロスワロス」
結局、何一つすらパソコン部らしい活動もせず解散となった。あ、ちなみに今まで散々ゲームやりながら騒いでた連中はというと、まず最初に奇声を上げまくっていた男子生徒が西条尚紀。どっからどうみてもキモオタの看板を背負って歩いている見た目58歳のおっさん顔。カ○ニング竹山に若干似ている。
次に暴言ばかり吐いている一番背の高い眼鏡男が本田修二。中学時代からの付き合いで元はといえばクラス内全員から虐められていると言う一番過酷な状況の中、当事厨二病を患ったばかりで某アニメの某弓兵に憧れていた俺はその思想の道指すがままに周りが全部敵という中で奴と友達になった。
最後に@ちゃんねる用語を口に出して色々皮肉っているのが鳴島康平。こいつとも中学校からの付き合いで、何しろこの俺がオタクとして色々覚醒していく要因を作り出した親友。その事からコイツは俺の師であると言っても過言ではない。
「うぉぉぉい、祐都~、この際お前だけでも俺に協力してくれぇぇぇ~!」
「何を言っている、お前さんスカイクラッド・オンラインじゃあネトゲ廃人並みに強いじゃない。あのゲームに注ぐポテンシャルをそっちでも使いなさんな」
「仕方ねぇだろ、RPGと狩りゲーじゃ操作も何も違うんだからよぉ!?」
「頑張れ頑張れ~、俺は暫らくこのゲームやりながら見ててやっから」
そういって、俺がカバンの中から取り出したゲーム機の画面に写っているのは今プレイ中の音ゲー「ラボライブ!-ラボアイドルオールスターズ-」のタイトル画面だ。ちなみに、音声ガイダンスは推しメンの柏木結衣菜にしてある。当然、推しキャラはデフォルトだ、おk?
「おまいはどこにいてもそれをやるつもりか。もう人としてオワタな」
「フ・・・・・・何を言っている、大好きは隠さなくてもいいと教えてくれたのは彼女だ」
「何を言ってんだテメェ、最強なのはあずみんこと中江あずみに決まってんだろ」
「いやいや、結衣菜でしょ。俺にとってのオタクの師匠この子よ、えぇ!?」
そして、修二とのいつもの推しの大論争が幕を開ける。因みに、ラボライブシリーズ三部作のどれをとっても修二の奴とは一回も推しが被ったことはない。まぁ、一押しがその子だってだけで俺は基本どのグループも全員推しなんだけどね。
「だが、俺はあずみん推しだ」
「バアルを持つ、この俺に逆らうか」
「いや、お前、まだプラモ持ってねぇだろうが」
「違ったようだ」
パソコン部なんて、名前だけのようなもの。部としての人数に達しておらず、廃部間近なこの部にルールなど最初から存在していないのだ。適当に集まって、適当にしゃべって、適当に帰る。そんな毎日が続いて続いて今に至る。あぁ、願わくばアニメとか小説のような日常であってどこか非日常な出来事が突如として起こりますように。そう願わずにはいられないほどなんの代わり映えもない日々がそこにあったのだ。
――翌日。いつものように学生寮で朝を迎え、準備を整え、ロビーで修二と龍と合流。共に学校までの道のりを適当に駄弁りながら歩いていく。坂の多い道を10分程度歩き、丘の上にある自分達の通う高校に辿り着く。そして、下駄箱で内ズックに履き替えた後、すぐ近くにある螺旋階段を上り、違うクラスの龍とは俺と修二の所属するクラスの前で一端別れ、俺と修二はいつものように教室へと足を踏み入れ、各自自分の机に手提げカバンを置き、机に座る。
「教材入れるロッカーが自分の机のすぐ真横にあるとかすげぇ恵まれすぎてる環境だな。だが、過去の経験から冬にここに来た場合は厳しい。今年は注意せねば」
取りあえず、いつものように龍のクラスに乱入させてもらおうか。勿論、Yphoneは常時装備でなければあるまい。そうして、いつものように2-Bの教室へ向かおうとしたところで、展開が少し違った。
「おはよ、向坂」
「おう、おはようさん、川知」
教室の入り口でばったり遭遇したのは、同じクラスの川知智佳。俺とは幼稚園の頃からの幼馴染みで所謂、腐れ縁の関係だ。中学校は残念ながら離れてしまったが、高校は奇跡的に一緒になったわけでアニメ的には奇跡的な幼馴染の再会とも言えるわけだが・・・・・・。
「何よ、そこ退いてよ、教室に入れないんだけど」
「あぁ、悪い。すぐに退く」
幼馴染とは思えないほどの険悪な雰囲気。そう、あれは小学生の頃。全校生徒でとある曲に合わせて踊るというある意味祭りのような行事があり、当時その踊りというか曲自体が嫌いだった俺はクラス全員が踊っているにも関わらず、参加拒否。その時に隣にいた川知が説得してくれたがものの、俺はその配慮の心さえ無視し、その催しが終わるまで一人だけ参加拒否しつづけたのだ。恐らく、その説得されている時に発した心無い発言の数々で失望させ、嫌われてしまったのだろう。本当にあの時の俺はいったい何を考えていたのだろう、猛烈に過去の自分を絞め殺してやりたい。
「すまん、もう川知に迷惑はかけないつもりだったんだけどな・・・・・・悪い」
「ちょっ、待っ・・・・・・ふ、ふんっ、分かったんならさっさとどっか行きなさいよ、清々するし」
はいはい、言われずとも何処かに行きますって。だが、流石にこのままってわけにもいかないか・・・・・・いつか出来ればいいな、仲直り。
「・・・・・・違う、アイツと話したいのはそんなんじゃないのに」
「まぁまぁ、落ち着きなって、ちー。今はそのタイミングじゃないってことさ」
俺の背後で空しく響いた川知の呟きとそんな彼女を彼女の友人が励ましていた一連のやり取りをこの時の俺は知らない。我ながら、こんな調子で本当に仲直りできるのだろうか。
「やほ~、祐都君、シェケビギナ~ウ?」
「よっす、優海さん、オーケー、レッツビビビビギナ~ウ!」
「OH~、サンキューベリーマーッチ!」
そして、そんな暗い気分を引きずったままで2-Bの教室の入り口をくぐるや否や、優海さんとの激しいボケの連続ラリーが始まった。ツッコミ役は不在です。というか居させてたまるか、な具合のハイスピードボケ合戦はこんな朝早くから繰り広げられようとしていた。
「例の人物とだべりに来たぜ」
「おぉ~、そうかそうか。龍君ならまだ自分の席に座ってるゾ?」
「あぁ、あんがとな。・・・・・・いつもいつも、済まないねぇ」
「祐都爺さんや、それは言わない約束だぁよ♪」
朝のボケ会話、終了。優海さんと別れてから一直線に龍の席へ向かった。しかし、龍は何やらお取込み中の様だ。仕方がない、自分のクラスに戻るか。と、引き返したところで優海さんから再びお声がかかったので、俺はその場に立ち止まった。
「珍しいっすね、何か用事でもありましたか?」
「んー、特に用事ってわけでもないけど、さっき祐都君と喋るときにちょっと暗い顔してたからどうしたのかなって」
「あぁ~、いや、参ったな。やっぱり顔に出てました?」
「そりゃもう。この優海さんの洞察力をなめてもらっては困るよ、青年」
そう言いながら、得意げに胸を張る優海さんを見て、やっぱりこの人には敵わないなと改めて痛感した。俺と違って、クラス全体の雰囲気をよくするムードメーカーだからな。成程、これが非リアとリア充の違いか。
「そりゃあ、君からすれば私はまだまだ知り合ったばかりで日が浅いかもだけど、私からしたら君は一応同じ部の仲間でもあるんだし気にかけてるところもあるんだよ?」
「たはは、何か気を遣わせてしまってすいません」
「むむっ、そうやってすぐ謝るのはNGだよ。ファイト充電、ぎゃるぱんち!」
「癒されっ・・・・・・!」
説明しよう、『ぎゃるぱんち』とは!優海さんだけが使える秘伝奥義で食らわせた相手にダメージを与えるのではなく、極上の癒しをお届けする最高にフワッとしたぱんちのことである。全部平仮名表記なのもその拳の柔らかさを文章でもより分かりやすく伝えるためなのだ。
「それじゃあ、また後でね。何でも一人で抱え込んじゃ駄目だぞ」
「ありがとうございました、お疲れ様でーす!」
何か一瞬いい雰囲気にはなったが、最後は相変わらずのボケ倒しとなったのだった。とはいえ、少し心が軽くなったのは事実だ。やっぱりいい人だな、優海さん。
「・・・・・・」
「おぅ、とうとうストーカーに転職かい、ツッコミ役」
「誰がツッコミ役だ、この野郎。単にお前が気付いてなかっただけだろ、龍は生憎作業中だったから邪魔するのもなんだし、な」
優海さんと話し終わって、後ろに気配を感じて振り向くとそこにいたのは修二の奴だった。たまに影薄いときあるよなぁ、コイツ。そして、何を今更。お前は何処からどう見てもツッコミ役だよ。他の奴等、ボケ要員しかいねぇもん。まぁ、俺含め時折ツッコミになる奴もいるが・・・・・年中ツッコミ役はコイツしかいなかったはずだ。大丈夫か、頭おかしくならんか。いや、既に少しおかしいか。
「というか、さっきいい感じだったなァ、えぇ?」
「バカヤロ、妙な憶測すんじゃねーぞ。どう見たって普通の会話だろ、普通の」
「いやいや、別に夢見たっていいじゃねぇか。俺らはあくまで年相応の健全な男子なんだからさ。妄想がアイデンティティの奴が何を言う」
うるせぇ、黙れ。妄想がアイデンティティとか何処の変態バカだ。確かに俺は脳内で架空の義妹達を補完できる程、妄想力は高いと思われる。少なくとも自作小説のストーリーの構想を難なく練ってる事から人並み以上である事は重々承知だ。だが、そこはあえて架空の中に出てくる人物に限定して行う事にしている。
「架空の奴だったら別に存在が元々妄想から作り出されたんだから発想力を鍛えるチャンスでもある。だけど、現実の人に向けてのだったらさ、根も葉もないような発想とかするのは失礼にも程があるだろ?」
「だから俺は現実で見えてる部分のみで構想を練る。まぁ、お陰でどっかの変態ゴリラさんよりはよっぽど現実的に生きれてる気がするけどな」
「お前の中の規制厳しいなぁ・・・・・・。失礼だとか別に妄想程度で他人に迷惑かけるわけ無いだろうよ?健全な男子らしからぬネガティブ思考だな。もっとポジティブに考えても罰は当たらないだろ」
「好きでネガティブ思考に切り替えてんじゃねぇよ。俺がポジティブに物を考えたらどうなるかって事を自分でよく理解してるからだ。『あ、あの子、俺の事好きなんじゃね?ktkr!』みたく調子乗るよりはマシだろ」
「妄想するときは妄想に入り浸るくせに現実してるときは現実しか見ないな、お前。妄想主義者なのか現実主義者なのかよく分からねぇや」
勝手に言ってろ。何処の誰にどう言われ様がこの規制は解くつもりはねぇよ。え、他にも規制はあるのかって?あぁ、絶対に踏み外してはいけない領域への警告やら女子と接する際の注意点だとかが盛りだくさんだ。紹介するつもり?あるあ・・・・・・ねーよ。
「お前等、今までリアル女子と手を繋いだとかそういうエピソードあったら聞かせてくれよ」
「ないな。一部を除けば」
「あったら、こんな童貞の巣靴みたいな場所にいてたまるかよ」
「そんなの夢のまた夢だよ」
「う~ん、じゃあお前に質問な。女子の手ってどうやって繋ぐの?ラブレターとか何?食えるの?」
「おめぇら全然夢がねぇな、おい!まぁ、俺もなんだけどさ・・・・・・っていうか、女子の手はどうやって繋ぐか?ラブレター?知るか!」
いつもの通り、部室でグータラ過ごしていると直樹が突然そんな事を言い出したので取りあえず適当に応えておく。まぁ、俺の質問も俺達と同類・・・・・・あるいはそれ以上のコイツに応えられるわけ無いか。じゃあ、読者の諸君、教えてくれ。女子の手(手に限らず身体)って柔らかいってこれほんとなの?ギャルゲとかで聞いた事はあるんだけど実際に触った事無いんだよね。どうなの?
「そういや、龍、一部を除けばってどゆこと?」
「いや、従兄妹で妹みたいな女の子がいてだな。その子と手を繋いだ事ならあるって事さ。」
「何・・・・・・だ・・・・・・と・・・・・・!?」
「でも、その子、父さんの実家に住んでるんでね、離婚して母さん側に付いた俺ら三兄弟はもう合えないという事さ。」
「あ、やべぇ、余裕で泣けてきた。それは随分惜しい事を・・・・・・ッ!」
リアルで義妹とは現代では廃れてきたため、その運命のめぐり合わせが成立する可能性は極めて少ない。例えて言うなら、実家の庭を掘って埋蔵金が出てくるか来ないか。それくらいの天文学的数字の確率だろう。いいっすね、俺は生憎義姉っぽい奴なんですけどな。
「じゃ、じゃあ、義理の姉とか妹とかいないのか?そいつの事を好きだったってエピソードはないのか?」
「さっきいたとは話したが・・・・・・流石にそれはない」
「スタイル良し。性格良し。成績優秀。スポーツ万能。この四点を秘めた恐るべき次元に存在した奴だから次元が合わねぇなとソイツを女としてみる事を諦めた」
「けーっ、つまんねぇなぁ、もぅ!」
んなこと言われたって。仕方が無いだろう。何故か俺の周りにいた魅力的な女子共はどいつもこいつも驚異的な才能を持ち合わせており、俺と全く次元の合わない奴等なのだ。まるで何処かの誰かが俺をそいつ等に近づけさせないようにさせているかのように。
「というか、何故そんな質問をいきなりしてくるんだよ?」
「い、いやぁ・・・・・・べ、別に何でもないぜぇ?お前等にもしそういう人がいて恋路に走ろうとしてるならそのフラグをへし折ってやろうなんて考えてるわけじゃないからな!ほ、ほんとだぞ!?」
「「そうか。あぁ、そういえばお前に渡したい物があったからこっち来い」」
「あ、あれ・・・・・・?な、何か嫌な予感・・・・・・。ちょ、まっ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
ミッションコンプリート。約束どおり奴に引導を渡した。これより戦場から帰還する。何、問題ない。後の処理は全て組織の用務員の仕事だ。では、エル・プサイ・コングルゥ。
まぁ、そんなこんなでいつもの如くこのおかしな面子で過ごしていく奇怪な日常がまた始まりを告げたのである。つーか、どうなんのかねぇこの部活。・・・・・・次回に続く。
Shift1 To be continued...
Next Shift...
「巡ってきた日常と大いなる日々。でもそんな日々がやっぱり楽しすぎて愛しすぎて」
「そんな環境下で新しく出会った仲間とここで見る二度目の春を迎えた」
「パソコンのある日常、次回第二話『日々と計画』」
「人生の糧は、何気ない日常にある」
如何でしたでしょうか。
まぁ、オタクの日常を描いてるので「何これ、キモい」状態になってしまった人もいるかと思われます。でも、大丈夫か!注意事項を読んだ上で同志ならちょっとだけでも分かってくれると信じて、初回投稿記念で3話まで上げときます。
え、ホモと淫夢成分?(作者が興味ないんで)……そんなものはない。