H×H イル×メル   作:@れんか

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24話 メル×拳法使い

 

 

「もう勝負は決した。なら他の受験者に干渉しても構わないでしょう?そんなルールはなかったし」

そう言ってメルはゴンを運ぶ。

 

「ゴンの治療をしたいのだけど、私の試合は後回しにしてもらえませんか?5分で戻ってきますので」

するとネテロはそれを了承した。

 

「5分くらい待ってやってもよいぞ」

「ありがとうございます!」

 

メルは医療班と共に会場から姿を消した。

その様子を見ていたギタラクルは深いため息をつくのであった。

 

 

 

高貴なる者の義務(ノブレスオブリージュ)を使う気だな。

まぁあの能力は定期的にその能力で誰かを助けないと、今まで助けてきた者の傷や痛みが全て自分に返ってくるっていう能力でもあるからね。

ここで使っておくのもありか。

 

 

 

ゴンを医務室に連れていき、メルは念能力を発動させていた。

みるみるうちにゴンの怪我は完治していく。

後はゴンが目を覚ますのを待つだけ。

その能力を見たサトツは驚いていた。

 

 

なんだこの異質な能力は……

 

 

 

「さすがルイス家ということでしょうか」

「いえいえ。私なんてまだまだですよ。世の中にはもっと凄い能力の持ち主がいますからね」

「貴方以上の能力……?」

 

メルはにこにこと笑いながらその場を離れて会場へと戻った。

 

 

 

 

 

「本当に5分で戻ってくるとはのぅ」

ネテロはニヤニヤとしながらメルを見た。

 

5分で治療を済ませるとは、一体どんな能力なんじゃ?

いつか見せてもらいたいものじゃ。

 

 

 

「お待たせしました」

メルはペコっとお辞儀をして会場に入る。

 

 

そしてようやく、メルとボドロとの試合が始まった。

 

 

ボドロはメルを見るなり怪訝そうな顔をしていた。

「女を相手にするのはちと気が引ける」

 

「女だからと言って舐めていては足を救われますよ」

にっこりと微笑み返すとボドロは戦闘態勢に入った。

 

 

どうやら構え方からして拳法使いの様だ。

なら体術で相手をするのが礼儀。

メルも戦闘態勢に入る。

 

 

お互い対峙してから微動だにせず相手の動きを伺っていた。

ボドロはメルの隙の無い構えを見てなかなか仕掛けられないでいた。

 

 

この小娘、ただ者ではないな。

死角がまったくないし気の緩みは微塵も見当たらない。

それになんだ、この感じは。

まるで、歴戦の拳法使いと対峙しているかの様なそんな気さえする。

ボドロはゴクっと生唾を飲み込みこんだ。

 

 

「来ないなら、こちらから行きますよ?」

 

 

仕掛けたのはメルの方からだった。

間を詰めて鋭い回し蹴りを喰らわせるもボドロはなんとかそれを受け止める。

右腕でガードするも蹴りの重さに骨がミシミシときしんでいた。

「-っく!」

 

ボドロは掌打を打ち込もうしたが、それはメルには当たらない。

メルは体を反らせて綺麗に避けると、ボドロの大きくあいた胴に素早く蹴りを入れた。

 

もろにメルの技を喰らいメルより大きな体は数メートルほど吹き飛んだのだ。

壁にぶち当たりゴホゴホッと激しくせき込みながらボドロは血を吐いていた。

 

 

 

「あ」

 

 

 

少し強く蹴りすぎたかな!?

どうやら内臓が損傷してしまったみたい。

大丈夫かな…?

早く終わらせてあげよう。

 

 

 

「貴方は私には勝てません。次の試合にかけた方が良いかと思われます。貴方のダメージではもう立ち上がれないでしょう?」

「舐めるな小娘っ!!」

「……へぇ。これでもまだ言えますか?」

 

 

メルは冷たい目でボドロを見た。

そしてこれでもかと殺気を放ったのだ。

 

 

その会場にいた全員が息を飲むほどの氷のような殺伐とした空気に、他の受験者は体を強張らせる。

ボドロの体は次第にガタガタと震え、メルと目線を合わすことさえできなくなっていた。

息をするのもやっとの様で、ボドロは酸素をうまく取り込めず過呼吸になっていた。

ポタポタと冷や汗が溢れ出て、ボドロは絞り出すように「参りました」と言ったのであった。

 

 

 

参ったと相手が言ったのになかなか審判が私の名を呼ばないからチラッと見ると、怯えた様に肩をびくつかせていた。

「私の合格でいいんですよね?」

にこっと微笑むメルを見て、審判は声を裏返らせながら「勝者メル!」と言った。

 

 

 

クラピカはメルを見て警戒心を強めていた。

やはり殺し屋一族ルイス家だけあってなんて目をするんだ。

あんなプレッシャーをかけられればただの格闘家など相手にすらならないだろう。

普段温厚で優しい性格のメルだが、これもメルの一面ということか。

 

 

メルは観戦者側へと戻るのだが、全員がメルを警戒して誰も目を合わせようとしなかった。

 

 

「やりすぎちゃったかなぁ」

眉をㇵの字にさせながら少しため息をつくと、ギタラクルはメルの頭に手をのせてよしよしと撫でてくれた。

 

「やればできるじゃない」

「こんなの誉めてくれるのイル、ギタラクルだけだよ」

 

「殺気で勝敗をつけようとしたのは相手の体を尊重したからだろう?これ以上ダメージを与えたら次の試合は放棄しないといけなくなってただろうしね」

「そこまで分かってたんだ。さすがだね」

「まぁそのくらい見てれば分かるよ。これでメルは合格だね。おめでと」

「ありがとう。ギタラクルも頑張ってね」

 

 

えっと、次の戦いは……

メルはホワイトボードに目を向ける。

 

 

 

「げ」

 

 

クラピカの相手ヒソカなの!?

 

 

 

クラピカは平静な顔をしてヒソカと対峙していた。

すごく落ち着いてる。

ヒソカ相手にどうやって戦うんだろう?

 

 

血を見ることになるかと思いきや、この試合は実にあっさりとしたものだった。

ヒソカがクラピカに耳打ちしたかと思えば、耳打ちしたヒソカが「参った」と言ってしまったのだった。

 

 

へ!?

まさかこんな展開になるとは思わなかったな……。

何を言ったんだろう?

 

 

クラピカは目を閉じて誰も受け付けない様子だった為メルは話かけられずにいた。

また時間をおいて聞いてみよう。

 

 

次は、ハンゾーさんとポックルさんの試合か。

この二人も明らかな戦力差があるからハンゾーさんが勝つだろうね。

 

 

 

メルの予想通り、ポックルはすぐに「参った!!」と素直に負けを認めるのであった。

 

 

 

次は、レオリオとボドロさんだ!!

 

拳法使いのボドロに分があると思われていた試合だったが、メルとの戦いで予想以上に消耗していたボドロは隙を見せてそこをレオリオにつかれてしまうのであった。

これ以上戦うことができなくなったボドロは素直に「参った」と負けを認めるのであった。

 

 

次はキルアとポックルさんの試合かぁ。

まぁキルなら問題なくすぐ合格をキメてくれるはず。

 

と思っていたが、キルアはなんと対峙した瞬間に負けを認めたのだ。

 

 

 

「え!」

メルはつい大声を上げてしまう。

 

 

 

 

あっさりと観戦者側へと戻ってきたキルアにメルは問い詰めた。

 

「キルアなら勝てたのに!」

「だってあいつ弱そうなんだもん」

「へ?」

 

 

メルはぽかんと口をあけた。

「ま、まぁ、強い人と戦いたいって気持ちは分からないでもないけど……」

 

 

 

キルアの次の対戦相手、イルミだよ!?

大丈夫かなぁ……

 

 

 

メルは一人で慌てるのであった。

そして次はボドロさんVSヒソカの試合が始まる。

 

 

 

言うまでもなくヒソカの圧勝だなぁ。

しかももうボドロさんは戦えないんじゃ……?

私が強く蹴りすぎてしまったからかもしれない。

加減はしたんだけどな……

このトーナメント戦はボドロさんの敗退で決まりかな。

 

ヒソカはボドロに勝利し、合格を勝ち取った。

 

 

 

 

そして次はキルアVSギタラクルの試合へと移っていく。

 

私はこの時まだ知らなかった。

 

この試合展開になってしまったことを激しく後悔することになるということを。

 

 

 

 

 

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