H×H イル×メル   作:@れんか

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4話 メル×ハンター試験×危険

メルは5日後、予定通りラルと共に屋敷を抜け出した。

共に向かったのはザバン市。

定食屋さんの前までやって来ていた。

 

「ここが今年の試験会場みたいだね」

「こんなお店でどうやって試験するのかなぁ」

 

「フフ、まぁ行ってみれば分かるよ。メル、約束事覚えてるかい?」

「人は殺さないこと、目立たないこと、死なないこと、ですよね?ちゃんと覚えてます!」

「よろしい。じゃぁ気を付けて行ってくるんだよ?試験が終わったらちゃんと迎えに来るからね」

「ありがとう兄様」

 

凄く多忙なのに半日も私の為に時間を割いてくれた。…しかもお迎えも来てくれるって…。本当に優しいな。

よし!必ずハンターになって一番に報告しよう!

 

メルはラルと別れて、一人定食屋へと足を進めた。

この距離からでも分かる濃いソースの匂いはメルの空腹感を呼び覚ました。

「そう言えば…、朝早く出たからご飯あまり食べられなかったんだった」

おなかすいたなぁ。

 

そんなことを思いながら扉を開けると、パチパチと油が弾ける心地よい音が聞こえてきた。

「わぁ、おいしそう」

「お嬢さん、一人?」

厨房に立つ小太りの男はメルに尋ねた。

 

「はい、一人です。奥の部屋開いていますか?」

その言葉で男の目つきが鋭くなった様な気がした。

 

「ご注文は?」

「目からうろこが落ちるようなステーキ定食一つ!一人前!」

「焼き方は?」

「弱火でじっくりことこと飽きるまでお願いします」

「あいよ、奥の部屋どうぞ」

 

毎年数百人と希望者がいる試験を受けるには最初の段階で振るいに掛けられる。

この情報をいかに入手するか、既に試験は始まっている。

 

通された奥の部屋には中華テーブルがあった。

仕方なく椅子に座ると数分後においしそうなステーキがやってきた。

 

ガーリックの良い香り!

焼き方も注文通り完璧!

「いただきます」

 

メルは躊躇なくかぶりついた。

と、同時に部屋ごと下の階へと下がっていく。

 

なるほど、エレベーターになっていたんだ。

ん~それにしてもおいしいお肉。

メルは急いでステーキを飲み込んだ。

 

動きが止まると壁が開き、そこには大きな空間が広がっていた。

既に何人もの受験者が集まっていたのだ。

 

わぁ、凄い!

こんなに人数がいるんだ!

にしても…、皆からの視線が痛いな。

 

メルは目立たない様に黒い帽子を深く被った。

すると目の前に緑色の豆の様な形をした者が丸いナンバープレートを手渡してきた。

 

「はいどうぞ。必ず胸につけて紛失しない様にお願いいたします」

それだけ言うと豆さんはどこかへ歩いて行った。

 

私のナンバーは450番。

豆さんに言われた通り胸につけた。

 

すると青い服を着た小太りの男が近づいてきた。

「?」

「やぁ、見ない顔だね。僕はトンパ」

「初めまして」

「僕はもう35回も試験を受けているんだ。まぁ、試験のベテランというやつさ!」

 

35回‼

そんなに試験を受けているんだ…。

試験のベテランって…うーん、あまり威張れることではないけれど…

それだけハンターになりたいっていうことだね!

それは私も同じだ。

 

「わからないことがあったら何でも聞いてくれ」

「ありがとうございます。私はメルです」

「メルちゃんかぁ。かわいい名前だね」

 

 

話をしていると、すぐ近くで男の叫び声が響き渡った。

「うわぁああああああああああああああ‼」

同時にここら一体に体の芯まで震える程のオーラが放たれた。

メルはすぐに反応して人が集まっている場所へと向かった。

 

そこにはピエロの様な服を着た男が立っている。

「あら不思議。腕が花びらとなって消えちゃった。気をつけようね?人にぶつかったら謝らなくちゃ」

最後ににっこりと笑っていた。

 

あの人念能力者だ!

なんてピりついたオーラなんだろう。

 

「あいつは奇術師ヒソカさ。今年もヤバい奴が紛れ込んだな」

「今年も?」

「去年合格確実と言われていたけど試験監督者を半殺しにしちまってね」

「ヒソカ…」

気を付けないと。

 

そう思っていると、ヒソカはちらっと私の方を向いていた。

「!」

いけない、念能力に反応してオーラを出してしまった。

 

目が合ってしまった…。

咄嗟にガードしたからって変に興味を持たれては困る。

メルはすぐに絶をして人ごみに紛れた。

 

目立たないことを約束に連れ出してもらったんだから気を付けないと…。

 

姿を消すことに夢中で意識せずに歩いているとコツンと硬いものにぶつかった。

「-いた…」

鼻をさすりながらぶつかったものを見ると、針が大量に刺さったカタカタと奇妙な音を立てている男にぶつかっていたことをようやく認識した。

 

こ、この人も変だ‼

にしても…、いくら意識していなかったといえど私が人にぶつかるなんて。意図して存在感を消していたに違いない。それも絶の達人レベルの…。

「やぁ」

「ごめんなさい、前を見ていなくて」

「いいよ別に」

 

話してみると…普通だな。

見た目ほど怖い人ではないのかな?

 

「君、絶がうまいんだね。近くに来るまで気がつかなかったよ」

「貴方の絶も凄いわ。前を見てなかったと言えど下手な絶なら見ないでも避けられるのに気が付かなかった。相当な念の使い手なんだね」

「…まぁね」

 

まぁねってこの人…。余程自信があるのね。

やっぱり少し変わっているかも。

 

「じゃぁ私はこのまま人ごみに紛れるから」

「なんで?」

「ピエロみたいな人に目を付けられない様にする為だよ。貴方も気を付けてね。あの人挑発する様にオーラをぶつけてくるから」

「あぁ、あいつは俺の協力者だよ」

「へ?」

 

予想外な言葉につい間の抜けた声が出てしまった。

「きょ、協力者?…仲間のことを悪く言ってしまってごめんなさい。私には関わらないでって伝えておいて欲しいな」

「んー、伝えるだけならいいよ」

「ありがとう!貴方とは仲良くなれそう!じゃぁね」

 

メルは早々にその場から立ち去った。

すると針男のすぐ後ろから「妬けるなぁ」と言いながらヒソカがやってきた。

 

「聞いていたんだろ?関わるな、だってさ」

「そんなの無理無理。あんなに洗練されたオーラはそういない。いい玩具が見つかった♢今回は退屈せずに済みそうだよ♡そんなことより、君も少し興味を持っている様だけど?」

「んー、少し気になることがあってね」

 

「気になること?」

「うん。もしかしたら知り合いかも」

「え?そうなの?同業者とか?」

「合ってたら、そうだね。同業者だよ」

「ふぅん、益々興味が湧いて来たよ♡」

すると針男はグリンっと首を曲げてヒソカを見た。

「ヒソカ、あの子の正体がわかるまで手は出してはだめだよ?」

「はいはい♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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