H×H イル×メル   作:@れんか

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40話 子×ト×煩悩

 

メルとイルミが施術を受けている時、ルイス家ではー……。

 

青ざめた顔のラルが茶会場所に戻ってきたことで、大体察しがついたエルはゴホンッと咳ばらいを1つした。

「その様子じゃ、うまく説得できなかったようだな」

「メルってば今回は本気みたいでね……、それでー・・・…」

 

「何か条件を言われたみたいだねラル。メルは何て?」

同じく青ざめた顔のウィアムは息を飲む。

「父さんがイルミに謝罪をするまで家には帰らないって」

 

それを聞いたエルは飲んでいたお茶を吹き零した。

「ゴホッゴホッ、……それは本当かラル」

「こんな冗談僕が言う訳ないでしょ」

「父さんの立場を知っての発言か。……メルは相当怒っている様だな」

 

今までお菓子を食べていたキルアとゴンも、漂う異質な空気にその手を止めた。

おいおい、これかなりヤベェことになってないか?

ルイスとゾルディックは協定を結んでいるからとは言え、親父レベルのメルの父さんが頭を下げるなんて、そんなこと普通あり得ない!!ただの一般人が頭を下げることとは訳が違う。簡単にできないと知って、それを要求しているという事は、メルはかなり本気だ。もしかしたら最悪、ゾルディックとの協定がおじゃんになってしまうことだってあり得る!!!そうなったら俺、ここにいるのかなりヤバいかも……?

 

キルアの様子を見て、ウィリアムは「心配しなくていいよキルア君」と声をかけた。

ウィアムはキルアが考えていることを全て理解していた。

 

「このことでゾルディック家とどうこうなることはないし、そんなことはさせないよ。僕にとって大事なのは子どもたち。エルとラルはもう立派な大人だし、もう僕が気に掛けるほど子どもじゃない。でも、メルは違う。女の子だし、妻にそっくりな彼女のことをきっと僕は何歳になっても気にかけ続ける。メルの安全が第一なんだよ。僕が謝罪しない限り、メルが戻って来ず、そのことで危険に晒されることにでもなれば僕は自分を許せない。メルの為ならこの頭を下げることなんて軽いことなんだよ」

 

「まぁ、メルがイルミのこと気にかけてること知って、年甲斐もなく嫉妬してあんな意地悪なこと言った父さんが悪い。潔く謝って下さい」

「エル?だってメルってば久しぶりにあった僕よりイルミ君の方ばっかり見てるんだよ?そんな場面見せつけられたら嫉妬くらいしちゃうでしょ」

 

キルアとゴンはその発言に苦笑いだ。

想像していた人物像と大分違うな。もっと厳しくて威厳のある感じかと思っていたけど、この兄達あってこの父ありという感じだな。でもまぁ、うちとどうこうなりそうな感じではないし、ひとまず安心かぁ。-ったく、メルってば本当無茶苦茶しやがって。早く戻って来いよなぁ。

 

すると、キルアとゴンの携帯が一斉に振動した。

こそっと携帯を確認すると、送り主は問題の中心人物であるメルからであった。

 

今からイルミと旅行に行ってくるね。

急にお茶会から抜けちゃってごめんね。

屋敷には何日居てくれても構わないから自由に使って?

私の直属の部下5人には、キルアとゴンのこと面倒見てくれるよう頼んであるから何かあったら言ってね。

それじゃぁね!!

 

「って!じゃあねじゃねえよ!」

ったくあいつ!

 

なんて思っていると、後ろからひょいっと携帯をラルに奪われる。

「あっ!!」

手を伸ばすも180もある身長のラルから携帯を奪える筈もなく、キルアは直ぐに諦めた。

 

「メルってばキル達にはメール送ってるよ。僕にはあんな態度だったのに」

あからさまにしょぼくれるラルを見て、気の毒に思ったゴンは同情の目を向けていた。

 

「ラル、そう落ち込むな。父さんが謝れば全て解決だろ?それで、メル達は今どこに?」

「メールには場所までは書いていないけど、旅行に行くって言ってたよ」

その言葉を聞いて、ウィリアムから鋭く深いオーラが放たれる。

 

「へぇ、旅行?若い男女が二人きりで、旅行かぁ」

満面の笑顔であるが、父親として愛娘を想うあまりドス黒いオーラが抑えきれないウィリアムを見て、キルアとゴンは全身の皮膚が泡立っていた。

 

なんてオーラしてやがる!!!

 

怖い!!!!

一秒たりともこの場にいたくない!!!!

 

そんな二人を見て、エルは咳ばらいをする。

「父さん、少しは冷静になって下さい」

エルの言葉でハッと我に返るウィリアムは客人2人に謝罪をすると、ゆっくりと立ち上がった。

 

「さて、メルを迎えに行くとしようか」

「どこにいるかもわからないのにどうするの?」

警戒した表情のゴンは首を傾げる。

 

「メルの携帯にはGPSが付けてあるんだよ。どこにいても居場所が分かる様にね。僕は仕事で忙しいからこんなことでしか娘の場所を把握できないのは情けないことなんだけどね。-……なんだ、シェラードアイランドか。結構近くじゃないか」

 

「父さん、今から行くの?仕事は?茶会の為に無理やり時間を作ったのに大丈夫なの?」

「メルと仕事、どっちが大事って聞かれたらラル、お前ならどう答えるんだい?」

「そりゃ迷わずメルを取るけど」

「そういうこと。機転の利くラルなら分かるよね?」

「……はぁ、父さんがいない分僕が仕事を回すってことね。おーけー、分かってるよ父さん」

「全く、頼りになる息子で大助かりだよ」

 

「兄さん、父さんが暴走しない様にちゃんと見張っててよ」

「勿論だ。キルとゴン、お前たちはどうする?一緒に来てもいいが」

 

「俺たちはもう少しここでお邪魔させてもらうよ」

「フレッチャーとも遊びたいしさ!」

 

「了解した」

「じゃぁエル、行こうか」

 

庭には、タイミングよくプライベートジェットが降り立ち、2人はメルとイルミがいるシェラードアイランドへと向かうのであった。

 

 

 





その頃―……。
メルにオーラを吸い取られたヒソカは、こっそりと部屋から抜け出してルイス家を見て回った後誰にも気づかれずに姿をくらましていたとさ。

メル覚えておきなよ♡



「くしゅん!!!」
「なに?風邪でも引いたの?お腹出して寝るからだよメル」
「だっ、出してないし!!」

あれ?何か大切なことを聞かないといけなかったんだけどな。
なんだっけ……?

ヒソカの存在をスッカリ忘れてしまっていたメルであった。




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