乙女剣士と戦闘狂の暗殺教室 作:ニック
八重樫さんに出した最終通告。
厳しいだろうがここで決めないとこのままずるずるといってしまうので八重樫さん自身が答えを出さないといけない
だからこそ俺はそこに居合わせたらいけないと思っていたんだが
「ってことがあったんだ」
「そうなの?もう光輝ったら」
と修学旅行の最初の晩御飯
お互いに久しぶりに親友に笑顔が溢れ、まるで百合の花が咲いているみたいにべったりであり再会を喜んでいた
そんな二人に一人だけポツンと食べ続けている俺はさすがにいずらい。何なら白崎さんの料理をいただいているのもあって、余計にいたたまれない。
「……ってなんで俺まで」
「えっと?ダメだった?」
「いや。別に夕飯くらいはいいけど……ちょっと居づらい……」
「えっ?どうして?」
「仲よすぎだから」
突っ込む俺に二人がキョトンとする
百合の花が咲いているみたいで俺は完全に置いてけぼりとなっていた
「えへへ。そうかな?」
「そうかしら?」
「自覚なしっと。まぁ八重樫さんが元気出たなら別にいいけどさ、それに人気のある女性の部屋で飯を食べるの少し気まずい。」
俺は少しだけ安心してしまう。
久しぶりに笑ったな。八重樫さん
白崎さん呼んで正解だったと思ってしまう。
「あら?それはあなたがいうかしら?あなたってクラスでも人気なんでしょ?修学旅行で彼氏にしたい男子で一位になっていたわよ?」
「…それ俺に言ってもいいのか?」
「でも雫ちゃんも人気だったよね?修学旅行の男子での気になる女子一位だったよ」
「……あなたもいいの?元はあなたがバラしたのよね?」
「別に隠せって言われなかったから別にいいんじゃね?てかお互いにやることは恋バナかよ」
「修学旅行の定番ネタだからじゃない?あなたも参加したの?」
「したな。まぁ自分のタイプを言ってごまかしたけど」
「えっ?そうなの?」
「担任に見てたからな。あの先生メモって逃げやがったから」
なお、バタバタとして暗殺になったのはいうまでもない
「女子も似たようなものよ。確か女子はあなたに七票近く集まっていたから」
「俺か?意外だな。健斗はともかく悠馬は選ばれてもおかしくないと思っていたんだけど」
「磯貝くんも人気は高いんだけど……金銭面でね」
「あぁ。なるほどな」
「……二人とも私のこと忘れてないかな?」
すると白崎さんがほっぺたを膨らませていかにも怒ってますと言いたげだった
白崎さんをなだめていながら夕飯を食べている途中だった
「それで雫ちゃんはどうするの?元の中学校に戻るのかな?」
「…」
「雫ちゃんはどうしたいの?」
本当にまっすぐに投げ込んでくるな。
急な話の方向転換に俺は驚くが白崎さんの目は真剣だった
「……俺からも少しだけ口を挟むけど、八重樫さんはもうちょっとワガママになった方がいいんじゃないか?」
「えっ?」
「期待に応えるっていうのも分かるけどさ、自分がどうしたいかっていうのが一番大事だと思うぞ?俺だってそうだろ?お前らがさらわれた時にお前らの班に任せたり、あのまま殺せんせーを呼ぶことだってできたしな。そうしなかったのは、まぁ少しばかり怒りもあったんだけど、俺自身が八重樫さんを助けに行きたかったからだし。というよりも殺せんせーに任せた方が安全だったって後から後悔していたけどな」
実際俺が助けに行ったのは自己満足でしかない。
それも正直に応えるのなら、あの時俺は八重樫さんを助けに行っただけなのだ。
だから本来なら神崎さんや茅野さんにお礼を言われる筋合いなんてないのだ
「多少迷惑かけたってちゃんとフォローしてくれる人も、やりたいことに協力してくれる教師もいるんだしな。真面目な性格なのはわかっている。でも期待に答えながら自分を出す。自分の意見を告げるっていうのはこれから先必要な技術だぞ」
「……あなたは?」
「ん?」
「井岡くんはどうなの?私を助けてくれるのかしら?」
八重樫さんの言葉に俺は呆れてしまう
助けないんだったら元々殺せんせーか烏間先生に任せているからな
「…いや。助けにいっただろ?」
「……それもそうね」
「ん〜言葉じゃ簡単に言えるけど行動で表さないといけないだろ?スポーツと同じで結果が全てだから……ただ言葉で伝えるなら。俺は八重樫さんを見捨てない。それが身内であり友達の八重樫さんの味方であるから」
俺は言い切る。それが俺が八重樫さんに出来る唯一のことだ
すると今まで弱気であった八重樫さんの目に少し輝きを取り戻していた
「……味方でいてくれるのよね?」
「あぁ」
「いざという時は助けてくれるのね?」
「当然」
「そう。……なら……もう少し頑張ってみようかしら。香織とは離れることになるけどそれでも井岡くんがいてくれるならもう少しだけ頑張れそうだから」
恐らく暗殺という意味でもだろう。
でもちょっとだけ事情がかわったんだよなぁ
「そのことなんだけど、ちょっといいか?白崎?お前椚ヶ丘こない?」
「えっ?それってE組ってこと?」
俺は頷く。
危険であるがちょっと前の中学の白井から聞いた情報であれば出来るだけこっちも手を打っておきたかった
「いや。中学の友達に聞いたんだけど、白崎さんも八重樫さんがこっちに移ってから元気もなかったらしいし、ちょっと孤立気味って聞いていたから」
「……えっ?」
「天之河の取り巻きが八重樫さんがいなくなったおかげで急に勢力を伸ばしはじめているって。だからいつものメンバーで集まることも少なくなったって聞いている。元々天之河を狙っている人は多かったからな。八重樫さんがこっちに来たからその均衡が破れたんだろ」
だから少しだけとある提案を烏間先生に聞いてみたのだった。
そしたら意外にも了承してくれたのもあり事情も話して相談してほしい
「というよりも今は一人でも可能性がある生徒が欲しいんだとよ。それに八重樫さんの件っていえば簡単に防衛省は脅せるしな。まぁ正直八重樫さんが向こうに戻るか、白崎さんがこっちにくるかが一番よかったんだよ」
「ちょっと待って、どういうこと?二人とも剣道の強化選手として椚ヶ丘中に転校したんじゃないの?」
「……白崎。ちょっと真面目な話になる。馬鹿げているかもしれないけどこれは真実だ。このままいけば来年の三月地球が滅びるらしい」
とここから俺の説明が始まる
八重樫の本当の姿もこみで説明し始める
元々は俺だけ参加する予定であったが八重樫さんが国家秘密の殺せんせーを見て加わったことなど
できるだけわかりやすく説明する
「……つまり、その殺せんせーを殺さないと地球は月みたいに破壊されるの?」
「マッハ20の化け物でゴム弾で殺せるっていう見た目は黄色いタコみたいな奴だけどな。今触手を破壊したのは俺と赤羽の二人。両方とも不意打ちって形だったけどな」
「……雫ちゃん?嘘じゃないんだよね?」
「嘘みたいだけど本当のことよ。私も巻き込まれてしまったけど普通に授業しているし暗殺をしていること以外は変わらないわ」
「というよりも普通の先生より断然分かりやすいしな」
あの先生の経歴が気になるところだけど……
ってよくよく考えると少しだけおかしいところがあるよな
まぁ人工的に作られたものと恐らく元人間ってことは分かるが……
「まぁ、これは絶対国家機密だから漏らさないように。一応俺が信用における人物として身内の一人に声をかけることを条件にしたから」
「えっと?もし受けなかったらどうするの?」
「いや。何もしない。まぁ記憶消去手術もしないようにしてある。元々は八重樫さんの相談役として関係者じゃない信用のできる人をおきたかったから、もし戻るにしろ八重樫さんの苦痛を和らいでくれる可能性が一番高いのは白崎さんだから。こっちに来ないとしてもこれから八重樫さんの相談を受けたり愚痴を吐き出せるのが白崎さんだと思う。口の堅さは分からないけど一番の適任だと思うしな。元々今回の件で残るにしろ戻るにしろアフターケアは大切だったし。八重樫さんが安心できるというか素直になれるのは白崎さんだと思うから」
というと白崎さんがこっちを見て笑っている
俺は首を傾げ白崎さんをジト目で見る。
「なんだよ?」
「ううん。雫ちゃんのこと本当に大切にしているんだって思って」
「……別にいいだろ?」
「もしかして二人って付き合ってたり」
「しないしない。というより俺元からこんなんだぞ?後輩とかにも結構過保護って言われたりする」
「……だからタチが悪いのよ」
まぁどのことを指しているのか分かっているが聞こえないふりをする
はぁと少しだけため息を付くと真剣な様子になる
「で、香織を本当に入れる理由は?」
「ん?」
「こっちに来る方が危険じゃないの?殺し屋に狙われるようなことだってあるんでしょ?」
本当に頭が回るのが早い。
問題提起能力とカリスマ性、総合力的にはかなり高いのが八重樫さん。
だけど
「……それが一番の理由だよ。今学校外で人質に取りやすいのは白崎さんだろ?武道もなにも教えもないそれでいて八重樫さんと俺と交友がある。俺は烏間先生のことは信頼しているけど、国に関しては信用してないからな」
俺は一つだけ言葉を挟む。すると八重樫さんも理解したらしい
「防衛省が生徒の危害を禁止しなかった場合狙われるのは」
「絶対ではないが白崎さんだろうな。確実に八重樫さんって人質を取ることができる。まぁだからこそ俺たちがやっていることについて話したっていうのはあるけど?…脅し行為になるからわざとボカせたんだよ。俺の予想が絶対に会っていることなんてないし、それに殺せんせーがいる方が安全だろうしな。まぁだからこそ今回駅に呼んだのは…殺せんせーに白崎さんの匂いを覚えさせるためでもあったんだ」
「…あなたどれだけ先を考えているのよ?」
俺は少しだけ苦笑する
実際俺に関して先を読む能力は異常だと言われる
とくにリスクリターン問題に関してはなおさらだ
「それだけ先のことを考えないとあの先生を殺せない。どれだけ先を読めるか。どれだけ行動パターンを見抜けるかが暗殺の鍵をになっているんだ。まぁ先を読むことは剣道の応用だよ。人を見て、癖を暴き、そして次の動きを予測する。俺はどちらかといえば指揮能力がないからな。結構自由に動き回る性格もあるし」
「自分でいうのね?」
「自分のできることを理解していないとな、自分よりも強い人に勝つなんて不可能だから」
強いって分かっている時だってある。普通じゃ敵わないって分かっているって思う相手がいることだってある。
負けるってことは俺は嫌いだ
「……えっと?でも両親にはどう説明するの?」
「建前は防衛省がなんとかするだろ?そこらへんは後から聞かされるだろうし話を合わせればいい。まぁ無くても八重樫さんを使えばうまくいくだろうしな」
「雫ちゃん?」
「あぁ。まぁ例えば今回の件で不安に覚えた親御さんが女性が寮での一人暮らしに不安を覚え友人とルームシェアするためとか適当に理由をつけることは可能だろうな」
実際やろうと思えばいくらでもやりようがあるし、
「まぁつまりは白崎さん次第で」
「もちろんやるよ。雫ちゃんと一緒に居られるんだよね?」
「まぁルームシェアすることになるだろうな。八重樫さんが良ければだけど」
「別にいいわよ。一人じゃちょっと寂しかったし」
ん。それなら連絡をしておくか。
一応これで八重樫さんのことはある程度は落ち着くだろう
「まぁ転入は週明けくらいかな?」
「そうなるわね。でも大丈夫なの?授業追いつくの中高一貫校だからかなり大変よ?」
「大丈夫だと思いたい。……殺せんせーに話して勉強教えてもらえよ。来週ってことは1日のほとんどを勉強漬けにされるだろうしな。まぁ総合的に俺たちの方が点数は高いから……白崎さんの方がかなり大変じゃないか?」
「えっ?」
すると引きつったような白崎。俺たちとは違い余裕はない
心の中で頑張れと思いながら勉強を手伝ってやるかと俺と八重樫さんは少しだけ苦笑するのであった