デンドロ壊工譚   作:イヤホンの人02

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マジンギア(【マーシャルⅡ】)生まれたのいつ…?




5話目 仲間

 

 

□皇都 【従魔師】メサイヤ・エンター=ティナー

 

 

「金欠、ですね…」

 

 

 そう言えば最初に貰える五千リルから、あまり所持金額は増えていませんでした。むしろギリギリでも買える値段であったのは幸いでしたね。

 

 

「え…それって買ってよかったの?」

 

 

「えぇまぁ、始めてまだ2日です。暫くは大変でしょうが、装備品を考えなくていい分楽な部類でしょう」

 

 

 これが一ヶ月二ヶ月なら武器防具のメンテナンスをする必要がありますが、私の場合は主にお金が掛かる所が直接戦闘を行うので、装備品の消耗とは少々無縁な所にあります。ロボットなのでどの道メンテナンスが必要ですが、次のジョブに【整備士(メカニック)】を選ぶ予定なので問題はありません。すぐさま行わなければいけないほど脆くは無いでしょうし…。それにエンブリオから生み出された存在なので他者に依頼できるとは思えませんし、依頼してバラされて帰って来たら目も当てられません。

 

 

 閑話休題。

 

 

「へぇ、新人のマスターだったんだ」

 

 

「はい。なのでNPCをティアンと呼ぶのにまだ慣れていません」

 

 

「そうなのね。…あれ、冒険者ギルドに行ったことは?」

 

 

「無いですね」

 

 

「………どうやって稼ぐつもりだったの?」

 

 

「……………」

 

 

 モンスターのドロップアイテムを売ればどうにかなると思ったのですけど、如何やらそれは間違いの様です。明らかに呆れたような感情が伝わってきました。

 

 

 

 

 

「はぁ…。薄々そうじゃないかと思ってたけどあなた、ゲーム自体初心者ね?」

 

 

「…おっしゃる通りで」

 

 

 お恥ずかしい限りです…。

 

 

「うーん、なんだかこっちが心配になってきたわね…。

 ………そうだ! 私とパーティ組みましょう!」

 

 

「え…いやいや、それは申し訳ないですよ。それにあなたのパーティメンバーに迷惑が掛かります」

 

 

 此処までの会話で、彼女は面倒見のいい人だと思います。だからと言ってその好意に甘え続ける訳にはいきません。

 

 

「私は常にソロよ。それに……」

 

 

「それに…?」

 

 

 そこまで言うと、こちらに顔をずいっと近づけてきました。

 

 

 

 

 

「折角出会ったんだもの。ここではいサヨナラは勿体ないじゃない?」

 

 

 

 

 

「ッ! …確かにそうですね」

 

 

 ここはバーチャル・リアリティ・M(大規模)M(・多人数型・)O(オンライン)ゲームです。年齢や性別、住む地域の違う人々が交流出来るのも醍醐味であるゲームで意味も無く拒む必要はありません。

 

 

「それでは、よろしくお願いします」

 

 

「こちらこそ、よろしくね」

 

 

 彼女とフレンド登録をし、同時に初めての共闘仲間(パーティメンバー)が出来ました。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

□皇都 冒険者ギルド前 【従魔師】メサイヤ・エンター=ティナー

 

 

「そう言えば。あなた…って、なんて呼べば良い?」

 

 

「そうですね…、ではエンターで」

 

 

「私は呼び捨てで構わないから。それでエンター、さっき買ったあの銃、結局どうするの? メインジョブは【従魔師】だったよね」

 

 

 冒険者ギルドにて、近場のモンスターの討伐クエストを幾つか受けた後に彼女ーーイレーナからこんな質問がきました。

 

 確かに、ジョブを【銃士(ガンナー)】にしていないのに銃を欲しがるのは不思議に思うでしょうね。

 

 

「あの銃ですか? 私のエンブリオが絡んできますが、ちゃんと使いますよ」

 

 

 少々所ではなく特殊な使い方ではあるのは自覚していますが。

 

 

「ふーん…。…折角パーティを組んだのに、お互いのエンブリオを知らないわね……」

 

 

「…まぁ、すぐに教えるものでも無いですし……」

 

 

 ここで流れる微妙な空気も、人付き合いの醍醐味…ですかね……?

 

 

 

 

 

 雑談をしつつ街の外へ出て、まずはお互いのエンブリオを教え合う事にしました。

 

 

「私のエンブリオはこれです」

 

 

「へぇー、ノートパソコンなんてのもあるんだ」

 

 

「あぁ後、こっちもですね」

 

 

 危うく忘れそうになったので、アルファ號機達を《喚起》しておきます。

 

 

『マスター、我らの事を忘れないでいただきたいです』

 

 

『ひどいでゴワス』

 

 

「バレましたか」

 

 

「しゃべった?! 何このモンスター」

 

 

  何やら物凄く驚かれました。…そんなに驚きますかね…?

 

 

「それを含めて、ちゃんと説明しますよ」

 

 

 そして、街中では出来なかった作成を兼ねて実演を交えつつ説明しました。

 

 

 

 

 

「アームズって、そんな事出来る物もあるんだね」

 

 

 帰ってきた感想がこれです。…なんだか感想が淡白ではありません?

 

 でも言いたい事は分かります。何かを作るといった能力は主にTYPE:キャッスルでよくみられますからね。

 

 

「それで、イレーナのエンブリオはどの様な物で?」

 

 

「先に言うと、TYPEはアームズね」

 

 

 そう言って取り出した物は、二丁の銃。と言うよりも、三門一組で三組付いたガトリングガンが二丁。昨日見たマスターはイレーナだったんですね…。あまりに言葉にしづらい光景だったので、つい記憶を片隅に追いやっていました。

 

 

「このエンブリオの名前は【永毒弾末 ヒュドラ】。能力は単純に攻撃時に毒を付与するわ」

 

 

 言われて見れば、銃口の形が蛇の顔の様な造形をしていました。それでも二丁って…。

 

 

「…ストレス、溜まっているんです?」

 

 

「それ如何言う意味!?」

 

 

 お巫山戯は此処までにしまして、2人と二機のパーティ戦闘を始める事にしましょう。…ヴェージは戦えないので。

 

 






【永毒弾末 ヒュドラ】
TYPE:アームズ 到達形態:Ⅲ
能力特性:弾幕&毒
スキル:《毒の飛牙》
必殺スキル:ーーー
モチーフ:古代ギリシア語で水蛇を意味する言葉、及びギリシャ神話に登場する多頭の蛇の怪物“ヒュドラー”





〜〜〜〜〜


このエンブリオのアイデア、思いついてから二年経ってたよ…。


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