陰陽絶唱シンフォギア~戦姫と十三人の転生者~   作:はんたー

13 / 20
12話

 side太陽

 

「祓へ給へ清メ給へ

 守り給へ幸メ給へ……喼急如律令!!」

 

 凄い……どんどん右腕に今まで感じたことがないほどの力が集まってくる

 それに共鳴するかのように右腕は笑い

 

 俺は新たなる力を解放させた……

 

「これは……?」

 

 奏は俺の右腕を見て呟いた

 俺は奏の疑問に答えるべくこの力の名前を言った

 

「これが俺の……新しい力……だ……

 

 

重奏陰陽術式(じゅうそうおんみょうじゅつしき)星方舞装(アストラル・ディザスター)!!! 

 

 俺は早速目の前のノイズに向かって呪文を唱えながら拳を構える

 

「東海の神名を阿明、西海の神名は祝良

 南海の神名は巨乗、北海の神名は愚強

 四海の大神 百鬼を退け凶災を祓い給えっ!!」

 

 そして俺は左手で星を描きながら右手を突き出す

 

流星拳(メテオスマッシュ)!!!! 

 

 すると凝縮された巨大な呪力の焔を拳から出し、目の前にいたノイズを蹴散らした

 

 

 

 

 

 

 

 

 ************

 side奏

 

「……すげぇ……」

 

 私は思わずそう呟き、翼も驚いたような表情を見せる

 

「あれが……太陽の新しい力か……」

 

 まるで本当に太陽の熱を凝縮したような一撃でかなりの数のノイズが倒されていく

 

 その光景を見ながら私は頭のなかでさっき太陽に言われた言葉を反芻していた

 

『お前が言ったんだろ!!! 

 自分を犠牲にするような戦いかたをしていた一月前までの俺に!!! 

 あんな戦いかたをしてほしくないって!!!』

 

 ああ、そのとおりだ

 私は太陽に自分を犠牲にするような戦いかたをやめてほしくてあいつにそう言った

 

 にも関わらず、私が自分を犠牲にして戦うなんて可笑しい話だ

 

 それに……

 

『生きて……奏……』

 

 私は私をかばって死んだ父さんと母さんが遺した最期の言葉を思い出す

 

 そうだ、こんなところで死ぬなんて父さんも母さんも妹も

 ここにいる誰も望んでいない

 

 ならば生きる

 生きて皆と一緒に戦うべきだ! 

 

 それに、あの子に生きるのを諦めるななんて言っておいて自分が諦めるのも可笑しいしな……

 

 そう思いながら私は再び槍を構える

 

「奏……?」

 

 翼が心配そうに私の名を呟く

 

「ごめんな翼

 もう大丈夫さ!」

 

 私は笑いながらそう応えた

 

「私は太陽と一緒に戦ってくる!」

 

「でも」

 

 翼はLiNKERの効力が切れかけているのを心配してくれているのだろう

 

「大丈夫だって! 心配性だなぁ翼は……」

 

 そう言って私は翼の頭を軽くなでた

 すると翼は少しだけ安心したような表情になった

 それを確認して私は自身の肩翼にあの子を託した

 

「その子を安全なところに移してくれ

 頼んだぞ翼!!」

 

「うん! わかったよ奏!」

 

 そして私は戦場に舞い戻った

 LiNKERの効果もじき切れる

 でもこんなところじゃ死ねない

 私は死ぬために戦うのではなく生きるために戦うんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ************

 side太陽

 

 すげぇ、これが星方舞装の力か……

 今までの星装顕符とはまるで違う

 その圧倒的破壊力に俺は少し身震いした

 今の流星拳でかなりの数のノイズを祓うことができた

 それでもまだかなりのノイズがいる

 俺はそいつらを祓うため、ノイズに向かって走り出す

 

「おりゃあ!!」

 

 右腕を振るうだけでノイズたちは消滅していく

 この力ならばここにいるノイズ全てを祓うのも不可能じゃないかもしれない

 とは言えちんたら時間をかけてはいられないな……

 呪装は維持するだけでも呪力を消費する

 強力な呪装であればあるほど消費する呪力もそれに比例して高くなっていくものだ

 恐らく星方舞装を維持していられる時間は持ってあと五分ってところか……

 

「危ない! 太陽!!」

 

 そう言われ俺は奏に左腕を引っ張られる

 すると、先程まで俺が居た場所をカッターのように回転する飛行ノイズが攻撃をした……

 危ねぇ……

 

「あの子は……!?」

 

「安心しな、翼が安全な場所に連れてったよ!」

 

 そうか……よかった

 それにしても……

 

「大丈夫なのか? 奏?」

 

「ああ、あんたに言われた言葉で頭を冷やせたよ

 もう大丈夫さ」

 

 さっきまで自分を犠牲にしてあの子を守ろうとした奏だが今の奏にはそんなつもりはないようだ

 

「なら一緒に行くぞ! 奏!!!」

 

 俺は奏と手を繋いだまま()()()()()()()()を構え、ノイズに攻撃しようと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん? 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、お前の腕、さっきより大きくなってないか?」

 

 奏の言うとおり、俺の星方舞装は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 奏と手を繋いでノイズと向き合ったときから……

 

 ……まさか、これって!? 

 

 

「れ、共振(レゾナンス)か!??」

 

「れ、れぞなんす?」

 

 奏は双星でもなければ陰陽師でもない

 そもそも奏には呪力だって一般人程度しか存在しないんだ

 それなのになんで共振が発動するんだ……

 

 いや、考えてる隙はない

 それにこの力ならノイズを一気に祓うことができる

 

「奏! 力を貸してくれ!」

 

「……おう!」

 

 俺の言葉に少し戸惑ったが奏ははっきりとそう応えた

 そして俺は巨大になった星方舞装をノイズたちに向け……

 

共振(レゾナンス)っ……

 

紅蓮流星拳(クリムゾンメテオスマッシュ)!!!!! 

 

 俺たち二人の一撃を喰らわした……

 この一撃でこの会場にいたノイズどもは全て祓われたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ************

 

 side海龍

 

「………………」

 

「………………」

 

 嘘だろ

 あ、ありのままに今起こったことを話そう

 太陽くんが星方舞装を使ったと思ったら天羽奏と手を繋いで共振発動させた……

 何を言ってるんだと思うだろうが僕も何言ってるのかわからない……

 

 

 

 いや、どゆこと? 

 なんで双星でも陰陽師でもない天羽奏と共振を起こせるわけ? 

 

 隣を見れば飛鳥くんもかなり驚いている

 

「……どうなってるんだ……?」

 

 うん、僕が聞きたい

 

 もしかしたらこの世界では共振は太陽くんと手を繋げば誰でも起こせる……? 

 いや、それは考えにくいかな……

 共振は双星の陰陽師の世界でも特別な力だ

 勝手の違うこの世界に来たからと言ってそこまで簡単な技にはならないはずだ

 

 う~ん、だめだ判断材料が少ない

 

 

 

 

 下を見てみると太陽くんが天羽奏と談笑でもしているのか笑いあっている

 

 ひとまずは天羽奏を死なせずに全てのノイズを祓うことができたということを喜ぶかな……

 犠牲者もでてしまったがそれでも原作よりも少ない方だろう

 最良とまではいかないが、それでも原作に比べればましな結果だったと思う……

 

 

 本来ならば一万人以上の死傷者がでる大事件だ……

 僕一人が加わったところで最初から全員救えるとは思ってなかった……

 

 それでもやっぱり、助けられなかった人のことを思うと胸が締め付けられるよな気持ちになるな……

 

 

 そんな事を考えながら僕は天羽奏の方に視線を向ける

 

 天羽奏が生きている時点でかなり原作改編になるが、僕たちというイレギュラーがいる時点でもう原作通りに行くとは思えない

 

 これからどうなるのやら……

 

 僕は今だ呆然としている飛鳥くんを他所に飛天瞬脚で一足先に帰宅させてもらった

 

 

 

 

 ************

 

 side太陽

 

 あのライブから数日がたった

 今世間はライブの後処理でかなり混乱している

 

 そして俺もかなり混乱していた……

 

 なんで俺は共振を使うことができたんだ? 

 

 ……考えても全く答えはでなかった

 

 

 

 ジリリリリリリリリ

 

 

 

 

 ん? 電話がなった

 誰だろう……? 

 

 

「はい、もしもし焔です」

 

『あ、どうもお久しぶりです

 神です』

 

 

 

 

 

 ………………え? 

 

 

 

「神様!?」

 

『久しぶりだね太陽くん。元気にしてた?』

 

 突如として神様からの電話に俺は心底驚いた

 今まで神様が電話してくるなんてこと一度もなかったぞ……って、そうだ! 思い出した! 共振できたら、どういう仕様なのか神様が教えてくれるんだった! 

 

「あの、お久しぶりです神様

 早速聞きたいことが……」

 

『わかってるって

 どうして天羽奏と共振の件でしょ

 ワシもそれを伝えに電話したんじゃよ』

 

 ちなみに神様曰く、電話するのはこれが最後で以後こちらからもむこうからも連絡することはできなくなるとのこと

 

『こうして電話してるのも、本来は禁止されてることじゃからの……』

 

 じゃあ、なんでやってるんだよ。この神様、わかってたけど、かなり適当な人だよな。

 

『さてと……では何故天羽奏と共振できたのか……』

 

 ゴクリ……。

 俺は急に威厳ある感じになった神様の声に少し緊張してしまった。

 

『この世界

 本来双星もなければ陰陽師どころか、ケガレもない世界じゃ

 焔魔堂ろくろの力をもらってもその片割れ足る化野紅緒……双星の女の方がいなければ共振という最大の攻撃手段を失われ意味がなくなってしまう……

 

 そこで、お主を転生させる際に共振の条件を変えさせてもらったんじゃよ……』

 

 それは転生することになったあの日に聞いた言葉だ。

 その条件が奏と手を繋ぐこと……なのか? 

 

『いや、違う。この世界での共振の発動方法

 それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お主が()()()()()()()()()()()()と手を繋ぐことじゃ』

 

 

 

 

 

 

 

 へ? 

 

 

えぇぇぇぇ──────!!???? 

 

 予想の斜め上をいくその言葉に俺は絶叫した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ************

 

 

 

 

 

 side響

 

 

 

 私、生きてるの……? 

 

 

 

 ライブ会場で起きた出来事を思い出し、今の状況を確認する

 どうやら手術室のようだ

 

 ガラス張りに見える手術室の外からはお父さんやお母さん、お祖母ちゃんに未来、創太くんもいるや……

 

 

 皆ひどいかお……早く大丈夫だよって言わないと

 

 

 そう思いながら再び私の意識は闇に閉ざされた……




とりあえず原作前一区切りです
原作開始はもうちょっと先になりそう…



今回のライブの死者は五千人ほど
原作の3~4倍の数のノイズ相手に原作の半分程度しか死んでないあたり皆の頑張りが見てとれるな
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。