side海龍
「白ちゃんすごいな……。まだ纏神呪の修行を初めて数週間程度でしょ……?」
僕は式神から送られてくる映像を見て思わずそう呟いた……
ここ三ヶ月、たいした怪我もせずにすぐ退院できた飛鳥くんと白ちゃんは何かあのライブで思うことがあったようですぐに陰陽師の修行を始めた
特に白ちゃんはここ二ヶ月で呪力のコントロールをめきめき伸ばしていき、ここ数週間で右手のみとはいえ纏神呪を呪装するまでになった……
(僕が右手に纏神呪できるようになるまで三ヶ月近くかかったんだけどなぁ……)
纏神呪は陰陽術の修行の中でも最も難しい奥義であり、本来全身を纏神呪できるようになるまで一年……そこからその状態を五分保てるようになるまでに三年ほどの年月を費やすと言われている
実際僕も右手で三ヶ月かかったし、全身できるようになるのに一年費やし、それを五分維持できるようになるまで二年と半年ほどかかったのだ
(それを数週間で……自信なくすなぁ……)
そう思いながら僕は視線を映像に向ける
そこには仲睦まじそうに一緒に談笑しながら弁当を食べる二人の姿があった……
(もしかしたら……)
これが愛の力なのかもしれないなとその光景を見ながら僕は思った……
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side創太
ツヴァイウイングのライブから三ヶ月……
俺はリハビリを続ける響を見ていた……
「きゃっ!!」
「大丈夫か? 響!?」
長い間寝たきりだったがためか少し歩いただけで倒れてしまった響に俺は駆け寄りながらそういった
「うん、へいきだよ……」
「……そうか。でも、まだ病み上がりなんだから無理しない方が……」
俺は響が心配だ。
つい先日までずっと寝たきりだったわけだし、今だって立ち上がるだけで既にフラフラじゃあないか……
それでも響はめいっぱいの笑顔でこう答えた
「確かにリハビリは大変だけど、これ以上お父さんやお母さん、創太くんや未来にも心配かけたくないの……そう思うと、私は頑張れるんだ……それに、また創太くんと未来の三人でお出掛けもしたいしね……」
……本当、響は強いよな……
それに比べて俺は……
病院での面会時間もすぎたので俺は病院をでた……
でも、俺は家には戻らず人気のない廃工場にやってきた
「聞こえているか?ーーーー大陰?」
俺は懐から札をだし、札に話しかけた……
ーーーー瞬間世界が変化した……
もともと静かだった場はさらに静寂に包まれ
空を飛んでいた鳥も静止している
『珍しいのぉ~お主から私を呼び出すとは……』
声がした方を振り返ると、そこには巨大なウサギのぬいぐるみのような姿をした式神……式神十二天将・大陰の姿があった。
大陰は大陰陽師・安倍晴明が使役したと言われる伝説の式神、十二天将の一角であり俺の陰陽師の師でもある。
俺はこの世界で婆ちゃんから託された大陰の札に宿っていたこいつに陰陽師としての修行をつけられたんだ……
「……お願いがあるんだ……大陰……」
俺は大陰に向かい合い
「俺を強くしてくれ!!」
頭を下げてそう述べた……
『……ふむ、今の今まで修行に消極的だったお主が……どういう風の吹き回しじゃ?』
大陰の言葉に俺は答える。今まで抑え込んでいた俺の気持ちを吐露した。
「……俺は駄目な男なんだ! あいつに救ってもらったから、俺もあいつを守りたい……そう思って陰陽師の修行も始めたのに……あいつを……響を守れる男になりたいって誓ったはずなのに……俺は響を守ることが……できなかった」
俺は涙を流しながらそう言う
『それは仕方ないことじゃろ……お主はその時、その場にいなかった……運が悪かったんじゃ……』
確かにそうだ……あの時俺は婆ちゃんの葬式でライブに行くことができなかった……
それでも考えてしまうんだ……
もしも俺がライブに行っていれば響を助けることができたかもしれない
俺は危うく大切な人を二人も同時に失いそうになってしまったんだ……
「俺はもう二度と響から離れない!! だから! 例え何があっても響を守れるような力がほしいんだ!!」
『…………』
「お前は前に言ったよな……
今の俺は十二天将の中でも最低ラインの力しかないって……それって、つまりまだまだ伸び代があるってことだろ? 今より強くなればそれだけ響を守れる可能性も上がるかもしれない! だから、お願いします!!」
そして俺は再度頭を下げる。大陰はしばらく考え込むような仕草をする。
しばらくすると、大陰は俺と目線を合わせてきた。
『わかった……そこまで言うならこれからお主に課す修行のレベルをあげてやろう……じゃが……覚悟はよいか? 下手を打てば命を落とすかもしれぬぞ……? 本当にお主にはあの小娘のために命を懸けられる覚悟があるんじゃろうな?』
大陰は挑発するような口調で俺にそう言った
そんなもの答えは決まっている……
「ああ!!」
即答で俺は応えた
すると大陰は満足そうに笑いながらこう言った
『ククク、よかろう……お主の覚悟はわかった……望み通り、今まで以上に厳しい修行を課そう……』
「望むところだ!!」
早速俺は修行を開始した……
響は俺をひとりぼっちの孤独から救ってくれた恩人なんだ!
婆ちゃんのいない今、俺にとって響は太陽にも等しい存在なんだ!
そんな響を守るためならば……
俺はどんな苦行だろうが受け入れられる!!
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side翼
「はあああああ!!」
私は三ヶ月前のライブの事を思い返しながら剣を振るった
あの時、奏は絶唱を使うつもりだった……
そうなれば奏は死んでいたかもしれない……
そして、私はそれを止めることができなかった
それを止めたのは焔だ……
もし焔がいなければ奏は死んでいたかもしれない……
そんなんで何が奏の片翼だ……
なにが人々を守る防人だ……
(……情けない……)
奏が絶唱を使おうとするまでに追い詰めたのは私が弱かったからだ……
正規の適合者である私が、防人たる私がノイズから人々を守ることができなかったから……
もっと私が強かったら犠牲も減ったかもしれない……
もっと私が強かったら奏も絶唱を使おうとはしなかったかもしれない……
(強くならなきゃ……
奏に頼らなくてもノイズと戦えるように……
ノイズから人々を守る防人であるためにも……)
そして再び私は剣を振るった
二度と目の前の人々を失わないようにするためにも……
二度と奏に無理をさせないためにも……
すると背後から凄まじい殺気が私を襲った
「っ!!?」
とっさに回避し、先刻まで私がいた場所を見るとそこには竹刀を振り下ろした女性の姿があった
「よぉ躱したな。久しぶりやな……翼……」
私は下手人の姿を見て息を呑む。
そこにいたのは美しい水色の髪をした剣道着の婦人。私はこの人のことをよく知っている。
「お、お母様!!?」
私を背後から攻撃したのはなんと私の母親────風鳴
「ふむ……よう避けた……とええたいとこやが、まだまだ修行が足らへんな〜。気づくんやったら部屋に入ったとき気づかなあかん」
「うっ……」
ぐうの音もでない……
しかし……
「なぜお母様がここに?」
お母様は現在、服飾関連の大企業の代表取締役として、世界中を飛び回っている。
ライブの衣装なども用意してくれるのだが、その分かなり忙しいらしく、実際、私も会うのは数カ月ぶりになる。
「なぁに、弦十郎くんに翼がなにやら悩んでいるって聞いてなぁ、一肌脱ごうと駆けつけてきたちゅうわけよ」
そう言いながらお母様は私を見て呟く。
「よかったら何に悩んでるかうちに聞かせてくれへんか?」
お母様はそう言いながら、慈愛を込めた瞳で私を見つめる。
……昔からそうだ。お母様はいつも鬼子たる私に優しく接してくれている。そんなお母様に隠し事など出来る筈もない。
「……実は」
私はお母様に自らの悩みを打ち明けてみた……
あの日死ぬところだった
防人でありながら多くの人を助けることができなかったこと……
その全てを……
「なるほど……。それで強ぉなりたいってことやな」
お母様は茶を啜りながらそう言った
「はい……しかし、強くなるにはどうすればいいのか……」
そう言うとお母様は一拍おいて私にこう言った
「ほな……うちはしばらくここにおる予定やさかい。よかったら久々に稽古つけたってもええで」
「本当ですか!?」
実はお母様は風鳴の家に嫁ぐだけのことはあり、かなり凄まじい経歴の持ち主だ。
剣道六段、柔道五段、弓道にいたっては十段という凄まじい実績を持っている。数多の大会を総嘗めし、その道では知らぬ者はいない伝説とまで謳われている。
そんなお母様に稽古をつけてもらえれば強くなるためのいいきっかけになるかもしれない!
「昔はよぉやったのぉ。よく翼が泣いてもうたの覚えとるわ」
「昔の話です。今は違いますよ」
私は少し気恥ずかしくなりながらも竹刀を構える。
それを見たお母様は雰囲気を変える。
先程までは柔和な雰囲気だったが……今のお母様はさながら獲物を見据える鷹のような目をしている。
「ほな、早速始めよか」
そう言いながらお母様は竹刀を構えた。
────瞬間、凄まじい
肌に突き刺すこの感覚! 奏や飛鳥、白との訓練ですら、これほどの危機感を覚えたことはない!
「いつでもかかってきてええで」
それに武者震いをしながら私は竹刀を構え、突っ込んだ
「行きますよ! お母様!!」
目の前の壁を越えた時、私は防人としてさらに強くなれるのだろうと予感をしながら……
オリキャラとして翼のお母さん登場
この人の正体がなんなのかはしばらくはお楽しみということで
まあ、しゃべり方と特に弓道(射的)がすごいでわかるかもしれませんが…
一旦ここで投稿は休止して
しばらく(数ヶ月くらい?)したら本編に入ろうと思います
理由としてdvd買ってシンフォギアの本編見直したいからです
去年の一挙配信で全話見ましたが最近記憶があやふやになってまして…
それ見ながら書いてストックが貯まったらまた投稿したいと思います