陰陽絶唱シンフォギア~戦姫と十三人の転生者~   作:はんたー

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誰も待ってないだろうけど


14話

 二課・司令室

 

 

 

 

 

「ノイズの反応を検知しました」

 

「現在、位置の特定を最優先としています」

 

「位置の特定が済み次第、陰陽師と装者を向かわせろ!!」

 

 二課司令、風鳴弦十郎はノイズご現れたことにより、警報が鳴り響くなか位置の特定ができていないことに歯がゆい思いをしていた。

 

 プシュー

 

「状況はどうですか?」

 

「位置の特定はまだ終わらないのか?」

 

 するとシンフォギア装者・風鳴翼と天羽奏が司令室に入ってきた。

 翼の通うリディアンは二課本部と直接繋がっているため早く来ることができたのだ。

 

「待ってて、もう少し……

 !? ノイズの反応が急速に消失していってます!!」

 

「なんだと!?」

 

 ノイズは通常兵器では倒すことができない。

 ノイズを倒すことができるのはシンフォギア装者か陰陽師だけなのだ。

 

「まさか、あの時現れたという青龍か!!」

 

 奏は二年前に現れたという十二天将青龍の陰陽師が現れたのかと疑うが、青龍はここ二年一度も姿を現していない。普通に考えればそうだろうがこのタイミングで出てくる違和感を拭うことができない。

 ゆえに弦十郎は全く別のことを想像していた。

 

(まさか、新しい陰陽師が現れたというのか?)

 

 

 

 

 

 *****************************

 

 

 

 

 

「すごい……」

 

「あのぬいぐるみさんかっこいー」

 

 響は目の前の光景を見て唖然としていた。

 響の目の前にいるのは人類の天敵であるノイズだ。

 本来人間では決して敵うことのできない存在だ。

 

 それを……

 

 

 

 ドガ、バキ、メキ

 

 

 巨大化した愛らしいぬいぐるみが蹂躙しているのだから……

 

(これ……夢じゃないよね……?)

 

 無邪気な少女は素直に感嘆するが響は目の前の光景が本当に現実なのかわからないでいた……

 

 

「よし! 今のうちに逃げるぞ!」

 

「ふぇ?」

 

 すると先程までリコーダーを吹いてぬいぐるみを操っていた幼馴染みが呆然としていた響の手を引っ張った。

 

「そ、創太くん。これって……」

 

「……説明は後でする。今は早くここから離れるぞ」

 

 聞きたいことはあったが実際危機が去ったわけではない。

 まずはこの少女の安全を優先するべきだと考え、響は少女を抱え創太と共に走り出した。

 

「'{¥=~¥).#」

 

「邪魔だ!!」

 

 

 

 裂風魔嘴(れっぷうまし)喼急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)

 

 

 

 道を塞ぐかのように立ちふさがるノイズを創太は小石をぶつけることで撃退する。

 この光景に響は既視感を抱いた。

 

(そうだ……あの時、ツヴァイウイングと一緒に戦ってた人も……こんな力を使っていた)

 

 自分たちを助けてくれた人と似た力を使う創太を見て彼女はなにか関わりがあるのではないかと考えていた。

 

「な!?」

 

「へ?」

 

 当時のことを思い出していた響の思考は創太の声により現実に引き戻される。

 慌てて前を見るとそこには百を越えるであろうおびただしい数のノイズが待ち受けていた。

 

「くそっ!!」

 

 後ろを振り返るとやはりかなりの数のノイズがいる。

 完全に囲まれた状況だ。

 

「こ、こわいよ……」

 

「そ、創太くん……」

 

 響と少女は膨大なノイズの数を見て恐怖で震えてしまった。

 いくら不思議な力と不思議なぬいぐるみがあるとはいえ多勢に無勢だ……

 

「大丈夫」

 

 眼前の脅威に怯える少女と響を安心させるように穏やかな顔で創太は笑う。

 無論本人もそこまで余裕はない。

 なにしろ二年間みっちり修行してきたとはいえ今回が初実戦なのだ。

 恐怖はある。

 それでも彼は武器(リコーダー)を構える。

 自分の恩人足る幼馴染みを守るために……

 

「この二人には指一本触れさせねえぞ」

 

 強い覚悟を感じさせる声でそういいながらリコーダーとぬいぐるみを構える創太の背を見て響は自分を奮い立たせる。

 

 幼馴染みがこんなに頑張ってるのになに諦めそうになってるのかと……

 

(なにか……私にできることは……)

 

 不思議な力でノイズと戦う幼馴染みの背を見て彼女は願う。

 力がほしいと……

 

(できることがきっとあるはずだ……)

 

「う、う」

 

 自分が抱える震える少女を元気づけるために彼女は叫ぶ。

 自分を救ってくれた言葉を

 

「大丈夫! 生きるのを諦めないで!!」

 

 その時、彼女の胸のなかに戦う戦姫の唄が浮かんだ

 

 

 

 

 

Balwisyall Nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)

 

 

 

 

 

 瞬間彼女の胸からでるまばゆい光が彼女の身体を包み込んだ。

 

 

「響!!?」

 

 

 創太はなにが起こっているのかまるでわかっていない。

 だが目が眩むほどのまばゆい光のなか、創太は確かに彼女の身体を未知なるプロテクターが包み込むのを見た。

 

(なんだ!? なにが起きてるんだ!?)

 

 

 

 

 ******************************

 

 

 

 

「遅くなりました!!」

 

「状況を」

 

 一方二課では太陽、飛鳥、白といった陰陽師の面々も本部に到着し、急ぎ状況を把握しようとしていた。

 

 だが、困惑しているのは二課の方であった。

 ノイズの数がどんどん減っていくなか、今度は謎の高エネルギー反応が出現したのだ。

 

 いや……

 

 このエネルギーを彼らはよく知っていた。

 

 

「これって……アウフヴァッヘン波形!?」

 

 二課の技術者である櫻井了子の言葉に皆驚愕する。

 だがそれは序の口。モニターに映された聖遺物の波形を見た者は例外なく動揺を露にした。

 

「え?」

 

「はあ!?」

 

「これは……」

 

「ど、どういうことだよ……」

 

「っ……」

 

 

 

 

 なぜなら標示された聖遺物のパターンは……

 

「ガングニール……だとぉ!!?」

 

 それは彼らの仲間である天羽奏のシンフォギア……ガングニールの反応であったのだから。

 

 

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