陰陽絶唱シンフォギア~戦姫と十三人の転生者~   作:はんたー

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おくれました


15話

 創太は困惑していた。

 何故ならば……

 

「な、なにこれ!?」

 

 響が突如として謎の光を発し、光が収まると謎の装束で身を包んでいたからである。

 

(なんだあの装束は? 呪装……なのか?)

 

「!? 危ない響!!」

 

「へ? ……うわぁ!?」

 

 二人が呆けていたとしてもノイズにとっては待つ理由にはならない。

 ドリルのように形状を変化させたノイズが響と少女を炭素に分解しようと襲い掛かっていた。

 とっさに響は右手を翳すがノイズは本来触れただけで人間を分解してしまう存在だ。

 響と少女はなす術もなくノイズに殺されてしまうだろう。

 

 ……本来ならば

 

 

 ドガッ

 

 

 響の拳が直撃したノイズは響を分解することなく消滅した。

 

「……あれ? 私が倒したの……?」

 

「だ、大丈夫か!? 響!!!」

 

「あ、うん。なんか平気……みたい?」

 

 返事をしつつも響は困惑していた。

 響自身、シンフォギア(これ)がなんなのかはわかっていない。

 ただ、呆然としつつもわかっていることがひとつだけあった。

 

 

(……この力があれば、この子を守ることができる)

 

「よくわからないけど、私も戦う!」

 

 そういいながら拳を構えた響を見て創太は少し考える素振りを見せる。

 

(よくはわからないし響自身もわかってないっぽいけど確かにあの妙な狩衣もどきはノイズにも有用っぽいな……

 でも……)

 

「駄目だ! 響はその子を守りながら極力手を出すな!」

 

「え!?」

 

 創太にとって響は自分の命よりも大切な幼馴染み。

 ゆえに彼は響をあまり前線には出したくはなかったのである。

 

(響に無茶はさせない。そのためにも、ここでノイズ共(こいつら)は俺が祓う!!)

 

 

 

裂風魔嘴(れっぷうまし)喼急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)!! 

 

 創太は軌道を変え敵を追尾する裂空魔弾、裂風魔嘴で的確にノイズを仕留める。射ち漏らしたノイズも大戯陰葬(大陰の力)により軍隊と化したぬいぐるみにより一掃されていく。

 だがやはりというか多勢に無勢。数は一向に減らないでいた。

 

(減る気配がまるでねえ……。どうなってるんだ……?)

 

 最近ニュース等を見て薄々頭によぎっていた懸念。

 本来ノイズというのは発生件数が年に数回あるかないかの物。東京都心の人口密度や治安状況、経済事情をベースに考えた場合、 そこに暮らす住民が、一生涯に通り魔事件に巻き込まれる確率を下回るものらしい……。

 にもかかわらず、この近辺ではノイズが現れる頻度があまりにも多すぎる。まるでなにかがノイズを呼び寄せているかのように……。

 

(やっぱりノイズを使役、もしくは呼び出せる存在がこの近くにあるたいうことか? いや、ノイズを生み出すナニカがあるという可能性もあるかもしれねぇ……)

 

 そこまで思考を巡らせながら創太は考えることをやめた。

 少女を抱き抱える響の姿が視界に写ったからだ。

 創太の言う通り響は少女を守ることを優先とし、ノイズの攻撃をなるべく躱そうと努力している。

 今はそのことを考えるよりも目の前のことを優先しなければ……。

 

(とはいえやはり数が多い……。

 使うか(・・・)……? いや、今の俺じゃもって1分しか保たねぇ。まだ実戦で使えるレベルじゃない……)

 

 ドシュ

 

「っ!?」

 

 思考を切り替え、ノイズ殲滅を優先させようとした創太。

 しかし、その一瞬の間に自らをドリル状に形態変化させた一匹のノイズが、創太の足に直撃した。

 鎧包業羅(がいほうごうら)で身を守っているため炭素と化すことはないがそれでも高質化しドリルと化したノイズの一撃は高い威力を持つ。そのノイズの一撃は創太の足を貫いた。

 

「創太くん!!!」

 

「大丈夫だ! 心配するな……!」

 

(とはいえヤバイな……。結構な血の量だ……。このまま出血し続けるのは不味い……)

 

 本来ならばすぐに止血したいがその暇を目の前のノイズは見逃してくれないだろう。

 

(今のは完全に俺のミスだな……)

 

 自分の不手際を悔やみながら響の方を見る創太。

 視界には心配そうにこちらを眺める響の姿があった。

 

(響にそんな顔は似合わないよな……)

 

 響の顔を見て覚悟を固め、再び創太はノイズに向き合った。

 

「かかってこいよノイズ共! 全部祓ってやっからよ!」

 

 叫び、笑いながら創太はぬいぐるみにノイズを攻撃させるためにリコーダーを構えた。

 響に心配させないため。絶対不安にさせないために……

 

 

奇一奇一たちまち雲霞を結ぶ 宇大八方ごほうちょうなん たちまちきゅうせんを貫き 玄都に達し太一真君に感ず 奇一奇一たちまち感通

 

金烏天衝弾(ゴルドスマッシュ)喼急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)!!!!! 

 

 その時、突如として上空から出でし呪力による複数の炎がノイズをやきつくした。

 

「え?」

 

「なんだ!?」

 

 声と炎が出た上空を見上げるとそこには一機のヘリコプターがあり、そこから複数人の人影が飛び出すのが見えた。

 

 

 

Croitzal ronzell gungnir zizzl(人と死しても、戦士と生きる)

 

Imyuteus amenohabakiri tron(羽撃きは鋭く、風切る如く)

 

 二人の女性の影が唄を口ずさむ。すると眩しい光が二つの影を包み込んだ。

 

「なんだ?」

 

 光が収まるとそこには響と似た装束を纏う二人の女性と自分と同じく呪装で自らを強化した三人の陰陽師がいた。

 

 

 

 

 

 

 *****************************

 

 

 

 

 

 一方、二課本部にて。

 

「ガングニール、天羽々斬、双星、白虎、朱雀、戦闘を開始!」

 

「よし! 即座にそこにいるノイズを片付け、彼らを保護させろ!」

 

 二課本部ではシンフォギア装者と陰陽師たちをサポートすべく動いていた。

 

「なんとか間に合いましたね」

 

「ああ……だが、装者や陰陽師が現着できたからといって油断は禁物だ」

 

「「了解」」

 

 弦十郎は装者と陰陽師から送られたモニター映像を見て新たなる陰陽師とシンフォギア装者の姿を確認した。

 それを見て自分の考えが正しかったことを認めながら二人の映像をじっと見ていた。

 

(新たなる陰陽師とシンフォギア装者……。俺たちと共に戦ってくれれば大きな戦力となるだろう……)

 

 子供に戦わせねばならない現状に罪悪感を覚えながらも人々を守るため弦十郎は彼らに二課に入ってもらえないものかと思案していた。

 

 

 

 

 *****************************

 

 

 

 

「すげぇ……」

 

「ツヴァイウィング。それにあの人達は……」

 

「カッコいい!!」

 

 創太と響は突如として現れたシンフォギア装者と陰陽師たちに驚きを隠せないでいた。(少女は興奮しているが)

 響は二年前のライブの時、助けてくれたのがツヴァイウィングだったということを確信して、創太は始めてみる自分以外の陰陽師の登場に動揺をして。

 

「陰陽師は俺以外にも存在したのか……」

 

『あ奴らはお主と同じ式神十二天将に選ばれた陰陽師たち。もう一人は双星の陰陽師と呼ばれる陰陽師じゃ……』

 

 歌っている二人は知らんがのと付け加えながら式神・大陰は創太の疑問に答えてくれた。

 それを聞いた創太は驚愕を隠せなかった。

 

(いや、考えてみれば()()天将なんだから俺以外にも陰陽師がいてもなにもおかしくはないか……)←双星の陰陽師を知らない

 

 そう考えた創太は視線を歌いながら戦う二人のシンフォギア装者に移した。何故歌いながら戦うのかは創太にはさっぱりわからないが、彼女たちが纏っている装束が響が纏っている装束と同じものであるというのは理解することができた。

 

(もしかしたら、響が纏っている装束がなにか解るかもしれない……)

 

 そう思いながら、現状響を守ることに専念すべきだと考え、創太は彼女たちの戦いを見守ることにした。

 

 

 

 

「いけえええええ!!!」

 

 

虎槍(こそう)瓊瓊杵(ににぎ)

 

 白は白虎の呪装・白蓮虎砲の斬撃を極限まで狭め、槍のようにしてノイズを攻撃した。

 この技は人々を避けながらノイズに攻撃を当てるために編み出した技で命中精度もかなりのものとなっている。

 これならば白虎の高すぎる攻撃力でも人々に被害がいかないだろう。

 

赤鶙無限屏風(せきていむげんびょうぶ) 喼急如律令!!!」

 

 飛鳥は朱雀の呪装・朱染雀羽により造られた三十六本の羽根によりノイズ一体一体を確実に切り裂いていく。

 

 

「防人の剣! 受けてみよ!!」

 

千ノ落涙

 

 翼は無数の小さな刃を具現化させ、それを雨のように降り注がせノイズたちを切り裂いた。

 

「あとはあそこにいるでかいのが三匹だけだな!」

 

「よし、一撃で決めてやろうぜ太陽」

 

 そう言うと奏は太陽に手を差しのべ、少し照れながら太陽もそれに答えるように奏の手を握った。

 

「ん、どうした? 太陽?」

 

「い、いや。何でもねぇよ!」

 

「?」

 

 顔を赤くした太陽を訝しげに見ながらも奏は顔を上げ、太陽もまた目の前の(ノイズ)に顔を向けた。

 

「いくぜ奏!!」

 

「OK! 太陽!!」

 

 二人は手を繋いだまま奏の持つガングニールの槍をノイズに向ける。すると槍は通常時よりもさらに大きくなる。所々陰陽師の呪装のような紋様が浮かび上がっており、いつもとはまるで違うエネルギーに満ち溢れていた。

 

「「共振(レゾナンス)!!」」

 

 二人が叫ぶと槍は回転を始め竜巻……いや、まるで台風のような強烈な風を生み出した。しかもただの風ではない。炎が燃え盛る火炎の竜巻である。

 

「「光双覇炎撃(METEOR∞BREAKER)」」

 

 

「うおっ!?」

 

「キャ!?」

 

 余りの破壊力に一瞬吹き飛ばされそうになる二人。響は抱えている少女に負担にならないよう背を向けながら、創太は呪力で足を強化し踏みとどまる。

 

「相変わらずすごいね……あの二人の共振」

 

「そうだな……」

 

 炎の竜巻は瞬く間にビルほどの大きさを持った巨大ノイズたちを廃工場ごと全て切り刻み、焼き付くす。煙が晴れるとそこには最初から荒地だったかのごとく、なにも残っていなかった。

 

 

「……これが、俺以外の陰陽師の力……。凄すぎるだろ……」

 

 創太は今の自分とは次元の違う破壊力に唖然としていた。特に最後の二人の使った技の威力は他と比べても明らかに桁が違う。

 そしてそんな技を使用した奏と太陽はというと……

 

 

「やべえ……」

 

「やりすぎちゃった……かな?」

 

 荒地と果てた廃工場跡地を見て共振を使用したことにかなり後悔していた。

 後日二人は弦十郎によりカンカンに怒られたというのは言うに及ぶまい。




オリ技
光双覇炎撃(METEOR∞BREAKER)
奏と太陽の共振で発動するLAST∞METEORな強化版
炎を纏った巨大な竜巻が敵を焼き付くす。
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