side太陽
「……」
「よう! 太陽!」
昼になったのでいつもの日課である連装の修行をしに修行場に出掛けようとした矢先、インターホンが鳴ったので開けてみると
先日お世話になった天羽さんが立っていた
「……何しにきたんですか?」
そもそもどうやって住所を……
いや、政府直轄って言ってたし、そこは不思議じゃないか……
「ちょっと遊びに……ね」
わざわざやってきた人を無下にするほど性根が腐ってるわけではないので俺は取り敢えず彼女を家のなかにいれた
「お、ツヴァイウイングのCDじゃん
嬉しいね~」
テーブルの上に置いてあったCDを見るや否や彼女はニヤケながらそう言った
……しまった、しまっとくの忘れてた……
「……どうぞ」
「お、悪いね」
取り敢えずそれを片付け俺は彼女に飲み物を渡す
「……で、本当に何しに来たんですか?」
「だから言ったろ? 遊びにだよ」
……いや、あり得ないだろ
先日が初対面だぞ……
「別にいいですよ……
俺は一人のほうが性に合っていますから」
まだ、一回しか会ったことがないうえ友達でもなんでもない人に遊びにこられても戸惑うだけだわ
何か目的でもあるのか?
side奏
こいつが私たちのことを警戒しているのはわかってる
だからまずは警戒を解くことから始めないとな……
そう思って今回私はこいつの家を訪れた……
それにしても……
「簡素な部屋だな……」
子供の頃に遊びに行った友達の家とかとは偉い違いだ
娯楽の類いがほとんどない……
CDプレーヤーが机の上においてある程度か……
「簡素で悪かったですね……」
そう言いながら太陽は自分のぶんのジュースをすすった
それを眺めながら私もジュースを飲む
「……旨いなこれ!」
冗談抜きで滅茶苦茶旨い
どこで売ってるんだろう
「そうでしょう
何せ色々な果物をブレンドして作った
我が家特性の焔スペシャルなんですから」
「え? これお前が作ったのか?」
すごいな……こんな美味しいジュースを作れるなんて
こんなの店でもなかなか見ないぞ……
「母さんがよく作ってくれましてね……
昔は二人で一緒に作ったりしたものですよ……」
「……そうか……」
こいつにとってこのジュースは思いでの詰まったものなんだな……
そりゃ旨い訳だ……
そう思いながら私は再びジュース……焔スペシャルに口をつけた
*********
「ところでさ……」
「? なんですか?」
私は焔スペシャルを飲みながら太陽に質問をしてみた
「さっき、どこかへ出掛けるような格好してたけど、どこ行くつもりだったんだ?」
今回私がここに来た目的は太陽との距離を縮め信頼を得ることだ……
しかし、娯楽と言えるようなものがほとんどないこの家では距離を詰めようにも共通の話題ができない(さっきCDのことを聞こうとしたらはぐらかされたし……)
なんでもいい
とりあえず話題を作るべきだと思い私は聞いてみた
「…………修行ですよ
ちょうどいい修行場所があるんで……」
そう言うと太陽は立ち上がり、家をでた
慌てて私もついていき、しばらく歩くと大きな森に到着した
「この森の木がなんなのかは俺にもわからない……
わかっているのは……」
そう言うと太陽は石を拾い呪文を唱えた
「み恵み受けても背く敵は篭弓羽々矢もてぞ射落とす」
お、これは私も知っているやつだ
白がたまに使う……
「 裂空魔弾 喼急如律令」
そう唱え、太陽は指で石を弾く
石はまるで弾丸のようなスピードで目の前の木に命中した……
「な……?」
あの技の威力は私も知ってる
白との訓練のときはさばくのに苦労したものだ……
それにもかかわらず、木は倒れることなく悠然と立っていた
「この木は呪力を弾く力があるんです
まあそれでも、一定以上の呪力をぶつけると倒れますけど……」
なるほど……この木の生い茂っているこの場所ならば回りの被害を考えずに陰陽術の修行ができるってことか……
でも……
「どうしてそんな大事な場所教えてくれたんだ……?」
別にどこ行くかを聞いただけなんだから誤魔化すこともできたはずた ……
「別に隠すほどのことでもないし……」
太陽はそっぽを向きながらそう答えた
side三人称
どうしてこの場所を教えてしまったんだろうか
太陽はそうかんがえていた
自分にとってこの場所は単なる修行場所であるというだけではない
かつて両親と何度も遊びに行った思いでの地でもあるのだ
(……無意識のうちに舞い上がっていたんだな……)
彼はそう結論付けた
遊びにきた……奏は自分にそう告げた
その様に太陽はまるで……
前世の自分が欲しかった友達のやり取りのようだと思った……
プルルルルルルルル
突如、奏の端末が鳴り響き、奏はそれに応えた
『奏! 聞こえるか!』
「ああ、どうしたんだ! 弦十郎の旦那!」
弦十郎の慌てようからなにかがあったことを察した奏は簡潔に用件を求めた
『市街地にノイズが現れた……』
それを聞いた太陽は瞳に憎悪を宿しながら現場に向かおうとした
********
市街地にて、風鳴翼は一人でノイズと戦闘をしていた……
「はあああああ」
彼女は形状を変化させ、自分目掛けて飛んでくるノイズを自らのアームドギアで片っ端から真っ二つにしていた
だが……
(くっ、これではキリがない……)
今回のノイズは数も多く、翼一人では上手く立ち回ることができずにいた……
しかし、後ろには避難の完了していない自衛官たちがいる
「防人として、ここは絶対に通さない!」
飛鳥と白は現在とある聖遺物の発掘チームの護衛についているため、二人の増援は期待できない
奏は来るまでにまだ少し時間がかかるだろう
「♪ ~♪ ~」
自分が到着するまでの時間を稼いでくれた自衛隊達の避難が完了してない現在は自分が彼らの防衛線なのだと言い聞かせ、翼は歌を唄いながらノイズを蹴散らしていく
しかし……
「!? しまった!」
一匹のノイズが翼を抜け、退避に遅れた自衛官に突っ込もうとしていた
助けに行こうにも背を向けば他のノイズも自分を突破してしまうかもしれない
「うわあああああ!!!!!」
やられる
翼も自衛官もそう思った
しかし……
バシュッ!!
自衛官に触れる前にノイズは霧散した
「……はっ……えっ?」
自衛官は自分の身が無事なことに驚いたのか間抜けな声でそう発した
「……今のは……一体……?」
翼も何が起きたのか把握はできなかった
しかし、なにかがノイズを倒したということは認識できた
自衛官には見えなかっただろうが、鍛えられた翼の眼は確かに確認した
一瞬でノイズを貫いた青い何かを……
しかし、今はそれを気にしている暇はない
翼は今のような失敗を二度としないためにも再びノイズに切っ先を向けた
*************
「風鳴翼も案外爪が甘いんだな~。まあ、まだまだ成り立てだし、仕方がないかな?」
そこから50mほど離れた物陰で一人の男がそう呟いた
その男は両腕に蒼い籠手が携えてあった
*************
「待たせたな! 翼っ!」
「奏!」
ずっと待っていた片翼の到着に翼は喜色をあらわにした
「裂空魔弾 喼急如律令」
そして、奏と共に来たもう一人の声を聞き、彼女はそちらを見る
「あの男は……」
裂空魔弾により強化された小石が的確にノイズを仕留めていく
そして気づけばノイズの数は最初の半分以下にまで減っていた
「……すごい」
あれだけの数のノイズを相手に一匹も外さずに仕留めることができる太陽の裂空魔弾の命中精度に翼は驚きを隠せなかった
「私たちも行くぞ!」
「うん」
奏と翼も気後れせずにノイズと戦おうとしたが……
「大丈夫ですよ……」
太陽がそれに待ったをかけた
「太陽……?」
奏は心配そうに彼を見つめるが、太陽の眼はノイズにのみ向けられていた
その眼には凄まじいほどの憎悪が込められていた
「こいつらは……
全部俺が祓いますから」
そう言うと太陽は懐から黒い札を取り出し、呪文の詠唱を始めた
「祓へ給へ、清め給へ……」
すると太陽の右腕が光っていく
『ヴォハハハハハ』
するとまるで右腕が意思を持つかのように笑いだした
「あれが……」
「太陽の……陰陽師の力か……」
そして太陽は自らの右腕の力を解放した札の名前を言う
「星装顕符! 喼急如律令! 」
それを見て警戒でもしているのか、ノイズは寄声をあげる
『******』
ノイズたちの寄声にいら立ちながら太陽は言った
「来いよノイズども……
一匹残らず祓ってやらぁ!!!! 」
そう吠えた太陽はノイズに向かっていった
「へぇ、面白い子がいるなぁ」
そんな彼を見ている青い影に気づかずに……
公式の不正で貰う石は嬉しいね( ´∀`)
貯めるか引くか迷うな