陰陽絶唱シンフォギア~戦姫と十三人の転生者~   作:はんたー

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今回かなり駆け足です


8話

 side太陽

 

「おりゃあ!!!」

 

 そう言いながら俺はノイズを殴り飛ばす

 

 俺はいつものようにノイズを祓うために戦っていた

 

 ただ、いつもと違うのは……

 

「はぁー!!」

 

 天羽さんが一緒に戦っているという点

 

 最近天羽さんが家に来ることも多くなった(曰く遊びに)

 以前心配してくれた天羽さんに強く当たってしまったにも関わらず、彼女は何度も俺の家にやってきた

 理由はわからないけど彼女は俺のことを気にかけているようだ

 

 今回俺はいつものように修行場に行こうとした矢先、ノイズが出現したので戦うことにした

 

 俺は一人でもいいと言ったにも関わらず、天羽さんはそれを聞かず、一緒に戦い始めた

 

「♪ ~♪ ~」

 

 ……わかってはいたことだが彼女は強い

 

 その槍さばきは凄まじく、どんどんノイズを祓っていく

 

 それに

 

 

 

 

 

 

「やっぱり綺麗な歌声だな……」

 

 俺は思わず小さな声でそう呟いてしまった

 

「ん、なんか言ったか?」

 

「いいえ、なんにも……」

 

 っとそんなこと考えてる場合じゃないな……

 

 俺はノイズの攻撃を避けずに受け、カウンターを喰らわした

 

 本来、ノイズに触れると人間は炭素の塊になってしまうのだが、俺には身を守るための呪装・鎧包業羅によって守られているため、炭素になることはない

 

『*************』

 

「!?」

 

 背後からノイズの不快な鳴き声が響いた

 後ろを振り向くと大量のノイズがドリルのように形状を変化させながら俺に迫ってきた

 

 まずい、これは受けきれねぇ

 

「任せろ!!」

 

 すると天羽さんが俺の前に立ち、槍を回転させノイズの攻撃を凌ぐ

 

「ふぅ、危ないとこだったな」

 

 ノイズの攻撃を凌ぎきった天羽さんが俺にそう言った

 

「…………ありがとう」

 

 小さな声で例を言った俺は即座にノイズに向かっていった

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 

 

 

 

 

「ふう、これで終わりだな

 お疲れ様」

 

 俺たち二人はノイズを全ての祓ったことを確認すると近くにあったベンチに座った

 

 

 ……よく無事だったな

 

 

 

 

 

「……なんで俺を助けたんですか?」

 

 俺は先程のことを聞いてみた

 あの時天羽さんに助けてもらったから俺は大したダメージを受けずにいられた

 

 だが、彼女には俺を助ける理由なんてなかったはずだ

 身を挺してまでどうして……

 

「変なこと言うね

 仲間を助けるのはあたりまえだろ」

 

 彼女は俺にそう答えた

 

「……別にあなたと仲間になった覚えはないですよ

 俺は今まで一人でノイズを祓ってきた

 これからもそうするつもりです

 仲間なんて俺には必要ないですよ……」

 

「そんなこと言うなよ

 誰がなんと言おうと私はあんたのことを仲間だって思っている。

 だから、あんたにあんな戦い方してほしくないんだ」

 

 天羽さんは悲しげな瞳で俺を見ながらそう言った

 

 まるで俺の気持ちがわかっているかのように……

 

「どうしてそんなに俺に構おうとするんですか……」

 

 そんな天羽さんの前だからか、俺は言う必要のないことを語り始めた

 

「俺がノイズを祓うのは復讐心からだ……

 あんたたちみたいな正義感からじゃない! 

 俺はあんたとは……あんたたちとは違うんだ!!」

 

「…………」

 

 天羽さんは俺の話を黙って聞いてる

 それに対し俺は本心をぶちまけた

 

「俺には陰陽師の才能がない……

 十年以上かけても連装だって三つまでしか使えない。

 才能のない俺がノイズと戦うにはこのやり方しかないんだよ……」

 

 俺は拳を握りしめ、涙を流しながらそう言った……

 

「私も……」

 

 それからしばらくたった後、天羽さんがぽつりと話し始めた

 

「私もさあんたとおんなじなんだ

 あんたとおんなじで最初は復讐心からノイズと戦っていた」

 

「……え?」

 

 俺は心の底から驚いた

 天羽さんが復讐心からノイズと戦っていただって? 

 今の明るい彼女を見るととても信じられない

 

「私の両親はさ

 聖遺物っていう代物の発掘チームのメンバーでね

 私は妹と一緒に両親の仕事を見学しに行ったんだ」

 

 天羽さんは自分の過去のことを話し始めた

 

「……でも、そこにノイズが現れた……」

 

「……」

 

「私はなんとか助かったんだけどさ……

 両親と妹はノイズに殺されちまった……」

 

 そう言いながら彼女は哀しそうな顔をした

 その顔を見て俺は天羽さんに自分自身を重ねた

 

(俺と……同じだ……)

 

 そして天羽さんは間を置いてその後のことを話し始めた

 

「その後私は二課に保護され、ノイズを倒せる力……

 シンフォギアの力を望んだんだ……」

 

 この人も俺と同じでノイズに家族を奪われた

 そして、復讐のために力を手に入れたのか……

 

「でも……」

 

 そこに天羽さんは一拍おいた……

 

「私はシンフォギアを纏うことができなかった……

 シンフォギアの適合者ではなかったのさ……」

 

「え!?」

 

 彼女の言葉に俺は信じられない気持ちになる

 シンフォギアを纏うには適合しなきゃいけないというのも初めて知ったが、問題なのは天羽さんが適合者じゃないという点だ

 

「私はLiNKERっていう薬物を投与して後天的に適合者になったんだ。

 最初は副作用で何度も死にかけたけど、最終的にシンフォギアを纏うことができるようになった……って言っても毎回LiNKERを投与してないと持続できないんだけどな……」

 

 言葉がでなかった

 復讐のために力を求めて……でも、才能がなくて最初はシンフォギアを纏えないでいた

 

 その過去に俺はますます自分のことと重ね合わせてしまった

 

(ああ、そうか……

 だから俺はこの人のことが……)

 

 同時に俺は天羽さんの事が気になって仕方がなかった理由を知ることができた気がした

 

 

「最初はあんたと同じように復讐のことだけ考えてノイズと戦ってた

 そのお陰で昔はよく旦那や飛鳥に怒られたっけ……

 

 

 

 でもな、ノイズから助けた自衛官の人が私にこう言ったんだ」

 

 

 

 

 ****************************

 

 

 

 

『ずっと歌が聞こえていた。だから諦めなかった』

 

 

 

 

 ****************************

 

 

 

 

「この言葉で私は気付いたんだ

 私達の歌はノイズと戦うだけじゃない

 誰かを勇気付け、救うことができるんだって」

 

「…………すごいですね」

 

 俺は天羽さんの強さの根元を見た気がした

 天羽さんは命懸けで力を手に入れ、それを正しいことに使っているんだ

 

 罪なき人々を雑音から守るために……

 

「……だから私はあんたのことがほっとけないんだ

 

 私と似た過去を持つあんたのことが!!」

 

 天羽さんは一筋の涙を流しながらそう言った

 

「今の私がいるのは翼や飛鳥、白が一緒に戦ってくれているからなんだ! 

 私はあんたに、仲間と一緒にいることの楽しさを知ってほしいんだ! 

 

 

 ……だからさぁ、お願いだから仲間なんていらないなんて寂しいことを言うなよ……」

 

 その言葉を聞き、俺は両親が死ぬ何日か前に両親から貰った言葉を思い出した

 

 

 

『私は太陽に色々な人を助けることができる立派な人になってほしいの

 お日様のように皆を照らしてあげられる立派な人に』

 

 

 

 そしてもうひとつ……転生する直前神様から貰った言葉も

 

 

『その力を正しいことに使うことを祈るぞ』

 

 

 

 そうだ、両親にも神様にも言われたじゃないか

 俺はずっと復讐のことだけを考え続けてすっかり忘れていた

 

 俺のこの力は……正しいことに

 人々を守るために授かった力だったんだ

 

 

 

「……ありがとう。()()()

 君のおかげで俺は……大切なことを……思い出すことが……できたよ……」

 

 俺は両目から大粒の涙を流しながらそう言った

 

「奏でいいよ……敬語もいらない……

 かたっ苦しいのは好きじゃなくてね……」

 

 天羽さん……奏は涙を流す俺の頭をそっと撫でてくれた……

 

 俺は泣きながら決意した

 

 今はまだ復讐を完全に忘れることはできない

 

 でも、復讐のためだけじゃない

 

 陰陽師として……この力を使って

 両親を守れなかった分、他の誰かを守ろうと

 

 

 

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 side弦十郎

 

 

 

 

 

「そんなことがあったのか……」

 

 俺は奏からの報告を聞き、そう答えた

 

「ああ、しばらくは一人で自分のことを見つめ直したいとかで二課にはまだ入れないって言ってたけど

 

 必ずいつか二課に入るって言ってたぜ」

 

「そうか、ご苦労だったな」

 

 あの固く冷たくなってしまった彼の心を奏が溶かしてくれたということか……

 たく、本来そういうのは大人の役目なんだが……

 奏には感謝しなければな……

 

 

「では奏

 ライブまであと1ヶ月、そろそろ……」

 

「ああ、わかってるよ旦那

 不確定要素はできる限り排除したいってことだろ

 言われた通り、LiNKERの使用はしばらく控えるよ」

 

 ライブの起動実験では可能な限り不確定要素が混入しないようにしたい

 

 故にLiNKERの使用はしばらく禁止にしなければならない

 

「……昔は断固拒否したんだろうけどさ

 今は翼に飛鳥、白がいる

 戦えなくなるって言っても

 ほんの一月ぐらい大丈夫だよ」

 

 

 それに、と奏は付け加え……

 

「ライブには太陽も見に来てくれるんだ

 戦いじゃあない

 私の歌を大きな会場であいつにも聞いてほしいんだ! 

 今のうちに翼と練習しないと」

 

 そう言い残し、奏は部屋を飛び出してしまった

 

 それを見た了子君が

 

「青春ねぇ~」

 

 そう呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 ****************************

 

 side海龍

 

 

 

 

 

「この太陽って子も悪い子じゃなさそうだな……」

 

 僕はそう言いながら式神からの映像を見ていた

 

 僕の名前は(あおい) 海龍(かいり)

 

 神様に式神十二天将青龍の力を受け継いだ転生者で、前世から養護教諭をやっている

 

 転生した理由は学校に通り魔が襲ってきたから……かな

 通り魔の目的は子供を殺害すること。神様が言うからには、自分より弱い存在を傷付けることで自尊心を保ちたかったがゆえの犯行……らしい。

 そんな通り魔のナイフから生徒をかばい、僕は命を落とした

 

 神様曰く、通り魔は自分を刺した後すぐ捕まったので他に怪我人はいなかったとのこと

 それだけが心残りだったから、正直良かった。生徒達の心には傷をつけてしまったかもだけど、皆いい子だったし、生きてさえいれば必ず前を向けるはず。

 だから、前世の生徒たちの心配はあまりしていない。

 

 その後、神様にシンフォギアの世界に転生させらへ今にいたる

 

 僕は前世からシンフォギアのことは知っていた

 

 だから少しでも色々な事件の被害を防ぐため、隠れてこそこそ活動していた

 

 最も天羽奏の両親が聖遺物発掘に赴いた山の名前とか細かい設定は思い出せず(そもそも設定されてたかどうかも思い出せないし……)助けにいくことができなかったけど……

 

 

 そして、シンフォギア装者を見張っているうちに僕は焔太陽、朝鳥飛鳥と虎井白という三人の転生者の存在を知る

 

 彼らは原作に登場しない完全なイレギュラー

 彼らが邪な心を持っているのならなんとしても止めなくては

 

 そう思い僕は彼らに監視の式神を送った

 

 結果彼らはシロ

 

 邪な心など皆無な子供であるということが判明した

 

「ふう、よかった~

 これで敵対とかはしないですみそうだな~」

 

 そう言いひとまず安堵はするものの僕にはまだ懸念があった……

 

「……確実にいるよな

 他の陰陽師の転生者……」

 

 これが僕だけならそんな疑いはもたなかった

 

 

 だが、朝鳥飛鳥、虎井白

 

 この二人の転生者の存在が自分の思考を加速させ、とある結論を導きだした

 

 

 

 

 

 自分以外の十二天将の転生者は確実に存在している

 

 まだ見ぬ転生者がどんな人間なのかわからない以上、僕は憂鬱になっていく

 

 

 もしかしたら戦うこともあるかも知れない……

 

「まあ、その時はその時か……」

 

 やるしかない

 

 僕は陰陽師として……

 大人として……

 そして教師として、子供たちに手を出すのであれば戦うべきだと僕は静かに覚悟を決めた

 

 

 

 

 

 まあ、相手が子供であれば戦いたくないんだけど……




ごめんなさい
かなり駆け足でしたね
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