IS〈インフィニット・ストラトス〉いつか此の手に月を【凍結】   作:生そば

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 どうも、生そばです。
 先日のこと、初めて評価をもらいました。ありがとうございます~。
 ガンダムOOかUCかどっちかにしてもらいたいとの一言をいただきましたが、この生そば「ガンダムシリーズ」が好きで好きで。特にOOとUCは大好きなんです。
 ですので、どっちも作中に盛り込みたいと思った次第です。
 よって読者の皆様にはそこのところをご理解いてしいていただきたい!


~第二話~《連撃と一撃》(1)

 

「よ、箒。久しぶり!」

 

 翌日、食堂で箒と一夏を見つけた俺は元気良く挨拶してみるが、箒は冷たい態度を取ってくる。

 

「久しぶりだな」

 

「一夏もおはよう」

 

「ああ、おはよう」

 

 箒の機嫌も悪いし、一夏の元気もない。

 昨日の穴の空いたドアと何か関係があるのだろうか。

 

「隣、失礼」

 

 一夏の隣に座る。

 ちなみに俺の朝のメニューはサンドイッチだ。

 コーンスープもうまい。

 

「どうしたんだよ、朝から」

 

「昨日な──いや、なんでもない」

 

 一夏が何かを言おうとしたのを、箒が睨んだ瞬間やめた。

 これは何かあったに違いない。

 二人は幼馴染みらしいし、箒は素直じゃないらしいし。

 ちなみに束さん情報である。

 

「まあ、その、なんだ。災難だな」

 

「……うん」

 

「箒、一夏をあまりいじめるなよ」

 

「いじめてなどいない。大体、何なのだ貴様は」

 

「あれ、覚えてない? 束さんと一緒に何度か会ったと思ってるんだが」

 

「知らん」

 

 仕方がないか。

 会ったとしても話す機会はほとんど無かった上に、小さい頃の話だ。

 大好きな一夏のことは覚えても、俺のことは覚えているまい。

 

「そうだ。束さんが『箒ちゃんに会ったらよろしく言っておいてね』って言ってたぞ」

 

「そうか」

 

 やっぱり冷たいな。

 束さんから聞いた『箒ちゃんと仲良くする方法その一』は失敗だったようだ。

 ならば『その二』だ。

 

「それにしても変わったな。初め見たときは全然わからなかった」

 

「そうか? 髪型一緒だし、当たり前だろ?」

 

「…………」

 

「良かったな、箒」

 

「う、うるさいっ」

 

 口ではそう言っても、仕草は照れまくりだ。

 その髪を弄るのを、俺は見逃さない。

 

「照れるなって、嬉しいくせに」

 

「て、照れてなどいない!」

 

 本当に素直じゃないんだから。

 一夏は一夏でまるでわかっていない様子だし、情報通りの唐変木だ。

 

「お、織斑くん、十六夜くん、隣いいかなっ?」

 

 見ると、朝食のトレーを持った女子が三名、俺たちの反応を待ちわびるが如く立っていた。

 

「一夏、いいか?」

 

「ああ、別にいいけど」

 

 一夏の返答にさんにんのうち声をかけてきた女子は安堵のため息を漏らし、後ろの二人は小さくガッツポーズをしている。

 辺りからはざわめき声が聞こえるが、気にしなくてもいいだろう。

 

「うわ、織斑くんって朝すっごい食べるんだー」

 

「お、男の子だねっ」

 

「俺は夜少なめに取るタイプだから、朝たくさん取らないと色々きついんだよ」

 

 確かに一夏の朝食は多い。

 それに比べて俺は回りの女子以上、一夏未満の量だ。

 

「俺は少食ぎみだけど、昼も夜も同じくらいで取るぞ?」

 

「それは試したけど、これが体型と健康維持にもっとも無駄がないんだ」

 

 へぇー、と相槌を打っておく。

 俺の場合は夜遅くまで作業をしているから、夜もそれなりに食べないときついだけだが。

 

「ていうか、女子って朝それだけしか食べないで平気なのか?」

 

 一夏が言って、三人組のトレーを見ると、飲み物一杯にパン一枚、少な目のおかずが一皿だった。

 

「わ、私たちは、ねえ?」

 

「う、うん。平気かなっ?」

 

「お菓子よく食べるしー」

 

 女子こそ体型を気にすべき。

 でもお菓子は食べたいから他を少なく取るというわけか。

 ま、運動をするわけだから体力のつく物は食べるべきだ。

 よって俺の今日の昼は豚骨ラーメンだな。

 

「……織斑、私は先に行くぞ」

 

「ん? ああ。また後でな」

 

 箒はむすっとした表情で先に行ってしまった。

 自分の他に女子が来たのが気に食わないのか。

 いや、俺もか。

 

「織斑くんって、篠ノ之さんと仲がいいの?」

 

「お、同じ部屋だって聞いたけど……」

 

「ああ、まあ、幼なじみだし」

 

「え、それじゃあ──」

 

 隣の女子(たしか谷本さん)が質問をしようとしたところで、突然手を叩く音が食堂に響いた。

 

「いつまで食べている! 食事は迅速に効率よく取れ! 遅刻したらグラウンド十周させるぞ!」

 

 織斑先生の声はよく通る。

 さきほどまで騒がしかった食堂が、今度は別の意味で騒がしくなる。

 

「じゃあ一夏。後でな」

 

「はやっ!?」

 

 少食だと言っただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三時間目終了後。

 織斑先生から一夏の専用機は準備に時間がかかると告げられた。

 もちろん俺の方にも専用機の話は届いたが、零式のことを公にするわけにもいかず、かと言って専用機も必要ないので、俺は打鉄を使うことになっている。

 また織斑先生の言葉に反応した女子たちのせいで箒が束さんの妹であることが注目され、教室中が騒がしくなった。

 それだけで休み時間は終了。

 あっと言う間だった。

 そして、四時間目が終了した時、オルコットさんが現れた。

 

「安心しましたわ。まさか訓練機で対戦しようとは思っていなかったんでしょうけど」

 

「流石に訓練機じゃ勝てないだろ」

 

「まあ? 一応勝負は見えていますけど? 流石にフェアではありませんものね」

 

 性能の差というものは大きい。

 例えるならば、普通の自転車に乗ったレーサーがスポーツカーに乗った一般人に勝てるはずがないということ。

 これはやや大袈裟だが、性能の差を上回る程の実力がなければ勝てないのだ。

 

「? なんで?」

 

「あら、ご存じないのね。いいですわ、庶民のあなた方に教えて差し上げましょう。このわたくし、セシリア・オルコットはイギリスの代表候補生……つまり、現時点で専用機を持っていますの」

 

「イギリスのISって言えば、ブルーティアーズか?」

 

「あら、ご存じなのね」

 

「イギリスのフレキシブルとかいう技術は見てみたかった。でもまあ、俺の零式とは相性が悪い装備だ」

 

「そうなのか?」

 

「詳細が知りたかったら調べたらいい。調べれるものならな」

 

「……馬鹿にしていますの?」

 

「いや、ただ単に相性のことを言っただけだろ」

 

「それを馬鹿にしていると言うのではなくて!?」

 

 ババンッ! 両手で机を叩かれた。

 そんなに怒るなよ。短気は損気だぞ。

 

「……こほん。さっきも授業でも言っていたでしょう。世界でISは467機。つまり、その中でも専用機を持つものは全人類六十億超の中でもエリート中のエリートなのですわ」

 

「十六夜もその中の一人ってわけか」

 

「一夏もな」

 

「あなた方は男の身でありながらISを動かせるから特別に専用機を与えられたに過ぎませんわ。わたくしのようなエリートとお二人を一緒にされては困りますわ」

 

 代表候補生はISの操縦時間は相当なものらしい。

 一年で代表候補生ならば軽く300時間以上は操縦しているだろう。

 それに比べて俺たちのISの操縦時間はなんとも微々たることか。

 

「わたくしほどの実力があれば、相性の良し悪しなど簡単に引っくり返ってしまいますわ」

 

「そういえば、人類って今六十億超えてたのか……」

 

 一夏、それは今関係ない。

 

「あなた! 本当に馬鹿にしていますの!?」

 

「いやそんなことはない」

 

「だったらなぜ棒読みなのかしら……?」

 

「はて。なぜだろう」

 

 俺に振るなよ。俺に。

 

「なんでだろうな、箒」

 

 箒は『私に振るな!』とでも言うように一夏を睨んだ。

 しかも『ギンッ!』という音付きで。

 

「そういえばあなた、篠ノ之博士の妹なんですってね」

 

「妹というだけだ」

 

 箒って本気ですごむと怖いな。

 セシリアすら怯んでしまった。

 

「ま、まあ。どちらにしてもこのクラスで代表にふさわしいのはわたくし、セシリア・オルコットであるということをお忘れなく」

 

 ぱさっと髪を手で払ってきれいに回れ右、そのまま立ち去っていった。

 仕草は立派に様になっている。

 

「じゃ、俺は昼飯食いながら用事があるから。じゃあな」

 

「お、おう」

 

 一夏にそう告げて俺も立ち去る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はわざと少し遅れて食堂に来た。

 急ぎ目に昼食を注文、受け取る。

 それからオルコットさんを探した。

 

「オルコットさん」

 

「何かご用かしら?」

 

「隣に座ってもいい?」

 

「殿方お二人で食べればいいのではなくて?」

 

「一夏は箒と一緒に食ってるし、お似合いの二人の間に入るほど野暮じゃないんだ」

 

 特に今の箒は一夏と一緒にいたかろう。

 

「このデカい食堂で一人で食べるのは寂しいだろ?」

 

「ふんっ、……勝手になさればいいですわ」

 

 俺の目的はセシリアとの会話。

 あれほど口喧嘩をした後とはいえ、そのままにしておけば学園生活に暗い影を落とすことになる。

 俺はそれが嫌だと、直さなければいけないことがわかる奴だ。

 

「ありがと」

 

 礼を言ってオルコットさんの向かいに座る。

 

「で、何が目的なのかしら?」

 

「オルコットさんと会話すること」

 

「……っ!?」

 

「その前に教えておくけど、来週のクラス代表決定戦は一回戦はオルコットさんと俺。それに勝った方が一夏と二回戦目になったから」

 

 オルコットさんは『そんなの当然わたくしですわ!』などと言いそうだが。

 形式の話をしたまでだ。

 

「どうして、あなたは……」

 

「あのさ、オルコットさんって以外と寂しがり屋な所ある?」

 

「な、何をいきなり!?」

 

 ジョハリは四つの自己を窓に例えている。

 自分も他人も知っている自己、解放の窓。

 他人からのみ見られている自己、盲点の窓。

 自分だけが知っている隠された自己、秘密の窓。

 自分も他人も知らない自己、未知の窓。

 俺の見た感じでは、オルコットさんは云わば『孤高の貴族』。

 もちろん、それはよくない。

 

「いや、ちょっと違うかな。オルコットさんってほら、自分から輪を作るようなタイプとは違うなって思って」

 

「そんなこと、ありませんわ」

 

「自分はエリートだから他とは違うっていう、なんて言うか……壁を作っちゃってる気がする」

 

 俺が初めて話しかけた時もそうだった。

 オルコットさんはあの時、俺のことを男だとわからずに言葉を交わした。

 ただ男を下に見ているだけなら、あの時のやり取りは冷たすぎる。

 

「だから先に謝る。言い過ぎたよ」

 

 オルコットさんは先に謝れるような人じゃない。

 俺の勝手な解釈だが間違っていないだろうか。

 

「…………」

 

 オルコットさんは黙ったまま。

 これでは俺が一方通行に話しかけているだけだ。

 まあ、いいか。

 

「なにごとも楽しむ方がいいって言うのが俺のモットーなんだが、放っておけば喧嘩した相手に会う度に嫌な気持ちになるだろ、お互いに」

 

「…………」

 

「だから、仲直りしよう。……えっと、クラス代表決定戦までには」

 

 するとオルコットさんがやっと顔を向けてくれた。

 

「うわっ、恥ずかしっ」

 

 自分で言っておきながら、『仲直りしよう』なんて口に出していうのは、背中がムズムズする。

 

「……考えておきますわ」

 

「ほんとか!?」

 

 良かった。検討の余地はあるらしい。

 ここで『お断りですわ!』なんて言われたらどうしていいかわからなくなっていたところだ。

 

「じゃ、いい返事を期待してるよ!」

 

「ちょっ、早っ!? どこに行きますの!?」 




 ちなみに実に私事ですが、私は現在放送中の「ガンダムビルドファイターズ」に影響されてガンプラ製作(主に改造目的)に熱中してます。
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