ファヴラス公国・国境正門。多くの車が行き来している。そこに1台のバンが来た。バンに乗っているサングラスの若者と金髪の若者がパスポートを出した。国境警備員が2つのパスポートを拝見する。警備員がパスポートを返し、ゲートを開けた。バンがファヴラス公国に入国した。
ファヴラス公国。バンの布から一柳隊が顔を出した。京輔と龍馬がサングラスとカツラを脱いだ。
梨璃「どうでしたか?」
一柳隊隊長・一柳梨璃。
夢結「通過出来たみたいね。」
一柳隊・白井夢結。
梅「まさか京輔先生がここで色々やらかしてたとはな〜。」
一柳隊・吉村・Thi・梅。
龍馬「聞かない名だな。ファヴラス公国とは。」
京輔「人口は凡そ3500。世界で1番小さな国連加盟国だ。」
楓「それがEVIL CHARMの震源地と言う訳ですのね?」
一柳隊・楓・J・ヌーベル。
京輔「その筋じゃ有名な伝説になってんのさ。偽CHARM界のブラックホールってな。」
ミリアム「ブラックホールじゃと?」
一柳隊・ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス。
京輔「ちょっかい出して帰って来た奴は居ねえってな。」
龍馬「へぇ〜。怖いなぁ〜。怖いから、俺寝る。」
しばらく走っていると、バンのタイヤの左後がパンクしてしまった。バンを路肩に停めた。
梨璃「どうしたんですか?」
京輔「あらら、パンクしてしまった。ちょっと待ってろ。」
バンを降りて、トランクからスペアタイヤと工具を出した。
京輔「1分で終わらせてやる。」
早速器用にタイヤを外して、スペアタイヤを取り付けた。
京輔「よし、交換完了。」
龍馬「どうする?このまま進むか?」
京輔「いや、一旦休憩しよう。流石にバンの中で過ごすのは気が滅入るだろう。」
二水「そうですね。」
停めた場所は、花が沢山咲く草原があった。
雨嘉「綺麗・・・」
梨璃「お姉様!可愛い花がいっぱい咲いていますよ!」
夢結「本当ね。」
京輔「平和だねぇ〜。」
しかし。
京輔「ん?」
遠くから1台の赤い車が現れた。
京輔「何だ?」
赤い車を運転していたのはウェディングドレスの少女だった。少女はそのままバンを通り過ぎて行った。
龍馬「ん!?」
その後ろからヒュージが現れた。
梨璃「ヒュージ!?」
だがそのヒュージは、京輔達を無視して、赤い車に乗った少女を追跡する。
龍馬「何だあのヒュージ!?」
『ビルドチェンジ!』
京輔「逃がすか!!」
マシンビルダーに乗った京輔が、少女を追うヒュージを追跡し始めた。
龍馬「おい京輔!皆乗れ!!」
一柳隊がバンに乗り、龍馬がバンを運転する。
龍馬「しっかり掴まれ!」
バンのアクセルを全開にした。
一方京輔は、少女を追跡するヒュージの後ろを取った。そこに龍馬が運転するバンと合流した。
龍馬「どっちに付く?」
京輔「少女!」
龍馬「だよな!」
ヒュージは赤い車の横に並び、そのまま赤い車を横に押した。少女を乗せた赤い車が押され、ガードレールに押し込まれていく。
京輔「雨嘉!やれるか?」
雨嘉「は、はい!」
バンの上に雨嘉が立ち、アステリオンを構える。すると赤い車の左のドアが外れた。
京輔「うお!?」
ドリルクラッシャーでドアを弾いた。更に今度は崖の上から落石が降って来た。
龍馬「落石!?」
雨嘉「っ!!」
アステリオンを真上に向け、弾丸を発射。落石が粉々になった。
神琳「雨嘉さん、流石ですね!」
雨嘉「ありがとう。神琳。」
追跡は続く。雨嘉がアステリオンの照準をヒュージの体に向けた。
雨嘉「っ!!」
トリガーを弾いて弾丸を連射。しかし、ヒュージがシールドを張った。
雨嘉「あのヒュージ、シールドを張ってる!?」
京輔「雨嘉!後ろに乗れ!」
雨嘉「え?後ろに?」
言われるがままに、京輔の後ろに乗った。
京輔「回り込むぞ!掴まれよ!」
雨嘉「え!?」
マシンビルダーが崖を突っ走った。
雨嘉「ええええーーー!?」
崖の上に登ったマシンビルダーが、今度は森林の中を走る。
森林から出て下を見ると、前に回り込めた。
京輔「取ったぜーーー!!」
マシンビルダーが崖を降りる。
雨嘉「私の本気、見せてあげる!」
ヒュージの前に降り、雨嘉がアステリオンを構える。
雨嘉「当たって!!」
京輔「喰らえ!!」
ドリルクラッシャーとアステリオンの弾丸がヒュージの体を貫いた。貫かれたヒュージがガードレールを越え、そのまま海へと落下して爆発した。
雨嘉「やった!!」
京輔「流石だ雨嘉。」
マシンビルダーをバンの横まで減速し、雨嘉がバンに飛び移った。
龍馬「雨嘉。よくやった。」
雨嘉「えへへ。ありがとうございます。」
”ピー!ピー!”
マシンビルダーの警告音で少女を気付かせようとしたが、少女が反応しない。その理由は・・・
京輔「あらら?気絶してるぞ・・・」
少女が気絶してしまったのだ。車のスピードが徐々に高くなり、ガードレールにぶつかった時にバックミラーが飛んだ。
二水「このままだとバラバラになってしまいます!!」
京輔「俺が行く!」
楓「先生!?」
マシンビルダーを赤い車の横に近付いた。
京輔「よっと!」
マシンビルダーをビルドフォンに戻すと同時にジャンプして、赤い車に飛び移った。
京輔「よし。」
少女を救出しようとしたその時。目の前に落石が起きていた。
梨璃「落石!?」
夢結「先生!危ない!」
京輔「クッ!!」
すかさずアクセルを踏んで落石を通り過ぎた。バンはブレーキを踏んで、落石に巻き込まれずに済んだ。
龍馬「京輔!!」
落石を通り過ぎた車は。
京輔「クソッ!助かったのはいいが、車体がボロボロになってる・・・!このままじゃ・・・!」
ヒュージに押された事で車体がボロボロになってしまったのだ。
京輔「うおっ!?」
タイヤが破裂し、ボンネットが外れてしまった。
京輔「え!?」
そして最悪な事に、赤い車はそのまま崖へ進んでしまって落ちてしまった。
京輔「マ、マ、マジかよーーーー!?」
『スパイダー!』
右腕に装着しているウォッチビルダーにスパイダーフルボトルを装填し、ワイヤーを射出。ワイヤーのフックが崖から生えてる木に引っ掛けた。
赤い車がそのまま湖に落下して水没してしまった。
崖の真ん中では、京輔が少女を抱えてワイヤーにぶら下がっている。
京輔「ふぅ〜・・・」
安堵の表情を浮かべ、少女の顔を見る。
京輔「ん?」
その少女は赤い髪の可憐な美少女だった。
少女「・・・?」
気が付いた少女が京輔を見る。
京輔「大丈夫か?」
少女「嫌!離して!」
京輔「うわっ!ダメダメダメ!!下下下見ろ!下見ろってんだ下を!!」
暴れる少女に下を見せた。今2人は崖にぶら下がっている状態。
少女「あっ!」
京輔「ふぅ・・・」
少女は暴れるのを止めたが、顔を背けた。
京輔「そうそうそれで良い。そのまんま。」
右手で内ポケットからビルドフォンを出して、ウォッチビルダーのワイヤーをゆっくりと下げる。
だが木が重みに耐え切れず折れてしまった。
京輔「ギョエエエエーーーー!?」
少女「きゃあああああ!!!」
下の浜辺に着地した京輔が少女をキャッチしてゆっくりと降ろした。
京輔「ふぅ。危機一・・・ぱつ!?」
だが落下した木が脳天に直撃してしまった。京輔はそのままバタリと倒れてしまった。
少女「あ!あ、あの・・・大丈夫ですか?」
倒れてる京輔に困惑しながらも、湖の水に手を濡らした。そして左のウェディンググローブを外して水に濡らし、京輔の顔を拭いてあげた。
京輔「うっ・・・」
少女「大丈夫ですか?しっかり。・・・あ!」
湖の向こうから白い蒸気船が迫って来た。
少女「・・・ごめんなさい。」
ウェディンググローブを京輔の顔に乗せ、少女はすぐにその場から走り去った。
白い蒸気船に乗ってる男達が少女を追う。少女は近くの森の中へ逃げ込んだ。
龍馬「おい!京輔!」
気が付いた京輔の元に、龍馬が梨璃と夢結に連れられてやって来た。
夢結「大丈夫?怪我は?」
京輔「おう、お前等。」
梨璃「良かった。無事で。」
龍馬「お前何つーザマだ。」
京輔「あ、あの子は何処だ?」
龍馬が森の方に指を差した。少女は蒸気船に乗った男達に捕らわれてしまっていた。
京輔「何だと・・・!?」
白い蒸気船は逃げるようにその場から去って行った。
京輔「ちくしょう・・・!!」
マギの力で飛翔し、崖の上に着いた。
二水「京輔先生!無事だったんですね!」
楓「本当。心配しましたのよ?」
京輔「悪いな。心配させて。」
龍馬「たかが娘っ子1人に彼奴等一体何者なんだ?」
梨璃「あのヒュージと関係があるかも知れませんね。」
夢結「そうね。調べてみる必要がありそうだわ。」
京輔「・・・ん?」
あの少女が残してウェディンググローブに何か入っている事に気付いた。
鶴紗「先生、どうしたんだ?」
京輔「何か入ってる。」
ウェディンググローブから出て来たのは、ユニコーンの紋章が刻まれた銀色の指輪だった。
龍馬「ん?指輪じゃねえか。」
京輔「あれ?この指輪何処かで・・・ハッ!」
指輪に見覚えがある京輔の表情が変わった。
次回・リングの思い出