少女が残したリングに心当たりがある京輔がマシンビルダーに乗って先へ向かった。龍馬達はバンに乗って京輔を追う。
龍馬「どうしたんだ!指輪見て急に目の色変えやがって!京輔!」
だが京輔は返事しないまま先へ進んだ。
着いた場所は、荒れ果てた廃墟の城。
楓「お城ですの?」
二水「廃墟みたいですね。」
京輔「・・・」
マシンビルダーから降り、スタンドを立てて廃城を眺める。
龍馬「おい京輔。この廃城に何かあるのか?」
神琳「ん?皆さん、あれを。」
梅「何だ?」
廃城にユニコーンの紋章があった。
鶴紗「あの指輪と同じ紋章だな。ん?先生?」
当の京輔は廃城の奥へ進んでいた。
廃城の奥。
ミリアム「無人になってからそう古くはなさそうじゃな。ん?」
足元にある黒い炭を踏んだ。
ミリアム「火事じゃな。」
???「誰だ!」
京輔「ただの通りすがりさ。」
ミリアム「何じゃ?」
遠くから京輔が誰かと会話している声が聞こえた。
???「観光か?」
京輔「まぁな。ここは確か、大公殿下の館だと聞いたんだけど。」
話している相手は、1人の老人だった。
老人「今でもそうじゃ。余所者がウロチョロしても良い所じゃないんだぞ。」
雨嘉「これが大公様の館ですか?でも廃墟になっていますけど。」
老人「・・・8年前の大火事でな。大公ご夫妻がお亡くなりになって以来、この通り荒れ放題になってしまっておる。」
楓「妙ですわね。大公様は王様の事でしょ?今は王様なしって事ですの?」
老人「摂政が居るからな。困りはしないそうじゃ。早く帰れよ。」
そう言って老人が去って行った。
夢結「そろそろ戻りましょう。」
梨璃「はい。」
だが京輔は忠告を聞かずに先へ進んで行った。
梨璃「あ、あの!先生?」
梅「怪しいなぁ。」
廃城の奥へ進む京輔。その奥は木々に囲まれた石道。その石道を進んで行くと、目の前に小さな湖に囲まれたガゼボがあった。そのガゼボへ行く石橋を歩いて行く。
京輔「・・・」
ガゼボに着いた京輔がガゼボを眺める。そこは、木の葉に覆われたベンチやブランコがあった。京輔は石橋の手すりに腰掛けて、腕と足を組んで公園を眺める。
”ゴーーーーン!”
時計塔の鐘が周囲に響き渡った。京輔は少女が残した指輪を微笑みながら見ている。
京輔「・・・大きくなりやがって。」
指輪を握り締めた。
そこに龍馬達が来た。
二水「わぁ〜!綺麗な所です〜!」
神琳「ピクニックでもしたい気分ですね〜。」
京輔「・・・」
指輪をジャケットの内ポケットに収めて、ビルドフォンでファヴラス公国の情報を調べると。
京輔「?」
皆が京輔をジッと見ている。
京輔「・・・・?」
明らかに怪しいと感じた京輔が尋ねてみる。
京輔「どったの?」
龍馬「惚けるんじゃねえの。」
京輔「え?何の事?」
龍馬「鶴紗。」
鶴紗「ハァッ!」
京輔「ぐえッ!?」
突然鶴紗に間接攻撃を喰らってしまった。
鶴紗「1人で格好付けて悩むな!言え!」
京輔「ぐ・・・苦じい・・・!!」
ミリアム「とりゃああーーー!!」
京輔「グエエェェーーー・・・!!」
今度はミリアムに腹を絞められた。
ミリアム「どうじゃ!言うか?」
京輔「分かった分かった!言うから言うから!許してーーーー!!」
解放されて、公園の更に奥へ案内する。
京輔「いててて・・・」
龍馬「お前はさっきから何を考えてるんだ?」
京輔「ちょっとした思い出さ。」
梨璃「思い出ですか?」
京輔「そう。その思い出が、あれさ。」
時計塔の後ろの展望台からある物が見えた。
二水「わぁ〜!」
雨嘉「綺麗〜!」
それは、湖に囲まれた巨大なお城だった。
夢結「あのお城が先生の言う思い出かしら?」
京輔「ファヴラス公爵の城だ。彼処を見ろ。」
梨璃「お城ですか?」
京輔「いやもっと下だ。」
梨璃「下?」
城の下の水道橋を見る。
京輔「水道橋の向こうだ。」
夢結「ん?さっきの船だわ。」
少女を攫った1隻の蒸気船が停泊しているのが見えた。
梨璃「花嫁さんはあのお城の中に?」
京輔「彼処に水門があるんだ。本当昔のまんまだぜ。」
龍馬「お前、あの城へ潜った事があるのか?」
京輔「あぁ。10年前の話さ。EVIL CHARMの謎を暴こうってな。まだ駆け出しの物理学者だった。」
ミリアム「それで、どうじゃった?」
京輔「それがコテンコテン!尻尾巻いてよ、逃げちゃった。」
ミリアム「何じゃ・・・」
鶴紗「ん?あれを見ろ。」
全員「?」
上空にオートジャイロが飛んでいた。オートジャイロはそのまま城の方へ向かった。
龍馬「オートジャイロとは古風だなぁ。」
京輔「あれ公爵。」
龍馬「あ!?」
京輔「さ〜て寝床でも探そうぜ〜。」
龍馬「おい!?おい!?」
二水「龍馬先生。行きましょう。」
龍馬「あ、あぁ・・・」
オートジャイロに乗ってるファヴラス公爵が城のヘリポートに着陸して、オートジャイロから降りて歩く。
ファヴラス公爵「ロベルト。不始末のようだな。」
ロベルト「申し訳ありません。ご婚礼衣装の仮縫いでございましたもので、男共と女共が席を外していたのでございます。」
ファヴラス公爵「今は北の塔か?」
ロベルト「はい。お薬でよくお眠りになっていらっしゃいます。」
エレベーター内で、執事のロベルトがファヴラス公爵に服を着させた。
ファヴラス公爵「外国人?」
ロベルト「はい。女連れの2人の男が逃亡を手助けしたとの事でございます。」
エレベーターが最上階に着いた。
ファヴラス公爵「見付け出せ。後始末は任せる。」
エレベーターから降り、ロベルトがファヴラス公爵に深く一礼した。
北の塔。
メイド「ん?」
刺繍をしていた1人のメイドがファヴラス公爵を立って出迎えた。
メイド「お帰りなさいませ。公爵様。」
ファヴラス公爵「ご苦労だったセレス。休憩してくれ。」
セレス「はい。」
彼女は下がった。
北の塔の壁のユニコーンの剥製に鍵を挿して回した。すると壁が開いた。ファヴラス公爵が入って壁が閉じた。
部屋の中は夜を模した天井、窓、そして真ん中にベッドがあった。
ファヴラス公爵「フッ。」
そのベッドに眠っている人物の元へファヴラス公爵が歩み寄る。
ベッドの眠っている人物の正体は、蒸気船の男達に攫われた少女だった。ファヴラス公爵が眠っている少女の左手をゆっくりと持ち上げて、自分の左手と重ねた。
ファヴラス公爵「ん?」
だが少女の左手に違和感を感じた。
ファヴラス公爵「指輪がない!?」
それは、少女が嵌めていた指輪だった。
ファヴラス公爵「・・・・・」
指輪が盗まれた事に気付いたファヴラス公爵が、部屋から出た。
ファヴラス公爵「ロベルトを呼べ!」
次回・アサシンの襲撃