アサルトビルド HAZARD   作:naogran

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特別編6「再会のプリズン」

京輔達3人が潜入を成功した同じ頃。城の甲冑部屋にセレスが物色していた。それは、壁の金庫に保管されてある機密書類の物色だった。その機密書類を小型カメラで撮影していると。

 

???「動くな!」

 

セレス「!?」

 

後ろから甲冑の手がセレスの肩を掴んだ。セレスは抵抗せず止まった。

 

京輔「こんばんは。セレスちゃん。」

 

セレス「え?京輔!」

 

甲冑の正体は京輔で、左腕に甲冑の腕を着けてるだけだった。

 

京輔「仕事に熱中しているお姉さんってのは美しいねぇ〜。」

 

セレス「もうこんな所まで来ちゃったの?」

 

京輔「1年振りだってのに、つれねぇなぁ〜。少しは喜んだらどうなんだぁ〜?」

 

左腕の甲冑を外して元に戻した。

 

セレス「あら?そちらのお嬢さん方は誰かしらね?」

 

京輔「あぁ。百合ヶ丘のリリィで、俺の教え子だ。梨璃、夢結。この人はセレス・フィッツランド。CIAに所属してる国際スパイだ。」

 

梨璃「ひ、一柳梨璃です。」

 

夢結「白井夢結よ。」

 

セレス「京輔、探しているのは花嫁さんの居所でしょ?」

 

京輔「何だよ!知ってたのかよ?」

 

セレス「教えてあげても良いけど、私の仕事の邪魔しない?」

 

京輔「する訳ないじゃん。俺達手を組んでた仲じゃん?」

 

セレス「どうだか・・・北側の塔の天辺よ。最もとても入り込めないでしょうけどね。・・・え!?」

 

既に京輔達3人の姿が何処にもなかった。

 

セレス「京輔・・・!?」

 

 

 

 

 

 

城壁を登る3つの影があった。マシンビルダーに乗ってる京輔と、マギで飛翔している梨璃と夢結だった。

 

夢結「さっきの女の人、先生のお仲間かしら?」

 

京輔「仲間って言うか、顔馴染みだな。彼女世界中の情報とか色々入手しているからな。」

 

梨璃「スパイってさっき言ってましたものね。」

 

 

 

 

屋根に辿り着いて、北の塔を見る。

 

梨璃「あれが北の塔・・・」

 

夢結「・・・完全に孤立されているわね。」

 

京輔「クソォー。酷え所に閉じ込めやがって・・・」

 

髪の毛1本抜いて風向きを確認する。その後は、屋根の天辺を見る。

 

京輔「彼処からなら行けそうだ。行くぞ。」

 

梨璃・夢結「?」

 

3人は屋根の天辺を目指す。

 

 

 

 

屋根の天辺。

 

京輔「よし。ここだな。」

 

マシンビルダーを畳んで、ビルドフォンを操作する。

 

梨璃「どうするんですか?」

 

ビルドフォンから、ロケットワイヤーが出て来た。ロケットを北の塔に狙いを定めて、ロケットフルボトルを装填する。

 

『ロケット!』

 

ロケットワイヤーのエンジン部分から火が噴射したが、すぐに切れた。

 

京輔「あ、ありゃ?」

 

梨璃「切れちゃいました?」

 

京輔「ん〜、試作品だからなぁ〜・・・えっと?他に何が・・・」

 

服やズボンを手探りしている最中に、京輔がバランスを崩した。

 

京輔「ギョエエエエーーー!!!」

 

屋根の天辺から落ちたが、屋根のレンガに掴まった。

 

梨璃「先生!大丈夫ですかー!?」

 

京輔「心配すんなー!」

 

しかし、掴まっているレンガが外れてしまった。

 

京輔「え?」

 

梨璃・夢結「あ。」

 

 

 

 

京輔「あららららららら!?」

 

屋根を全速力で急降下する結果となってしまった。

 

 

 

 

梨璃「先生!!」

 

夢結「梨璃!追うわよ!」

 

梨璃「は、はい!!」

 

2人は急降下する京輔を追う。

 

 

 

 

京輔「ギィイヤアアアアアアーーーーーーー!!!!」

 

どんどん加速が増していく。そして。

 

京輔「ヒエッ!!」

 

落ちる寸前で大ジャンプした。小さな塔の屋根に乗ってから大ジャンプした。

 

 

 

 

北の塔の壁にしがみ付いた。

 

京輔「クッ!!」

 

しがみ付いたが、手が滑ってしまって落ちて行く。だが、間一髪でマギに乗った梨璃と夢結が京輔の両腕を掴んで助けた。

 

夢結「先生。」

 

梨璃「大丈夫ですか?」

 

京輔「わ、悪いな・・・梨璃。俺の右腕のウォッチビルダーにスパイダーフルボトルを入れてくれ。スパイダーフルボトルはジャケットの内ポケットにある。」

 

梨璃「えっと・・・これですか?」

 

ジャケットの内ポケットからスパイダーフルボトルを取り出し、それをウォッチビルダーに装填した。

 

『スパイダー!』

 

ウォッチビルダーからワイヤーが射出され、塔の屋根に引っ掛けた。

 

京輔「よし。乗り込むぞ。」

 

3人はいよいよ、北の塔に乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

北の塔にクローディアが幽閉されている。彼女は悲しげな顔で夜空を眺めたが、雲が夜空を覆った。すると部屋に風が入り込んだ。天井を見ると、天窓が空いていた。その天窓の真下に3人の影があった。

 

クローディア「どなた?」

 

???「物理学者です。」

 

クローディア「学者さん?」

 

雲が晴れると、3人の影が姿を現した。

 

京輔「こんばんは。花嫁さん。」

 

クローディア「あなたはあの時のお方ですね?」

 

京輔「覚えててくれて光栄です。此方の2人は、私の教え子のリリィです。」

 

梨璃と夢結は一礼した。

 

クローディア「リリィ・・・」

 

京輔「クローディア様、お忘れ物ですよ。」

 

銀の指輪をクローディアの左手の薬指に嵌めた。

 

クローディア「っ!この為にわざわざ?公爵に見付かったら殺されると言うのに!」

 

京輔「なぁに。その危機を覆すのが学者の本性です。仕事が終われば帰ります。」

 

クローディア「お仕事?・・・私に何か差し上げられる物があれば良いのですが・・・今は虜の身・・・これを・・・」

 

銀の指輪を返そうとしたが、京輔が止めた。

 

京輔「私が欲しいのは、悪い魔法使いが高い塔の天辺に仕舞い込んだ宝物。」

 

クローディア「?」

 

京輔「今回だけはどうかこの学者とリリィに、盗まれてやって下さい。」

 

クローディア「私を?」

 

京輔「不可能に陥られた者達に可能性を導き出し、無理矢理花嫁にされようとしているか弱き少女には、緑色の草原に解放する。これは皆、物理学者の仕事なんです。うーん。」

 

クローディア「私を自由にして下さるの?」

 

京輔「勿論。」

 

だがクローディアは、椅子に座って俯いた。

 

梨璃「クローディア様・・・?」

 

クローディア「ありがとう。とても嬉しい・・・」

 

梨璃「では何故?」

 

クローディア「でもあなた達は、ファヴラス家の恐ろしさをご存知ないのです!」

 

夢結「それが理由ですか?」

 

クローディア「・・・どうかこのまま帰って・・・」

 

京輔「・・・あーあ、何と言う事だ!その女の子は、悪い魔法使いの力を信じるのに、物理学者の力を信じようとはしなかった。その子が信じてくれるのなら・・・物理学者は空を飛ぶ事だって、湖の水を飲み干す事だって出来るのに!・・・」

 

彼も俯いてしまった。しかし。

 

京輔「ウッ・・・!ウウッ・・・!!ウウッ!!!」

 

突然右腕を握り始めた。

 

クローディア「!?」

 

梨璃・夢結「!?」

 

京輔「ウウウッ・・・!!」

 

震える右腕をクローディアにゆっくりと近付け、そこから小さな花を出した。

 

クローディア「まあ!」

 

京輔「今はこれが精一杯。」

 

花をクローディアに渡すと、京輔の右手から色々な国旗が出て来た。クローディアは笑顔になって京輔を見た。

 

京輔「フフフフ!」

 

クローディア「アハハハ!」

 

 

 

 

 

 

すると部屋が突然明るくなった。

 

 

 

 

 

 

クローディア「!?」

 

京輔「!!」

 

梨璃「部屋が!」

 

夢結「梨璃、来るわよ。」

 

部屋の柱から無数の影が現れた。するとクローディアの後ろから影の腕が出現し、クローディアを京輔達から隔離した。

 

クローディア「キャー!!学者さん!!リリィさん!!」

 

 

 

 

京輔「おいコラ貴様等!!ご婦人はもっと丁寧に扱え!!ったく!ん?フッ。」

 

そこに、ファヴラス公爵とロベルトが現れた。

 

ファヴラス公爵「わざわざ指輪を届けてくれてありがとう。稲葉京輔君。」

 

京輔「盛大なお出迎えに痛み入るぜ。公爵。」

 

ファヴラス公爵「早速だが君達には消えて貰おう。」

 

京輔「さあてそう簡単に消せるのかなぁ〜?」

 

 

 

 

クローディア「や、止めて!!その人達を傷付けてはいけません!!」

 

 

 

 

京輔「大丈夫だってお嬢さん!物理学者の力を信じなきゃ!」

 

3人は影達のど真ん中に移動させられた。

 

 

 

 

クローディア「先生!!」

 

 

 

 

京輔「はーい!先生はここですよー!すーぐ戻って来ますからねー!」

 

影達が3人を取り囲んだ。

 

梨璃「・・・」

 

夢結「抵抗は止しなさい。」

 

梨璃「はい・・・」

 

京輔「さぁて何を遊ぶんだい?」

 

ファヴラス公爵「君達を引き裂くのは簡単だが、コソ泥の血で花嫁の部屋を穢す事はあるまいと思ってね。」

 

京輔「そんな事言っちゃって。後で後悔しても知らねえぞ?」

 

ファヴラス公爵「減らず口はそれまでだ。」

 

目が見開いた瞬間。3人の足元の床が抜け、3人が穴に落ちてしまった。

 

 

 

 

クローディア「ああ・・・」

 

ファヴラス公爵「フフフ。1人として這い出た者の居ない地獄へ通ずる穴だ。」

 

影達が退き、クローディアが穴に向かって走ったが、穴は塞がれてしまった。

 

クローディア「・・・!」

 

両手で顔を覆い隠して泣いてしまった。ファヴラス公爵は、泣いているクローディアの顔を掴んだ。

 

ファヴラス公爵「可愛い顔してもう男を引き込んだか?ファヴラスの血は争えんな。フフフ。我が妻に相応しい。」

 

クローディア「人殺し!あなたは人間じゃないわ!」

 

ファヴラス公爵「そうとも。俺の手は血まみれだ。だが、お前も同類だ。我が公爵家は、代々お前達大公家の影として、謀略と暗殺と殺戮を司り、国を支えて来たのだ。」

 

クローディア「離して!!穢らわしい!!」

 

無理矢理ファヴラス公爵の手を離し、椅子の後ろに立ってファヴラス公爵を睨む。

 

ファヴラス公爵「それを知らんとは言わさんぞ。お前もファヴラスの人間だ。その身体には俺と同じ古いイーヴィルの血が流れている。」

 

彼女は両耳を塞いだ。

 

ファヴラス公爵「クローディア。50年の年月。光と闇に分かれていた2つのファヴラス家が、今1つになろうとしているんだよ。ご覧。」

 

金色のユニコーンの指輪を見せる。

 

ファヴラス公爵「我が家に伝わる金のユニコーンと、君の!」

 

クローディア「!?」

 

無理矢理クローディアの左手を掴んだ。

 

ファヴラス公爵「銀のユニコーンの指輪が1つに重なる時こそ、秘められた先祖の財宝が蘇るのだ!!」

 

 

 

 

京輔『あ!聞いちゃった聞いちゃった!お宝目当ての結婚式!』

 

 

 

 

突然京輔の声が部屋中に響いた。

 

ファヴラス公爵「何!?奴だと!?」

 

京輔『EVIL CHARM作りの公爵の、言う事やる事全て嘘!』

 

クローディア「!!」

 

彼女は声が何処から響いているかに気付いた。

 

京輔『女の子はとっても優しい素敵で純粋な子。』

 

それは、自分の指に嵌めてある銀の指輪からだって事を。すぐに自分の手を掴んでるファヴラス公爵の手を離して、後ろ向きに京輔を呼ぶ。

 

クローディア「先生!先生!」

 

京輔『ハイハーイ!元気ですよー!』

 

 

 

 

 

 

そんな京輔は今、落とし穴の途中でぶら下がっている。梨璃と夢結はマギに乗って浮遊している。

 

京輔「女の子が信じてくれたから、俺達空だって何処へだって飛べるさ!物理学者さんがきっと助け出してあげるから待ってるんだよ!」

 

クローディア『はい!』

 

ファヴラス公爵『くそっ!その指輪か!』

 

クローディア『あ!』

 

京輔「ん!?」

 

 

 

 

 

 

北の塔の部屋。

 

ファヴラス公爵「寄越せ!!」

 

強引にクローディアから指輪を抜いて、クローディアを押し飛ばした。押し飛ばされたクローディアは柱に背中をぶつけてしまった。

 

京輔『やい公爵!よく聞きやがれ!!』

 

指輪から京輔のホログラムが出て来た。

 

ファヴラス公爵「ヌッ!?」

 

京輔『本物の指輪は俺が預かっている!!その子に指1本触れてみろ!大事な指輪は・・・こうだ!!』

 

”パァン!!”

 

指輪が爆発し、花吹雪が舞った。

 

ファヴラス公爵「グヌヌ・・・!!偽物だ!!」

 

偽物の指輪を投げ捨てた。その後ろでクローディアが安堵の表情を浮かべた。

 

 

 

 

 

 

落とし穴の中。

 

京輔「ヌフフフフ。」

 

梨璃「先生!上!」

 

京輔「上?」

 

上を見ると、水が流れて来た。

 

夢結「梨璃!」

 

梨璃「あ!」

 

京輔「ウェ!?」

 

梨璃と夢結は急降下して避けたが、京輔は直撃された。

 

 

 

 

水で下まで落ちた。

 

梨璃「大丈夫ですか!?先生!」

 

京輔「ちくしょう!!人を排泄物扱いしやがって!フーンだ!」

 

夢結「そ、それは言い過ぎじゃないかしら・・・?」

 

 

 

 

 

 

北の塔の部屋。

 

ファヴラス公爵「落ちたか?」

 

ロベルト「多分。」

 

ファヴラス公爵「調べろ。」

 

ロベルト「彼処は生ける者の赴く所ではありません。放って置けば必ず死にます。」

 

ファヴラス公爵「指輪を奴が握っているんだぞ。」

 

ロベルト「なっ!畏まりました。すぐに向かわせます。」

 

ファヴラス公爵「よし。待っていろ!お前のコソ泥共をズタズタに引き裂いてやる!!」

 

そう言って部屋から出て、照明が消えた。再び幽閉されたクローディアは、落ちている花を見付けて拾った。その花を両手で優しく包んだ。

 

『To Be Continued・・・』




次回・暴かれるシークレット
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