その夜。鎌倉にある小さな町の家に少女が帰って来た。
帰宅した少女は、部屋のベッドに倒れ込んだ。
少女「・・・」
???「だから言っただろ?向いてねーんだよ。」
少女「え?・・・え!?」
京輔「ほ〜。」
部屋に何時の間にか京輔が入って来た。
少女「なっ・・・!」
窓が開いてる。そこから京輔が入ったのだ。
京輔「君も・・・がっ!!」
突然顔にローファーを投げられた。
少女「どうしてここが!?」
京輔「痛ててて・・・さぁて、これは一体何でしょうかっと。」
投げ付けられたローファーを返した。
少女「ん?」
部屋の電気を京輔が点けた。
京輔「へぇ〜。凄え資料の数々。」
さっきのローファーの裏に発信機が取り付けられていた。
少女「あっ!発信機・・・何しに来たのよ!!」
京輔「君は財宝を狙ってそうだな。」
少女「財宝?何の事?」
彼はテーブルの上に素早くトランプタワーを建てた。
京輔「クリエイト。創造って意味の言葉だ。」
少女「え・・・」
京輔「ほぉら目の色変えた。」
そのままトランプタワーを崩した。
少女「・・・」
コップに水道の水を入れて飲む。
京輔「ん?」
テーブルにある資料を手に取る。
京輔「この論文君が書いたの?」
少女「あ!ちょっと!」
すぐに論文を取り返した。
京輔「考古学かぁ。成る程。本業はこっちって訳か。」
少女「そうよ。あなたの物理学と一緒にしないで。考古学って言うのは、過去の真実を知る唯一の方法なのよ。」
京輔「ん?」
小さな欠片を京輔に見せ、自分の耳に近付ける。
少女「ほら。こうやって昔の人と話をするの。」
京輔「ほう?」
その欠片を借りて、耳に近付ける。
京輔「成る程〜。・・・しかしよくまあこんなに調べたもんだな。ん?」
壁にある円形のペンダントを見た京輔が、それと同じペンダントを持って見比べる。
京輔「これは・・・此奴の片割れの方だな。」
少女「え・・・?どうしてあなたがそれを?」
京輔「ある人物の孫に渡されたんだ。」
少女「盗品って事?」
京輔「勝手に決め付けんなよ!んで、教えて貰おうか?こっちの鍵を何処で見たんだ?」
少女「ちょっと落ち着いて。えっと・・・取り敢えず着替えさせて。ね?見ないでよ!」
着替えに行った少女は、クローゼットに隠れてある人物と通話する。
少女「あの・・・お祖父様。稲葉京輔がここに現れました。私達の鍵と同じ物を持っています。鍵は・・・2つあるようです。」
男『そう言う事か。良いか?最後のチャンスだ。もう1つの鍵と共に稲葉京輔をここへ連れて来い。』
少女「そんな!彼と一緒に行動するなんて無理です!何時何処でバレるか・・・」
男『そうか?もし成功すれば、例の約束・・・もう1度考えてやっても良いんだがな。』
少女「・・・」
その言葉に奮起した少女が着替え始めた。
一方京輔は。
京輔「ん〜・・・」
少女「取引しない?」
着替え終えた少女がやって来た。
京輔「取引?」
少女「私の持ってる情報を教えてあげる。その代わりあなたは私と組んで、キャンベル・ダイアリーの謎を解きに行く。」
京輔「何で俺が君みたいなヒヨッコと組まなきゃならねーんだ?ダメダメェ〜。」
少女「もう1個の情報。ここにあるんだけどなぁ〜。」
京輔「聞き出す方法なんざ幾らでもあるんだぜぇ〜?グヌヌヌヌヌ・・・」
念力を出してるように両手を翳す。
少女「いや、そんな人じゃないよね?天才物理学者さん。」
京輔「ん?はぁ〜・・・」
彼が出て行こうとした。
少女「ね?手を組みましょ!キャンベルみたいに!」
京輔「え?キャンベルが何だって?」
少女「彼には発掘資金を援助してくれるパートナーが居たらしいの。」
京輔「それってゲヘナの事か?」
少女「バカな事言わないで!キャンベルはクリエイトをゲヘナから守る為に命を落としたと言われているのよ!!」
京輔「そ、そうなんだな?分かった分かった。」
少女「でもね、その一方詳細な手掛かりも残した。キャンベル・ダイアリーって形でね。それって何で?って思わない?私は知りたい。そして、クリエイトの謎を解きたい!」
京輔「そこまで言うならしゃーない。しばらく君と手を組んでやるとするか。」
少女「本当!?」
京輔「俺もクリエイトの謎を暴きたいしさ。それに元々グランギニョルからキャンベル・ダイアリーの解明を依頼されてる身だし。それでは早速案内して貰おうか。お嬢さん。」
少女「任せて!・・・あ、そうだ。名前言ってなかったね。私の名前は・・・ソフィア。」
京輔「ソフィア?・・・」
彼女の名前に聞き覚えがある様子。
深夜。日本海を航行する1隻の補給線。物資が入った2つの木箱に隠れてる京輔とソフィアの姿が。
京輔「本当にこれ・・・鍵の在り処に向かってるんだろうな?」
ソフィア「住所不定なんだけどね。週に1度必ずこの補給線が接触する事は分かってるの。」
京輔「どうも信用出来ねえーなぁ・・・なぁ、ソフィアってのは偽名なんだろ?」
ソフィア「偽名?何の事?」
京輔「これなーんだ?」
1枚の紙を見せた。結婚記念日ソフィアの文字と、その裏に女性の写真が。
ソフィア「あっ!」
その写真を取り返した。
京輔「その人は君のお袋さんだろ?ソフィアってのはお袋さんの名前なんだろ?」
ソフィア「お母さんはソフィア。私もソフィア。うちの家系は女の子にソフィアって名前を付けるのが仕来りなの。」
京輔「随分と手を抜いた家系だなぁ。」
ソフィア「まあ、お父さんもお母さんも。私が子供の頃に事故で死んじゃったから。写真から推理しただけだけど。」
京輔「・・・ん?」
補給線が突然停泊した。停泊した場所は、日本海のど真ん中。
京輔「こんなど真ん中に何があるってんだ?ん?」
1人の船員が上に向けて信号弾を発砲した。
京輔「信号弾?ん?」
それと同時に謎の飛行音が聞こえた。後ろを見ると・・・
巨大な飛行艇が現れた。
京輔「ほえ〜・・・」
飛行艇が着水し、補給線が接触する。
ソフィア「言ったでしょ?住所不定だって。」
京輔「そう言う事ね。」
飛行艇に潜入し、書斎の屋根裏に忍び込んだ。
アイザック「キャンベル・ダイアリーは、間も無く開かれようとしている。」
キャンベル・ダイアリーが、書斎の本棚に隠された金庫に保管された。
アイザック「残るは、もう1つの鍵。」
京輔「こんな所にあったのか。」
誰も居なくなった書斎に降りた。
ソフィア「ありがとう。」
京輔「どう致しまして。」
隠された金庫を出した。
ソフィア「こんなのは簡単だよね〜。かの有名な天才物理学者・稲葉京輔だもんね〜。」
京輔「任せとけって〜。・・・うげっ!うわぁ・・・」
金庫のダイヤルは数十個ある。京輔がウォッチビルダーのワイヤーを伸ばして金庫に接続して、ダイヤルを解析してダイヤルを回す。
京輔「解錠の法則は決まりましたっとほいしょっと♪」
金庫が開いた。
ソフィア「ええ!?」
京輔「大成功♪」
ソフィア「流石・・・」
金庫からキャンベル・ダイアリーと片割れの鍵を出した。
京輔「ようやくだ。これでクリエイトの正体を暴けるぜ。ん?」
ソフィア「どうしたの?」
京輔「いや、何か懐かしい感じがするんだ。昔見た事があるような・・・」
ソフィア「あ!京輔急ごう。」
京輔「ん?」
すぐに屋根裏へ逃げる。
逃げたと同時に見張りが書斎に入って徘徊する。
京輔「この警戒態勢じゃ脱出は不可能だな。」
辿り着いた場所は、誰も居ない部屋。
京輔「しょうがねぇ。ここでご開帳と行きますか。」
ソフィア「うん。」
机の電気スタンドを点けて開帳を始める。まずは京輔が2つのペンダントを捻って鍵を出した。
京輔「この2つを組み合わせて、鍵を作るって事は予想していたんだけどなぁ。」
2つの鍵を組み合わせて十字の鍵を作った。
ソフィア「そう言う風に使うんだ。」
京輔「だがなぁ・・・此奴はこれだけじゃ開かない。実はキーワードがいるんだ。」
ソフィア「キーワード?」
京輔「あぁ。この鍵穴の周りにアルファベットが刻まれてるだろ?この鍵を使う時はキーワードの順に回さないと・・・ほら、ここを見てみろ。ここの撃鉄が作動して此奴が爆発すると。中身も鍵を開けようとしてる人間も綺麗サッパリ消し飛ぶって訳。」
ソフィア「・・・」
京輔「キャンベルはよっぽど此奴を秘密のままにして欲しかったんだろうな。だが内心では誰かに開けて欲しかった。例えば、天才的な金庫破り。暗号解析の名手。そして、凡ゆる常識を覆す天才物理学者。」
ソフィア「それって自分の事?」
京輔「フフッ。自画自賛乙。でだ。一体このアルファベットをどう繋げたら意味のある言葉になるかってのが課題だ。アルファベットは全部で6つ。だが、キーワードは9つって意味なんだなこれが。」
ソフィア「成る程ね。」
京輔「それが何かって事なんだけどなぁ・・・」
鍵を持ったソフィアがケースの鍵穴に挿すと、ケースの仕掛けが動いた。
ソフィア「あっ!」
京輔「っておい!!」
ソフィア「え!?」
仕掛けが作動したケースに、60秒のカウントダウンが起動した。
ソフィア「どうしたの!?何が起きたの!?」
京輔「時限装置が作動した!此奴を見る限り・・・後1分で此奴が爆発する!」
ソフィア「ど、どうしよう!私が余計な事をしちゃったせいで!」
京輔「落ち着けソフィア!」
そうこうしてる間にも、カウントダウンが迫る。残り50秒。
京輔「ん〜・・・I・C・N・E・L・Tを使う9文字の言葉!何かないか!」
ソフィア「何だろう!ダメだ思い付かない!」
京輔「キャンベル所縁の言葉で!考えろ考えろ考えろ・・・え!?いやあ・・・まさかなぁ。」
ソフィア「え?」
京輔「いや、待てよ待てよ・・・そんな事って・・・」
ソフィア「答えが分かったの!?」
京輔「分かったって言うか・・・ああもうしゃーねえ!賭けに出るぞ!」
ソフィア「賭け!?嘘でしょ!?失敗したら爆発するんだよ!?」
京輔「指咥えて見てても爆発するんだ。1つ賭けてみようぜ!」
深呼吸して鍵を掴み、鍵を回してキーワードを並べる。
京輔「これで最後だ!」
最後のキーワードを並べると、カウントダウンが停止した。
京輔「っ!」
仕掛けが停止し、4つのフックが開いてケースが開いた。
ソフィア「・・・!」
ケースを開けた京輔が安堵の表情を浮かべた。
京輔「ふぃ〜・・・」
ソフィア「凄い・・・」
京輔「クフフ・・・合ってたわ。」
ソフィア「凄い!本当に凄い!え!?キーワードは何だったの!?」
京輔「長い話になる。まずは此奴の中身を拝ませて貰おうぜ。」
早速キャンベル・ダイアリーの中身を見る。
ソフィア「クリエイトは、古代文明からの贈り物である。」
京輔「流石!古代ヘブライ語も読めるんだな!」
ソフィア「フフフ。こんな文字を使うって事は、キャンベルは考古学者にこれを開いて欲しかったのね!今度はスキタイ語!」
京輔「スキタイ語。紀元前8世紀から紀元前1世紀頃、現代のウクライナで用いられた言語だな。」
ソフィア「お前達にこの贈り物を受け取る資格がなければ・・・再び封印しなさい。贈り物・・・」
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ソフィア「クリエイトはやっぱり無限のエネルギー発生装置だったんだ!フランス語でクデ!つまりキュビットの事ね!」
京輔「古代メソポタミアとエジプトの長さの単位か。」
ソフィア「1キュビットは0.444メートルかけて・・・んーと・・・3万9960。まあ約40キロメートル!」
京輔「神々の都市って言うのは?」
ソフィア「この図を見れば分かるでしょ?メキシコのティオティワカンよ!」
京輔「凄いな君!」
ソフィア「だからぁ。こう言うのは専門なんだってば。」
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ソフィア「成る程〜!今度はアッカド語ですかぁ。」
京輔「古代メソポタミアで話されていたセム語派の言語か。別名アッシリア・バビロニア語だな。」
ソフィア「クリエイトに辿り着くには・・・3つの試練があるみたい!これはその攻略方法を教えてくれているみたいだけど・・・」
京輔「ほほう!そう来ましたか。」
すると突然ソフィアが京輔の後ろに立ち、銃を向けた。
京輔「あれぇ?どうしたってんだいソフィア?」
ソフィア「ごめんなさい京輔・・・私・・・」
京輔「謝るのは早いんじゃないの?お嬢さん。」
彼の手には、ソフィアの銃のマガジンが握られていた。
ソフィア「え!?」
京輔「だから言っただろ?泥棒は軽々しくやるもんじゃないって。お前等もコソコソしてんじゃねえよ!こっちから出るか?」
彼は既に外に居る集団に気付いていた。
部屋を出ると、ギルバート達が待っていた。
ギルバート「気付いていたか。稲葉京輔。」
京輔「この部屋に来るにはここしかルートがないもんでな。」
アイザック「だが、ここから君はどうするんだ?この状況では、君はかなり不利だな。」
京輔「面倒事は嫌だし。大人しく降伏しますか。」
アイザック「ディラン!」
ディラン「イエッサー!」
兵士のディランが京輔を拘束する。
ソフィア「これで良いんですよね?アイザックお祖父様。」
キャンベル・ダイアリーをアイザックに渡した。彼女が言うお祖父様はアイザックだった。
京輔「へぇ〜。お祖父様ねぇ〜。」
アイザック「良くやった。ソフィア。」
京輔「ここから先はお前等だけでどうにかなるのか?随分長い間入り口でもたついていたんだろ?」
アイザック「たかがパズル遊びが得意な程度で、でかい口を利くのは止めて貰いたいものだな。」
京輔「人に鍵開けて貰っといてよく言うな。お前達は鍵を開ける事すら出来ないミジンコか?」
アイザック「侮辱するな!!私はかの有名な組織のメンバーにスカウトされた事のある男だぞ!!」
京輔「へぇ〜。今度は過去の栄光自慢って奴か?んで?何だって?何の組織だって?ゲヘナか?反政府組織か?自然保護団体か?」
彼はアイザックの手首にある刺青を見て閃いた。
京輔「ほぉ!クメール・ルージュと来たかぁ!」
ソフィア「クメール・ルージュ・・・?」
京輔「それで?クリエイトを手にしてどうするんだ?また新たな理想の世界でも創ろうってのか?」
アイザック「黙れ黙れ黙れ!!お前の役目は終わったのだ!!ディラン!!この若造を連れて行け!!」
ディラン「イエッサー!」
こうして京輔は連れて行かれてしまった。
その後の書斎。
ソフィア「京輔をどうするんですか?」
アイザック「・・・情が移ったんではあるまいな?」
ソフィア「まさか。だって・・・ただの物理学者ですよ?あの人。それより・・・お話があるんです。」
アイザック「話とは?」
ソフィア「お祖父様の言い付け通りにしました。もうこう言うの・・・最初で最後で良いんですよね?例の約束本当に聞いて貰えるんですよね?」
アイザック「あぁ。ボストン大学の話だな。彼処は考古学の最高学府として有名な考古大学だ。お前程度が・・・」
ソフィア「どうしても挑戦してみたいんです!どんなに感謝しても足りないとおもっています!でも・・・もう泥棒したり、人を騙したりしたくないんです!本格的に考古学を勉強したいの!キャンベルのような考古学者になりたいんです!」
アイザック「・・・成長したな。ソフィア。これが終わったら、ボストン大学でも何処でも挑戦すると良い。」
内ポケットから、ボストン大学からのエアメールを出してソフィアに渡した。
ソフィア「え・・・本当に本当ですか!?」
アイザック「あぁ。」
ソフィア「ありがとう!お祖父様!」
彼女は喜んで書斎を出た。その入れ違いでギルバートが入った。
ギルバート「恐れているな?あの子の才能を。」
アイザック「何の事だ?」
ギルバート「彼女はお前より考古学を勉強している。その内彼女の力に及ばなくなるぞ。」
アイザック「それは・・・」
ギルバート「ならばあの子の才能を超えれば良い。そうすればお前は、彼女より最も才能がある学者として君臨出来る。」
アイザック「才能を超える・・・」
次回・アッセンブルと出発