雨嘉「あ・・・」
新入生の王雨嘉が寮に到着した。表札に郭神琳の名前があった。
ドアを開けて入室。郭神琳が椅子に座って読書をしていた。
雨嘉「あ・・・!」
神琳「王雨嘉さん?郭神琳と申します。名高い王家の方と同室だなんて、光栄だわ。」
雨嘉「う、ううん!!そんな!私なんて、全然ヘボリリィだから・・・」
CHARMを用いて戦い続けている
ヒュージの前に
現在。梨璃と夢結は今。
梨璃「えへへぇ〜。」
今日の梨璃はうっとりしている。
夢結「梨璃。あなたそろそろ講義でしょ?予習は?」
梨璃「分かってはいるんですけどぉ〜、今こうしてお姉様のお顔を見ていられるのが幸せですよぉ〜。」
夢結(ダメだわこの子。完全に弛みきってる・・・まさか、シュッツエンゲルになった途端にここまでなるとは・・・迂闊だったわ・・・)
京輔「おい梨璃。」
梨璃「はいぃ〜?」
そこに京輔が来た。
京輔「この後俺の講義だろ?早く行くぞ。」
梨璃「分かってますよぉ〜。」
京輔「どうしたお前?顔が蕩けてるぞ?」
そこに2人の生徒が。
那岐「あら!ごきげんよう。」
ロザリンデ「ごきげんよう。ユリさん。」
3年生の田村那岐とロザリンデ・フリーデグンデ・v・オットーが挨拶した。しかも何故か2人を夢梨と呼んでる。
梨璃「え?あ、あははは。ごきげんよう。」
夢結「はて?ユリさん?」
京輔「ユリ?誰かと間違えたんじゃねえの?」
梨璃「あ!それ、カップルネームです。」
夢結「カップルネーム?」
京輔「どうしてそれが?」
理由は、週刊リリィ新聞のデカい号外が掲示板に貼られたからだった。その横に仮面ライダービルドと仮面ライダークローズの正体を掲載した号外が貼られてる。
梨璃「これです!!週刊リリィ新聞の号外です!ほら!横に並べるとユリって読めるんですよぉ!あははやだなぁ〜。」
紗癒「あ!噂のお2人よ!」
雪陽「まぁ!このお2人が?」
広夢「ユリ様ですわね!」
京輔「二水め・・・ここまでやるか・・・?」
これには夢結の怒りが爆発した。
京輔「ぐあああああ!?」
梨璃「お、お姉様ーーーー!?」
翌日。雨嘉は自室で誰かと電話していた。
雨嘉「・・・うん。・・・うん。大丈夫。それじゃあ。」
電話を切った。
神琳「お母様ですか?」
雨嘉「うん。」
神琳「ご実家のアイスランドは、今は夜の11時と言った所かしら?」
雨嘉「うん。心配して毎日電話をくれるんだけど・・・」
神琳「大切に思われているのね。」
雨嘉「ううん。私は姉や妹に比べて、出来が悪いから・・・だから、心配・・・なんだと思う。」
神琳「・・・・」
その頃梨璃と夢結は。
夢結「梨璃。あなたにお願いがあります。」
梨璃「はーい!何なりと!」
夢結「レギオンを作りなさい。」
梨璃「分かりました!・・・え?レギオンって何でしたっけ?」
京輔・二水「ズコー!!」
そこに京輔と二水がズッコケた。
梨璃「わあ!?二水ちゃん!京輔先生!」
二水「あ、ご、ごきげんよう・・・」
京輔「お前講義で習っただろ・・・」
夢結「二水さん。お願いします。」
二水「は、はい!レギオンとは、基本的に9人1組で構成されるリリィの戦闘隊員の事です!」
夢結「所で二水さん。」
二水「は、はい!」
夢結「お祝い、ありがとうございます。」
二水「ど、ど・・・どういたしまして・・・」
京輔「言い逃れ出来ねえなぁ、あれ作っちまったら・・・」
梨璃「けど、どうして私がレギオンを?」
夢結「あなたは最近弛んでるから。」
京輔「そうだな。先日だって夢結を見て顔が蕩けてたからな。」
夢結「少しはリリィらしい事をしてみると良いでしょう。」
梨璃「リリィらしい?分かりましたお姉様!私、精一杯頑張ります!!」
夢結(正直。梨璃にメンバーを集められるとは思わないけど、時には失敗も良い経験になるでしょう。)
京輔(なんて事考えてそうだな。)
梨璃「何たってお姉様のレギオンを作るんですから!!」
夢結「ブッ!?」
紅茶を吹いてしまった。
二水「私もお手伝いしますね!!」
梨璃「ありがとう!頑張るよ!」
二水「では早速勧誘です!!」
梨璃「あ!待って二水ちゃーん!!」
2人はレギオン結成の為奔走を始めた。
夢結「いえ、そう言う訳では・・・」
京輔「あの子大丈夫かなぁ?夢結、騒がしてすまないな。じゃあまた。」
夢結「え、えぇ。先生、あの子を頼むわね。」
京輔「おう。」
その後の射撃訓練場。
梅「夢結は何を気にしてるんだ?」
夢結「え?」
梅「梅が6発撃つ間に夢結が10発も撃った。気が焦ってる証拠だ。」
夢結「相変わらず、人の事をよく見てるのね。」
梅「おう!梅は誰の事も大好きだからな!」
休憩中。
梅「へぇ〜。自分のシルトにレギオンを作らせるなんて、やるなぁ。」
夢結「私は・・・梨璃に自分のレギオンを作るよう言ったつもりだったのに・・・」
梅「夢結らしいな。なぁそれ、私も入っても良いか?」
夢結「あなたまでそんな・・・」
梅「あはは〜!」
その頃3人はと言うと。
二水「では、まずは同じクラスの人から当たってみましょう!」
梨璃「うんうん!」
京輔「まずは1年椿組から探すか。えっと・・・あ!あの子だ!」
偶然にも安藤鶴紗を見付けた。
二水「安藤鶴紗さんですね!」
鶴紗「あぁ!?」
梨璃・二水「ひぃ!?」
京輔「に、睨まれた・・・!?俺等何をしたんだ・・・!?」
二水「わ、分かりません・・・」
その頃龍馬はと言うと。
龍馬「フッ!ハァッ!!デアッ!!!」
闘技場で仮面ライダークローズへ変身してリリィ達と模擬戦をしていた。
龍馬「リリィでもかなりの戦闘力があるな。これは良い訓練になるな!さぁ、全力で来やがれ!!!」
その頃3人は、1人の生徒に勧誘を申し出た。
汐里「私が梨璃さんのレギオンに?それは光栄だわ。」
同じ1年生の六角汐里。
二水「六角汐里さん。」
京輔「不動剣の姫の異名を持つ使い手だな。」
梨璃「良いんですか!?わ、私じゃなくてお姉様のレギオンのレギオンなんですけど・・・」
京輔「あれ?でも君、水夕会・レギンレイヴの副隊長だったんじゃ?」
二水「あ、そうでした・・・」
梨璃「え!?そうなの!?」
汐里「そうなんですよ。素敵なレギオンが出来るよう、願ってますね。」
同じ頃、雨嘉と神琳は。
雨嘉「神琳はレギオンに入るの?」
神琳「えぇ。あなたも折角留学して来たのだから、交流すると良いわ。」
雨嘉「うん・・・」
神琳「所でこれ、読みました?」
例の週刊リリィ新聞の号外2冊を見せた。
雨嘉「週刊リリィ新聞?こんなの読むんだ。・・・夢梨さん?こっちは・・・仮面ライダー?」
神琳「雨嘉さんも見たでしょ?この前の戦い。」
雨嘉「うん。」
神琳「技量もバラバラで、息も合っていない。なのに、不思議な迫力があって・・・」
雨嘉「うん。」
神琳「そして、稲葉先生と仁科先生が謎の戦士・仮面ライダーに変身してヒュージを圧倒した。」
雨嘉「うん。」
神琳「私の話、退屈?」
雨嘉「うん。あ!そ、そんな事ないよ!?」
神琳「・・・」
その頃鶴紗は。
鶴紗「っ!?」
茂みの中から出て来た黒猫を発見した。
黒猫「ニャ〜。」
鶴紗「はぁ・・・何だ猫か。」
その直後。
鶴紗「ニャニャ〜!こんな所で何してるニャ〜?」
寡黙とは真逆のテンションになって黒猫に近付いた。
鶴紗「迷子になったかニャ?お腹空いてないかニャ?猫缶あるから一緒にどうかニャ〜?」
京輔「あのぉ〜?」
鶴紗「っ!」
このテンションを京輔と二水に見られてしまった。
梨璃「どうしたの二水ちゃん?京輔先生?あ!鶴紗さん!また会った・・・」
二水「どうぞごゆっくりーーーー!!!」
京輔「殺さないでくれーーーーー!!!」
梨璃「何ーーーーー!?」
一目散に梨璃を引っ張って逃げ出した。
逃げた3人は。
京輔・二水「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
梨璃「どうしたの・・・?」
京輔「察してくれ・・・」
梨璃「え・・・?」
壱「あなた達、レギオンのメンバーを集めてるんですってね?」
そこにアールヴヘイムの壱と樟美が現れた。
梨璃「え?あ、はい!あ、壱さん樟美さん!ごきげんよう。」
樟美「ごきげんよう。」
亜羅椰「ごきげんよう梨璃!」
後ろから亜羅椰が現れた。
梨璃「あ!亜羅椰さん!?」
京輔「アールヴヘイムの3人か。」
亜羅椰「私の樟美に手を出す気?良い度胸だわね。」
京輔「別に梨璃はあの子を取るつもりじゃ・・・」
天葉「樟美をあなたに差し上げた覚えはありませんけど?」
そこに天葉が仲裁に入った。
樟美「天葉お姉様!」
楓「梨璃さんからその嫌らしい手をお離しになって!」
更に楓も加わった。
梨璃「楓さん!」
壱「楓?」
亜羅椰「天葉様は兎も角、楓こそ梨璃に馴れ馴れしくない?」
楓「何故?私と梨璃さんは同じレギオンなのですから。」
亜羅椰に捕まってしまった梨璃を引っ張って助けた。
楓「貞操の危機からお守りするのは当然ですわ!」
二水「っ!!」
梨璃「楓さん!」
楓「ささ、参りましょう!」
梨璃「み、皆さん!ごきげんよう!」
3人が去って行った。
壱「何で楓・ヌーベルみたいな凄腕が、あんなド素人と?」
亜羅椰「所詮下心だけの繋がりでしょ?」
樟美「亜羅椰ちゃんがそれを言う?」
亜羅椰「喰うぞ樟美!!」
天葉「喰わないで!」
京輔「何か、アールヴヘイムって賑やかなんだな。」
壱「そうかしら?」
京輔「じゃあアールヴヘイムの諸君、ごきげんよう。」
彼は3人を追う。
足湯。
二水「さっきの皆さんは、中等部時代からアールヴヘイムの引き合いがあったそうですよ?」
梨璃「へぇ〜。凄いんだね。」
京輔「中等部時代からあんな感じなのか。」
二水「はい!取り敢えず、楓さんゲットっと。」
楓「ちょっとそれ!リアクション薄過ぎじゃありません!?」
梨璃「そんな事ないよ?これで4人だね!」
二水「え?3人じゃありませんか?」
京輔「まさか、俺もその内の1人?」
梨璃「違いますよ。」
二水「夢結様と、梨璃さんと、楓さんと・・・」
梨璃「二水ちゃんは?」
二水「え!?わ、私が!?」
楓「あなただって卑しくも、百合ヶ丘のリリィでしょうに。」
二水「わぁ〜!光栄です!幸せです!私が綺羅星の如きリリィの皆さんと友達とレギオンに入れるなんて!!」
梨璃「後5人だよ!頑張ろうね!」
楓「ちびっこゲットっと。」
京輔「レギオンかぁ。俺も何か作ってみるかな?」
部屋に戻った梨璃は、ベッドの上に倒れ込んだ。
梨璃「とは言え、レギオンの人集めなんて私にはやっぱり難し過ぎるよ・・・閑さん、入ってみません?」
閑「それは無理ね。私も高等部に入ったら、自分のレギオンを持つって決めてたから。」
梨璃「志が違い過ぎる・・・」
閑「あなたのレギオンには、楓さんだって居るんでしょ?」
梨璃「うん。知ってるんだ。」
閑「噂でね。楓さんは、8つのレギオンから誘いを受けてたようだけど。」
梨璃「え!?そんな事、楓さんには何も・・・」
閑「それと二川二水さん。あの方は鷹の目と呼ばれるレアスキルを持っているそうね。欲しがるレギオンは多いわ。」
梨璃「え!?そ、そうなんですか!?」
閑「情報収集と分析は得意なの。」
梨璃(皆凄いんだ・・・何でも無いのは、私だけか・・・)
同じ頃、京輔と龍馬は。
龍馬「いやぁ〜、今日の訓練は捗ったなぁ〜。それで、レギオンだっけ?」
京輔「あぁ。梨璃が夢結からレギオンを結成するよう命じられてな。後5人必要なんだ。」
龍馬「勧誘って言っても、そう簡単に構成出来る訳じゃないのか。」
京輔「龍馬、俺達もレギオン結成しないか?」
龍馬「え?教師と生徒のレギオン!?幾ら何でもそれは・・・」
京輔「そうじゃなくて。俺とお前2人だけのレギオンをだ。」
龍馬「そっちか。良いんじゃないのか?名前は決まったのか?」
京輔「もう決まってる。名前は・・・」
翌日。石階段の前。
梨璃「二水ちゃんも楓さんも、ありがとう。」
二水「梨璃さん?」
楓「藪から棒に何ですの?」
梨璃「私、2人の事を勝手に当てにしちゃって・・・」
楓「梨璃さんだって頑張っているのは、ご自身の為ばかりではないんでしょ?」
梨璃「わ、私はお姉様の為に・・・」
楓「ならそれと一緒です。」
ミリアム「何じゃ何じゃ何じゃ?辛気臭い顔が3つも並んどるのう。」
何時の間にかミリアムがそこに座っていた。
楓「何ですのちびっこ2号?」
ミリアム「2号?」
二水「私1号!?」
ミリアム「百由様から聞いたぞ?梨璃のレギオンを作るとか。」
梨璃「いえ!あの、お姉様のレギオンで・・・」
ミリアム「ワシで良ければ入っても良いんじゃがな。」
二水「え!?」
梨璃「え!?良いんですか!?」
ミリアム「ワシは元々、夢結様の戦い方に興味があるのじゃ。確か、レギオンには属さないと聞いとったが・・・」
楓「ではここに捺印を!」
持っていたレギオン契約書を渡し、ミリアムが受け取って契約書に捺印した。
ミリアム「これで良いか?」
梨璃「ありがとうございます!」
二水「この勢いで次行きましょう!」
ミリアム「苦労しておるんじゃのう・・・お主等・・・」
一方その頃京輔と龍馬は。
京輔「捺印完了。」
龍馬「これで改めてコンビ結成だな。」
京輔「あぁ。これでリリィ達と共に戦えるな。」
同じ頃。神琳と雨嘉の部屋では。
神琳「私を一柳さんのレギオンに?」
二水「クラスメートの郭神琳さん。百合ヶ丘女学院では中等部時代から活躍されている台北市からの留学生です。1年生ながらリリィとしての実力は高く評価されています。」
梨璃「えへへ、お姉様のレギオンなんですけど・・・」
神琳「そう。とても光栄だわ。」
梨璃「えっと、それは・・・」
神琳「謹んで申し出を受け入れます。」
梨璃「わぁ!本当ですか!?ありがとうございます!!梨璃って呼んで下さい!!」
神琳「はい。梨璃さん。」
即勧誘成功。雨嘉が此方を見ている。
梨璃「で。」
雨嘉「っ!!」
すぐに顔を背けた。
梨璃「あなたは?」
雨嘉「私・・・?」
二水「クラスは違いますが、同じ1年生の王雨嘉さん。ご実家はアイスランドのレイキャビクで、お姉様と妹さんも優秀なリリィです。」
雨嘉「姉と妹は優秀だけど、私は別に・・・」
梨璃「どうですか?折角だから神琳さんと一緒に・・・あ。」
雨嘉「私が、レギオンに?」
彼女の持ってるスマホの黒猫のキーホルダーを梨璃が見た。すると神琳が口を開いた。
神琳「自身が無いならお止めになっては?」
梨璃「え!?」
雨嘉「うん・・・止めとく。」
梨璃「え!?」
楓「素直です事。」
梨璃「な、何でですか!?」
雨嘉「神琳がそう言うなら、きっとそうだから・・・」
梨璃「あの、お2人は知り合って長いんですか?」
神琳「いえ。この春に初めて。」
梨璃「だったらどうして?」
神琳「私は、リリィになる為、そしてリリィである為、血の滲む努力をして来たつもりです。だから・・・と言うのが理由になりませんか?」
梨璃「っ・・・!私は才能も経験も・・・神琳さんみたいな自身も持ち合わせてないけど・・・ううん!!だから!そんなの確かめてみないと分かりません!!」
楓「また分からんちんな事を。まぁそこが魅力なんですが。」
神琳「・・・プッ!あはははははは!」
突然神琳が笑った。
神琳「失礼・・・梨璃さんは、雨嘉さんの実力の程を知りたいと言うのですね?」
梨璃「え!?私そんな偉そうな事は!」
雨嘉「ありがとう一柳さん。私・・・やってみる!!」
梨璃「え?」
雨嘉「これで良い?神琳。」
神琳「でしたら、方法は私にお任せ頂けますか?」
廃墟。雨嘉と梨璃と龍馬が立っている。
雨嘉「私の姉も妹も、今もアイスランドに残ってヒュージと戦っているの。1人だけ故郷を離れるよう言い渡されて。私は必要とされてないんだって思った・・・ごめんなさい。百合ヶ丘は世界的にもトップクラスのガーデンよ。ただ、今日を守りたいと思っている気持ちは特別って言うか・・・」
梨璃「うん。それ、分かるよ。」
”ピリリリリリ”
携帯の着信音が鳴り、電話に出た。
神琳「雨嘉さん。此方が分かる?」
遠くに青い光が見えた。
雨嘉「うん。」
神琳『そこから、私をお撃ちなさい。』
雨嘉「え!?」
彼女の提案とは、雨嘉に自分を撃つと言う事だった。
神琳『訓練弾なら大丈夫よ。』
雨嘉「そんな訳・・・」
神琳『装填数10発。きちんと狙えたら、私からはもう何も申しません。』
電話が切られた。
遠くに居る神琳。
神琳「大丈夫よ。あなたなら出来るわ。」
夢結「直に言ってあげたら如何?」
京輔「わざわざ電話越しで言うなんて。」
神琳「お立ち会いご苦労様です。夢結様。稲葉先生。」
夢結「お構いなく。」
京輔「お安い御用だ。」
夢結「梨璃に頼まれましたから。」
遠くに立ってる雨嘉は。
雨嘉「どうして・・・?」
梨璃「雨嘉さん、猫好きなの?」
雨嘉「え!?」
龍馬「突然何だ?」
雨嘉「う、うん。」
梨璃「可愛いね〜。この子。」
龍馬「あぁ、そのキーホルダーの事か。可愛いな。」
雨嘉「・・・うん。これ、持っててくれる?」
梨璃「え?うん。」
大切な携帯を梨璃に預けた。
龍馬「雨嘉。頑張れよ。」
雨嘉「はい。」
自身のCHARM・アステリオンをライフルモードに変形させて構える。そしてレアスキル・天の秤目を発動した。
龍馬「天の秤目。遠く離れた標的を寸分の誤差無く狙いを定める。それがお前のレアスキルか。」
梨璃「遠距離射撃?目標は何なの?」
天の秤目で神琳の顔に狙いを定めた。
雨嘉「神琳。」
梨璃「え!?」
神琳(撃ちなさい。雨嘉さん。撃って、あなたが一人前のリリィである事を証明なさい!)
梨璃「あぶあぶあぶ危ないよ雨嘉さん!!」
龍馬「梨璃落ち着け。彼女は集中している。」
梨璃「は、はい。」
雨嘉「一柳さんと神琳さんは、私にチャンスをくれたの。だから私もあなた達を信じてみる!」
梨璃「え!?チャンス・・・?」
そして雨嘉がアステリオンのトリガーを引いて訓練弾を発射。
訓練弾が神琳に迫り、神琳が訓練用のアステリオンで訓練弾を破壊した。周囲に雷が走った。
神琳「フフッ。」
京輔「神琳と雨嘉との距離は約1km。アステリオンの弾丸の初速は毎秒1800m。瞬きのする時間がある。これの狙いが正確なら躱せる。」
夢結「成る程。正確ね。何時ものCHARMは使わないのね。」
神琳「対等の条件にしておきたいので。」
雨嘉は訓練弾を1発1発発射し、神琳が訓練弾を1発1発弾いた。
夢結「ん?風が。」
風が吹いた。
雨嘉(弾が・・・逸れる。)
銃口の角度を変えて発射。神琳が弾いた。
雨嘉(また風が・・・やり過ごす。ううん、いける!)
風を読んで銃口の角度を変えて最後の1発を発射。
すると神琳が自身のCHARM・マソレリックに持ち替えて訓練弾を雨嘉に向けて跳ね返した。
雨嘉「あっ!!」
訓練弾が接近して来る。雨嘉がアステリオンをブレードモードに変形させて訓練弾を防いだ。
雨嘉「はぁ・・・はぁ・・・」
梨璃「10発・・・」
龍馬「最後の1発を防いだ・・・」
”ピリリリリリ!”
龍馬「ん?」
神琳からの着信が来た。
龍馬「神琳からだ。」
急いで電話に出た。
神琳『お見事でした。雨嘉さん。』
雨嘉「神琳・・・」
神琳『あなたが優秀なリリィである事は、誰の目にも明らかだわ。』
梨璃「う〜〜〜〜・・・やったー!!」
龍馬「凄えぞ雨嘉!!」
雨嘉「ありがとう先生!梨璃!」
梨璃「へ?」
雨嘉「梨璃と先生がこの子を褒めてくれて、私、梨璃のレギオンに入りたいと思ってたから。」
梨璃「それが、ありがとう?」
雨嘉「うん!ありがとう!」
神琳「ありがとうございました。夢結様。先生。」
夢結「いえ。あなたも見事だったわ。」
京輔「弾丸を全て弾くなんて。」
神琳「私、雨嘉さんが妬ましかったんです。エリートの家に生まれ、才能にも恵まれて、なのに本人は自身を持てなくて悩んでいるなんて、何なのよこの子はって。腹も立ちませんか?」
夢結「え?ずっと、腹を立ててたの・・・?」
京輔「もしかしてこの訓練、君の鬱憤晴らし?」
神琳「はい。でも、これでスッキリしました。」
夢結「私が言うのもなんだけど、あなたも中々面倒な人ね。」
京輔「色々世話の焼けそうだリリィだな。」
神琳「よく言われます。」
大浴場。雨嘉と神琳が背中合わせで座っている。
雨嘉「神琳、今日は・・・ありがとう。」
神琳「どう致しまして。」
雨嘉「で、ごめん・・・」
神琳「ん?」
雨嘉「聞いたんだ。神琳の故郷は、ヒュージに呑み込まれたって・・・」
神琳「えぇ。私は故郷を知りません。」
雨嘉「無神経だった・・・私・・・」
すると神琳が雨嘉に寄り添った。
神琳「そんな事気にしてたの?」
雨嘉「・・・」
神琳「折角背中を預けられる仲間に出会えたんです。あなたに喜んで貰えたのなら、私も嬉しいのよ。」
雨嘉「うん。ここに来られて、良かった・・・」
こうして雨嘉は自身を持てるようになった。
二水「これで7人。レギオン結成まで後2人ですね。」
楓「ミリアムさん位ちゃっちゃと決められないものかしら?」
ミリアム「お主!ワシに喧嘩売っとるんじゃあるまいな!?」
梨璃「でも、何だか良いレギオンが出来そうな気がして来たよ!」
その夜。理事長代行室に百由と史房が呼び出された。百由は差し入れのドーナツを頬張っている。
理事長代行「こんな時間に呼び立ててすまなかったのう。」
百由「滅相も無い!どうせ四六時中起きてますから!」
高松「無理はせんように。」
理事長代行の高松咬月。百合ヶ丘女学院理事長の高松祇恵良の弟。現在彼女は体調不良で休養中の為、弟である咬月が理事長代行として百合ヶ丘女学院を支えている。
高松「っで、報告とは?」
百由「工廠科に面白い1年が入ってるんですが、お主は何とかじゃ〜って喋り方が理事長代行とクリソツで〜!あ!血縁とか?」
高松「いや、ワシに心当たりは・・・」
史房「百由さん?」
百由「あ〜これ話の枕なんで。コホン。ご存知のように、ヒュージが人類の前に現れて既に半世紀が経過しました。ですが私達はヒュージの主としての行動、目的も解明出来ず、場当たり的な対処が精一杯。と言うのが実情です。」
史房「ヒュージを単一の生物史と括るには、その形態はあまりにも雑多過ぎないかしら?」
百由「そうなんですよ!彼等が何処から来た何者なのか、諸説紛々ではありますが、私はちょっとばかし視野を広げて、相関関係を調べてみました!」
タブレットを操作すると、理事長代行の机に何かが映し出された。
高松「ん?」
百由「すると。ね?ね?ホラここ!」
高松「ほう・・・これは!」
一方夢結と祀の部屋。夢結はベッドで寝込んでいる。
祀「あなたのシルト、頑張っているようね。」
夢結「正直誤算だわ・・・」
祀「上手く行っている事が?」
夢結「まさか。あんなに順調に人が集まるなんて・・・」
祀「人間よりヒュージを相手にする方が気が楽なのよね。流石百合ヶ丘のエース様。」
夢結「・・・意地が悪いのね。」
祀「フフッ。はい♪」
果たして梨璃は、無事レギオンを結成出来るのか?
アサルトビルド HAZARD!次・回・予・告
二水「次回は梨璃さんの誕生日です!」
夢結「私は何をすれば・・・?」
第5話・愛しのバースデー計画
京輔「恵投の法則は、決まった!」