梅「zzzz・・・・・」
寝ている梅に、1匹の三毛猫がやって来た。三毛猫は、梅のお腹の上に乗った。
梅「・・・ん?」
目を覚ました梅がお腹を見ると、三毛猫が気持ち良さそうに寝ていた。
梅「フッ。」
三毛猫と一緒に寝ようとした時、鶴紗が顔を出した。
梅「おぉ!?」
鶴紗「この子、餌は食べるのに中々触らせてくれない。」
梅「だったら今がチャンスじゃないか?」
鶴紗「しかし、寝込みを狙うのは卑怯・・・」
梅「お前何する気だ?食うのか?」
鶴紗「食うか。」
梅「だったら、最初は低いハードルから挑戦するのは卑怯とは違うんじゃないんか?」
鶴紗「・・・あぁ・・・それなら・・・」
真剣な顔をして三毛猫に触れようとする。
梅「その殺気仕舞え。動物はそう言うの敏感だからな。」
鶴紗「安藤鶴紗、何時もこうだから仕方無い・・・」
梅「ふぅ〜ん。私は吉村・Thi・梅。2年生だぞ。」
三毛猫「シャー!」
猫パンチ!!
鶴紗「いて・・・」
CHARMを用いて戦い続けている
ヒュージの前に
同じ頃、夢結は部屋で何かを考えていた。
夢結「一方的に人から何かを貰ってばかりと言うのは、落ち着かないものね。」
祀「はい?」
夢結「誰かに気持ちを伝えると言うのは、どのようにすれば良いのかしら?」
祀「あー。梨璃さんに何かしてあげたいのね。」
夢結「何故今ので解るの!?」
祀「驚くなら少しは伝える努力をしなさいよ?久し振りだから忘れていたけど、あなた困ってる時程人の目を見ないのね。」
夢結「自分がまた、シュッツエンゲルの契りを交わすなんて、思ってもみなかったから・・・」
祀「あなただって、美鈴様のシルトだったから。その時の事を思い出せば、して欲しい事位思い付くでしょ?」
夢結「・・・・・」
百合ヶ丘女学院・中庭。
梨璃「個別に当たっても迷惑がられるから机を用意したけど・・・後2人、中々集まらないね・・・」
未だにレギオンを結成出来ていない梨璃は、二水と楓と共に中庭に机を用意したが、誰も来てくれていない。
楓「そらまあ6月ともなれば、大抵のリリィは大抵のレギオンに所属済みですわ。」
二水「してないとしたら、1匹狼系の個性派リリィしか・・・ん?」
そこに梅と鶴紗が通り掛かった。
二水「居ました個性派!!」
楓「この際贅沢言ってられませんわ!!」
梨璃「し、失礼だよ!!」
走って2人に駆け寄る。
鶴紗「ん?」
梅「ん?何だ?お前等まだメンバー探してるのか?」
梨璃「は、はい・・・梅様どうですか?そろそろ・・・」
梅「私はな・・・今はまだ1人で好きにして居たいかな?」
二水「そこを何とか・・・」
鶴紗「しつこい!!」
梨璃・二水「きゃああ!ごめんなさーい!」
鶴紗に一蹴された。梅と鶴紗は去って行った。
楓「もうこの際、7人で良くありません?」
梨璃「もうちょっと頑張ろうよ・・・」
二水「定員まで後2人。先は険しいです・・・」
京輔「なぁ、この後またリリィ達と模擬戦やるか?」
梨璃・楓・二水「ん?」
奥から京輔と龍馬が出て来た。
龍馬「構わんぞ。アールヴヘイムは少々厄介だがな。」
京輔「特に亜羅椰はある意味苦手なタイプだけどな。」
梨璃「京輔先生!龍馬先生!」
京輔「ん?ようお3方!どうだ?レギオンは結成出来たか?」
二水「後2人なんですが・・・」
龍馬「そう簡単に集まる訳ないか・・・」
京輔「そうだ二水、ちょっと話がある。」
二水「はい?」
工廠科のラボ。百由がミリアムのツインテールを枕にして寝転んでいた。
百由「ふぁ〜〜・・・」
ミリアム「お疲れ様じゃのう。百由様。」
百由「ここん所毎晩理事長代行とね・・・あぁ変な意味じゃないから、報告を色々とね・・・」
ミリアム「っで、その足でラボに出勤か?百由様守備範囲が広いからのう。CHARMから
百由「まぁ全ては繋がっているからね・・・どうやらその繋がりってのが、思ってたより縦にも横にも斜めにも広いみたい。フフフフ♪」
ミリアム「何じゃ?まだ睡眠が足りとらんようじゃな。」
百由「だって、グロッピのその喋り方、理事長代行みたいでさ〜。」
ミリアム「グロッピ?」
百由「グロピウスさん。」
ミリアム「ワシかよ!!」
その頃梨璃は、カフェで落ち込んでいた。
梨璃「ん〜・・・」
夢結「お疲れの様ね。梨璃。」
梨璃「そ、そんな事ないです!!全然!!」
龍馬「空回りしてるな。」
夢結「何か、私に出来る事があれば・・・」
二水「梨璃さーん!楓さーん!」
そこに二水が京輔と一緒に戻って来た。
二水「あ!夢結様!ごきげんよう!」
夢結「ごきげんよう。」
龍馬「遅かったじゃないか。」
楓「何処に行ってらしたの?」
二水「どうです?これ!」
彼女が持っているのは、タブレットだった。
梨璃「何それ?まな板?」
楓「タブレット型端末ですわ。」
京輔「最新型が再支給されたんだ。二水に渡そうと思って取っておいたんだ。」
梨璃「へぇ〜。初めて見ました。」
楓「この程度のもの、昔は誰でも持っていたと言いますわ。」
二水「見て下さい!それー!」
タブレットの画面に百合ヶ丘の校章が写ると、梨璃の立体映像が出現した。更に梨璃の極秘情報が表示された。同じく梨璃自身にも極秘情報が表示された。
梨璃「えええ!?な、何コレーー!?」
楓「梨璃さんの極秘情報が!」
京輔「よっと!」
彼が持ってるタブレットから龍馬の立体映像が出現し、極秘情報が表示された。
龍馬「な!?京輔お前!!」
楓「仁科先生の極秘情報も!!」
二水「人類の叡智です!!」
梨璃「み、見ないで下さい!!」
龍馬「おい京輔!!今すぐ消せ!!」
京輔「良いじゃん!もちっと見せてよ〜!」
夢結「?」
梨璃の極秘情報に誕生日が表示されてる。誕生日は6月19日。
夢結(6月19日?)
今日は6月18日。
夢結(はっ!明日は、梨璃の誕生日・・・)
2年前。
美鈴『誕生日おめでとう。夢結。これを。』
誕生日の日に、美鈴から小箱を渡された。
夢結『ペンダント?』
誕生日プレゼントは、ペンダント。
美鈴『ジッとして?』
ペンダントを夢結の首に掛けた。
梨璃の誕生日に何かを送る事を考えた夢結は、百由に訊いてみる事に。
夢結「シュッツエンゲルとして、シルトに何かプレゼントを贈りたいのだけれど、どんな物が良いのかしら・・・?」
百由「へぇ〜。明日梨璃の誕生日なんだ。」
夢結「梨璃は何が好きで、何が喜ぶのか、何も知らなくて・・・」
百由「ふぅ〜ん。これなんてどう?獲れたてだよ?」
ヒュージの目玉。勿論却下。
次はミリアムに訊いてみる。ミリアムはCHARMを修理しながら聞いている。
夢結「あなたは何か知らないかしら?梨璃の趣味とか、好きな物とか。」
ミリアム「あ〜!そう言や梨璃はラムネが好きとか言っとったな!」
夢結「ラムネ?」
ミリアム「ワシは飲んだ事ないがの。」
夢結「ガラスの瓶にビー玉で蓋をした炭酸入り清涼飲料水の事かしら?」
ミリアム「ラムネをそこまで堅苦しく言い表す御仁は初めて見たの。」
夢結「私も、よく知らなくて。」
ミリアム「じゃが、夢結様の用意した物なら梨璃は何だって喜ぶと思うぞい?あ?」
既に夢結の姿が無かった。
夢結が歩いていると。
京輔「夢結。」
夢結「京輔先生。」
途中で京輔に出会った。
夢結「今日は1人かしら?龍馬先生は?」
京輔「リリィとの模擬戦をやってる。どうしたんだ?考え事か?」
夢結「まぁ、そんな所ね。」
事情を京輔に話した。
京輔「梨璃の誕生日プレゼントにラムネかぁ。確かにあの子、ラムネを美味しそうに飲んでる所を見た事がある。前に俺と龍馬にもラムネを渡した事があるんだ。」
夢結「そうなのね。」
2人は神琳と雨嘉に尋ねてみる。
京輔「梨璃はラムネが好物なのか?」
雨嘉「はい。梨璃はラムネ好きです。」
神琳「たまに分けてくれますよ?お口の中でホロホロと溶けていくのが面白いですね。」
だが夢結は外方向いてる。
夢結(ラムネとは、飲み物の事ではなかったの!?)
雨嘉「でも梨璃なら、夢結様からのプレゼントなら。」
神琳「何だって大喜びするのは間違いありません。」
京輔「まぁそうだろうな。何せ夢結のシルトだし。」
次は鶴紗に尋ねてみる。鶴紗は猫に魚の缶詰を与えている。
鶴紗「ラムネ?あー、駄菓子のラムネをよく購買部で買ってますね。何で私に訊くんですか?」
京輔「夢結に聞いてくれ。」
夢結「私の記憶だと、鶴紗さんは梨璃と仲が良いと思ったんだけど。」
鶴紗「ただのクラスメートです。猫のご飯を買いに行くと出会す位で。」
夢結「梨璃は、購買部で手に入るお菓子のラムネを貰って喜ぶのかしら?」
鶴紗「白井様が一柳の為に選んだ物なら、何であれ喜ぶと思いますよ?」
購買部。ラムネの粉を見付けた。
京輔「あった。」
夢結「えぇ。」
梅「へぇ〜。夢結も購買部でお菓子なんか買うんだ。」
夢結「っ!」
京輔「梅か。」
後ろから梅に声を掛けられた夢結が驚き、バックして梅に尋ねる。
夢結「誕生日に梨璃が好きだと言うラムネを贈ろうと思うのだけど、買った物をそのまま渡すのも粗雑ではないかと思うのだけど・・・」
京輔(夢結、考え過ぎてる・・・)
梅「よく分かんないけど、プレゼントならラッピングしてみたら良いんじゃないか?」
夢結「ん?」
ラッピング用の紙も買った。
夢結「こんな物で良いのかしら?」
京輔「良いんじゃないのか?」
汐里「梨璃さんへのプレゼントですか?」
そこに六角汐里とたまたま会った。
夢結「あなたは?」
京輔「夢結。彼女は梨璃のクラスメートの六角汐里だ。」
汐里「初めまして。六角汐里と申します。明日はお誕生日ですものね。」
夢結「よくご存知ね。」
汐里「クラスメートの事は大体知っているつもりです。ラッピングならお手伝いしましょうか?私こう見えて器用な方なんですよ?」
夢結「いえ、こう言う物は自分でやる物だと。」
汐里「勿論です。私は口を添えるだけ。」
夢結「そ、そう。それなら・・・」
教えられながらラッピングしてみる。
夢結「っ!」
綺麗にラッピング出来た。
京輔「き、綺麗だ・・・完璧だ・・・」
汐里「如何でしょう?」
夢結「良いと思うわ。あなたのアドバイスのお陰ね。」
汐里「私はほんの少し口添えをしただけですよ?夢結様の真心が形になるように。」
夢結「出来れば本物のラムネをプレゼントしたかったのだけれど・・・何処で手に入るのか、調べても分からなくて・・・」
京輔「そうだろうな。今じゃ瓶のラムネは殆ど製造されていないしな。」
汐里「でも、梨璃さんの好物と言う事でしたら、梨璃さんの故郷なら手に入っていた事ではないでしょうか?」
夢結「梨璃の故郷!?」
京輔「確か梨璃の故郷は、甲州だったな。山梨の北東部。」
その夜。京輔と龍馬の部屋。
龍馬「外出?」
京輔「あぁ。明日夢結と一緒にちょっと甲州へ行って来る。」
龍馬「彼処って梨璃の故郷だったな。彼処で何の用だ?」
京輔「ちょっとした私事だ。」
翌朝。夢結は目覚ましのアラームが鳴る直前に起きて、アラームが鳴ったと同時に切った。制服に着替えて部屋を出た。勿論外出届は提出済み。
学院を出ると。
京輔「おう。おはよう。」
既に京輔がマシンビルダーの準備をしていた。
夢結「待ったかしら?」
京輔「いや、今さっき起きたばかりだ。」
フロント部分のスイッチを押してジェットタイプヘルメットを出した。
京輔「ホレ。」
それを夢結に被せて、後ろに乗せた。
夢結「私、バイク初めて乗るわ。」
京輔「おぉそうか!じゃあ初めてのドライブだな。よし、行くか。」
夢結「えぇ。」
マシンビルダーのエンジンを噴かし、2人は甲州へ向かった。
数時間後。甲州に着いた。
京輔「うわぁ〜、暑いな〜ここ・・・」
夢結「・・・」
2人はブドウ畑の道の真ん中に止まった。
京輔「おぉ〜。ブドウが実ってるな。」
夢結「そうね。」
しばらく進むと。
京輔「ん?」
危険区域の看板が立てられていた。
京輔「この先にヒュージが居るのか。回り道するか。」
夢結「この辺りが梨璃の故郷の人達が避難した地域のはずだけど・・・」
町に到着し、駄菓子屋を発見した。
夢結「ごめんください。この辺りでラムネを扱っているお店を探しているのですが。」
店主「ラムネけえ。お嬢さんと兄ちゃんの隣にあるのがそうじゃんけ。」
夢結「ん?」
隣を見ると、ラムネが入ったボックスがあった。
京輔「見付けたぜラムネ。おっちゃん、ラムネ2つ頂戴。」
店主「毎度。」
ラムネ2本買った。夢結がラムネの蓋を押し込んだ。ビー玉が落ち、炭酸の音が響いた。
夢結「・・・」
ラムネを飲んだ。
夢結「っ!」
口の中に広がるしゅわしゅわに感動した。
京輔「ーーーぷはぁ〜。暑い日はラムネに限るね〜。」
店主「お嬢さんリリィけえ?ここらじゃ見ん制服だけんどまたえらい暑そうじゃん。」
夢結「見た目程ではないのですが。」
店主「兄ちゃん、あんたはお嬢ちゃんのご兄弟けえ?」
京輔「いや、俺は彼女の先生だ。物理学を教えてる。」
店主「おまんとうのお陰でウチも何とか続けているけんど、この道の向こうんしはもう皆避難していんようになっちゃったじゃんねえ。昔はそのラムネが好きで何時も買いに来てた子供も居たもんだけんど。」
京輔「やっぱりヒュージの影響力があるんだな。」
店主「そうじゃけえ。」
夢結「ごちそうさま。美味しかったです。持って帰りたいのでもう1本頂きます。」
店主「リリィんじゃあ何ぼでも持ってけし。」
夢結「お気持ちはありがたく頂きますが、お代は納めさせて下さいませ。」
すると夢結の頭の中に、梨璃と一緒にラムネを飲むイメージが浮かんだ。
夢結「もう1本!頂けますか?」
その頃梅と鶴紗は中庭で仰向けになっていた。
鶴紗「梅先輩、何でレギオンに入らないんですか?」
梅「え?何でお前までそんな事聞くんだ?」
鶴紗「本当は興味あるから、さっきは一柳の所に様子を見に行ったんじゃないですか?」
梅「う~ん・・・お前鋭いな。」
鶴紗「普通です。」
梅『梅には心配な奴が居たんだけど、もう大丈夫そうだから梅が見てなくても良いかなって。」
鶴紗「はあ。意外ですね。」
梅「そうなんだよ。こう見えて結構繊細なんだぞ。」
鶴紗「そうっすね。」
同じ頃京輔と夢結は、マシンビルダーに乗って百合ヶ丘へ戻って行く最中。夢結の背中に、小さなクーラーボックスを背負っている。
あの時駄菓子屋で。
夢結『これは?』
京輔『クーラーボックスか。』
店主『そう。こうしとけば帰ってすぐ冷たいのが飲めるじゃんねえ。』
夢結『ありがとうございます。』
時間が過ぎ、夕方になった。
京輔「おっちゃん、優しかったな。」
夢結「えぇ。これで梨璃のプレゼントが買えたわ。」
京輔「早く帰って梨璃に贈らねえとな。」
夢結「ん?先生、止まって。」
京輔「ん?」
マシンビルダーを止めた。
京輔「どうした?」
夢結「あれ・・・」
男の子「喉渇いた~。何か飲みたい。」
母親「電車降りたら何か飲もうね?」
男の子「今飲むの~!今~!」
駅の改札口で駄々を捏ねてる男の子とその母親が居た。
京輔「・・・どうする?」
夢結「・・・」
ラムネを男の子に差し上げた。
夢結「どうぞ。」
母親「そんな・・・申し訳ないです・・・」
夢結「いえ。良いんです。」
京輔「遠慮せず受け取って下さい。」
女の子「良いな~!私も飲みたい飲みたい!」
今度は後ろの女の子が父親に駄々を捏ねてしまった。
京輔「はい。どうぞ。」
結局ラムネを渡してしまった。
夜の帰り道。
京輔「ごめんな夢結。折角ラムネを買ったのに全部渡す事になってしまって。」
夢結「ううん。あの子達が喜んでくれたから良いのよ。購買部で買ったラムネを梨璃に贈りましょ。」
京輔「そうだな。」
すると前に何かが茂みから飛び出した。
京輔「っ!」
すぐにブレーキを握った。
京輔・夢結「ん?」
飛び出したのは、黒い子猫だった。
京輔「子猫?」
すると今度は茂みから梅と鶴紗が出て来た。
京輔「お前等?」
梅「あ、夢結・・・先生・・・」
鶴紗「どうも。」
夢結「ここは学院の敷地ではないでしょ?」
京輔「こんな夜に何してるんだ?」
梅「この先に猫の集会所があるから、後輩に案内してたんだよ〜。」
鶴紗「お陰で仲間に入れて貰えたかも知れない。」
夢結「仲が宜しい事で。結構ね。」
京輔「良かったな。」
梅「あれ?校則違反とか言わないのか?」
夢結「私達の役割ではないでしょ?」
京輔「それは生徒会の役目だろ?」
梅「寂しがってたぞ?梨璃。」
夢結「え?」
梅「誕生日なのに夢結が朝からずっと居ないんだもんな。お陰で今日もレギオンの欠員が埋まらなかったみたいだし。あ、でもあれだろ?夢結は先生と一緒にラムネ探しに行ってたんだろ?」
夢結「何故それを・・・!?」
京輔「誰から聞いた?」
梅「だってよりによって誕生日にシルトを放ったらかしてまで、他にする事あんのか?」
夢結「ええ・・・ないでしょうね。」
梅「だろだろ?早くプレゼントしに行ってやれよな?」
京輔「いやぁ、その事なんだが・・・」
梅「ん?」
4人は歩きながら今日の事を話す。京輔はマシンビルダーを押してる。
梅「そっか・・・そりゃご苦労だったな。けど良い事したじゃないか。」
夢結「別に後悔はしていないわ。」
京輔「寧ろ誰かに良い事をした達成感を抱いてる。」
梅「まあ間の悪い事はあるもんだよな。」
鶴紗「ん?」
道路脇に光る何かを発見した鶴紗が立ち止まった。
京輔「ん?鶴紗?」
鶴紗「これ・・・」
梅「どうした?」
蔦に巻かれたゴミ箱を覗くと、3本の空のラムネ瓶が捨てられてあった。
夢結「これは・・・?」
京輔「ラムネ瓶?」
梅「ん?」
ゴミ箱の隣の蔦に巻かれた自販機に100円玉を入れると、自販機が稼働した。
梅「節電モードか!」
京輔「ん?何かあるぞ?」
扉を開けて、中から何かを出した。それは・・・
ラムネだった。
梅「ラムネ・・・」
夢結「うっ・・・」
京輔「何・・・だと・・・」
百合ヶ丘の近くにラムネがあった事にショックを受けた京輔と夢結が崩れてしまった。
梅「夢結!」
鶴紗「先生!」
誕生日プレゼントのラムネを梨璃に贈った。
梨璃「わぁ!」
ミリアム「ほほう。これが噂のラムネか!」
梨璃「お姉様と先生が私の為に・・・」
京輔「いや・・・俺は飽く迄夢結の付き添いしただけだけど・・・」
梅「どうだ!梨璃!」
梨璃「嬉しいです!これ正門の傍にある自動販売機のラムネですよね!」
鶴紗「やはり知っていた・・・」
夢結「ええ・・・そうね・・・」
京輔「今までの苦労が徒労に・・・」
梨璃「お休みの日にはよく買いに行っていたんですけど、やっぱりお姉様も知ってたんですね!」
楓「そうは見えませんが・・・」
龍馬「見事に抉るなぁ・・・」
夢結「所詮、私は梨璃が思うほど大した人間ではないと言う事よ・・・」
梨璃「え!?そんな!!夢結様は私にとっては大したお姉様です!!」
夢結「断じてノーだわ。あなたがそこまで喜ぶような事を、私が出来ているとは思えないもの・・・」
梨璃「そんなの出来ます!出来てますよ!じ、じゃあ・・・もう1個良いですか?」
夢結「ええ・・・」
梨璃「お・・・」
両手を大きく広げて大きく言った。
梨璃「お姉様を私に下さい!」
楓「はあ!?」
京輔「っ!!」
二水「梨璃さん過激です!」
夢結「・・・どうぞ。」
梨璃「はい!」
そして、夢結をギュッと抱き締めた。楓は悔しがり、二水とミリアムは眺め、神琳は口を塞ぎ、雨嘉は指の隙間から見ている。
龍馬「いやぁ、見てるこっちも恥ずかしいって言うか・・・なぁ京輔?」
京輔「はぁ・・・はぁ・・・この光景・・・良いもんですなぁ〜〜!!」
当の京輔はスマホで録画している。
龍馬「おい?」
夢結「私・・・汗掻いてるわよ・・・」
梨璃「・・・ブドウ畑の匂いがします。」
夢結「やっぱり・・・私の方が貰ってばかりね。」
そう言うと、夢結が梨璃を両手で抱き締めた。
梨璃「お・・・お姉様・・・!?」
夢結「梨璃。お誕生日おめでとう。」
梨璃「うわっ!?」
楓「ハレンチですわお2人共!」
二水「号外です!」
タブレットで連写した。
京輔「良いね良いね!この光景を後世に残したい!!」
龍馬「また始まったよ。お前の百合エンジン。」
梨璃「・・・っ?お姉様・・・嬉しいんですけど・・・あの・・・く・・・苦しいです・・・!」
無意識に夢結が梨璃を締め付けている。
二水「何て熱い抱擁です!!」
梨璃「お姉さま・・・私どうすれば・・・」
ミリアム「わしが聞きたいのじゃ。」
楓「夢結様がハグ一つするのも不慣れなのは分かりましたから!梨璃さんも少しは抵抗なさーい!」
”ボフン!”
夢結「梨璃!?」
龍馬「パンクした!?」
梨璃がパンクした。
梅「あははははは!」
夢結「楽しそうね。梅。」
梅「は~・・・こんな楽しいもの見せられたら楽しいに決まってるだろ!」
京輔「梅!その気持ち分かるぞ!」
梅「あはははは!」
京輔「なははははは!」
夢結「私に出来るのはこの位だから・・・」
梅「そんなことないぞ夢結。」
すると梅と鶴紗の口から。
梅「さっき鶴紗と決めた。今更だけど梅と鶴紗も梨璃のレギオンに入れてくれ!」
鶴紗「生憎個性派だが。」
梨璃「あの~・・・だから私じゃなくてお姉様のレギオンで・・・えっ!?」
二水「そ!それじゃあこれで9人揃っちゃいますよ!レギオン完成です!」
神琳「あらあら~。これは嬉しいですね。」
雨嘉「おめでとう梨璃。」
ミリアム「何じゃ騒々しい日じゃのう。」
梅「梅は誰の事も大好きだけど、梨璃の為に一生懸命な夢結の事はもっと大好きになったぞ!梨璃!」
梨璃「は・・・はい!」
梅「ま、今日の私らは夢結から梨璃へのプレゼントみたいなもんだ。」
鶴紗「遠慮すんな。受け取れ。」
梨璃「梅様・・・鶴紗様・・・此方こそ、よろしくお願いします!!」
夢結「これは、汗を掻いた甲斐もあると言うものね。」
楓「それはそうと!お2人何時までくっ付いてますの!」
京輔「さてと。良い物が収めれた所で、実は俺達もレギオンを結成したんだ。」
二水「先生方が!?」
龍馬「まぁレギオンと言うよりコンビだな。俺と京輔で結成したんだ。」
梨璃「どんな名前なんですか?」
京輔「俺の創造と、龍馬の龍の炎で、創炎組だ!」
稲葉京輔と仁科龍馬のコンビ名は『創炎組』。
女湯・大浴槽。
神琳「これからどうぞ宜しくお願いしますね鶴紗さん。可愛い〜。」
そう言いながら鶴紗の顔を頬ずる。
雨嘉(神琳でもそんな顔をするんだ。)
”ドム!!”
頬ずる神琳に頭突きをし、雨嘉に寄り添って猫みたいに威嚇する。
雨嘉(実家の猫に似てる。可愛い。)
夜・夢結と祀の部屋。
祀「今日の梨璃さん、とても喜んでいたんじゃない?」
夢結「ええ。まあ。・・・まさか見ていたの?」
祀「まさか。でも自分の身に置き換えれば分かるもの。憧れのお姉様がお祝いに下さったものなら、それが自分の欲しかったものかどうかなんて関係あるかしら?』
夢結「・・・」
祀「そうそう。梨璃さんのレギオンに9人揃ったって事なら知ってるわよ。」
夢結「流石耳が早いわね。」
祀「どう致しまして。」
夢結「認めたくはないけど、奇跡だわ。」
祀「そろそろ梨璃さんの事、認めてあげる気になった?」
夢結「それは・・・どうかしら。危なっかしくて次に何をするかも分からなくて・・・」
祀「ドキドキする?」
夢結「何を言うのよ・・・」
祀「「あの夢結さんをこんなに可愛くしちゃうなんて凄い事よ。レアスキル・カリスマ。類稀なる統率力を発揮する支援と支配のスキル。」
夢結「梨璃のレアスキル?まさか・・・」
祀「まだ審査中だけど、孤高の一匹狼と呼ばれた夢結さんとシュッツエンゲルの契りを結び、レギオンに引き入れる。それだけでも奇跡だわ。」
夢結「私が梨璃の手の内にあると?」
祀「さあ?そこまでは分からないわ。」
夢結「そんな風に考えるの・・・嬉しくないわね。」
こうして梨璃は、無事レギオンを結成出来た。
大海原に巨大な光が照らされていた。光の中に、正体不明のCHARMがあった。
アサルトビルド HAZARD!次・回・予・告
二水「次回は最強のヒュージが百合ヶ丘を襲います!」
梨璃「一柳隊出動です!」
第6話・レギオン!一柳隊!
京輔「戦術の法則は、決まった!」