圧倒的劣等な弟の癒し   作:斉藤努

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どうも斎藤努です。
◯Eさん、評価ありがとうございます。


収まらない愛、消えない過去

今日は日曜日。リサに誘われてライブハウスCiRCLEに来ている。バンドを組んだらしい。バンドにはあまり良い思い出は無いが、リサが楽しめるなら文句はない。

 

そんなことは置いといて、ライブが始まった。リサが居るバンドはろぜりあ?って読むのかな?多分そうだろう。青薔薇をイメージしたクールでカッコいいバンドらしい。知らなかった。そしてRoseliaが出てきた。

 

リサともう1人知っている人が居た。吐きそうになった。人が多く酔ったからでは無い、頑張ろうと歩み寄ろうとはしているがトラウマは簡単には消えてくれない。何を隠そう、友希那がいたのだ、姉の友希那が。すぐにライブハウスを飛び出してしまった。

 

吐き気云々ではなく、嫉妬というか、何というか、自分の中でとても黒い感情が(うめ)き回ってきた。リサにも裏切られた。結局は友希那だった。俺なんかじゃ無かった。あの優しさは情けによるものだった。そんな事しか考えられなくなっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今は何時だろうか。日も沈み、街は暗闇に支配された。俺、湊翔也は公園のベンチに座っていた。目の焦点も合っておらず、ただひたすらに虚無感を醸し出していた。その時だった。俺の前に誰かが来た。

 

???「君、どうしたの?」

 

俺はその女性をどこかで見たことがあった。ごく最近?それとも何年も前?そんなことを考えられる頭では無かった。

 

???「生きてるよね、名前は?」

 

翔也「湊、翔也です」 

 

???「翔也君かぁ、私は月島まりな。それでなんで翔也君はそんな廃人みたいになってるの?」

 

翔也「幼馴染みのライブに行ったら、姉がいて、怖くて、羨ましくて、気づいたら逃げてました。なんて哀れなんでしょうね俺」

 

まりな「そんなに傷ついちゃったんだね。どうしたい?」

 

翔也「もう、死にたいです、生きたくない」

 

まりな「そんなことを言っちゃダメ、私には分かんないけど幼馴染みさんもお姉さんも君の事好きだと思うよ」

 

翔也「好きなのかなぁ、俺なんかの事」

 

まりな「絶対そうだよ。だからさ、お家に帰ろう」

 

翔也「そうですよね、ありがとうございました。もう家に帰ります」

 

まりな「2人とちゃんと話するんだよー」

 

翔也「はい、今日は本当にありがとうございました」

 

まりな「また会えるといいね」

 

翔也「そうですね。さようなら」 

 

まりな「バイバイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月島さんと別れた後、家に帰る途中にリサと遭遇した。リサは走ってこちらに来た。そして抱きついてきた。俺が自殺しようとしていた時とは違う、包み込むようなものだった。その後、罵られることを予想していたがそれも杞憂だった。

 

リサ「ゴメン、友希那がいるって言ったら絶対来てくれないと思ったの。それはアタシの我儘だから。本当にゴメン。でもさ、前にも聞いたけどさなんで友希那事拒むの?」

 

翔也「特に理由はないよ。動こうとすると、トラウマが呼び起こされる。それだけ」 

 

リサ「でもそれでも、頑張るって約束したじゃん」

 

そこで何か黒いものが爆発した。

 

翔也「約束したよ、でもさリサはさ、結局俺じゃなくて友希那を選んだんだろ」

 

リサ「それは違う」

 

翔也「違くない、リサは俺より友希那の方が好きだから友希那を選んだんだろ。俺のことなんかどうでもいいから。どうせ救ったのだって『可哀想だから』とかいうお節介なんだろ。これまで俺が感じてきた数年間の愛は嘘の愛だったんだろ」

 

リサ「違うの。アタシにとって友希那と翔也は同じぐらい好き、大事。だから、2人と仲良くしたい。どっちがだけど一緒にだと、うまくいかない、現に今日は上手く行ってないでしょ?それでアタシはバンドを始めたの。翔也ってさ、バンド嫌いじゃん。好きになってもらいたいの。それでまた3人で笑いながら歌って、演奏して、ね?やっぱダメ?」

 

認めたいのに、笑顔で『うん』って言いたいのに。馬鹿だな

 

翔也「結局、俺の事仲間外れにしてるだけじゃん。俺のためなんかじゃ無い。リサが友希那と仲良くなりたい、寄りを戻したいだけじゃねぇかよ。俺なんかおまけかなんかに過ぎないんだろ。俺を使って友希那と仲良くなって、自分だけ幸せになりたいんだろ」ポロポロ

 

なんだろう。よく分からない、自分がどうしたいのか、どんな事を思って、考えているのか。リサのことを愛しているのに、つっぱねてしまう。姉との仲は自分も良くしたい。でも、怖いんだ、もしかしたら友希那、お姉ちゃんは俺のことが嫌いで憎いのかもしれない。そんな負の感情がどこからともなく湧き上がってくる。

 

そして何故か俺はリサに抱きついた。リサはとても驚いていたと思う。俺も気が付いた時恥ずかしくてすぐ離れてしまった。改めてリサを女性として見てしまって俺も赤面してしまった。

 

リサ「翔也?どうしたの?」

 

翔也「ゴメン、なんでもない///」

 

リサ「そ、そうなんだ。家帰ろっか」

 

翔也「そ、そうだね///帰ろう」ダッ

 

リサ「ちょ、翔也待って〜」

 

翔也(恥ずかし〜〜、ヤバイ、心臓治ってくれ。これで変なのも治ったかな?)

 

今井宅

 

翔也「ご飯の匂いだ。でも、我慢。このまま部屋入って寝よ」

 

今井母「翔也」

 

翔也「何?おばさん」

 

今井母「ただいまって言った?」

 

翔也「行ってないです。ただいま」

 

今井母「おかえりなさい。ご飯食べる?」

 

翔也「今日はお腹空いてないkクゥー食べます///」

 

今井母「温めるから座って待ってて」

 

翔也「ありがとう」

 

今井母「いいのよ。家族なんだから」

 

翔也「家族かぁ、家族なんだよね」ポロポロ

 

今井母「どうしたの翔也?」

 

翔也「嬉しくって、家族なんだよね」

 

今井母「そうに決まってるでしょ。あ、リサが帰ってきたみたい」

 

翔也「帰ってきた?/////」

 

リサ「ただいま。翔也、早すぎ、追いつかないから」

 

翔也「うん、さっきはゴメン」

 

“さっき”というのにはハグしたのも入っているのだが気が付いてくれただろうか。

 

リサ「ううん、私も悪かったから。ご飯食べよ」

 

この日はご飯を食べてお風呂に入り、寝た。

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