家庭科苦手
先輩、LINE交換したいです。
勝手に追加は良くないかな。
彼女が可愛い。
落としものを拾いたい。
僕には、見えないものが見える。
厨二病か?と言われるかもしれないが、一応僕は高校一年生だ。
そして、幽霊とか、妖精とか、そんな感じのものが見える。
けど、昨日あった少女から見えたのは、そんなものでは無かった。
感情や記憶を自ら落としていっていた。
彼女は自分自身で、記憶を捨てていたのだ。
彼女の中のカノジョは悲しそうに捨てていた。
全てにリボンをかけて、一つ一つ丁寧に捨てていた。
何故そんな大事なものを捨てているんだ。
「すみません!落としましたよ!」
体は勝手に動いていた。
彼女にとってそれはきっと捨ててはいけないものだったはずだ。
そう勝手に思っていた。
「すみません!落としましたよ!」
一向に振り向いてくれなそうな彼女にもう一度声をかける。
『もしかして、私ですか?』
「あなた以外に誰がいるんですか!?」
予想の斜め上の返答につい突っ込んでしまった。
そしてその返答が、
『すみません、そういう事に疎くて、」
「疎くて!?」
これは疎いで済まされる問題なのか?
まあ、本人が疎いというのなら疎いだろう。
だが、本当に疎いのか?
自分は自ら落としたので、拾うなと遠回しに言っているのではないのか?
『それでは』
いったい自分はどうしてしまったんだ。
そのまま返してもいいはずの少女の手をとっさに掴んだ自分に問いかける。
ほら見たことか。
少女が困っているではないか。
『え?』
どうして自分は引き止めるのだろう。
「なんで、え?になるんですか?落としもの渡してないじゃないですか。」
とっさに話したものだから若干喧嘩腰になってしまったのではないかと後悔をする。
『どうして落としたものを返されなければならないのですか?』
当たり前ではないことを言っているはずなのに、当たり前の事のような顔をされた。
『それでは。』
そう言って彼女はこの場から立ち去ってしまった。
僕に彼女を止める権利はない。
僕が不審者になってしまう可能性もある。
彼女が歩き出せば、暖かい春風が吹いた。
そしてまた、彼女は落としものをした。
桜が風で舞うのと共に、
「はあ」
「どーしたんだよ!そんなため息ついてー。そんなに補習が嫌だったのか?」
気怠そうなため息をつくと後ろから友人が話しかけてきた。
「僕は補修監督!補習じゃない!」
「ちぇ、なんだよツムギ補習じゃないってー!」
このうるさいのは、春原だ。名前は、
。
。
。
春原だ。
「なんだー補習じゃないのか。」
そして更に残念がってきたのは、一ノ瀬だ。
名前は
一ノ瀬だ。
もう諦めたよね。
「というか、一ノ瀬も補習じゃないだろ?」
「当たり前じゃん!ただ遊びに来ただけー」
「はあ!?じゃあ補習って俺だけ!?」
「普通は一年生で補習は受けないんだよ。」
「お前らの普通は俺の普通じゃないの!」
補習受けなかったら二年になれねーぞ。と先生に脅されて補習を受けているらしい。
ご愁傷様です。
キーンコーンカーンコーン
「はーい。チャイムが鳴ったので、補習を始めまーす。」
「わー。ツムギ先生だー。」
「はい。春原君プリント二枚追加ー。」
「何でそうなるんだよ!」
「はーい。静かにしないと、この一ノ瀬先生のスパルタ指導が入りますわよー。」
「「何でおねえ口調なんだよ。」」
「あら?何がご不満でも?」
「不満しかねーわ」
「ごもっとも」
うるさいぞーと廊下からの忠告を受けた僕たちは、静かに春原に圧をかけつつプリントを追加させた。
「お前ら、後で覚えておけよ」
「「お前が覚えてたらな」」
補習も終わり教室を出た僕たちは、職員室へ向かっていた。
職員室こえーよ
早く入れよ
早く帰らせろや
なんて騒いでいた
ガラッ
何でこの子がここにいるんだ?
昨日落としものをした少女が目の前にいた。
昨日のようなどこか悲しげな目を見開いて、
「おい、お前ら邪魔だぞ」
「あ、すみません」
「おい、春原。ちゃんとプリントはやったのか?」
「ちゃんとやりましたよ!俺やればできる子なんで!」
「だったら最初からやれよ」
じゃ、先生はこれから用事があるから、と言ってその少女と共に行ってしまった。
「今の子だれか知ってる?」
「転校生か?」
「同い年かな?」
「って、おい、ツムギどうしたんだよ?」
「い、いやなんでもない、早く帰ろうぜ」
「んそうだな、じゃあ今回は春原のせいで学校に来ることになったから、なんか奢れよ!」
「はあ!?なんでそうなるんだよ!」
僕は運命の出会いをしてしまった。
そう思うしかなかった。
だって彼女は____。
うわー。
彼女何落としちゃったんだろ。
気になるなー
手袋は一緒に遊んでくれる人募集してます。
明日学校休みだって。
先輩に会えないじゃん!
感想書いてくれてもいいんですよ?