IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍 作:柏葉大樹
side3人称
仮面ライダー輝龍と仮面ライダーシュバルツにより十三異界覇王の一人であるキルバスの眷属であるゼブラロストスマッシュが撃破された。
いまだにキルバスが生み出した複数のスマッシュたちが闊歩する中で仮面ライダーたちとブラッド族の戦いは続いていた。
「死になさい!!」(シザースロストスマッシュ)
シザースロストスマッシュは次々と体に隠されたハサミを仮面ライダーグリスパーフェクトと仮面ライダープライムローグに投げつけていく。
空中を高速で飛んでいく無数のハサミはスマッシュたちを切り刻みながら、グリスパーフェクトとプライムローグに迫っていく。だが、グリスパーフェクトとプライムローグは飛んで来たハサミを次々と叩き壊していた。それだけではなく自分たちに襲い掛かるスマッシュたちも撃破していく。
「全く、大した事ねえな。」(グリス)
「このまま一気に決めるぞ、ポテト。」(ローグ)
「指図するんじゃねえよ、ヒゲ!!」(グリス)
そのやり取りから激しい攻撃を始めるグリスパーフェクト。スマッシュたちが次々と爆散する中で飛行し、両腕のブレードで切り裂いていく。
≪レッド!キャッスルブレイク!!≫
「喰らいやがれ!!」(グリス)
グリスパーフェクトは空中から両肩のシールドからレーザーを発射、スマッシュたちを次々と灰へと変えていく。
その攻撃を見たシザースロストスマッシュは倒されるスマッシュたちの間から空中に飛び上がり、グリスパーフェクトの背後に回ってそのハサミを振り下ろそうとした。だが、グリスパーフェクトは背部のブースターを点火し、シザースロストスマッシュが振り下ろしたハサミを寸でのところで躱したのだった。
「なっ!!」(シザースロストスマッシュ)
「激昂!!」(グリス)
グリスはそこから空中でシザースロストスマッシュに向かって突進する。高速で迫るグリスに空中を自由自在に動く術を持たないシザースロストスマッシュは防御することも出来ずに空中で攻撃を受けてしまう。
「激震!!」(グリス)
「くっ!!」(シザースロストスマッシュ)
「激突!!」(グリス)
「きゃあっ!!」(シザースロストスマッシュ)
3度の空中突進によりシザースロストスマッシュは防御する力が残っていなかった。
≪イエロー!オウルアタック!!≫
「もっと、俺を滾らせろ!!」(グリス)
グリスはビルドドライバーを操作し、黄色のエネルギーを纏ってシザースロストスマッシュに空中での高速錐揉み突進で勢いよくぶち当たった。
シザースロストスマッシュは空中で爆散するも、地上に落ちた破片が血色の液体となって再集合し再生した。だが、ここまでのダメージとキルバスの復活のためにシザースロストスマッシュはかなり消耗していた。
(さすがに逃げないと!このままだと、こいつらに殺される!)(シザースロストスマッシュ)
撤退を考えていたシザースロストスマッシュ。だが、逃亡を許されるはずもなかった。
≪クロコダイル!ファンキーブレイク!!≫
「っ!」(シザースロストスマッシュ)
シザースロストスマッシュが気付いて音が鳴った方向を見るとそこにはネビュラスチームガンにクロコダイルクラックフルボトルをセットしたプライムローグの姿だった。
ネビュラスチームガンの銃口はシザースロストスマッシュを狙い、引き金が引かれた。紫色の光弾が真っ直ぐにシザースロストスマッシュへと飛んでいった。
光弾が直撃したその瞬間にシザースロストスマッシュが再度爆散した。
ローグの隣にグリスが降り立つ。
「これで終わりだ!!」(グリス)
「これで片付けてやる。」(ローグ)
またも再生するシザースロストスマッシュに対してグリスとローグはビルドドライバーを操作を操作してエネルギーを脚部にためる。
再生したシザースロストスマッシュはグリスとローグのエネルギーを見て、それが攻撃を受けてしまえば二度と生き返ることが出来ないほどのものだということを察した。
「っ!!」(シザースロストスマッシュ)
シザースロストスマッシュはグリスとローグに背中を見せて逃げ出した。少しでも遠くへ、彼らの一撃が届かない場所へ走り出した。なお、それを許すほど彼女の相手は外道に容赦しない相手である。
既にエネルギーのチャージが完了しているグリスとローグはシザースロストスマッシュが逃げ出すと同時に飛び上がったのだ。
≪パーフェクトキングダムフィニッシュ!!≫
≪プライムスクラップブレイク!!≫
「おりゃああああああ!!」(グリス)
「ハッ!!」(グリス)
赤、青、黄、金の輝くエネルギーを纏ったグリスと右足に黄金と紫色の輝くワニの頭部を出現させたローグがダブルライダーキックを放った。
背後からそのままグリスとローグのダブルライダーキックを受けたシザースロストスマッシュはキックを受けた個所から自分の肉体が消滅しているのを感じていた。
「きゃああああ!!」(シザースロストスマッシュ)
悲鳴を上げるのと肉体が完全消滅するのが全く同時だった。こうしてシザースロストスマッシュは完全に息絶えたのだった。
「よし、戦兎たちのとこに行くか。」(グリス)
「まだ、伊能とキルバスが残っている。俺達も行った方が良いだろ。」(ローグ)
「珍しく意見が合うじゃねえか、ヒゲ。」(グリス)
「黙ってろ、ポテト。」(ローグ)
軽い掛け合いをしながら二人は仲間たちの元へ向かうのだった。
そして、仮面ライダーブラッドを相手に仮面ライダービルドジーニアスフォームと仮面ライダークローズエボルが激しい戦いを繰り広げていた。
「フン!!ハアッ!!」(ブラッド)
仮面ライダーブラッドは漆黒と黄金に輝く巨大コブラを次々と放ち、ビルドとクローズを牽制する。
ビルドとクローズはブラッドの攻撃を見てから瞬時に躱し、まるで瞬間移動のように攻撃を躱したその次の瞬間には攻撃に転じていた。
「ハアッ!!」(ビルド)
兎を思わせるジャンプで空中高くに飛び上がったビルドはブラッドに肉薄する。ビルドはタカのように空中を自由自在に飛び、ブラッドにまるで戦車のような砲撃やライオンの咆哮のような衝撃波など多種多様な攻撃を放っていく。
「どおおおおりゃああああ!!」(クローズ)
クローズは地上を疾走し、迫ってくるスマッシュたちを殴り飛ばす。さらには右手に燃え盛る炎を灯してスマッシュたちを灰燼に帰した。それだけでなく、スマッシュたちを倒した後は自身も空中に飛び上がってビルドの加勢を始める。
ビルドをブラッドを殴った次の瞬間にはクローズがブラッドの背後に回り回し蹴りを放ち、その次の瞬間にはビルドが吹っ飛んだブラッドを殴った。
「調子に乗るな!!」(ブラッド)
ブラッドはエボルドライバーを操作してエネルギーを開放、全身から漆黒のエネルギーを迸らせてそれを自身の頭上に集めて巨大な光球へと変化させた。
「これで消え去れ!!」
光球をビルドとクローズに投げつけるブラッド。
巨大な光球はビルドとクローズを飲み込み、その場で大爆発を起こした。
「フン、流石に奴らも無事ではないだろ。」(ブラッド)
そう言うブラッドだった。だが、煙が晴れてくるとそこには無傷のビルドとクローズが並び立っていた。二人は既にビルドドライバーを操作して必殺技を放つ準備を完了させていた。
「ハッ!」(ビルド)
「おう!!」(クローズ)
空中に飛び上がったビルドとクローズはブラッドに向かっていく。
「くっ!」(ブラッド)
ブラッドは即座にコブラのオーラを複数放ち、ビルドとクローズに攻撃する。
ビルドとクローズは迫りくるコブラを次々と空中で躱していき、ブラッドの懐に入り込んだ。
「「ハアッ!!」」(ビルド、クローズ)
ビルドとクローズはエネルギーを込めた拳を二人同時にブラッドの胸部に叩きつけた。
ブラッドは体内で攻撃で受けたダメージを修復しようとするが、ビルドジーニアスフォームのネビュラガスの無効化とクローズエボルの全てを破壊するエネルギーがブラッドの肉体を破壊していく。
「私を倒してもキルバス様がいる!お前たちなど、グアアアア!!」(ブラッド)
ブラッドはそのまま叫んで爆散、消滅した。
「さて、ソウゴたちの所に行くか。」(ビルド)
「おっしゃ、このままぶち倒すぜ!!」(クローズ)
強敵を倒して勢いづく仮面ライダーたち。
ビルドたちの奮闘はジオウ達にも届いていた。
「よし、俺達も!!」(ジオウ)
「さあ、来い!!」(キルバス)
最後に残ったキルバスを相手にジオウ、ゲイツ、ウォズ、ツクヨミの4人が戦いを始める。
大手を広げてジオウ達の攻撃を待つキルバス。ジオウは最強武器のサイキョ―ギレードを、ゲイツはジカンザックスを、ウォズはジカンデスピアを、ツクヨミは両手に時計のような魔法陣を出してキルバスに攻撃を仕掛けていく。
4人の攻撃を軽々と躱していくキルバス。ツクヨミが時間停止を行っても強引に自らの力でその拘束を破り、
襲い掛かるジオウ、ゲイツ、ウォズの攻撃をドリルクラッシャーでいなしていく。
「どうした?どうした!!もっと来い!!」(キルバス)
「フッ!!」(ツクヨミ)
ツクヨミは再度時間停止でキルバスの動きを止める。その瞬間を狙ってジオウ、ゲイツ、ウォズは自分たちの武器にエネルギーをチャージして攻撃を浴びせる。だが、攻撃が当たる直前に拘束を破ったキルバスはドリルクラッシャーの一振りでジオウ達の攻撃をかき消した。
「俺の中には黒いパンドラパネルがある。お前たちの攻撃を受けても痛くもかゆくもないなぁ~。」(キルバス)
余裕に満ち溢れたキルバス。そのセリフからも分かる通り黒いパンドラパネルを吸収したことでかなり強化されている。そして、その上にキルバスはブラッドが撃破したことで自身の近くに落ちていたエボルトリガーを手にしていた。
「もっと面白くしてやるよ!!」(キルバス)
≪オーバーオーバーザエボリューション!キルバススパイダー!≫
キルバスはエボルトリガーをドライバーにセットして、エネルギーを増幅させていく。それにつれてキルバスが纏っている外装が漆黒に染まっていく。
ジオウ達はキルバスがやろうとしていることを止めるべく動き出すもののキルバスのエネルギーの余波で近づくことが容易でなかった。
「良いぞ、良いぞ!力がみなぎるぜぇ!!」(キルバス)
キルバスから迸るエネルギーが最高潮に達したその瞬間、爆発が起きてキルバスの姿を隠した。
爆発した炎や煙が広がろうとしたその次の瞬間には一か所に集まっていた。
爆発の炎と煙を吸収してキルバスがその真の姿を現した。かつて、ビルドたちを苦しめたエボルトの真の姿に酷似していたがその細部はまるでクモを思わせる形状をしていた。
「この姿になるのも久しぶりだなぁ。」(キルバス)
「姿が、変わった。」(ジオウ)
「先程以上のプレッシャーだ、気を付けろ。」(ゲイツ)
真の姿を現したキルバスのプレッシャーにジオウ達は身構える。対するキルバスは自身の肉体を確かめるように腕や肩を回している。
「さて、死んでもらうか。」(キルバス)
キルバスはそう言うと瞬時にジオウ達と距離を詰める。
身じろぎ一つせずに気付いた時にはジオウ達の目と鼻の先に触れる程近づいていた。
あまりのことにジオウ達が驚いているその間にキルバスはツクヨミとウォズに攻撃を仕掛けていた。
攻撃に入った瞬間もジオウ達に近づいた時と同様にそれと分かる前に、否、分かった時には既に攻撃を受けていた後だった。
「キャッ!!」(ツクヨミ)
「ツクヨミ!」(ゲイツ)
攻撃を受けて後方へ吹き飛んだツクヨミを呼び掛けるゲイツ。
「ガッ!!」(ウォズ)
「ウォズ」(ジオウ」
攻撃を受けたウォズに声を掛けるジオウ。
ジオウもゲイツも仲間がやられたという事実に気を取られていた。
「次はお前たちだ!!」(キルバス)
ジオウとゲイツがツクヨミとウォズに気を取られていたその隙にキルバスは両腕から漆黒の衝撃波を放った。
ジオウとゲイツはキルバスが声を発したその瞬間にキルバスの方を向いたが防御することが即座に出来ずにキルバスの攻撃を受けてしまった。
「うわああ!!」(ジオウ)
「ガアアア!!」(ゲイツ)
最強形態である二人が真正面から攻撃を受けてしまい倒れてしまう。
ジオウ、ゲイツ、ツクヨミ、ウォズ。この場にいる仮面ライダーたちの中でも屈指の戦闘力を誇る4人が倒れ伏してしまっている。
「良いぞ、良いぞ!力がみなぎるぞ!」(キルバス)
自身の内から湧き上がる力をそのまま振るうキルバス。
その力は様々な星々を滅ぼして、その果てに自身の世界をも滅ぼした十三異界覇王の一人に違わぬ力だった。
「さあ、死ねえ!!」(キルバス)
キルバスは右手に漆黒の光球を生み出し、倒れているジオウ達に投げつける。
漆黒の光球は倒れているジオウ達に襲い掛かる。
大きなダメージから回復できていないジオウ達の前に彼らの命を吹き消す光球が迫りくる。
最早、これまでと思われたその瞬間、ジオウ達とキルバスが放った光球の間に何者かが割って入った。
≪ゴールドドラゴンスパーキング!≫
「フッ!!」(輝龍)
輝龍が光龍剣と竜炎刀・陽炎にエネルギーをチャージして光球を受け止めたのだった。だが、キルバスが放った光球は輝龍では一瞬押しとどめるのが限界で数秒もたたずに光球の勢いに押されだしていた。
「っ!グウウ!!」(輝龍)
輝龍は押し負けそうになりながらなんとか踏ん張る。
(このまま受け止められない!なら...。)(輝龍)
輝龍は光球の勢いをそのままにジオウ達の元へ光球が飛ばないように両手に持ったアームズウェポンで受け止めながらキルバスに向かって投げ飛ばした。
輝龍の手によって軌道を変えられた光球は主であるキルバスの元へ飛んでいく。
「はあ、中々やるな。だが、この程度で俺に傷一つ付けることすら出来ねえぞ。」(キルバス)
キルバスは余裕のある態度を崩さずにいる。だが、
「フン!」(輝龍)
輝龍は両手に持っていたアームズウェポンをキルバスに向かって投擲した。
光龍剣と竜炎刀・陽炎はその刃をキルバスに向かって高速で飛んでいく。
放たれた刃がキルバスに傷を付けることは出来なかった。だが、その攻撃がキルバスの立ち振る舞いに隙を作った。
≪ワイバニックフィニッシュ!≫
≪ゴールドドラゴンスカッシュ!≫
「喰らえ!!」(シュバルツ)
キルバスの頭上にはシュバルツがエネルギーを貯めた右足でキルバスの頭部に踵落としをぶち当てたのだ。
それと同時に輝龍は駆け出してキルバスの光球に黄金に輝くエネルギーを込めた拳を叩き込んだのだ。
輝龍の拳に宿ったエネルギーは黄金に輝く龍となって光球に食らいついてキルバスに向かって飛んでいった。
光球がキルバスに当たると大爆発を起こす。
「やった?」(ツクヨミ)
「いや、まだだ。」(ゲイツ)
爆炎の中から五体満足なキルバスの姿があった。
「言っただろ、この程度で俺に傷一つ付けることすらできないと。」(キルバス)
「だが、これで隙が出来た。」(輝龍)
「何?グッ!」(キルバス)
キルバスの背後には白いパネルを持ったビルドがそのパネルを押し込んでいた。
「これでお前から黒いパネルを引きずり出す!」(ビルド)
「なる程な。だが、ロストボトルが無いのに、どうやって...。まさか...。」(キルバス)
「そのまさかだよ。」(ビルド)
ビルドが持っている白いパネルにはキャッスル、フクロウ、クワガタ、ペンチ、CD、シマウマ、ハサミ、スパナ、コブラ、コウモリのロストボトルがはまっていた。
「こっちにはエボルトがいる。三羽ガラスと幻さんが持っている以外のボトルも含めて使えるようになるのは難しくなかった。」(ビルド)
「エボルトの奴。」(キルバス)
「万丈!かずみん!幻さん!やれ!!」(ビルド)
ビルドの呼びかけにクローズ、グリス、ローグがキルバスにそれぞれが変身に使用しているボトルのエネルギーをぶつけた。その瞬間、キルバスの体内から黒いパネルが飛び出てビルドが持つ白いパネルに引き寄せられた。
飛び出てきた黒いパネルをビルドは手に取る。
黒いパネルが出てきた瞬間、キルバスの姿は本来の物から赤い蜘蛛の仮面ライダーのものへと戻る。
「ほう、それが狙いだったか。だが、黒いパネルが無くなっただけで俺自身はまだまだ力が有り余っているぞ!」(キルバス)
黒いパネルが無くなっただけ、大幅な弱体化であるはずなのにその言葉通りにキルバスの力はまだまだ底知れなかった。
「でも、さっきまでの力じゃないよね。」(ジオウ)
「それならば、俺達の力が通用するだろ。」(ゲイツ)
ダメージから回復したジオウ達が立ち上がる。そして、キルバスを囲む仮面ライダーたち。
仮面ライダーたちはそれぞれのベルトを操作する。
「「これで終わりだ、キルバス!!」」(ビルド、ジオウ)
グリスが赤、青、黄、金の輝きを纏ってキルバスに連続攻撃を叩き込む。
グリスの攻撃を受けて宙へあげられたキルバスを今度はローグが紫と金に輝くワニの頭部を模したオーラを纏った両脚で何度も挟み込み、地面に叩きつけた。
「ハハハ、やるじゃねえか。」(キルバス)
地面に叩きつけられたキルバスを挟むように輝龍とシュバルツが今度は仕掛ける。
輝龍は光龍剣を、シュバルツが輝龍が持っていた無双セイバーと竜炎刀・陽炎でキルバスを切り裂く。
黄金に輝く一振りの太刀に漆黒に輝く双刃がキルバスの体に深々と切り傷を付けた。
遂にキルバスが目に見える程の大きなダメージを負ったのだ。
そこへツクヨミがキルバスの動きを止める。動きを止めたところで白く輝く光球をキルバスに幾度も投げつける。そこへさらにウォズが惑星型のエネルギー弾を無数にキルバスへと降らせていく。
度重なる追撃はキルバスに反撃の隙を作らせなかった。
クローズとゲイツがそこへダブルライダーキックを放った。青き龍と赤い大蛇、19の平成ライダーたちのオーラがキルバスを吹っ飛ばす。
「勝利の方程式は決まった!」(ビルド)
「なんか、行ける気がする!!」(ジオウ)
ジオウ、ビルドがキルバスに向かって走り出す。二人同時に飛び上がり、宙に浮いているキルバスに19人の仮面ライダーと共にライダーキックを叩き込んだ。
ここまでの大技の連発により流石のキルバスもその体が限界になった。
「俺を倒すのは出来ないぞ!数多の星を滅ぼした俺は死なない!ハハハハハハハハ!」(キルバス)
キルバスは笑いながら爆発四散した。だが、キルバスの肉体を形作っていた血色の液体が集まりだしてまたしてもキルバスが復活しようとしていた。そこにビルドが空っぽのボトル、エンプティボトルをその液体に向けた。
液体はボトルに中に吸い込まれるように入っていき、ボトルの中が血色の液体で満たされた。
「何度も復活するなら復活できないようにするのが賢明だ。ソウゴ、後は頼む。」(ビルド)
ビルドはそう言うとジオウに血色のボトルと黒いパネルを渡す。
「うん、分かった!」(ジオウ)
ビルドからキルバスだったボトルとパネルを受け取ったビルドは仲間たちと共に時空転移マシーン、タイムマジ―ンに乗り別の時代へと渡った。
これを持ってキルバスとの戦いは終わりを告げた。
side大樹
十三異界覇王の一角であるキルバスを倒した後、変身を解除した俺はもう一人の俺と顔を合わせていた。
「今もスコールたちといるのか。」(大樹)
「ああ。」(修羅)
どこか緊張感が伴った奇妙な会話。戦闘が終わり、瓦礫だらけの街中で話しているということを差し引いても俺とこいつの間に走り続けている緊張感は消えるものではなかった。
「それで、お前はどうなんだ?今の所、マドカたちと一緒でお前が望んだ生活ができているんだろ。」(修羅)
「お前が考えているような形じゃないよ。なあ、それよりもこの世界で初めて覚醒した時、お前だったのか。」(大樹)
何となく、こいつにマドカとの関係を話したくなかったから本題に入る。
「ああ、そうだ。ただ、あの時の俺は俺のことをお前だと思っていたが。」(修羅)
やはり、キルバスとの戦いの前にマドカが言っていたことは合っていた。たぶん、皆がそんなに言及しなかったのはこいつも俺だと思っていたからだと思う。流石に当時のことをみんなに聞くのは気が引けるが。
「お前、人間から離れてきているだろ。」(修羅)
修羅の言ったことに身をこわばらせる。俺の中にあるアギトの力、気付いていたのか。
「俺が使っていたロックシードとドライバー、あんな姿になるものじゃない。ヘルヘイムではないが人間じゃない力がお前にもあるんだろ。戦っている間もその力、感じたぞ。」(修羅)
そこまで感づいている以上、俺が何も言わないのも無駄だな。
「ああ。こないだ、その力が分かった。」(大樹)
「まあ、聞かないでおくさ。特に興味も無いしな。」(修羅)
そう言うと修羅は俺に背を向けて歩き出した。
「お前も良い加減に覚悟を決めろよ。そうでなくても戦う理由があるのに迷い続けるのはどうなんだ?」(修羅)
俺からの答えを聞かずに修羅はその場から姿を消した。例え、修羅が俺の答えを聞こうと思ってこの場に残り続けても俺にはまだ答えが無かった。
自分が怪物になる可能性がある、アギトの力があった時にその可能性が脳裏に走った。これまでのようにただ守りたいからという理由で戦うことが難しくなってきている。ここまでで順調に敵を倒すことは出来た。でも、俺の心はこれまでのように戦い続けることに疑問も感じ始めていた。
大切な人を守れるだけの力だけで良い、大切な人達を護ることが俺の戦う理由だった。マドカと結ばれて、家族に恵まれ、友もいる。だからこそ俺は戦う、その前提が揺らいできたのだった。その理由は勿論アギトの力もある。だけど、それだけじゃなかった。そもそも、俺が戦う理由を定めたのは兄貴のことがあったからだ。その兄貴も居なくなった今は新たな敵を相手に剣を振るい続けることにどこか疑問があった。
side3人称
その日の夜、大樹とマドカは家に帰らずにホテルへと入っていた。翌日からはIS学園に戻らなければならない、それでも二人はどこか気乗りもせず、そして強くそうしなければならないという思いも無かった。
「珍しいね、大樹からホテルに誘うなんて。」(マドカ)
恋人が初めて自分を誘ったことにマドカ本人は上機嫌だった。だが、恋人がただ一緒に居たいからという理由だけで誘った訳ではないのは分かっていた。
「まあ、たまには良いかなって。」(大樹)
マドカの問いに対しての大樹の答えは心ここにあらずという体だった。
マドカは大樹を見るがその表情がどこか浮かないものであるのはように見て取れた。伊達に付き合いが長い訳ではないのでマドカは大樹が何に悩んでいるのかは分かっていた。
マドカは思い切ってある行動に出た。スマホを取り出すと実の姉である千冬に電話を掛けたのだった。
「もしもし、お姉ちゃん。今、大樹と一緒。学校だけど私と大樹、少し休むね。うんうん。今週いっぱいは戻らない。もしかすると結構休むかも。うん、家にも戻らない。大樹と、大ちゃんと一緒に少し旅行する。うん、分かってる。本当にお願い、これだけにするからお願い。うん、うん、ありがとう。大好き、お姉ちゃん。」(マドカ)
電話で学校を休むことに許可を得たマドカは大樹の元へ向かう。
「ねえ、大樹。明日から私と旅行しよ。」(マドカ)
「いや、急にどうしたの?学校は?」(大樹)
「お姉ちゃんに電話して休ませてもらった。」(マドカ)
「じゃあ、明日は家に戻る?」(大樹)
「家に戻らないよ。」(マドカ)
「っ?」(大樹)
マドカの言葉に理解が追い付かない大樹。
「明日、ホテルを出たらそのまま二人で旅行に行く。しばらくは戦いのことも忘れて二人だけでいる。」(マドカ)
それに対してマドカはそう言う。
「いや、旅行たってどこに?それに、まだ他の十三異界覇王もいる。そう簡単には戦いを抜けられないよ。」(大樹)
当然ながらに大樹はそうマドカに言った。
大樹の性格からそう返されるのを分かっていたマドカは今回ばかりは無理矢理にでも、それも初めて前世の記憶を取り戻したあの夜に大樹を押し倒して求めるがままに大樹と体を重ね合わせた時と同じように強引に引っ張っていくつもりだった。
「ずっともやもやを抱えたまま戦うの?自分のこともあやふやで。」(マドカ)
「それは...。」(大樹)
「戦いから逃げようなんて言ってないよ。でも、いろいろ考えるために戦いから離れないと。このままだと大樹、答えを出せないままだよ。」(マドカ)
マドカの言葉に大樹も自分の中で整理が付いていないことは分かっていた。持ち前の責任感から目の前の戦いから離れるわけにはいかないと考えていた大樹は自身の問題を後回しにしようと、現実に後回しにしていたのだった。
「ちゃんと大樹が、大ちゃんがまた戦えるように、それも心の底から戦うことを決められるようにするための旅行なの。また、二人で皆と一緒に戦うために。」(マドカ)
大樹に関わること、それらを全て整理するため。マドカはそのための時間を作るために大樹を旅行に連れ出そうとしていた。そして、それを分からない大樹ではない。現に戦うための理由が、その心がぶれだしていた大樹はマドカの誘いを了承することに決めた。
「そうだね。なら、俺達がいない間のことを皆に頼まないと。二人で旅行に行くのはそれが終わってからにしよう。」(大樹)
「うん。」(マドカ)
それから大樹は仲間たちに自分がいない間のことを頼んでいた。それが終わった時、マドカが共にシャワーを浴びようと誘っていた。その誘いを大樹は無下にしなかった。
その夜、二人はただただお互いに溶け合ってしまいそうなほどに愛し合った。
大樹とマドカが戦いから離れてから数日が経ったある日、沢芽市に強大な敵が現れた。鋼色のバッタの怪人、十三異界覇王の一人ドラスだった。その眼が赤く輝くとドラスはドライブドライバーに手を掛けた。
≪Start!Your engine!≫
ドライブドライバーから起動音が鳴るとドラスの姿は変異する。その姿は鎧武とファブニールの前に見せたバッタ型ドライブではなく、以前に鎧武の力を受けて変身した仮面ライダードライブタイプフルーツに酷似してしていた。その姿は赤黒く、血濡れの剣客を思わせるものになっていた。
沢芽市に襲来したドラスは複数の十三異界覇王を吸収したことで強大な力を振るう。大樹とマドカが不在の中で仮面ライダー鎧武=葛葉紘汰は仮面ライダーロード=颯斗と仮面ライダーエグゼリオン=陸に白羽の矢を立てる。
一方、篠ノ之神社で正則たちはある古文書を見つける。そこには過去に起きた十三異界覇王大戦について書かれていたのだった。