IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍   作:柏葉大樹

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 前回までのあらすじ、
 十三異界覇王ドラスと激しい戦いを繰り広げたロードとエグゼリオン。他の十三異界覇王を取り込み強大な力を持つドラスを前に苦戦する二人の前に仮面ライダー鎧武が駆けつけた。3人の仮面ライダーはドラスを撃破する。その頃、大樹と万夏は目的地である柏葉の本家のある村へ到着した。だが、村は廃村となっており、二人は村の様子を見て帰ろうとした。その次の瞬間、二人は別の世界へと転移することになった。


仮面ライダー輝龍 第16話

side 大樹

 「んっ、グゥ。」(大樹)

 

 日が暮れて、暗くなり始めていた山の中が急に明るくなっていた。気付かないうちに倒れていたらしく、俺は近くにマドカの姿があるか確認する。俺と同じようにマドカも倒れていたらしく、倒れたマドカに息があるか確認する。

 

 「マドカ、大丈夫?」(大樹)

 「うう、んん。」(マドカ)

 

 うん、うめき声がエロい。ただ、異常事態なので反応はしないが。

 

 「何があったの?」(マドカ)

 

 起きたマドカの問いに、俺はすぐに答えることが出来なかった。なぜなら、俺の目の前には空に輝く太陽があっただけではなく、朽ち果てていたはずの村の建物もまるで立て直したかのように真新しくなっていたからだ。

 マドカも周りの変化に気付き、俺と同じく驚いていた。

 

 「ねえ、私達さっきまで廃村に居たよね。何があったの?」(マドカ)

 「俺もさっぱり。」(大樹)

 

 目の前で起きた信じられない出来事。ただ、転生している俺とマドカに信じられないことがあるのかと聞かれれば、「あるに決まっているだろ。」と断言できるくらいに今起きたことは信じられないことのはず。

 このまま居ても情報も手に入らないことは明白だった。

 俺とマドカは情報を手にれるべく村の方へと歩き始めた。

 

 「建物には触れるから、夢ではない、か。」(大樹)

 「今って何時だろう。私達があそこに着いた時には6時過ぎだったのに。」(マドカ)

 

 俺はスマホの時間表示を見るが時間は俺とマドカがあそこの大木に居た時から数分しか立ってないことしか分からない。

 

 「スマホの時計じゃあ信用できないかも。デジタル表示で18時55分ってなっているから、今の時間には合っていないかも。」(大樹)

 「ねえ、人がいるから聞いてみようよ。」(マドカ)

 

 マドカの指の指す方に確かに人がいた。俺とマドカは話を聞くべく集まっている人の方へ駆け寄る。

 

 「あの、すみません。聞きたいことがあるんですが。」(大樹)

 

 近づいた人は着物を着た女性だったが俺はそのまま話しかけた。だが、話しかけた相手は何も反応することなく、まるで聞こえていないようだった。

 

 「あの、すみません。」(大樹)

 

 俺は相手に触れようとするが俺の手は相手の体をすり抜けた。よく見ると、相手は若干だが透けていた。

 話そうとした相手は俺とマドカの方を一切向くことなく、村にいる他の人間に話しかけに行った。

 ここで、俺とマドカはここが俺達がいた世界ではないことを理解することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side3人称

 大樹と万夏(マドカ)が迷いこんだこの世界は村にある大木が見せている世界である。柏葉の一族の村で起きた様々な歴史、人の業と人ならざる者たちとの激しい戦いが絡み合う歪な運命に翻弄されたある青年とこの地の神に仕えた巫女の歴史の断片が具現化した世界である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大樹と万夏(マドカ)の前では村にいる様々な人が話していた。だが、大樹と万夏(マドカ)はその言葉を聞くことは出来ず、何となく話している雰囲気からその内容を推測していた。

 

 「何か、話しているけど。」(マドカ)

 「ああ、世間話か?特に何も問題は無いようだけど。」(大樹)

 

 話している人達の様子から単なる世間話をしていると推測していた。

 その中で話している人達の視線が動いたの気付いた大樹と万夏(マドカ)。二人は、その視線の先にある者を確認するためにそこへ移動する。だが、二人がそこへ移動した次の瞬間、大樹と万夏(マドカ)は夜のとばりが降りた村の外へ出ていた。

 

 「なっ!」(大樹)

 「どうして!」(マドカ)

 

 村の周りの森から異形の怪物たちが現れる。その姿は古来の巻物に描かれた鬼そのものに見えた。

 村に向かって前進する鬼を止めようと大樹と万夏(マドカ)が変身しようとする。その際、大樹は自身が取り出したロックシードが元の色に、本来のロックシードに戻っていることに気付いた。

 

 「え、一体。」(大樹)

 

 大樹がロックシードの変化に驚いた次の瞬間、大樹と万夏(マドカ)の背後に突如として眩い光が放たれた。

 大樹と万夏(マドカ)は咄嗟に後ろを振り向くがその光はある青年の腰から強く放たれていた。青年の顔は光によって大樹と万夏(マドカ)が見る側から確認できなかった。

 青年はそのまま歩き始め、鬼たちの元へ向かう。その中でその姿が変化していった。大樹と万夏(マドカ)の間を通る時には青年の姿は金色の龍人、仮面ライダーアギトへと変身していた。

 アギトは鬼たちと戦いを始める。鬼たちの攻撃をアギトは真っ向からねじ伏せていく。その戦い方は翔一が変身したアギトよりも激しいものであった。

 鬼たちの肉体が歪に破壊されていく。その様は最早一歩的な虐殺とも言えるものだった。

 

 アギトと鬼の戦いが終わった瞬間に、大樹と万夏(マドカ)はまた別の場所に来ていた。そこは神社の境内であり、村の中心にある大木を見据えることが出来た。その神社に鬼との戦いからアギトが戻っていた。アギトを出迎えるように誰か女性が駆け寄って来た。

 女性はアギトに抱き着き、アギトは女性を優しく抱きしめた。その次の瞬間にはアギトの姿は人間の者になっていた。

 アギトに変身していた青年は中性的な風貌をしており、どこか大樹に似た面影だった。女性は長い黒髪の美しい女性でその顔は万夏(マドカ)を思わせるものだった。

 

 「私達!?でも、どうして?」(マドカ)

 「きっと、アギトに変身していたのは俺の御先祖様、先代の護龍じゃないかと思う。女の人は服装からこの神社の巫女なんじゃないかな。でも、マドカに似ているのはどうも、腑に落ちないけど。」(大樹)

 

 大樹との疑問に答える人物は誰も居ない。二人の疑問を解消することは無く、場面は大樹に似た青年と万夏(マドカ)に似た女性が共に過ごしている様子に変わっていく。

 大樹に似た青年はどうやら、この神社に住み込みで働いているらしく、神社内の力仕事をこなしていた。

 万夏(マドカ)に似た女性は大樹の読み通り、神社の巫女だった。神社を管理しながら、祈禱を行っていたりしていた。

 二人の関係はとても仲睦まじく、女性が青年に握り飯を渡しに行ったりするなど当時の時代背景から見てもかなり親密な関係なのが見て取れた。その一方で、青年は幾度もアギトに変身していた。村では怪物に襲われるのは珍しいことでは無いようで、その度に青年はアギトに変身して戦っていた。その戦いぶりは荒ぶる龍そのもので最も激しい時は村が入りそうなほどの面積の木々が軒並み倒れていた。

 ここまでの様子を見る中で大樹と万夏(マドカ)は護龍の青年が村の人々とのかかわりが極端に少ないことに気付いた。また、村の人々も護龍の青年のことを居ない者として扱っているようだった。

 

 「どうして。」(マドカ)

 「アギトの力であんな戦い方をすれば、無理もないけど。それにしては透明人間みたいな扱いだよな。」(大樹)

 

 その様子の理由は詳しくは分からなかった。分かったのが護龍の青年が村の中で孤立しているということだった。それでも、万夏(マドカ)に似た、神社の巫女は変わらずに護龍の青年に接していた。

 たった一人、そばに居てくれる人がいるのがどれだけ心強く満たされるのか、大樹もマドカもよく分かっている。二人は目の前にいる自分たちによく似た二人がその後も平穏な生活を享受することを願っていた。だが、二人の願いを見せることなく、場面は変わり始める。

 早回しのように村の様子が変化していく。その中に断片的に護龍の青年が一人で佇んでいる光景や、護龍の青年の腕の中で眼を閉じている巫女の姿が見えた。それから、二人の姿は消え、時代が変わっていく。

 時代が変わるにつれて段々と建物が新しくなっていく。大樹たちが見た廃村の建物の朽ちる前の原型を見せた後、徐々に村が寂れていく様子へと変化する。最後には神社、森、村、家など様々な風景がないまぜになり、それぞれの境界があやふやになっていく。

 全ての境界が無くなると、大樹と万夏(マドカ)の周囲は一切の光のない漆黒の空間へと変貌した。

 大樹と万夏(マドカ)は周囲を見渡して走るものの、漆黒の空間に終わりはなく、ここから出ることは不可能だった。

 漆黒の空間に誰かの足音が響き始める。それは大樹と万夏(マドカ)の背後から響いていた。

 大樹と万夏(マドカ)が音の出る方を見ると漆黒の空間の奥から護龍の青年が現れ、大樹と万夏(マドカ)の数歩手前で立ち止まった。

 護龍の青年のその表情は激しい憤怒で歪んでおり、その瞳にはありとあらゆるものへの憎悪が燃えていた。。

 

 「よくも、よくもよくもよくもよくも!!」(護龍)

 

 その腰には橙の爪と紅の装飾が付いたオルタリングが顕現していた。

 次の瞬間にはオルタリングから爆炎が放出され、護龍の青年は仮面ライダーアギトヴォルカニックフォームに変身した。

 

 「ウオオオオオオオオオオオオ!!」(アギトヴォルカニックフォーム)

 

 アギトヴォルカニックフォームはそのまま大樹とマドカに向かって躍りかかって来た。

 大樹と万夏(マドカ)は瞬時に跳び退って、アギトヴォルカニックフォームの攻撃を躱す。

 大樹は意を決して、元のロックシードに戻っていたドラゴンフルーツロックシードを開錠する。

 

 ≪ドラゴンフルーツ!≫

 「変身!」(大樹)

 ≪ソイヤ!ドラゴンフルーツアームズ!竜王、オンバトルフィールド!≫

 

 大樹は通常のドラゴンフルーツアームズを装着した輝龍、仮面ライダー輝龍ドラゴンフルーツアームズに変身した。腰に携えた竜炎刀を抜き放つと、この異常事態に弱体化しているにも関わらず、使い慣れたアームズにどこか安心感を覚えた輝龍。

 変身を終えた輝龍は竜炎刀を中段に構えて、アギトヴォルカニックフォームの様子をうかがう。

 アギトヴォルカニックフォームは高熱を発しながら、鋭い爪で輝龍に襲い掛かる。

 輝龍は冷静にアギトヴォルカニックフォームの攻撃を躱していく。一度でも当たってしまえば決して軽くはないダメージを受けてしまう。それでありながら輝龍は冷静にアギトヴォルカニックフォームの攻撃を見切っていく。

 

 「大樹!!」(マドカ)

 

 万夏(マドカ)は輝龍を助けるべく、ウィッチドライバーを召喚する。だが。ウィッチドライバーは召喚されると独りでに空中に浮かび上がる。空中に浮かび上がったウィッチドライバーにオーシャンウィッチリングが読み込まれる。

 

 ≪チェンジオーシャン!ザブーン、ザブーン、ザブーン、ザブーン!≫

 

 魔法陣をウィッチドライバーが通過するとそこには仮面ライダーウィッチが居た。

 万夏(マドカ)はすぐに戦極ドライバーを取り出し、ブルーベリーロックシードを開錠する。

 

 「変身!」(マドカ)

 ≪カモン!ブルーベリーアームズ!マスケティアーオブサファイア!≫

 

 は仮面ライダーヴァルキリーブルーベリーアームズに変身する。

 仮面ライダーウィッチはウィッチランスケインを召喚、青色の魔力弾を撃ち出していく。

 仮面ライダーヴァルキリーは専用アームズウェポンのブルーライフルを構え、魔力弾を次々と撃ち落としていく。それだけでなく、ヴァルキリーはウィッチに向かって走り出し、ブルーライフルの引き金を何度も引く。

 ウィッチは魔法陣でヴァルキリーの攻撃を防ぐ。

 ヴァルキリーはウィッチの手前で空中に跳び上がって、ブルーライフルを連射。ウィッチの背後に降り立つと鋭い上段回し蹴りでウィッチの頭部を狙う。

 ヴァルキリーの攻撃が確実に入ったと思われたがウィッチはウィッチランスケインでヴァルキリーの回し蹴りを防いでいた。

 自身の攻撃を防いだことで目の前の相手が並大抵の相手では無いことを察したヴァルキリー。相手の正体を探るよりもこの場をどう切り抜けるか、それを最優先に考えねばならないことを理解した。

 一方の輝龍はヴァルキリーの様子を気にしながらもアギトヴォルカニックフォームの攻撃を冷静にさばいていく。触れるもの全てを破壊するアギトヴォルカニックフォームの攻撃は安易に受けることは許されないものだった。それでもなお、輝龍はこれまでにない程に集中してアギトヴォルカニックフォームと対峙する。

 

 「俺から、俺から全てを奪いやがって。どいつもこいつもぶっ殺してやる!!」(アギトヴォルカニックフォーム)

 

 アギトヴォルカニックフォームは右手の拳を固く握り、爆炎を上げながら輝龍に向かって殴り掛かる。

 輝龍は向かって来たアギトヴォルカニックフォームの拳に対して、自身のドライバーを操作する。

 

 ≪ドラゴンフルーツスカッシュ!≫

 

 輝龍の左拳にロックシードのエネルギーを宿し、アギトヴォルカニックフォームの攻撃に合わせて拳を突き出した。

 真正面からぶつかり合った拳は拮抗しあう。

 

 「ウウウウウウ!!」(アギトヴォルカニックフォーム)

 「そうか、俺の中にあったあの怒りの感情はあなたのものだったのか。」(輝龍)

 

 輝龍は自身がアギトヴォルカニックフォームに変身した時の抑えられない怒りの感情が目の前にいるかつての護龍、アギトヴォルカニックフォームのものだということを理解した。そして、その怒りの根源もおのずと輝龍は理解した。

 

 「そうか、なら、その激しい憤怒の炎を俺が受け止める。」(輝龍)

 

 輝龍は仮面ライダーとして全てを燃やし尽くせんとする憤怒の業火を滾らせるアギトヴォルカニックフォームを止めることを決意する。

 

 「ふざけたことを、ぬかすな!!お前も、お前も殺してやる!この世の全てを、俺から全てを奪い取ったこの世の全てを殺し尽くしてやる!!」(アギトヴォルカニックフォーム)

 

 拳を突き合わせる中で怒りの言葉を輝龍にぶつけるアギトヴォルカニックフォーム。

 全てを破壊せんとする業火の如き憤怒と己が守るべきもの全てを守ろうとする鋼の決意、時代を超えて激突する二人の龍は真正面から対立する二つの感情をぶつけるのだった。




 不思議な世界の中で自分たちの新しい力と対峙する輝龍とヴァルキリー。戦いの中でかつての先代護龍と巫女の間に起きた悲しい出来事が明らかとなる。

 「俺は人間として、仮面ライダーとしてあなたを超える!」
 「私は人間として、仮面ライダーとしてあなたを止める!」

 悲しみから始まった怒りを鎮めるべく、輝龍とヴァルキリーの新たな決意は新たな力となって具現化する。

 ≪バハムートアームズ!龍帝、バーニングフレア!!≫
 ≪リヴァイアサンアームズ!龍后、ダイダルウェイブ!!≫

 原初の巨獣の力を纏い、龍戦士と戦乙女は古の戦士と戦う。
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