IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍 作:柏葉大樹
輝龍とヴァルキリーは新たな力バハムートアームズとリヴァイアサンアームズを手にすることでこれを撃破したのだった。
side3人称
大樹と万夏は朽ち果てた柏葉の村を今でも管理している神社の住職に勧められ、神社に泊まらせてもらった。
翌朝、神社を発つ前に大樹と万夏は住職から話を聞くことになった。
「なる程、君が柏葉家最後の生き残りというわけだったのか。」(住職)
「はい。あの、柏葉の本家って確かあの村に居たはずですが。」(大樹)
「今から10年ほど前だが、一族全員がある日突然死をして、一夜にして一族が断絶されたんだ。その所為で、あの村に住んでいた他の家族は皆村を捨てて行った。今はあそこの御神木の管理のために私が村に立ち寄る程度だがね。」(住職)
10年前、柏葉勇吾が大樹の両親を殺害した時期と柏葉の本家全員が突然死した時期が合致していたことが住職の話から分かった。村に住んでいた人は柏葉の本家全員が突然死した出来事から村を捨てたのだ。
「あの時に無縁仏になってしまうから柏葉の親戚筋に連絡をしたのだが、あの日を境に柏葉の本家とつながりのある分家筋は皆事故や自殺などで死んでしまったいたらしい。神社で供養したが墓参りに来る者は誰一人として居なかった。」(住職)
以前に大樹は正則を通じて柏葉家の現在の状況を知っており、ほぼ自分の親戚がいないこと自体は知っていた。その際に柏葉本家の様子も知っており、ここでの話は差し当たって特に新しい情報は無かった。
「あの、護龍と蒼龍の巫女について知っていますか?なんでも、柏葉家に関係のあるものらしくて。」(万夏)
「護龍伝説のことかい。その昔、柏葉の村を護った英雄がいたという伝説で、蒼き龍を祀る巫女と龍の力を持った英雄が村を護ったのだとか。ただ、かなり前からその詳細を知る人が少なくなっていたみたいでね。私でも今話した内容が精々なんだ。」(住職)
住職の話を聞いて、大樹と万夏は神社を発った。泊まらせてもらったお礼に二人は神社を参拝した。
ここで、大樹と万夏の旅行は終わりになると大樹は思っていた。
「帰ったら、皆にちゃんと礼を言わないと。」(大樹)
「そうだね。まだまだ、旅行は終わらないし、皆にお土産を買わないと。」(万夏)
「そうそう、終わらない、、、え?」(大樹)
万夏の終わらないという言葉に大樹は足を止めて万夏を見る。
「どうしたの?」(万夏)
「いや、今日はもう向こうに帰るんでしょ?」(大樹)
「旅行休みは来週の火曜日までだよ。月曜日に帰るよって皆には言ってあるよ。」(万夏)
「いや、それって休み期間さ、一週間超えてるでしょ!?流石にやりすぎでしょ!?」(大樹)
「ヤリ過ぎって、旅行中そんなにしてないでしょ。」(万夏)
「万夏さん、なんか話している内容にずれを感じるんだけど。ええ?目的は達成したでしょ。」(大樹)
「私は、大樹の目的が達成したら帰るなんて一言も言っていないよ。」(万夏)
「いや、だからってさ。万夏!!」(大樹)
この後、大樹は移動の中で仲間たちと家族に連絡した。そこで聞いたのは自分たちの戻る予定が本当に月曜日であることであった。その夜、宿泊先のビジネスホテルで朝日を拝むまでに搾り取られたのは言うまでもないく、それが仲間たちの元に戻るまでずっとだったのは当然のことだった。
sideファブニール
ドラスが倒されて、俺はアジトである亡国企業の基地に戻った。部屋に着くやいなや、脂汗を流しながら、俺は膝を着く。
「はあ、はあ、はあ、身体も限界か。」(ファブニール)
体が言うことを聞かなくなってきている。それが分かるくらいに自分の肉体がボロボロなのはよく分かっていた。ドラスに吸収されたダークドライブとゲムデウスとの戦いのダメージもあるが、それだけではない。
「あまり、時間はないみたいだな。」(ファブニール)
恐らく変身して戦えても2,3回で限界だろう。この世界に来るまでの間、数多に存在する多次元並行世界で戦い続けてきたことに加えて黄金の果実の力も使ってきた。それらの所為で限界が近づいてきてもおかしくないか。
俺は壁に身を預けて、床に座り込む。
「まだまだだって言うのに、まあやることは決まっているか。」(ファブニール)
そう、俺にはまだやらねばならないことがある。ここで終わることは、まだ出来ない。
「ただ、少し休むか。」(ファブニール)
この後のことを考えても、今は体を休めるべきだ。俺は壁に身を預けて、瞼を閉じた。
俺の世界が滅んだあの日、俺の腕の中で冷たくなっていったマドカを抱えていた。
黄金の果実を手に、敵を殲滅した俺は世界が終わるその瞬間にマドカと共にあろうとした。そして、俺の頭上を数多のミサイルが飛んでいった。その数秒後、俺の目にはミサイルによる、人類の叡智の炎が世界を焼き尽くす瞬間が映った。
俺はヘルヘイムの森の環境で活動するべく、仮面ライダーに変身していた。そのため、世界が焼き尽くされたあの瞬間を間近で体験しながら生きていた。
全てが終わった後、マドカの遺体をIS学園の跡地に埋めた。そこには一夏を始めとした俺の仲間たちが眠っていた。せめて、死んだ後は親しい人たちと共にあって欲しかった。
「皆のこと、よろしく頼む。」(ファブニール=大樹)
ここで死ぬことも考えた。だが、俺にはマドカからの願いがあった。それは、「生きて。」というその一言だけだった。たった一言だったが、彼女の、俺の愛する彼女からの最期の願いだった。その彼女の最期の願いを破るわけには行かなかった。
俺は手にした黄金の果実の力を使って、俺以外の全ての命が消えた俺の生まれ育った世界を、俺の愛する人たちが眠る世界を離れたのだった。
数多の並行世界を旅する中で俺は自分の世界が滅びない可能性を探っていた。それを黄金の果実の力で何度も、何度も、何度も体験した。それこそ、1万を超える可能性を俺は追体験した。
それほどの可能性を追体験したその結果は非情なものだった。
俺の生きた世界はどうあがいても数年の誤差はあれど、俺がIS学園に入学してから数年後以内に滅ぶことが分かったのだ。言い知れない絶望を感じながらも、俺は旅を続けた。もしかすると、別の可能性があるのではないか、その期待を胸に抱いて俺は並行世界を渡り歩き続けた。
それから俺は数多の世界を旅した。
ある世界では光の巨人が巨大な怪物から地球を守っていた、ある世界では4体の機械生命体と一人の青年が悪に立ち向かっていた、ある世界では少女たちが正義の心と光の力で悪と戦っていた、ある世界では神や天才、世界最強のソルジャーが仲間を率いて世界を護っていた。
その他にも悪魔になった少年が仲間たちと共に成長していく世界、世界を滅ぼす力を持った少女たちを救おうとする少年の世界、数多の英雄たちと一人の少年が世界を取り戻す世界、数え切れないほどの様々な世界を渡り歩いた。
俺は旅をする中でそれぞれの世界で戦う彼らと共に戦った。その彼らと絆を結び、多くの世界を護った。だが、その度に俺を襲うのは俺の世界が終わったあの瞬間、俺の腕の中でマドカが死んだその時のことが頭によぎり、俺の中にその時の絶望が蘇る。その絶望はすぐに大切なものを護れなかった俺自身への怒りにとって代わってしまう。世界を渡り歩く中で、当然だが様々な敵と出会った。その敵を倒す度に俺の心は荒んでいった。
数多の世界を旅する中で俺は邪龍ファブニールの力を手にした。ファブニールロックシード、俺の怒りに呼応して現れたそれは俺に絶大な力を与えた。それでもなお、俺の心を癒すことは無かった。
それから、世界を旅する中で、俺はある星にたどり着いた。そここそ、かつての黄金の果実をめぐる戦いに勝利し、故郷の世界を護るべくヘルヘイムの全てをある星に移住させたある仮面ライダーがいた星だった。
「お前は誰なんだ?」(紘汰)
「俺は、柏葉大樹。只の人間だよ。」(ファブニール=大樹)
白銀の戦神、仮面ライダー鎧武こと葛葉紘汰と俺の出会いだった。
俺は黄金の果実を手にしていたが、人間のままでいた。そのため、俺は戦極ドライバーを常時装着して、その星で過ごしていた。俺は紘汰と共に助けを求める誰かの元へ駆けつけて戦った。その後の俺は、紘汰たちの星に立ち寄りつつ、他の世界を巡っていた。その中で、俺はついに別の、俺が求めていた可能性が見つかった。期しくも、その世界は紘汰のいる世界だったのだ。遂に、俺の旅に終わりが見えた、そう思った。だが、黄金の果実で見たこの世界の未来は、俺の求める可能性では無かった。
この世界はこの世界の俺が20歳になった時に、自分たちの世界を文字通り破壊した13の異形である十三異界覇王によって滅ぼされてしまう未来があった。俺を含めて数々の仮面ライダーが立ち向かうが為す術もなく滅ぼされてしまうのだった。
俺はこの世界を救うべく、黄金の果実の力で複数の未来を、そこに至る過程を見た。その中で、確実にとは言えないが、世界を護る可能性が見つかった。その可能性を、確定させるために俺は十三異界覇王を集めている最中の魔蛇に声を掛けた。
「お前が魔蛇か。」(fファブニール=大樹)
「誰だ、お前は?」(魔蛇)
魔蛇は最初俺を警戒したが、俺が全ての世界を手にする力が欲しいと言い、十三異界覇王になると伝えると魔蛇は喜んで協力した。その中で俺はダグバ、イーヴィルアギト、アマゾンネオ、初代オーズ、ダークドライブ、ドラス、ゲムデウス、キルバス、アークの9体の十三異界覇王に選ぶことを勧めた。魔蛇が選んで連れてきた奴らは俺が知っている奴らよりも強大だったが、この世界の俺が戦うには十分だった。そして、俺も十三異界覇王として参戦することを決めた。その上で魔蛇に十三異界覇王が揃い次第に十三異界覇王による戦い、十三異界覇王大戦を始めるように進言した。それにより、想定されていた可能性よりも早く十三異界覇王が現れることになった。まだ成長途中の俺が数多くの強大な敵を相手に戦うことでその成長を加速させる。それこそが、俺が見つけた可能性、俺が出来なかった大切な人達が幸せを享受できる可能性を確定させる手段だった。
「俺は柏葉勇吾に接触する。オーバーロードになったあいつを仕向ければ良いのだろう?」(魔蛇)
「ああ、そうすることで俺の方も動けるからな。」(ファブニール=大樹)
十三異界覇王たちを速くにこの世界へ来させるための前段階として、この世界の兄貴、柏葉勇吾をけしかけて戦いを起こした。この時の戦いをきっかけに、この世界の俺が持つアギトの力を覚醒させることに成功した。
「さて、柏葉勇吾は死んだ。いよいよ、始めるぞ。」(魔蛇)
「ああ、俺の契約を忘れていないだろうな。」(ファブニール=大樹)
「分かっているさ、お前の望む力をこの戦いで完成させる。それによって、お前は自分の望む世界を作り、俺は数多の世界をヘルヘイムで満たす。お互いの利益が一致している以上は協力するさ。当然、お前も俺に協力してくれるよな。」(魔蛇)
「そのために、俺も十三異界覇王として戦う。忘れていない。」(ファブニール=大樹)
ここまでに起きた十三異界覇王大戦、俺がこれを仕向けた理由は、この世界の俺が世界を護ることが出来る力を手にするように成長させることだ。魔蛇にも、紘汰にも伝えていない俺の真意、俺が出来なかったことをこの世界の俺が出来る可能性がある、それを確実なものにする為である。
はた目から見れば、俺のしていることはとんだ傍迷惑な行為なのは分かっているが、大切なものを護れなかった俺が出来るのはこの程度のことしかない。俺は、この世界の俺に期待している。だからこそ、俺は彼の敵として立ちはだかることを決めたのだ。
「差し当たって、十三異界覇王としてのお前の名前を決めないとな。」(魔蛇)
「それはもう決まっている。」(ファブニール=大樹)
全ての十三異界覇王が決まった時、俺は既に自分の新たな名を決めていた。この時、俺は魔蛇にファブニールロックシードを見せた。
「邪龍ファブニール。英雄ジークフリートが倒した邪悪なる龍。黄金の果実を独占して世界を作り替えようとする俺に相応しい。」(ファブニール=大樹)
呪いの黄金を欲して人間ならざる者へと変貌した邪龍ファブニール。黄金の果実を独占し、自らの願いのために世界を敵にする俺の新たな名前、自らの自嘲と戒めとしてその名を名乗ることにした。
「なら、お前は怒りの獄炎を纏う龍王、獄炎龍覇王ファブニールだ。」(魔蛇)
そう、全ては俺が望む可能性を実現させるため。かつての仲間も、友も敵に回して俺は自分の望みを叶えるために邪龍へ堕ちたのだ。
朝日が昇り、その光で俺は目を覚ます。残る十三異界覇王は俺を含めて5体。アークが倒されたその時、魔蛇を出し抜いて俺は俺の願いをかなえるべく動き出す。
体はもうボロボロだ。心を蝕む怒りの業火は常に燃え続けている。だが、それらが関係ない程に俺は自分のやるべきことが分かっていた。
「この戦場、俺が勝ち取る。」(ファブニール)
もう、俺の中で燃える炎は怒りの業火ではない。静かに燃える決意の炎が俺を奮い立たせる。
再び動き始めたレジェンドルガたち。大樹と万夏がいない中、一夏は指輪の魔法使いウィザードと共に伝説の怪物たちを相手に激しい戦いを繰り広げる。
戦いの中でレジェンドルガに協力するファントム、リッチの悪しき企みが明らかになる。
激しい戦いの中で一夏は新たな力を手に入れる。
≪ゴッドエナジーアームズ!≫
その力は、禁断の力。人を神へと至らせる力。