IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍 作:柏葉大樹
side貴虎
私の名は呉島貴虎。かつてはユグドラシルに所属し、ヘルヘイムからの侵略から人類を守るべくプロジェクトアークを推し進めていた。だが、葛葉紘汰、私が見下していたビートライダーズの青年が全てを変えた。私がいつの間にか諦めていたことを彼はやり遂げたのだった。
今の私はかつてのユグドラシルに居た者達、あの時にこの街を守ったビートライダーズの彼らと世界を守るための組織であるヴァルハラを設立した。当時から私と共に戦って来た光実、鳳蓮らを始めとしたアーマードライダーらとユグドラシルから流出した技術の回収やインベスなどの対処を行って来た。その中で私はかつてユグドラシルに居た研究員である柏葉玲人と柏葉陽菜の行方を捜していた。
彼らを捜索していたのは彼らの幼い息子である柏葉大樹君のことが気がかりだった。彼は幼くして全身の細胞が急速に壊死していく難病を患っていた。大樹君の治療はあくまで痛み止めほどにできず、夫妻は来る日も来る日もその術を探していた。私は前線に出ながらもそのことを知っていた。そして、彼らはオーバーロードの侵攻を前に町を去った。
オーバーロードとの戦いが終わり、ヴァルハラを設立してほどなく私は柏葉夫妻の行方を捜し始めた。その後の足取りがなかなかつかめなかったのだが彼らがある町に住んでいたことがやっと判明した。だが、その時には夫妻は死亡しており、大樹君の身柄は夫妻の遺言から友人夫婦に引き取られていたことを知った。
大樹君は私が知った時には余命幾ばくも無い状態だった。その時の彼は既に中学生になっていた。私はその点から夫妻は大樹に何らかの手段でヘルヘイムの物質を治療薬に精製、若しくは精製前のヘルヘイムの物質を彼に投与し続けたと考えた。そうでなければ、彼の回復の理由の説明が付かなった。
私は光実とザックに大樹君に接触するように指示を出した。そこでさらに驚愕のことがあった。なんと大樹君は戦極ドライバーを使いアーマードライダーに変身、出現したインベスを撃破したのだった。さらに、彼はその後に出現したインベスを光実とザック君と撃破、ヴァルハラに来てもらった。そこで私は大樹君に対してどこか違和感を感じた。それをその場ではっきりさせることは出来ず、ヴァルハラを襲撃したインベスの対処に私と大樹君が対処した。そして、それから時間が経ち、ナイトと呼ばれる傭兵の襲撃を受けた大樹君は単独で撃退、その後に会った彼との会話から彼は、この世界に生まれる以前にアーマードライダー、仮面ライダーとして戦っていた。その彼はそこで親しいものの死を経験し、自分も戦いの場で死んだことを告白してくれた。
しばらくの間、大樹君は戦いの場から距離を置いていた。だが、オーバーロードになったナイトとの戦いで再び彼はアーマードライダー、否仮面ライダーに変身して戦った。その後は、柏葉夫妻を殺害した犯人である兄勇吾の凶行を止めた。
彼は世界を守った後はインベスの駆除に協力しながらも平穏な高校生活を送っていた。傍らに愛する恋人がいる彼の前に異世界からやって来たオーバーロードに匹敵する敵、十三異界覇王が現れた。各地で暴れる彼らを前に大樹君を筆頭とする若き仮面ライダーたち、フューチャージェネレーションズが戦っていた。
私達の前に初めて現れた十三異界覇王、オーバーロードファブニールとの戦いに決着を着ける時が来たのだった。
「光実。私も後から現地へ向かう。」(貴虎)
東京に出現した十三異界覇王の撃破伝えられた直後にファブニールが姿を現したことが私に伝えられた。先に現地へ向かっていた光実とザック君に後から合流することを伝える。
私は保管している戦極ドライバーを取り出すとトルキア共和国の事件で葛葉から渡されたカチドキロックシードを持つ。
「遂に決戦ね。」(鳳蓮)
「ああ、ここで奴を討つ。」(貴虎)
私は先に待っていた鳳蓮と共にヘリに乗り、東京へ向かった。
side大樹
俺の目の前で龍人のオーバーロードだったファブニールは、俺が前世とこの世界の最初のころの戦いで変身していた仮面ライダー炎竜の姿になった。
オーバーロードとしての姿が掻き消えるように現れたその姿は、俺が変身していた頃よりも細かい傷が無数にあり、長く険しい戦いを続けていたことが窺い知れた。
「さて、邪魔が入る前に終わらせるか。」(ファブニール=炎竜)
そう言うとファブニールはクラックから複数のインベスを召喚する。インベスたちは仁藤さんと真由さんの方へ殺到する。
ファブニール=炎竜は俺の方を向き、無双セイバーと竜炎刀を持つと一歩踏み出した。その瞬間、俺に当てられた強烈な殺気に反応して俺は咄嗟に変身した。
≪ドラゴンフルーツアームズ!竜王、オンバトルフィールド!≫
俺は仮面ライダー輝龍に変身すると竜炎刀を鞘から抜く。その次の瞬間にはファブニール=炎竜は振るう無双セイバーと竜炎刀を俺に振り下ろした。
俺は竜炎刀で炎竜の刃を受け止める。実際の処、性能は互角であるために受け止めることは難しくない。だが、炎竜の剣筋は目の前の相手を両断するという強い意志が感じられ、思わず後退りしてしまうほどだった。
「大樹!!」(万夏)
「っ!」(颯斗)
俺の視界の両端で万夏と颯斗がロックシードとハートを構える。
≪ブルーベリーアームズ!マスケティアーオブサファイア!≫
≪ライダー!デッドヒートハート!≫
ヴァルキリーに変身した万夏とロードに変身した颯斗が俺を援護するべく炎竜を攻撃する。
万夏と颯斗の攻撃を躱して、俺と距離を取る炎竜。そこへエグゼリオンへ変身した陸が武器を持って炎竜に躍りかかる。
陸が近づいたその瞬間、炎竜は陸の首を掴んだ。
「ぐっ!!」(エグゼリオン)
「フン!!」(炎竜)
炎竜は陸を地面に叩きつける。
俺と颯斗はそのまま炎竜に向かって走り出す。
万夏は援護射撃で俺と颯斗をサポート。
俺と颯斗は左右から炎竜を攻撃する。そこで炎竜から陸と距離を遠ざけることができた。
一緒にレジェンドルガと戦っていた仁藤さんと真由さんは新たに現れたインベスの対処に追われていた。
レジェンドルガを相手に激しい戦いを終えた直後の俺達には厳しい戦いだった。
≪ソイヤ!ドラゴンフルーツスカッシュ!≫
炎竜は無双セイバーと竜炎刀にロックシードのエネルギーを集中させる。
俺は無双セイバーと竜炎刀を合体、無双セイバーナギナタモードにロックシードをセットする。
≪ロックオン!1,10,100、1000!ドラゴンフルーツチャージ!≫
炎竜が無双セイバーと竜炎刀を振るう。それに対して俺は無双セイバーナギナタモードを大きく横なぎに振るう。
炎竜が放ったX字の斬撃と俺が放った真一文字の斬撃が空中で衝突する。
衝突した斬撃は空中でともに爆発した。爆発の煙に紛れて俺はそのまま炎竜に向かって斬りかかる。
煙を切り裂いたところ、そこには炎竜の姿はなかった。
「煙に紛れて攻撃は悪くない。だが、焦り過ぎたな。」(炎竜)
背後から聞こえた声に咄嗟に振り向く。その瞬間、竜炎刀と無双セイバーが振るわれた。
無双セイバーで防ごうにも間に合わない、俺はアームズの最も硬い部分に炎竜の攻撃をわざと当てた。
受けた攻撃はかなりのものだが受けるダメージを最小限に抑えることができた。
「あそこから咄嗟にアームズの最も防御の高い部分に攻撃を当てさせたか。」(炎竜)
炎竜は無双セイバーをガンモードに切り替えて、銃口を俺に向ける。そこへ颯斗と陸が炎竜を攻撃する。そこへ万夏も援護射撃を行う。
万夏たちの攻撃を全く怯むことなく対処する炎竜。そこに全くの隙は無く、颯斗たちもかなり厳しいようだ。
俺はバハムートロックシードを取り出す。
side三人称
輝龍はドラゴンフルーツロックシードをバハムートロックシードに切り替えて、仮面ライダー輝龍バハムートアームズにアームズチェンジする。
光龍剣と竜炎刀・陽炎を手にして、輝龍はロードとエグゼリオンの加勢をする。
炎竜は輝龍が加わったことで四方向から攻撃を受けるも、それすらもものともせずに目の前にいる3人の仮面ライダーと応戦する。
炎竜は攻撃の中で戦極ドライバーを操作、竜炎刀と無双セイバーを合体させて回転斬りを放った。
攻撃をしている輝龍、ロード、エグゼリオンは炎竜の攻撃を受けてダメージを受ける。
強化形態になっていた輝龍と咄嗟に回避したロードはダメージを抑えることが出来たが最も防御力の低いエグゼリオンは胸のライフゲージが3分の1を切っていた。
「それが本気か。俺を止めたいならもっと本気で来い。それこそ、殺す気でな。」(炎竜)
対峙する者全てを鏖殺せんとするその気迫、それを受けたロードとエグゼリオンは背筋が凍り付く感覚を覚えた。
ロードとエグゼリオンはあまりの殺気に動けなくなってしまう。
輝龍はそのまま光龍剣と竜炎刀・陽炎を振るう。
さらに、ブルーベリーアームズからリヴァイアサンアームズにアームズチェンジしたヴァルキリーが加わる。
強化形態二人を相手に基本形態であるドラゴンフルーツアームズで応戦する炎竜。
輝龍とヴァルキリーは息の合ったコンビネーションで炎竜を攻撃していく。
輝龍の斬撃が放たれるとヴァルキリーの光線が空中を走る。
炎竜は輝龍とヴァルキリーの攻撃を最小限の動きで躱していく。
「大樹!一気に決めよう!」(ヴァルキリー)
「ああ。」(輝龍)
≪バハムートスカッシュ!≫
≪リヴァイアサンスカッシュ!≫
輝龍とヴァルキリーは同時に戦極ドライバーを操作、それぞれの右足にロックシードのエネルギーを集中させる。
輝龍とヴァルキリーは同時に跳び上がり、炎竜に向かってライダーキックを放つ。
金色と赤色の輝きを宿した輝龍のライダーキックと紺碧の輝きを宿したヴァルキリーのライダーキックを炎竜は迎え撃つ。
≪ドラゴンフルーツスパーキング!≫
「フン!!」(炎竜)
炎竜は最大出力のエネルギーで斬撃を放ち、輝龍とヴァルキリーのライダーキックの軌道を逸らした。
輝龍もヴァルキリーも炎竜の技量の高さに驚愕した。上位のロックシードを利用した形態の必殺技を必殺技で迎撃するのではなく、軌道をずらして無効化するその技量の高さに驚いたのだ。
炎竜の技量の高さに輝龍はある男を脳裏で思い浮かべた。心強い味方であるその男と同等か、それ以上の技量を持つ炎竜を相手に警戒を強める。
その一瞬だった。炎竜は輝龍の左腕に装着しているデュアルギアを掴んだのだ。
「申し訳ないが、返してもらうぞ。」(炎竜)
炎竜の言葉に輝龍は咄嗟に右手の光龍剣を炎竜に向かって振るう。
刃が当たる前に炎竜が輝龍の胴を蹴り、強引にデュアルギアを剥がした。
「大樹!」(ヴァルキリー)
ヴァルキリーが輝龍に駆け寄る。
炎竜は奪い取ったデュアルギアを自身の左腕の装甲に装着する。
「ふむ、それなりに使っていたみたいだな。」(炎竜)
炎竜はデュアルギアを少し操作すると赤色のエナジーロックシードを取り出した。
≪ブラッドオレンジエナジー!≫
炎竜は取り出したエナジーロックシードをデュアルギアにセットする。
炎竜のその行為が自身の強化であることを輝龍はすぐに理解する。
即座に強化される前に止めようと動く。そこへ、魔界城で十三異界覇王仮面ライダーアークを倒したウィザードと白銀がその場に加わる。
「大樹、万夏!無事か!?」(白銀)
「なんとかな。相手、かなりの奴。」(輝龍)
「私と大樹が一緒に戦っても攻撃を当てられなくて。」(ヴァルキリー)
「それなら、俺がやってみよう。」(ウィザード)
ウィザードはインフィニティースタイルの特殊能力である高速移動を発動、白銀も炎竜に斬りかかる。
炎竜は攻撃を躱しながらデュアルギアを操作する。
≪デュアルアップ!デュアルブラッドオレンジアームズ!邪道、レッツダンス!≫
炎竜の姿は血のような赤色の甲冑を纏ったデュアルブラッドオレンジアームズに変化した。
大橙丸・紅を構えると高速移動するウィザードを一刀で切り伏せ、白銀にはカウンターの回し蹴りを頭部に叩き込んだ。
増援に加わったメンバーも瞬殺した炎竜。
回復した輝龍とヴァルキリーが白銀とウィザードの元へ、ロードとエグゼリオンはビーストとメイジの元へ駆けつける。
それぞれが動いた瞬間、炎竜に向かって雷が、無数のミサイルが飛んで来た。
炎竜は即座に回避するもそこへ一本の矢が飛んで来た。その矢を見た炎竜はその矢を斬り、全ての攻撃が飛んで来た方向を見る。
「まさか、そんなはずは。この世界に居るはずはない。」(炎竜)
そう言う炎竜の目の前には鋼色の戦斧を持った雷神が、無数の兵器を纏った鋼鉄の鎧が、アメリカ国旗を模したシールドを持った鳥人がいた。さらに、輝龍たちの前に弓矢を構えた男が、緑色の肌をした大男が、機械でできた左腕を持ったソルジャーがいた。
その彼らを炎竜は知っていた。むしろ、ある世界にて大きな戦いを潜り抜けてきた仲間たちであった。
「どうやって来たんだ。」(炎竜)
炎竜の言葉に答えたの緑色の大男だった。
「ドクターストレンジのおかげだよ。マルチバース間で抜け道を作ってもらった。」(緑色の大男)
緑色の大男の答えに、炎竜の脳裏にはひげを蓄えた大魔術師の姿が浮かび上がった。
「なるほどな。でも、君達だけみたいだけど。」(炎竜)
「そんなことは無い。双子も居るし、小さくなる奴もいる、それに蜘蛛の子どももな。」(雷神)
「なる程。他はピエトロとワンダ、スコットにピーターか。ワカンダとガーディアンズ、キャロルは来ていないのか。まあ、無理もないか。」(炎竜)
炎竜は今いるメンバーを、彼らを見据える。
「良いか、ダイキ。バカなことをするな。」(鋼の鎧の男)
「トニーと一緒に居た俺にそれを言う?説得なら無駄だよ、ローディ。」(炎竜)
鋼の鎧を装着していた男は顔を隠していたアーマーを収納して素顔を見せた。それが何を意味しているのか、それを分からない炎竜では無かった。だが、かつての仲間であってもその説得に応じるつもりはない。
「さて、偉大なソルジャーも、世界を救った鋼鉄の男も居ない。そんな状態で俺と戦うのか、アベンジャーズ。」(炎竜)
正義の名の元に報復する者たち、アベンジャーズ。さまざまな能力、出身の彼らは異世界の旅人であり、共に戦った仲間である炎竜を止めるためにこの世界へやって来たのだった。
「それでも、バカなことをする坊主を引っぱ叩く必要があるだろ。」(弓矢の男=ホークアイ)
「そのために、この世界に来たのか。それをするなら家族サービスをすれば、クリント。」(炎竜)
アベンジャーズを前に軽口をたたく炎竜。状況を飲み込めない輝龍たちはどうにかしようとするが、それを緑色の大男=ハルクが静止する。
「一先ず、彼のことは僕たちに任せて欲しい。君たちは少し休んで。」(ハルク)
ハルクの言葉にダメージを受けている白銀とウィザードを介抱する輝龍とヴァルキリー。二人はロードとエグゼリオンの方を見るがそこにはアベンジャーズの他のメンバーであるピエトロ・アシモフ=クイックシルバーとワンダ・アシモフ=スカーレットウィッチ、スコット・ラング=アントマン、ピーター・パーカー=スパイダーマンが加わり、戦況が変化していた。
その様子を炎竜も見ていた。計画に支障をきたす可能性が出てきたことで舌打ちをする。
「どうするんだ。さっさと投降すれば穏便に済むぞ。」(鳥人=ファルコン)
「俺がそれを聞いて投降するわけないだろ、サム。」(炎竜)
「それは俺もダイキに同意だな。だが、スティーブたちの意思を継いだお前が間違っていることをしているなら俺達全員がお前を止める。」(ソルジャー=ウィンターソルジャー)
アベンジャーズ、異世界からやって来た彼らと炎竜の関係。そして、輝龍と炎竜を中心に十三異界覇王大戦の真の目的が明かされる。