IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍 作:柏葉大樹
side大樹=輝龍
ファブニール=炎竜との4度目の対決が始まった。
向こうは既にデュアル邪王アームズに変身しており、こっちは全員基本形態となって戦っている。本来ならばこちらの最大最強戦力で戦うところであるがこの戦いの目的は炎竜を倒すことではない、否倒すことに変わりないかもしれないがこれまでの十三異界覇王との戦いとは違う。
仮面ライダーとして、同じく仮面ライダーとして戦って来た先輩に対して俺の答えを示すための戦いだ。そのために、俺達がここで戦えるように多くの人達の協力があった。
side3人称
戦いの舞台となっているアリーナ、その中央にある禍々しい城郭の周りにはインベスを始めとした様々な怪人たちが無数にひしめき合っていた。そんな中で大樹たちをファブニールの元へ行かせるべく、多くの仲間たちが戦っていた。
≪オレンジスカッシュ!!≫
「セイッハー!!」(鎧武)
仮面ライダー鎧武オレンジアームズが無頼キックにより無数のインベスたちを撃破する。
別の場所では仮面ライダー龍玄ブドウアームズが必殺技ドラゴンショットで空中を飛び回るコウモリインベスなどを撃ち落としていた。
「紘汰さん!」(龍玄)
「ミッチー!前に会った時よりもすげえな!!」(鎧武)
「ミッチーだけじゃねえぞ!!」(ナックル)
襲い来るインベスを前に仮面ライダーナックルクルミアームズがその拳を振るう。そして、
「どおおりゃ!!」(グリドン)
「ワテクシ達だって、坊やが居ない間に強くなったのよ。」(ブラーボ)
「ああ。私達全員があれからも戦い続けてきた。」(斬月)
この場に駆け付けたのは仮面ライダーグリドンドングリアームズ、仮面ライダーブラーボドリアンアームズ、仮面ライダー斬月メロンアームズである。かつて、沢芽市にてさまざまな思惑の中でぶつかり合い、最終的に手を取り合った仲間たち。今なお戦い続ける彼らアーマードライダー。長い月日が経とうともその絆は切れることなく、彼らを導き続けていた。
「後輩が頑張っているんならって来たけど、聞いてないよ。」(グリドン)
「なに、弱音を吐いてんのよ!!先輩らしくシャキッとしなさい!!」(ブラーボ)
戦いの場においても弱音を吐くグリドン。そのグリドンに発破をかけるブラーボ。
「変わんねえよな、城之内の奴。」(ナックル)
「まあ、シャルモンのパティシエをやっているならしょうがないよね。」(龍玄)
師弟コンビのやり取りを見て呆れながら言うナックル。仮面の下で苦笑しながらフォローをする龍玄。
彼らのやり取りを見ている鎧武は戦いの場にありながら懐かしさを感じていた。
「さあ、戦いの場だ。気を取り直そう。」(斬月)
この場において空気を引き締める斬月。ここで、斬月が鎧武の肩に手を置く。
「葛葉、行くぞ。」(斬月)
「ああ。」(鎧武)
斬月の言葉に強くうなずく鎧武。
鎧武が前へ歩みだした瞬間、仲間たちが鎧武と同じ方向を向く。
鎧武たちを見るインベスはその気迫に押され、攻撃することが出来なかった。
「ここからは、俺達アーマードライダーのステージだ!!」(鎧武)
武器を構える鎧武たち。その次の瞬間、駆け出した彼らは無数のインベスたちを前に己が武器を振るう。初級インベスの他に、ビャッコ、シカ、セイリュウ、ライオン、ヘキジャ、ヤギ、カミキリ、コウモリなどの上級インベスを前に彼らの刃が、拳が、弾丸が遺憾なく振るわれていく。
鎧武たちが戦っているなかで、遠くからそれを見守るのはアベンジャーズの面々である。
ヘルヘイムの森から出現するインベスたちとの戦いではアーマーを装着しているローズを除けば、ヘルヘイム植物の毒素を受ける危険性から貴虎たちから戦いを避けるように言われた。また、この世界においての戦いの中心は大樹、自分たちの仲間であるファブニール=ダイキが別世界=マルチバースの自分を成長させるために起こした戦いであることを知った。
その彼らに大樹は自分がこの戦いを終わらせると強く言った。その大樹の決意を汲んだ彼らは戦いの行方を見守ることにしたのだった。
白銀シルバーエナジーアームズとロードタイプデッドヒートハートが真っ先に斬り込む。白銀はバニシングブレードを上段から振り下ろし、ロードは拳を赤熱させて炎竜に正拳突きを放つ。
白銀とロードが動く中、エグゼリオンレベル2はガシャコンスピアーを構え、腰を低く落とす。
輝龍ドラゴンフルーツアームズとヴァルキリーブルーベリーアームズもアームズウェポンを構える。
炎竜デュアル邪王アームズは向かってくる白銀とロードの攻撃を難無くさばき、二人を真っ向から攻撃する。
白銀とロードが炎竜の反撃を受けてしまうなかでエグゼリオンは持ち前の身体能力で戦いの場となった天守閣の壁を走り、炎竜の死角へ回り込む。
「ふん!!」(炎竜)
エグゼリオンの動きに対して炎竜は無双セイバーを召喚、振るった剣圧でエグゼリオンを抑える。
エグゼリオンが抑え込まれた瞬間、輝龍が走り出す。
炎竜に向かって走り出した輝龍を援護するため、ヴァルキリーはブルーライフルから光弾を無数に撃ち出した。
放たれた光弾を炎竜は無双セイバーを振るうことで打ち消す。
間合いに入った瞬間、輝龍は竜炎刀を炎竜に向かって振り下ろす。
自身の間合いに入った輝龍を迎え撃つべく、炎竜も無双セイバーを振り下ろした。
刃と刃がぶつかり合い、火花が散る。
「いい気になるな!!」(炎竜)
力づくで輝龍を押し込もうとする炎竜。
相手が押し込んで来たところを輝龍は炎竜が押し込んでくる方向に向けて、力を受け流す。
一瞬、体勢が崩れた炎竜。その背後にロードが走り込んでドロップキックを見舞う。
背後からの強烈な衝撃で前方へ転がる炎竜。
すぐに立ち上がる炎竜に白銀とエグゼリオンが息もつかせぬ連撃を繰り出す。
咄嗟に使い慣れた竜炎刀を召喚する炎竜。二刀流で次々と繰り出される連撃を受けていく。そんな中で、輝龍たちの狙いも察していた。
「ここから突き落とすつもりか。」(炎竜)
「ここじゃあ狭いんだよな。だから、場所を変えさせてもらうぜ。」(エグゼリオン)
「俺達はあんたに勝つ。そのための作戦は立ててある。」(白銀)
炎竜は白銀とエグゼリオンの会話からその作戦を立てたのが輝龍=大樹だと勘付く。
「舐められたものだな、この程度で何とかなると思われるのがな!!」(炎竜)
≪デュアル邪王スカッシュ!!≫
炎竜は邪王ロックシードのエネルギーを無双セイバーと竜炎刀に纏わせる。
漆黒の瘴気と紫電が走る二振りの刃を構える炎竜。それを見て、白銀とエグゼリオンは攻撃を中断して距離を取る。
「ムン!!」(炎竜)
炎竜は無双セイバーと竜炎刀を同時に振り下ろし、紫電を纏った漆黒の斬撃を放った。
X字の斬撃はそのまま白銀とエグゼリオンに襲い掛かる。
白銀とエグゼリオンの前に輝龍とロードが並び立ち、爆炎を帯びた斬撃と拳で炎竜の攻撃を真正面から受け止めた。
「消し飛べ、ガキども!!」(炎竜)
炎竜が怒りのままにそう言った瞬間、炎竜の右側に居たヴァルキリーが必殺技サファイアフレアを発動する。
ブルーライフルの銃口から極大のレーザーが放たれ、炎竜を飲み込んだ。
ヴァルキリーの攻撃により天守閣から落とされた炎竜。それを見て輝龍たちも炎竜が落ちた場所へ降り立つ。
「さあ、これで終わりだ。」(輝龍)
「終わりだ?何が終わりだ。結局、仲間の力を借りて勝つってんなら間違いだぞ!!柏葉大樹!!てめえの力が高が知れてているから助けを求めるだと!!ふざけるな!!そこにいる奴らもお前の守りたい人だろうが!!」(炎竜)
輝龍=大樹に対して怒りをあらわにする炎竜=ダイキ。その怒声はその場にいる面々に身動き一つ許さないほどの圧があった。事実この場で炎竜と対峙しているロード、エグゼリオンはその圧を前に動くことが出来なかった。
白銀とヴァルキリーはそれぞれアームズウェポンを構え、輝龍を護るように前へ出る。だが、二人も炎竜の圧に気圧されており、炎竜を注視するも二人とも即座に攻撃することができなかった。
その場にいる面々が動けない中、輝龍は堂々と炎竜を見据える。それだけではなく、白銀とヴァルキリーよりも一歩前へ出た。
「ああ。ここにいる仲間たちも俺の守りたい人たちだ。」(輝龍)
「なら、なぜ!!戦いの場に共にいることがどういうことか分かるだろ!!そこにいる奴らも守りたいなら全ての超える力を、たった一人で全てを護ることができる力を手に入れなければならない!良いか、お前の守りたいものを守るにはたった一人で戦い続けなければならないんだよ!!」(炎竜)
輝龍は炎竜の言葉に同意する。
炎竜は輝龍が自身の言葉に同意してなお、自身の思う道へ進まないことに怒号を発する。
輝龍は炎竜の言葉に、ここではない別の世界、前世における自分の戦いを思い出した。たった一人で全てを背負い、傷だらけになりながら戦い続ける孤高の道。炎竜の言葉は、かつての自分が辿った道筋そのものだった。その結果は愛する者を守り切れず、最愛の人を残して若くして命を散らした悲惨なものだった。
炎竜の言葉に、怒気に気圧されながらも輝龍と共に戦って来た仲間たちがその言葉に大なり小なりの反発を覚えた。
ロードは炎竜の言葉に、自身の意思を無理矢理輝龍=大樹に押し付けようとするその意思に否定の思いを抱いた。
エグゼリオンは炎竜の言葉に、仲間の存在を否定する意思を感じ取った。
白銀は炎竜の言葉に、自身の友が、大樹が言うであろう言葉だと感じながらもその言葉が共に育った親友が決して言うことは無い言葉であると思った。
ヴァルキリーは炎竜の言葉に、前世での大樹の死に様を思い出した。その言葉がまたも最愛の人を孤独の道へ誘うものとして大きな怒りを覚えた。
炎竜の発した言葉に対して白銀たちはおのずとファイティングポーズを取った。それは言葉ではない明確な拒絶の意思だった。
「お互いに言っても意思が変わらないのは分かるだろ。なら、最後までぶつかり合う以外に方法はないだろ。」(輝龍)
炎竜の言葉に静かに言う輝龍。
「俺は全てを守る力が欲しい訳じゃない。この世界の全てを守りたいわけじゃない。ただ、大切な人たちと幸せに生きていきたいだけだ。俺一人で戦い続ける道を、もう選ぶことは出来ない。俺は、ここにいる仲間たちと一緒に未来を生きるために、共に戦い続ける。あんたの望む道に俺は進まない。」(輝龍)
竜炎刀と無双セイバーを合体させる輝龍。無双セイバーナギナタモードの切っ先を炎竜に向ける。
「行くぞ、カシワバダイキ。」(輝龍)
「生意気ぬかすな、ガキども!!」(炎竜)
炎竜は怒りのままに邪王ロックシードの力を開放する。漆黒の瘴気と紫電が炎竜から放出され、その複眼が赤く輝く。
「お前たち子どもに教えてやる。絶対に超えられない力の差をな!!」(炎竜)
変貌した炎竜のプレッシャーを受けて、遂に最終局面へ入ったことを察した輝龍らフューチャージェネレーションたち。各々が武器を構え、炎竜を迎え撃つ姿勢を示した。
邪王ロックシードの力を感情のままに開放して襲い掛かる炎竜。これまでと違い、手にした力を怒りの感情のままに振るうその姿は正しく邪龍に相応しい姿だった。
怒りの感情のままに振るわれる刃はあらゆるものを粉砕する。
炎竜の振るう刃から放たれた漆黒の斬撃はインベスも戦いの場となっているアリーナも切り裂き、甚大な被害を出していた。
炎竜の攻撃を躱しながら輝龍たちも応戦する。
無数のインベスたちのいるアリーナで戦うのは至難の技、それが怒り狂う炎竜によって自分たちに危険が及びながらもチャンスとして行動したのだった。
怒りのままに刃を振り下ろす炎竜。輝龍はその刃を一歩も引き下がることは無かった。それどころか無双セイバーナギナタモードを巧みに使い、炎竜の攻撃を全て防いだ。
輝龍へ注意が向いていることで白銀、ヴァルキリー、ロード、エグゼリオンは四方に散らばる。
炎竜は白銀たちの動きに注意を向けるも攻撃が緩んだ瞬間に輝龍が攻勢へ転じる。
炎竜の二刀流を封じるように無双セイバーナギナタモードを振るう輝龍。無双セイバーナギナタモードが回転し、遠心力と輝龍の腕力によって振るわれるその攻撃は炎竜を瞬く間に防戦一方まで追い詰めた。
(おかしいだろ。こっちは13体の十三異界覇王の力を使っている。それなのに、クラスAとは言え通常のロックシードを使っているこいつに押されているのは、なぜだ、なぜだ!!)(炎竜)
気付けば形勢が変わっていた。なお、炎竜を追い詰めていた輝龍はその精神が今まで以上に落ち着いているものだと気付いた。
(こんなに落ち着いて戦うのは初めてだ。こんなにも目の前の相手に集中することができる。近くにいる一夏や颯斗、桐ケ谷の動きがよく分かる。それに、見えないけど後ろにいる万夏も何をしているのか分かる。一緒に戦っている仲間たちがいることがこんなにも頼もしいなんて。)(輝龍)
自然と仮面の下で笑みを浮かべる輝龍=大樹。その大樹の心情を現すように彼が使っているロックシードとアームズに小さな亀裂が走る。亀裂からは黄金の輝きがチラチラと漏れる。
輝龍は無双セイバーナギナタモードを大きく薙ぎ払い、炎竜を大きく弾き飛ばした。
輝龍と炎竜の距離が離れたことですかさずロードが炎竜に殴り掛かる。
拳に炎を纏い、炎竜を殴りつけるロード。その拳は炎竜が持っていた無双セイバーを弾き飛ばした。がら空きになった胴にロードは赤熱し、爆炎を上げる拳を叩き込んだ。
ロードの一撃に怯む炎竜。だが、即座にロードを前蹴りでどかし、輝龍に詰め寄ろうとする。
ロードが避けられたその瞬間にエグゼリオンが炎竜の頭上から急降下の一撃を放つ。
頭上からの攻撃を竜炎刀で防ぐ炎竜。すかさずエグゼリオンを押し返す。
エグゼリオンは炎竜に押し上げられたその瞬間に大きく宙返りをして着地する。その瞬間、ガシャットをキメワザホルダーにセットしていたエグゼリオンはエネルギーのチャージに合わせ炎竜の周囲を高速で走り出す。
まるで複数のエグゼリオンが走っているような様子に炎竜は竜炎刀に邪王ロックシードのエネルギーを纏わせて振るう。
エネルギーが斬撃へと変わりエグゼリオンへ襲い掛かる。
爆音と同時に土煙が上がり、エグゼリオンの姿を隠す。だが、土煙から右足を蒼く輝かせたエグゼリオンが炎竜に向かってライダーキックを放った。
エグゼリオンの一撃を防御する間もなく受けてしまう炎竜。そこへ白銀とヴァルキリーが攻撃を始める。
近距離から体術と銃撃で息もつかせぬ連続攻撃で攻め込むヴァルキリー。バニシングブレードを振るい、剣術で炎竜を追い込む白銀。兄妹ならではの息が合った連続攻撃で炎竜に息もつかせない程の激しい攻撃を加えている。
炎竜は別世界とは言え、かつての親友と愛する人を前に太刀筋が少なからず鈍ってしまう。だが、心を鬼にして白銀=一夏とヴァルキリー=万夏に竜炎刀を振るう。
二人が竜炎刀の一撃を武器で防御し、距離を取った時だった。
先程まで仲間たちの様子を見ていた輝龍が前へ歩みだした。
一歩、一歩と炎竜に近づくにつれてドラゴンフルーツアームズの鎧の亀裂が広がり始める。
亀裂が漏れ出る光が徐々に強くなる。
ドラゴンフルーツアームズの鎧全てに亀裂が走ると鎧がボロボロと崩れ始めた。
崩れたドラゴンフルーツアームズの鎧の下から黄金に輝く鎧が出現する。それに呼応するように輝龍が持っていたシークワーサーロックシードとパッションフルーツロックシードの外装も剥がれた。
≪ゴールドドラゴンフルーツアームズ!!光龍、アップライジング!!≫
仮面ライダー輝龍ゴールドドラゴンフルーツアームズ。この世界を侵略せんとした大樹の義兄である柏葉勇吾こと仮面ライダージャークを撃破した姿。大樹が自身に宿ったアギトの力によりロックシードを進化させることで発現した最強の姿の一つである。
輝龍は無双セイバーナギナタモードにロックシードをセットする。
≪ロックオン!ゴールドドラゴンフルーツチャージ!!≫
ロックシードのエネルギーが無双セイバーと竜炎刀、竜炎刀が強化された竜炎刀・陽炎の刃に集まっていく。
輝龍の武器に集まるエネルギーを見て、怒りの感情を爆発させる炎竜。
≪デュアル邪王スパーキング!!≫
竜炎刀に漆黒の瘴気を纏わせ、長大な刃へと変わる。
「ひれ伏せ!柏葉大樹!!」(炎竜)
炎竜は竜炎刀を天へと突き上げ、そのまま上段から振り下ろした。
自身に襲い掛かる漆黒の刃を輝龍は見据え、無双セイバーナギナタモードで切り上げる。
激突する黄金の輝きと漆黒の瘴気。ぶつかり合ったエネルギーは爆散する。
爆散したエネルギーの中で輝龍は無双セイバーナギナタモードを地面に突き立てた。
冷静な挙動により流れるようにドライバーを操作する。
≪ゴールドドラゴンフルーツスカッシュ!!≫
輝龍の右足が黄金に輝く。そのまま輝龍は走り出し、炎竜に向かって必殺技の輝龍蹴を放つ。
宙に跳び上がった輝龍の右足はそのまま前へ突き出され炎竜に向かって勢いよく進んでいく。
攻撃を中断された炎竜は咄嗟に竜炎刀で防御するが心技体が共に充足している輝龍を前に防御を突破され、地面に倒れ伏せるのだった。
炎竜が倒れたことで白銀、ヴァルキリー、ロード、エグゼリオンが輝龍の元へ駆け寄る。
地面に倒れた炎竜の変身は解除され、カシワバダイキは未だに止まぬ怒りの表情のままに輝龍を睨みつける。
「これが、これがお前の答えだって言うのか。それが正しいと?甘い、甘いんだよ!!何もかもが甘いんだよ!!」(ダイキ)
ダイキの怒りの言葉の中、輝龍たちの周囲にいたインベスたちも鎧武らの活躍によって全てが撃破された。
もう変身している必要がないことを確認した輝龍たちは変身を解除する。
「例え、俺の答えがあなたにとっては子どもの夢物語のような甘い代物だとしても。俺は、俺の答えを曲げるつもりはない。ここまで戦い続けてきた俺が、一夏、颯斗、陸、色々な仮面ライダーの先輩たちと戦って来た中で見つけた答えだ。当然、俺の愛する人と共に生きるために。」(大樹)
あくまで穏やかに、相手を刺激しない口調で話す大樹。そこにはただただ一人の人間として、目の前にいる別世界の自分を、別の道を歩んだ先達への敬意と自身の答えに対する確固たる意志が存在した。
side大樹
目の前で怒りの表情のままに俺を見つめるもう一人の俺がいる。今の俺よりも年齢を重ね、数多くの、数え切れないほどの戦いを潜り抜けた仮面ライダー。俺が憧れたであろう戦士として生きて来た俺、ファブニールと名乗った彼は俺にとってはどこまでもよく似ている他人でしかなかった。
この人にとっては俺はまだまだ未熟な過去の自分として映っているんだろう。だけど、この人が見ているのは俺であって俺ではない。それを、そのことをはっきり伝える必要がある。
「俺を成長させるため、ならここまでする必要は無かっただろ。」(大樹)
「なんだと!」(ダイキ)
「あんたが強くしたかったのは、ここにいる俺じゃなくて自分自身なんじゃないのか。」(大樹)
俺の言葉にファブニールの表情が強張った。
「違う、そうじゃない。俺は、俺は、君が二度と大切な人を失わないために...。」(ダイキ)
「ごめん、その気遣いは嬉しいけど。俺はもう俺の答えがある。」(大樹)
後ろから大きな音がする。振り返るとアベンジャーズのメンバーがその場にいた。
俺は皆に目配せをして、アベンジャーズのメンバーと位置を入れ替わる。
後のことはきっとファブニールの仲間であるアベンジャーズがやってくれるだろう。
sideファブニール=ダイキ
俺の前にアベンジャーズの面々が並ぶ。こんなことをしでかして、正直会わせる顔が全くない。
俺がそのまま俯いていると誰かが俺の襟を掴んで立たせた。
「自分で何をしているか分からないのか!!」(ソー)
ソーが怒り心頭で俺に言った。
「分かってたさ、だけど、俺は。何もせずにいられなかった。」(ダイキ)
「お前のやったことはサノスと同じだ。自分の正義だけで周りを考ずに、周りを苦しめた!!」(ソー)
ソーに捕まれる襟が首を絞める。そのソーにクリントが肩を置く。
「おい、そのままじゃあ殺しちまうぞ。一度離してやれ。」(クリント)
クリントの言葉にソーが俺を離す。かと思えば今度はクリントに殴り飛ばされた。
「全く、自分勝手にやるのはスタークに似てるな。」(クリント)
今のパンチで口の中が切れた。それでも、俺はクリントを見る。
「俺はそれで許してやる。だが、チームを蔑ろにしたのは許さんが。」(クリント)
クリントの言葉に俺は首を縦に振る。パンチ一発で済ませてくれた辺り、クリントはこれでチャラにするつもりみたいだ。
「お前とはそう付き合いが長い訳じゃないが、お前のことは嫌いじゃなかった。」(サム)
次に来たのはサムとバッキ―、スコットだ。スティーブと関わりの深い三人からは正直何が来るか分からない。
「だけど、今回のことは俺も許さない。チームの蔑ろにして、こんなことをしたのは許されないだろ。」(サム)
「ああ、サムの言うとおりだ。」(ダイキ)
「それだけじゃない、スティーブも今回のことを知れば落胆する。あいつは君のことをしっかりと評価していた。それだけに俺もがっかりだ。」(バッキ―)
サムとバッキ―からは厳しい言葉が投げかけられる。
「なあ、ダイキ。君とは付き合いが長い訳じゃないが、今回のことは皆が傷ついた。それだけは分かってくれ。それに、また君と一緒に仕事をしたい。だから、戻ってくれ。」(スコット)
「ここまで厳しいことを言われた中で一番それが堪えるよ、スコット。俺は、俺は君達の所に戻れない。」(ダイキ)
「大丈夫だ。犯罪者だった俺もアベンジャーズとして、アントマンとしてやっているんだ。なあ、また一緒にやろう。」(スコット)
スコット、その優しさが本当に俺には堪えるよ。そのスコットの言葉を否定しない辺り、サムもバッキ―もそう思っているのは想像に難くない。
最後に残っているのはローディ、ブルース、ピーター、ワンダ、ピエトロ。俺と最も親しい人たちが残っていた。
ピーターは何を言おうか考えているらしい。さっきからあまり落ち着きがない。
ピエトロは厳しい表情で俺を見る。ああ、かなり怒っているのがよく分かる。
ワンダは、、、もう俺の考えていることもここにいるメンバーの考えは分かっているな。それでも俺と話せるからか、俺の気持ちを知ってなのか安心した表情を見せる。
ブルースはただ、優しい表情で俺を見る。トニーと一緒に居る時に見せた、俺に向けている表情だ。
ローディは、トニーが面倒を起こした時に見せた表情を俺に見せていた。俺も、トニーを、ボスのことを強く言えないな。
「その、ごめん皆。」(ダイキ)
「そうだな。トニーの奴と同じくらいに迷惑をかけてたな。」(ローディ)
「あのさ、ダイキがこんなことをした理由って?その、この世界を滅ぼすんじゃなくて?」(ピーター)
「いや、世界を滅ぼす気はないよ、ピーター。そこが目的じゃない。」(ダイキ)
俺の言葉を聞いて苦い表情になるローディ。ピーターに至っては困惑している。
「ダイキ、なぜ何も言わなかった。」(ピエトロ)
「ピエトロ、待って。」(ワンダ)
「ワンダ。」(ダイキ)
「さっき言った通り、なんでしょ。」(ワンダ)
ピエトロが厳しく表情で俺に問い掛ける。それをワンダが遮り、俺に言った。
ワンダの言う通り、いやワンダにはもう全てが明かされてしまった。否定したところでそれは意味をなさない。
「ダイキ、君のやることは終わった。そうじゃないのか?」(ハルク)
ブルースが俺の肩に手を乗せる。ハルクの姿でそんなことを言われるのは未だに慣れないが、遠くにいる彼らを見て、俺のしようとしたこと、ここまでにしたことが完全に終わったことを嫌でも理解させられた。納得したくはないが。
「認めたくないさ。ここまで来たのが無駄になる。」(ダイキ)
「無駄じゃない、お前が歩んできたことは無駄じゃない。お前が居たことで俺達はチームになれたんだ。アベンジャーズを一つにしたのはダイキ、君だ。それまで否定するのか?」
ローディの言葉に、アベンジャーズの、トニーとの日々を思い出す。
「否定できるか、否定できるわけないだろ。」(ダイキ)
全てを失い、紘汰の星に時々立ち寄りながらも腰を落ち着かせていたアベンジャーズの世界。全てを失った俺を優しく受け入れてくれた仲間たち、ここまでに歩んできた数多くの世界でのことを否定したことは一度もない。
「さあ、戻ろう。帰ってやることがたくさんあるからな。」(ローディ)
アベンジャーズの仲間たちが俺を受け入れる。でも、このままでは、俺のしたことにけじめが付かない。
「その前に、彼らに謝罪するよ。迷惑をかけたから、せめてそのくらいは。」(ダイキ)
俺の言葉に各々が納得した表情を見せる仲間たち。俺はそのままこの世界の俺の元へ,,,,,,,,
「それでハッピーエンドは無いだろ?なあ、ファブニール。」(魔蛇)
その瞬間、俺の背中が急に熱くなった。
side3人称
ファブニール=ダイキのそばにいたアベンジャーズの仲間たちは異変に即座に気付いた。だが、気付いた時には遅かった。
「ッ!ガハッ!!」(ダイキ)
「ここまでお互いに利用し合っていたんだ、お前が俺を利用した分、しっかりと返してもらわないとなぁ。」(魔蛇)
ファブニール=ダイキの背後に突如として出現した魔蛇は黄泉丸を手にしていた。その黄泉丸の刃は深々とファブニール=ダイキの背中から胸まで刺し貫かれていた。
「ダイキ!!」(ワンダ)
アベンジャーズは即座にファブニール=ダイキを助けるべく動くが、すぐさま魔蛇は姿を消す。
突如、姿を見せた十三異界覇王大戦の黒幕に大樹たちも即座に警戒態勢を取る。
「魔蛇!!」(紘汰)
「おう、葛葉紘汰。そして、地球の仮面ライダーたちよ。俺の名は魔蛇、ヘルヘイムの化身だ。それと、柏葉大樹。お前にはこちらの姿の方が分かりやすいか。」(魔蛇)
魔蛇はその姿を骸骨の姿から藤村正東、かつて世界を滅ぼそうとした柏葉勇吾の配下としての姿に変わった。
「お前、兄貴の所に居た奴か。」(大樹)
「覚えてくれていたようで嬉しいよ。お前の兄貴は本当に良く動いてくれたよ。俺がそそのかしたら、そのまま育ての親を殺したんだからな!!」(魔蛇)
魔蛇の言葉からかつての、大樹の幼い頃に起きた事件が魔蛇の手によって引き起こされたことを明かされた。ここに来て思わぬ事実が判明したことで大樹の中に決して小さくない衝撃が走る。
「そうか、お前が兄貴を。」(大樹)
その眼に怒りの感情を燃やしながらロックシードを構える大樹。
「むかつく眼をしているな。だが、お前の相手は俺じゃない。」(魔蛇)
そう言うと魔蛇は自身の近くにクラックを出現させる。
出現したクラックからはヘルヘイム植物で拘束されている黒崎修羅が現れた。
「さて、お前たちガキどもはガキ同士でやりあえ。ほら、やれ。」(魔蛇)
魔蛇の指示で動き始める修羅。だが、その表情はどこか虚ろだった。
修羅はそのままビルドドライバーを装着、シュバルツワイバーンとワイバーンフルボトルを使い仮面ライダーシュバルツに変身した。
仮面ライダーシュバルツはそのまま大樹たちに襲い掛かる。
大樹たちはそれぞれ変身、シュバルツと戦闘を始める。
「さあ、散々引っ掻き回してくれな。その礼として受け取れファブニール!!そこでお前が築こうとしたものが、護りたかったもの全てが壊れるのを見ていろ!!」(魔蛇)
魔蛇は倒れ傷口を抑えるファブニール=ダイキを見て高らかに宣言する。その宣言と共に無数のクラックが開き、中から無数のインベスたちがヘルヘイム植物と共に姿を見せる。
魔蛇はゲネシスユニットをセットした戦極ドライバーを装着する。
「さあて、俺のロックシードも返してもらったわけだ。」(魔蛇)
魔蛇はいつの間に奪い取った邪王ロックシードを手にする。すると邪王ロックシードから魔蛇ロックシードが分離、それらは魔蛇の手から離れて戦極ドライバーにセットされた。
「さあ、終わりの始まりだ!変身!!」(魔蛇)
≪ロック、ロック。オン、オン!!魔蛇アームズ!邪の道は蛇。邪王アームズ!!邪悪王、オンダークフィールド!!≫
魔蛇を漆黒の瘴気が包み込む。次の瞬間、漆黒の瘴気は吹き飛び骸骨の蛇の鎧を纏った邪悪な鎧武者=仮面ライダー魔蛇・魔蛇邪悪王アームズが顕現した。
十三の邪悪なる覇王の力を纏い、ヘルヘイムの化身が暴威を振るう。
仮面ライダー魔蛇、全てを破壊すべく強大な力を使いヘルヘイムからの侵略を開始した。その中で仮面ライダーシュバルツと戦う仮面ライダー輝龍たち。敵に心を奪われたシュバルツを救うべく鎧武の力を借り、シュバルツの精神世界へ飛ぶ。一方、深手を負ったファブニールは最後の力を振り絞り、輝龍たちに次へ託す。
三龍集いし時、龍王が覚醒する。
≪龍王アームズ!!三龍轟一!!≫