IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍   作:柏葉大樹

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 明けましておめでとうございます。
 仮面ライダー輝龍最新話、長らくお待たせしました。
 一か月もお待たせしてしまい申し訳ございません。今回で第2部十三異界覇王編のファブニール編が完結します。過去最長の話となりました。ボリューム満点の第28話を楽しんでいってください。それでは、どうぞ!


仮面ライダー輝龍 第28話 十三異界覇王大戦編 第2章 龍王覚醒・アベンジャーズアッセンブル

side三人称

 「さあ、この世界の全てを破壊してやる!やれ!!」(魔蛇)

 

 仮面ライダー魔蛇・魔蛇邪悪王アームズは無数のクラックを開き、ヘルヘイム植物とインベスによる侵略を開始した。

 

 「やらせるか!!皆、行くぜ!!」(紘汰)

 「はい!」(光実)

 「ああ!」(ザック)

 「ああ、もう。やるしかないか!」(城之内)

 「ワテクシ達も。」(鳳蓮)

 「そうだな。」(貴虎)

 

 魔蛇の行動から紘汰たちも変身、鎧武は魔蛇と、龍玄らは無数に出現したインベスたちと戦い始める。

 そんな中で魔蛇の攻撃を受けたファブニール=ダイキは膝を着き、胸の傷を抑える。

 

 「ダイキ!!」(ワンダ)

 

 アベンジャーズの面々がファブニール=ダイキの元に駆け寄る。

 ファブニール=ダイキの傷は深く、一目見てファブニール=ダイキが長くないことは分かった。

 

 「流石に...これはダメかもな。」(ファブニール=ダイキ)

 

 それはファブニール=ダイキも分かっていた。だが、ファブニール=ダイキは強い眼差しで近くで戦っている輝龍たちを見る。

 

 「でも、まだ死ねない。まだ、やることがある。」(ファブニール=ダイキ)

 

 ファブニール=ダイキはその強靭な精神力でなんとか自身を保っていた。

 

 「ワンダ、俺の傷を何とかふさぐことはできないか。」(ファブニール=ダイキ)

 「出来ないわけじゃないけど、それよりも早く手当てをしないと!!」(ワンダ)

 

 誰が見ても一刻も速い手当てが必要な怪我、それをファブニール=ダイキも理解していた。だが、それ以上にこの傷により自分の命がそう長くないこともよく理解していたのはファブニール=ダイキ本人だった。その上で彼は自身のやるべきことを最期の瞬間まで果たそうとしていた。

 

 「頼む。こんなことをして、この事態を引き起こした以上、俺はあそこにいる彼らにやらなくちゃいけないことがあるんだ。だから、頼むワンダ。ほんの少しだけで良い、ほんの少しだけ俺が最後までそれをするために。」(ファブニール=ダイキ)

 

 ファブニール=ダイキの強い眼差しを受け、ワンダは彼の決意が固いことを理解する。それが家族の他に愛した男の最期の願いでもあることを読み取ってしまった。だからこそ、ワンダもファブニール=ダイキの決意を、その意思を尊重した。

 

 「分かったわ。でも、私だけじゃ完全にはふさげない。皆の手も借りるわ。」(ワンダ)

 「ああ、頼む。」(ファブニール=ダイキ)

 

 ワンダがファブニール=ダイキの傷に手を当てる。彼女の念動力を受けて徐々に塞がり始める傷。その傷をピーターがウェブシューターから出した糸で保護、ハルクとスコットはハルクが持っているデバイスで疑似的なペースメーカーを作成しファブニール=ダイキの傷ついた心臓に埋め込む。

 

 「とりあえず、今は何とかなるだろう。だけど、ダイキ。これはあくまで応急措置だ。今の君の状態だと長く持たない。それは分かってくれ。」(ハルク)

 「大丈夫だ。ここまでしてもらえば、十分だ。」(ファブニール=ダイキ)

 

 ファブニール=ダイキは何とか力を振り絞り、ドラゴンフルーツロックシードを起動する。

 

 「変身。」(ファブニール=ダイキ)

 

 ファブニール=ダイキは仮面ライダー炎竜ドラゴンフルーツアームズに変身するとふらつきそうになる体を奮い立たせる。

 

 

 

 

 

 

sideファブニール=ダイキ

 ほんの少しでも気を抜いてしまえば意識を失いそうになる。

 何とか気力を振り絞り、気を強く持つ。

 懐にある黄金の果実を、マドカから託された思いを決して無駄には出来ない。

 

 「マドカ、もう少しだけ、もう少しだけで良いんだ。力を貸してくれ。」(ファブニール=ダイキ)

 

 届くかどうかわからない。とうに愛想をつかされているかもしれない。それでも、それでもその思いを口にする。

 俺は戦いの場となっている目の前の、紘汰たちとこの世界の俺を見据える。

 

 「スティーブ、トニー。これが俺の最期の戦いだ。力を貸してくれ。」(炎竜)

 

 この場に居ない、戦いの場を離れた仲間と死ぬ最期の瞬間まで戦った俺のボスに言った。

 俺は息を大きく吐き、後ろにいるアベンジャーズの仲間たちを見る。

 ローディ、ブルース、ワンダ、ピエトロ、ピーター、ソー、クリント、サム、バッキ―、スコット。こんな俺を止めるためにマルチバースを飛んで来た仲間たち。その仲間たちに頭を下げる。

 

 「頼む、力を貸してくれ。」(炎竜)

 

 俺の言葉に沈黙が返される。その次の瞬間、俺の肩に手が置かれた。

 顔を上げる皆が既に準備を終えた姿で居た。

 

 「さて、さっさと終わらせて祝杯だ!!」(ソー)

 「一先ず、帰ったあとは俺の家族サービスに付き合え。」(クリント)

 「俺とバッキ―の仕事、手伝ってもらうか。」(サム)

 「仕事を手伝ってもらうよりもスティーブのところへ行ってもらおう。」(バッキ―)

 「さあ、仕事にとりかかろう。」(スコット)

 「じゃあ、皆で一緒に!!」(ピーター)

 「あなたの手伝いならいつでもするわ。」(ワンダ)

 「準備は出来てるだろ?時間が無いならさっさとやろうか。」(ピエトロ)

 

 俺の肩に手を置くローディとブルース。その表情は戦いの場で何度も見た表情だった。

 

 「さあ、行こうかサムライボーイ。」(ローディ)

 「今日は僕もかなり怒っているからね。目一杯暴れさせてもらうよ。」(ブルース)

 

 傷が痛むのを押して俺はアベンジャーズの輪に加わる。そんな時、俺の持っている黄金の果実から黄金色の波動が溢れ、目の前に二つの時空の裂け目が生じる。

 俺達の目の前で時空の裂け目から見知った二人の人物が現れた。一人はアメリカの国旗、星条旗を模したコスチュームにシールドを持った人物、もう一人は赤と金に彩られ、胸部に輝くリアクターを装備した男だった。

 

 「おいおい、こんなことがあるのか。」(ローディ)

 

 驚くローディのセリフに他の皆も驚愕を禁じえなかった。ただ、俺だけはこの現象が誰の手によって起きたのか、ここに呼び出された二人の人物をしっかりと認識した。

 

 「ごめん、引退したっていうのに。」(炎竜)

 「仲間が戦っているんだ、呼ばれたらそれに応じるべきだろう。」(シールドを持った男)

 「全くだ。こっちは死んだっていうのに、君の彼女が君に力を貸せってうるさくてね。それで、どんなことに首を突っ込んだんだ、サムライボーイ?」(赤と金の男)

 

 ボロボロの体のことを忘れる程の衝撃。そして、それ以上の安心感が俺の胸中を満たす。

 

 「ハハッ、いや、我が彼女ながら素晴らしいことをしてくれたよ。」(炎竜)

 「こっちは良い迷惑だ。それで、僕の力が必要か?」(鋼鉄の男)

 

 俺の言葉にシールドを持った男=スティーブ・ロジャースことキャプテンアメリカと赤と金の鋼鉄の男=トニー・スタークことアイアンマンが加わる。

 かつての戦いで俺達と共に巨悪サノスと戦った最初のアベンジャーズが、俺の信頼するボスと歴戦のソルジャーが帰って来た。

 トニーの言葉に俺は首を縦に振る。

 

 「よし、皆準備は良いな。」(スティーブ)

 

 スティーブの声かけに全員が武器を、能力を開放する。それを見たスティーブは目の前のインベスたちを見据える。

 

 「アベンジャーズ!!アッセンブル!!」(スティーブ)

 

 スティーブの掛け声に俺たちアベンジャーズが無数のインベスたちを攻撃していく。瞬く間になぎ倒されるインベスたち。俺は開かれた道を走り出し、この世界の俺が戦っている場所へ向かう。

 迫ってくるインベスを俺は竜炎刀で切り伏せる。その俺の行く道をトニーが、ローディが、ブルースが切り開いてくれる。

 

 「さあ、行ってこいサムライボーイ!」(アイアンマン)

 「言われずとも!!」(炎竜)

 

 ボスの、トニーの声に俺は力強く駆け出す

 

 

 

 

side三人称

 仮面ライダーシュバルツと戦う輝龍ドラゴンフルーツアームズ。その近くで共に戦うのは白銀シルバーエナジーアームズとヴァルキリーブルーベリーアームズである。

 ロードタイプデッドヒートハートとエグゼリオンレベル2は輝龍ら3人がシュバルツとの戦闘に集中できるようにインベスたちを対処していた。

 仮面ライダーシュバルツはその爪を輝龍、白銀、ヴァルキリーに振るう。輝龍たちは襲い掛かるシュバルツの攻撃をいなし、なんとか抑え込もうとする。

 

 ≪ワイバニックフィニッシュ!!≫

 

 シュバルツはビルドドライバーを操作し、漆黒の迅雷を纏い輝龍たちに回し蹴りを放つ。

 突然の必殺技により、ダメージを受けてしまう輝龍、白銀、ヴァルキリー。

 一撃を受け、距離が離れるがそこをシュバルツは追撃する。

 

 「おい、大樹!!あいつは一体何なんだよ!?さっきからとんでもなく強いぞ!?」(白銀)

 「一言で言えば、もう一人の俺だよ。俺の中にあった負の感情、それがあいつだよ。」(輝龍)

 「一夏兄さん、大ちゃんの言う通りだよ。でも、この人の様子が変だよ。まるで、機械みたい。」(ヴァルキリー)

 

 シュバルツとの戦いの中で白銀は輝龍に疑問をぶつける。その疑問に輝龍も答えるものの戦いの中ということもありその会話も続かないが。

 ヴァルキリーの言葉の通り、シュバルツの動きは本来の獣のような荒々しいものでは無く機械的な単調なものとなっている。それでも、その攻撃の鋭さはかなりのものである。

 

 「ああもう、全くキリが無いよ。」(ロード)

 「確かに、さっきから倒しても倒してもどんどん出てくるしな!!」(エグゼリオン)

 

 一方でロードとエグゼリオンはクラックから際限なく現れるインベスの対処に追われていた。一撃でインベスを殴り倒すロード、ガシャコンスピアーで複数のインベスをまとめて切り裂くエグゼリオン。それでもなお、現れるインベスは終わりが無かった。そして、それは歴戦のアーマードライダーたちも同じだった。

 

 ≪魔蛇スパーキング!!邪悪王スパーキング!!≫

 「フン!!」(魔蛇)

 

 魔蛇が戦極ドライバーを操作し、黄泉丸を振るい巨大な蛇のオーラとなった斬撃で鎧武たちを攻撃する。

 強化体となった魔蛇の一撃は鎧武たちの周囲に大爆発を複数引き起こし鎧武たちを襲う。

 魔蛇の攻撃を受けた鎧武たちはそのダメージの大きさに全員が変身解除まで追い詰められた。手傷を追う光実、ザック、城之内、貴虎、鳳蓮。さらに紘汰は本来の姿である始まりの男としての姿をさらしている。

 

 「どうだ?これが俺が求めた究極の力。世界を滅ぼし続けた13体の覇王の力を束ねた邪悪王アームズの力は!!」(魔蛇)

 「まさか、ここまでの力を。」(紘汰)

 「ファブニールの奴はセーブしていたからな。だが、俺はこの力を思う存分に振るわせてもらう。あいつが守ろうとしたこの世界を破壊しつくしてな!!」(魔蛇)

 「そんなことをさせてたまるか!!変身!!」(紘汰)

 ≪極アームズ!大・大・大将軍!!≫

 

 遂に紘汰は最強にして真の姿、仮面ライダー鎧武極アームズに変身する。

 

 ≪バナスピアー≫

 「はあ!!」(鎧武)

 

 鎧武はバナスピアーを召喚し魔蛇に斬りかかる。魔蛇も負けじと応戦する。

 ここまでの十三異界覇王との戦いとは比にならない激しい戦い。応戦する誰もがこの戦況を変えるための何かを見つけ出せずにいた、ただ一人を除いて。

 輝龍たちの元へ駆けつける迫りくるインベスたちを次々と切り伏せる炎竜。襲い来る初級インベス数体を竜炎刀の一太刀でもって切り伏せていく。複数現れる上級インベスも冷静に対処していく。だが、シカ、セイリュウ、イノシシといった巨大インベスたちまでも姿を見せる。その巨体から繰り出される攻撃を前に炎竜の足が止まる。

 

 「時間が無いってのに、こいつらは少し骨が折れるな。」(炎竜)

 

 目の前に現れた巨大な獣を前にどう突破するか考える炎竜。そこに、炎竜の後方から無数のミサイルや光線が巨大インベスたちに当たる。

 炎竜の後方から勢いよく飛んで来て着地したのはアイアンマンとウォーマシーンだった。二人はアーマーに内蔵された銃火器を始めとした装備を存分に使用する。

 次々と叩き込まれる強力な兵器により巨大インベスたちは倒れ伏していく。

 

 「先を急げ、ダイキ!」(ウォーマシーン)

 「ほら、行った行った。」(アイアンマン)

 「ボス、ローディ。サンキュー!!」(炎竜)

 

 炎竜はアイアンマンとウォーマシーンに礼を言うと再度駆け出す。その後ろ姿を見るアイアンマンとウォーマシーン。すぐにインベスたちに注意を戻すと背中合わせになって攻撃していく。

 

 「全く、またお前と戦うなんてな。」(ウォーマシーン)

 「文句ならサムライボーイのガールフレンドに言ってくれ。こっちは休暇中だったんだ。」(アイアンマン)

 「そうかい、そうかい。まあ、お前とまた戦えて良かったよ。」(ウォーマシーン)

 「僕もだ。君と、ピーター。そして、ダイキとまた会えた。」(アイアンマン)

 

 感傷に浸りながらも戦う二人。その仮面の下の表情は共に笑顔だった。

 アイアンマンとウォーマシーンの助力で遂に輝龍たちのところまで数mまで来た炎竜。最後に群がるインベスたちを強化した竜炎刀の一撃で撃破する。

 遂に道が開いたことで炎竜はロードとエグゼリオンに迫るインベスを切り伏せる。

 突如、救援に来た炎竜ーファブニールに動きが止まるロードとエグゼリオン。

 

 「あれ、ええと。あ、ありがとうございます。」(ロード)

 「うっす。」(エグゼリオン)

 

 なんとも気の抜けた感謝の言葉を述べるロードとエグゼリオン。

 その二人に対して炎竜は竜炎刀を持ったまま輝龍たちがどこにいるか指を指す。

 

 「あそこ、あいつらが困っているみたいだから。良いか?」(炎竜)

 

 炎竜の言葉にロードとエグゼリオンは顔を見合わせるも炎竜が輝龍たちのところへ行けるように道を開けた。

 

 「ありがとう。」(炎竜)

 

 炎竜はそう言うと輝龍たちの元へ向かった。

 それを呆然と見ているロードとエグゼリオンだったが再び殺到してきたインベスを見て、再度戦い始めるのだった。

 その頃、シュバルツが再度ビルドドライバーを操作していた。再びエネルギーをチャージして強力な一撃を入れようとしていた。

 輝龍たちは何とか応戦していたものの、確実に相手を無力化するための一撃を放つ決心が付かないでいた。だが、輝龍だけはその決心がやっと着いたのだった。

 前世において仲間たちを手に掛けたことで発現した人格であるシュバルツ=黒崎修羅を、輝龍=大樹はいざという時には自分で倒すことを決めていた。

 

 「恨みがあるわけじゃない、だけどこうなった以上は、もう。」(輝龍)

 

 輝龍が戦極ドライバーに手を掛けようとした時だった。

 

 ≪ドラゴンフルーツオーレ!!≫

 

 輝龍のそばを赤い斬撃が飛び、エネルギーをチャージしていたシュバルツに命中した。

 大技を中断され、シュバルツは自身を攻撃した相手を注視する。

 輝龍も攻撃が放たれた方向を見る。そこには白銀とヴァルキリーを守るように立つ炎竜の姿があった。

 突如、加勢に来た炎竜に対し白銀もヴァルキリーも呆気を取られるも輝龍はすぐに切り替えてシュバルツの方を向く。

 

 「さて、厄介なことになっているな。」(炎竜)

 「あんたが、魔蛇にあいつを操るよう指示したのか。」(輝龍)

 「いや、俺は何もしていない。そもそも、目の前の彼は紘汰の手によって肉体を得た。魔蛇にとって洗脳するのに苦労する相手では無いということだ。」(炎竜)

 

 輝龍と炎竜は会話するもシュバルツはそのまま二人に攻撃を仕掛ける。

 シュバルツの攻撃に散開する輝龍と炎竜。輝龍はシュバルツの攻撃を凌ぎながら炎竜に話しかける。

 

 「何か手がある?」(輝龍)

 「黄金の果実の力で彼の精神世界に入り込む。そこで彼の洗脳を解いてやる。少なくともそれで魔蛇の支配下から脱するはずだ。」(炎竜)

 

 炎竜が黄金の果実を取り出し、シュバルツを魔蛇の呪縛から解放する方法を話す。それでもなお、半信半疑である輝龍。そこに白銀とヴァルキリーが声を掛ける。

 

 「大樹。このおっさんが言うなら他に方法はないんじゃないのか?」(白銀)

 「一夏。でも、何があるか分からないんだぞ。」(輝龍)

 

 呪縛を開放するとは言え、魔蛇による罠の可能性も有る。そもそも、前世にて分離した自分の負の人格であるシュバルツ=黒崎修羅のことを輝龍=大樹はかなり危険視していた。そのことから今回のことも含めてすぐに決心が付くことは無かった。

 そこへ襲い掛かるシュバルツ。それを黄金の果実を仕舞い炎竜が応戦する。

 

 「しばらくは俺が抑える。早い内に結論を出してくれ。」(炎竜)

 

 そう言ってシュバルツと戦い始める炎竜。

 その様子を見る中で悩む輝龍。そこにヴァルキリーが寄り添う。

 

 「大ちゃん。」(ヴァルキリー)

 「万夏。」(輝龍)

 「あの人がどんな人だろうと、大ちゃん自身なんでしょ。そうじゃなくても大ちゃんと関係のある人ならなら、大ちゃん自身が助けるべきでしょ。」(ヴァルキリー)

 

 幼い頃からの愛称で輝龍=大樹のことを呼ぶヴァルキリー=万夏。そのヴァルキリーの言葉に輝龍はただヴァルキリーを見つめる。

 

 「行って。私達は大丈夫。」(ヴァルキリー)

 

 その一言がついに輝龍の背中を押した。これまで口を閉じていた輝龍がそのまま炎竜とシュバルツの処へ向かう。

 

 「すぐに終わらせる。終わったらすぐにこの戦いを終わらせよう。」(輝龍)

 

 そう言って走り出す輝龍。それを見送る白銀とヴァルキリー。

 

 「やっぱり、万夏の言うことは素直に聞くよな。」(白銀)

 「一夏兄さんと違うから。一夏兄さんとは親友、でしょ?私はそうじゃないから。」(ヴァルキリー)

 

 輝龍が言ったのを見て話し合う白銀とヴァルキリー。そのヴァルキリーの言葉はどこか明るい空気があった。

 

 「なんでだよ。」(白銀)

 「だって、私は大ちゃんの恋人だから。」(ヴァルキリー)

 

 その発言から親友への大きな信頼を感じた白銀。それと同時に自分の言葉がその親友を動かすということをよく理解してそれを利用する女性として強かな部分も感じ取っていた。

 

 「分かった分かった。じゃあ、俺達は大樹の邪魔をさせないようにするか。」(白銀)

 「うん。」(ヴァルキリー)

 

 親友を、恋人を守るべく二人は自分たちの武器を手に取り襲い来るインベスたちと戦い始める。

 輝龍は炎竜に攻撃をするシュバルツを蹴り、距離を取った。

 

 「決心は付いたか?」(炎竜)

 「ああ。」(輝龍)

 「じゃあ、始めるぞ。」(炎竜)

 

 炎竜は黄金の果実を取り出す。次の瞬間、黄金の果実から黄金の波動が放たれる。

 黄金の波動を受けた輝龍と炎竜の精神はシュバルツの精神の中へ入っていった。

 

 

 

 

 

 

side大樹

 意識がほんの一瞬途切れた瞬間、俺は見慣れた場所に居た。

 

 「ここは、俺の家、か。」(大樹)

 

 俺が幼い頃住んでいた家、正確には前世の世界で過ごしていた最後は自ら燃やした実家だった。

 

 「ファブニール!?どこにいる!!」(大樹)

 

 近くに誰も居ないことからファブニールを呼んだ。それでも、誰も返事をすることは無かった。

 ここで待ち続けるのが本来なら正しい選択かもしれない。ただ、ここはもう一人の俺の精神世界。魔蛇の洗脳を受けているなら何が起きるか分からない。待っているよりもどこかにいるもう一人の俺を探すべきだろう。

 

 

 

 

 

 

sideファブニール=ダイキ

 意識が戻った瞬間、俺は暗闇の中に居た。

 

 「さて、狙い通りだな。彼の救助はここの俺に任せるとして俺はお前を倒すべきだからな。」(ファブニール=ダイキ)

 

 そう。魔蛇のやった洗脳がどういったものか分からない。だが、精神を縛ることでコントロールしているならそのコントロールを魔蛇側と彼の側から揺さぶってやれば良い。

 

 「なる程な、葛葉紘汰と戦っている今なら精神操作を解除できると考えたか。」(魔蛇)

 

 俺の目の前には魔蛇がいる。骸骨の顔には表情はないがその声音からはかなり不機嫌になっていることが分かった。まあ、紘汰の相手をしながら精神操作なんて芸当は難しいだろうからな。

 

 「流石のあんたも黄金の果実による介入には抗えないだろう。」(ファブニール=ダイキ)

 「今の俺は十三異界覇王の力がある。お前程度の介入など大したことは無い。」(魔蛇)

 

 この精神世界にダグバ、オーズ、アマゾンネオ、ドラスを出現させる魔蛇。ダグバたちは俺に襲い掛かるが彼らと俺の間に黄金の障壁が現れる。黄金の障壁により彼らは俺に傷を付けることは出来ない。

 その様子を見た魔蛇は何が起きたか理解して驚愕した。

 

 「何!?黄金の果実がお前を守っただと!!」(魔蛇)

 「この黄金の果実はマドカが手にしたもの。ずっと、彼女が意思があったんだよ。ここでは始まりの女となった彼女の力で俺に干渉することはできない。さっさと居なくなってもらうぞ。」(ファブニール=ダイキ)

 

 黄金の果実の力を使い、この世界から魔蛇を追い出す。

 魔蛇が消えたことで暗闇を構成していた漆黒の靄が晴れていき、彼の心の世界が見えて来た。

 

 「想像はしていたが酷いな。」(ファブニール=ダイキ)

 

 ありとあらゆる場所が荒廃し燃えていた。IS学園を始めとしたありとあらゆる物が崩れ燃えていた。

 俺の世界の最期の瞬間を思い出し、胸糞悪い思いを抱くが俺は歩き出す。きっと、ここの俺が彼を見つけているはずだ。

 

 

 

 

 

side大樹

 俺は最初に居たリビングから自分の部屋がある2階へ上がった。ただ、家の中を見ていくとなつかしさよりもどこか落ち着かない、他人の家を見ている感覚だった。どうしてなのかを考えながら2階の奥に進むとそこに俺の部屋があった。ドアノブに手を掛けて開くとそこは俺の部屋ではない全く別の空間が広がっていた。そこは俺の心の傷にもなっているあの日のIS学園だった。アリーナも校舎も何もかもが壊れてしまっていた。そこに、もう一人の俺が居た。

 

 「があ!!どこだ!!どこだ!!おい、どこに行きやがった!!」(修羅)

 

 漆黒の竜炎刀を乱暴に振り回すその姿は前世の世界での死に様を思い出した。だけど、その記憶を思い出すよりも、その姿を見てどこか胸が締め付けられる感覚を覚えながら俺は少しずつ少しずつ距離を詰めていった。

 

 「ふざけるな、ふざけるな!!俺から全てを奪って、そのまま、そのまま、あああああああああああああああああ!!」(修羅)

 

 誰に聞かせるでもない怒りの感情が乗った言葉を吐き続けるもう一人の俺。その姿は、その姿を見て俺は予想していた感情が、怒りも悲しみも後悔も湧いてこなかった。その姿を、感情を見てももう俺はもう一人の俺のことを自分の一部とは違う者として見ていた。

 

 「俺が君に言ったとおりだ。マルチバースにおける自分はあくまで違う世界を生きる別人だ。あそこにいるのは君のもう一つの人格ではない。もう、別の人物だ。」(ファブニール=ダイキ)

 

 近くにファブニールが来ていた。俺は、俺は修羅の姿を見てあの時に感じた感情も何もかも思い出すと思った。怒り、悲しみを始めとした感情が出てくると思った。でも、感じたのは胸を締め付ける苦しさだった。そして、今まではただ自分が憤怒や憎悪の感情に飲まれている者と思っていた彼の姿は、大声で泣く子供のように見えた。

 

 「そっか、もう俺はあいつにとっての自分じゃなかったんだ。苦しんで生きた俺が、近くの人から優しさと愛情を受けて育った僕と混ざったから。あそこにいるもう一人の俺はもう俺じゃなかったんだ。」(大樹)

 

 そう、ここにいる俺は前世で戦った俺そのものじゃない。この世界を生きて来た僕と前世で戦った俺が一つに溶け合った存在。別れた瞬間からもう彼は俺じゃなかった。

 どこまでも似通った他人。それでも見ず知らずの他人ではない彼の姿はとても痛々しかった。気付けば俺は彼に声を掛けられる距離まで歩いていた。近づくたびに彼の姿が今の俺から段々と幼くなっていく。その姿は家族の温もりを求めているようで、涙を流しながら怒っていた。そして、俺が触れる程の距離まで来た時に彼の姿は前世で俺が大人になろうとした年齢まで止まっていた。

 

 「返せ!返せ!返せ!」(修羅)

 

 幼くなった彼は体格に合わない竜炎刀を振り回す。それを俺は優しく止めた。

 止められて怒りの感情のままに俺に竜炎刀を振るうもう一人の俺。だけど、俺はただ彼を抱きしめた。自分がこれまでにしてもらっていたように。

 

 「ごめんな、ずっと一人にして。もう大丈夫。大丈夫だよ。」(大樹)

 

 彼を抱きしめて思い出した。前世の俺は仕事中心の両親と親子の時間が無かった。転生して記憶を持っていた俺はどこか大人であろうとした、幼い自分の心を押し殺して。俺が抱きしめている彼は、戦いの日々の中で生まれた負の感情じゃない。俺が切り捨ててきた幼い俺だった。親の愛情を求めた寂しさを抱えた少年だった。まわりへの怒りを貯めて、その怒りをぶつけることしか知らない幼い俺だった。

 

 「もう一人じゃないよ、俺がいるから。」(大樹)

 

 そう言うと彼は竜炎刀を持った手を下ろした。

 

 「あ、あ、あ、あああああ!!」(修羅)

 

 そのまま大声を上げて泣き始める。抱きしめ続ける中で大声で泣き続けるもう一人の俺。彼も俺のことをきつく抱きしめ続けながら大粒の涙を流しながら大声で泣き続ける。俺はそのまま彼の背中をさすり続ける。ひとしきり泣いて落ち着いたのか、彼は俺を見る。

 

 「お兄ちゃんは僕を一人にしない?」(修羅)

 

 その問いかけに俺は頷いた。

 

 「ああ。一人にしないよ。お兄ちゃんの他にも美人なお姉ちゃんや優しい友達や家族が居る。」(大樹)

 「本当?」(修羅)

 「あのさ、名前聞いても良い?」(大樹)

 「名前、僕の名前は、修羅。スコールとオータムがくれた名前。」(修羅)

 

 6歳の俺が、スコールとオータムが名付けた名前を教えてくれた。二人の名前が出たことから決してひどい関係では無いことが分かった。

 

 「よろしく、修羅君。」(大樹)

 「うん!!。」(修羅)

 

 修羅が笑顔で頷く。すると、修羅の右手が黒く輝きそこから黒色のワイバーンが描かれたロックシードが現れた。

 修羅は不思議そうにそれを見るがそれを俺に差し出す。

 

 「これ、お兄ちゃんに。」(修羅)

 「いいの?」(大樹)

 「うん!」(修羅)

 

 俺は修羅から新たなロックシード、ワイバーンロックシードを受け取る。その瞬間、俺達は光に包まれた。

 

 

 

 

 

side3人称

 現実世界、炎竜の手でシュバルツの精神世界に入った輝龍たちを守って白銀達が奮闘していた。だが、戦っているものたちは皆疲弊していた。

 

 「まだか、大樹の奴。」(白銀) 

 「もう限界だよ。」(ロード)

 「俺もゲージが危険域だぜ。ここで撤退なんて、できないもんな。」(エグゼリオン)

 「まだ、大ちゃんが、大樹が帰っていない。まだ、やるよ。」(ヴァルキリー)

 

 体力が限界に達しようとしているフューチャージェネレーションライダーズ。別の場所で戦っている鎧武極アームズと魔蛇邪悪王アームズの戦いも拮抗していた。アベンジャーズたちも次から次へと殺到するインベスに疲弊していた。

 その場にいた誰もが心が折れそうなその時だった。炎竜、輝龍、シュバルツの居た場所から黄金の波動が放たれ辺りに居たインベスたちを一瞬のうちに消し去った。

 黄金の波動が消えると変身を解除した大樹とファブニール、幼くなり6歳ほどになった修羅が居た。

 

 「皆、待たせてごめん。」(大樹)

 「おせえよ。」(白銀)

 「とりあえず、交代。休憩させて。」(ロード)

 

 大樹は修羅をヴァルキリーのそばへ案内すると修羅に話しかける。

 

 「よし、兄ちゃんはあそこの悪い奴を倒してくるから。姉ちゃんのそばに居るんだぞ。」(大樹)

 「うん!」(修羅)

 「ねえ、大樹。この子は?もう一人の大樹は?」(ヴァルキリー)

 「この子がそうだよ。もう、戦うことはできないけど。俺が戻るまで一夏たちと一緒に頼む。」(大樹)

 

 大樹の言葉にやや戸惑うもヴァルキリーはすぐに了承した。

 

 「分かった。気を付けて。」(ヴァルキリー)

 「おい、行く前にこれを持っていけ。」(ファブニール=ダイキ)

 

 ファブニールが大樹を呼び止めるとデュアルギアとファブニールロックシードを渡す。

 

 「魔蛇にどこまで通用するか分からんが邪魔にはならないはずだ。」(ファブニール)

 「ありがとう。」(大樹)

 

 感謝の言葉を言った大樹はさらにポケットからバハムートロックシードと新たに誕生した漆黒のロックシード=ワイバーンロックシードも取り出す。

 バハムート、ファブニール、ワイバーン、ドラゴンの名前を冠する3つのロックシードが共鳴し、デュアルギアを新たなドライバーへ変貌させた。大剣型のカッティングブレードに3体の龍が咆哮する絵が描かれたドライバー、龍王ドライバーが誕生した。さらに、3つのロックシードは合体し龍王ロックシードへと進化した。

 

 「3つのマルチバース。そこで柏葉大樹が手にした3つの力が共鳴することで全てを打ち倒す力が手に入る。そのドライバーを使って奴を倒して来い。」(ファブニール=ダイキ)

 「言われずとも。」(大樹)

 

 大樹は龍王ドライバーを腰に装着、龍王ロックシードを開錠した。

 

 ≪トリプルドラゴン!!≫

 

 大樹の頭上に3つの巨大なクラックが出現、鋼の3体のドラゴンが現れる。

 

 「変身!!」(大樹)

 

 大樹は力強く叫び、カッティングブレードを下ろした。

 

 ≪ライズアップ!!龍王アームズ!!三龍轟一!!ドラゴンキング、ニューボーン!!≫

 

 龍王ドライバーの音声が響き、3体のドラゴンが鎧となって大樹の体に装着されていく。

 その姿は輝龍でありながらもアギト、シュバルツの面影もあった。天を貫く六本の角、龍を模した黒と赤の複眼に紅蓮のタテガミがたなびく仮面。両手足には鋭い爪が備わった鎧が装着され胸と肩部にはそれぞれドラゴンの頭部が敵を睨みつけていた。さらに背中には折りたたまれた翼が見える。赤、金、黒に彩られたその姿は正に龍王だった。

 仮面ライダー輝龍龍王アームズ、柏葉大樹が到達した究極の力である。

 

 「この戦場、俺が勝ち取る!!」(輝龍)

 

 輝龍は背中の翼を広げ飛翔した。その姿を見たファブニール=ダイキは笑いながら、ついに膝を着く。

 

 「そうだ、行け。そのまま、自分の信じる道を突き進め。」(ファブニール=ダイキ)

 

 ファブニール=ダイキはついに大樹が究極の力を手にしたことに満足して瞼を閉じる。

 複数のアームズウェポンを召喚して魔蛇に攻撃を仕掛ける鎧武極アームズ。

 襲い来るアームズウェポンを次々と破壊する魔蛇は邪悪王アームズの力を遺憾なく発揮する。漆黒の瘴気を大蛇へと変え、鎧武極アームズに襲い掛からせる。

 無数の大蛇に追い詰められていく鎧武極アームズ。遂に大蛇たちは鎧武を拘束する。

 

 「さあ、死ねえええええ!!」(魔蛇)

 

 魔蛇が黄泉丸を鎧武に振り下ろす。

 禍々しい刃が鎧武を切り裂こうとその瞬間、空から何かが高速で魔蛇の居る所へ落ちた。

 魔蛇は咄嗟に跳び退り、難を逃れた。

 その落ちてきた者による衝撃波によって大蛇たちが消滅した。それにより解放された鎧武は土煙が収まるとそこにいる新たな戦士に目を見張る。

 

 「ほう、ファブニールの思い通りになったか。」(魔蛇)

 

 魔蛇の視線の先には仮面ライダー輝龍龍王アームズが居た。背中で大きく広げている翼を折りたたむ輝龍。

 輝龍の新たな姿を見た鎧武。自身と同じオーバーロードとなったのかと考えるが輝龍の気配が人間の者であることに気付く。

 輝龍は地面に刺さっていたアームズウェポンの中で十文字槍型の影松・真を手に取って下段に構える。

 

 「それで俺に対抗するつもりか!!」(魔蛇)

 

 魔蛇が黄泉丸を振りかぶるもその動きを影松の矛先を上げることで牽制、魔蛇の動きが止まった瞬間に突き、斬る、薙ぎ払う。

 

 「くっ!粋がるな!!」(魔蛇)

 

 魔蛇は上段からの振り下ろしで影松・真を叩き折る。

 輝龍は折れた影松・真から近くにあった大橙丸をメロンディフェンダーを拾い構える。

 

 「これだけ多くの武器が落ちている。俺にとっておあつらえ向きの場所だよ。」(輝龍)

 

 輝龍は魔蛇の攻撃をメロンディフェンダーで防ぎ、大橙丸で切り込んでいく。だが、その攻撃も魔蛇を苛立たせるだけで有効打になり得ない。

 

 「ふん!その武器で俺に対抗できると本気で思っているのか?邪王ロックシード、十三異界覇王の力を束ねた今の俺に通用しない!!」(魔蛇)

 ≪魔蛇スカッシュ!邪悪王スカッシュ!≫

 

 漆黒の瘴気を纏った黄泉丸を横なぎに振るう魔蛇。輝龍はその攻撃を大橙丸とメロンディフェンダーで防御するが一瞬で砕け散ってしまった。だが、その次の瞬間、魔蛇に二つの閃光が走った。二つの閃光は魔蛇の胴にX字となって刻まれる。

 魔蛇も、その戦いを見守る鎧武たちも何が起きたか分からなかった。だが、竜炎刀・陽炎と光龍剣を両手に持っている輝龍はそれを分かっていた。

 

 「な、なにを?」(魔蛇)

 

 体に刻まれた傷を抑える魔蛇。その動揺を逃さずに輝龍が畳みかける。次々と繰り出される剣撃は魔蛇を確実に追い詰めていく。

 みるみるうちに傷が増えていく魔蛇。咄嗟に魔蛇は邪王ロックシードに封じられているヤマタノオロチとフォーティーン、ゲムデウスを召喚し、輝龍に攻撃させる。

 ヤマタノオロチの火炎が、フォーティーンの天災が、ゲムデウスの刃が輝龍に襲い掛かる。

 輝龍は竜炎刀・陽炎と光龍剣を地面に突き刺すと今度は邪龍DJ破断剣を手にする。襲い来る巨大な敵の攻撃をいなしながら、邪龍DJ破断剣にドラゴンフルーツロックシードをセットする。

 翼を広げ、空中高く跳び上がる輝龍は一瞬のうちにヤマタノオロチとフォーティーン、ゲムデウスを撃破する。

 

 「ば、バカな。こんなことがあってたまるか。」(魔蛇)

 「散々、人の人生を引っ掻き回してくれた礼だ。たっぷり味わえ。」(輝龍)

 

 輝龍は龍王ドライバーのカッティングブレードを3回倒す。

 

 ≪ライズアップ!!龍王スパーキング!!≫

 

 輝龍の右腕が赤、金、黒の輝きに染まる。そのまま、宙高く跳び上がり魔蛇に拳を叩きつける。

 魔蛇は黄泉丸で防御するがその一撃は強力で黄泉丸を打ち砕くだけでは無く、魔蛇の胸に叩き込まれる。

 

 「ぐおっ!!」(魔蛇)

 「はああああ!!」(輝龍)

 

 輝龍はそのまま魔蛇を殴り飛ばす。宙へと浮かぶ魔蛇に輝龍は延髄斬りのフォームで右足に赤、金、黒の輝きを宿す。

 

 「ハアアアアアアアア!!」(輝龍)

 

 雄々しく響く掛け声に合わせ輝龍の右足が魔蛇に撃ち込まれる。

 

 「なっ、がっ!!」(魔蛇)

 「二度と、この星に来るな。」(輝龍)

 

 輝龍のその言葉を最期に魔蛇は爆散。さらに邪王ロックシードも破壊された。

 爆発が晴れるとそこには輝龍が健在だった。

 これで、輝龍=大樹を取り巻く因縁に決着が着いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「じゃあ、これで僕たちは元の世界に帰るよ。」(ブルース)

 

 ボロボロの学園の校庭でトニーとスティーブをアベンジャーズの面々が大樹たちに別れを告げていた。

 

 「ありがとうございました。元気で。」(大樹)

 

 大樹を筆頭にこの短い期間で戦った彼らにそれぞれが思い思いの品を渡す。

 

 「ファブニールは?」(大樹)

 

 大樹はその中で姿の見えないファブニールの行方について問う。

 

 「先に帰ったよ、自分の世界に。」(ブルース)

 「返したいものがあったんですけど。」(大樹)

 

 そう言って大樹は龍王ドライバーとファブニールロックシードを取り出す。

 それを見たブルースは首を横に振り、大樹に渡す。

 

 「それはダイキが君に渡したものだ。大切に使って欲しい。」(ブルース)

 

 ブルースのその言葉に大樹は何か引っかかりを覚えるも笑顔で彼らを見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 並行世界=マルチバース同士のはざま、そこにスティーブとトニーが居た。トニーはファブニール=ダイキを肩で支えていた。

 

 「それで、ダイキの世界に行くのか?」(スティーブ)

 「それがサムライボーイの願いだ。それに、僕はダイキのガールフレンドのおかげでここに居られるだけだ。ダイキを送れば僕も消える。」(トニー)

 「そうか、後は頼む。」(スティーブ)

 「ああ。じゃあな、キャプテン。」(トニー)

 

 スティーブと別れたトニーはファブニール=ダイキと共にある世界へやって来た。そこは荒廃し、空が赤く染まっていた。ここでは町も何もかも、世界にある全てが焼き尽くされていた。

 

 「おい、ダイキ。着いたぞ。」(トニー)

 

 トニーは肩を貸すファブニール=ダイキに声を掛ける。だが、返事は無かった。

 

 「さて、あそこに君の大切な人たちが居るんだろ。最後まで頑張れ。」(トニー)

 

 そう言って歩き出すトニー。その体は徐々に黄金の粒子に変わり始めていた。その中でトニーは目的の場所へ着くとファブニール=ダイキを寝かせる。

 

 「よし、これでお別れだ。先に待っているぞ、サムライボーイ。」(トニー)

 

 そう言い残すとトニーは完全に黄金の粒子となって消えた。

 残ったファブニール=ダイキの顔はとても穏やかだった。そして、懐にあった黄金の果実はその輝きを失い砂となる。一陣の風が吹き、砂となった黄金の果実を運ぶ。

 次の瞬間、赤く染まった空が青く本来の姿となる。そこから差し込む日の光が当たるとファブニール=ダイキの横たわる場所が照らされる。

 そこには墓標の代わりにISの武器が刺さっていた。そして、ファブニール=ダイキが来るのを待っていたかのように黒いネックレスが漆黒の大剣、フェンリルブロウから落ちる。

 ファブニール=ダイキの胸に落ちたそれは既に止まっていた胸の鼓動を感じてなのか一瞬煌めいた。そして失われていく熱を受けてなのか、持ち主の意思を受けてなのかネックレスはIS・黒騎士へとなる。黒騎士はファブニール=ダイキに覆いかぶさる。その姿はまるで愛する人のそばで眠りにつく乙女のようだった。

 




 これにて、十三異界覇王大戦編の初期から登場したファブニールとの戦いに決着が着きました。賛否両論あると思いますがファブニールについては今回の終わり方で決まっていました。
 これで残る十三異界覇王は3体、十三異界覇王大戦編も終わりが近づいてきました。次回はお正月にちなんでIFの世界に迷い込んだ颯斗の話を書きます。その後は、残る十三異界覇王との戦いを通して万夏と一夏について話を書いていきます。
 長くなりました今年も仮面ライダー輝龍を楽しんでいってください。
 それでは。
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