IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍   作:柏葉大樹

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 お正月ストーリーも終了し、十三異界覇王大戦編第2章に戻ります。それでは、どうぞ!!


仮面ライダー輝龍 第31話 十三異界覇王大戦編第2章 蒼龍姫乱舞 アナザーオーマジオウ襲来

side万夏

 「どうしたもんかね。」(大樹)

 

 いつも通りに大樹と週末の予定について話していた。いつも見るその横顔。空白の予定を、脳内にきっと予定表を出して考えているだろうその表情。幼い頃から知っているその表情を見て、私はこの週末のことを考える。そうするだけで、ただ、考えるだけだけなのに胸の中が暖かいもので満たされていく。

 旅行をしたいわけでないけど、行くのならそれはそれで楽しみだけど、そこまでをしたいとかじゃなくて、ただ大樹と一緒にどこかへ行ったり、一緒に美味しいものを食べたり、ただただ体を重ねたりすることが私にはこの上なく幸せなこと。

 今、この瞬間もただただ愛しい人と一緒にいる、そんな当たり前なことが幸せだった。前世の私には、当たり前では無かったこと、何もかもが現実には無いと思っていた平穏な幸せ。かけがえのない、この時間を、当たり前だけど当たり前じゃないこの時間が続いて欲しい。それくらい、私には大樹の存在がかけがえのないものだった。

 

 「どうした?」(大樹)

 「うんうん、何でもない。」(万夏)

 

 大樹の言葉にそう答えた次の瞬間、私は一瞬気が意識が遠くなった感覚を覚えた。そして、気が付くと隣に居たはずの大樹の姿が無かった。

 

 「大樹、どこ!?どこなの!」(万夏)

 

 近くにいるか確認するけど、さっきまで居た形跡すらなく、呼びかけにも返事が無かった。

 不安に駆られそうになるけど、落ち着いて周囲を確認する。

 

 「ここ、廊下じゃない。でも、学園の中だけど。」(万夏)

 

 私がいたのは大樹と一緒に歩いていた学園の廊下ではなく、どこかの一室だった。さらに、私の服装が学園の制服では無く、黒一色のワンピースだった。そして、その恰好は前世の私が、亡国機業に所属していた私が身に着けていた服装だった。どうして、この格好をしていてこの場所に居るのか、私にはまったく分からなかった。

 

 「早く、大樹を探さないと。」(万夏)

 

 突然の出来事、それに嫌な胸騒ぎを覚えた私はその場から出るべく部屋の扉を開けた。

 

 

 

 

 

side3人称

 ファブニールとの決着、十三異界覇王大戦を仕組んだ黒幕であった魔蛇の撃破から半年近くが経過した。大樹たちが進級し、3年生となったある日だった。IS学園を中心とした東京は人が誰も居ない無人の土地となっていた。否、IS学園では、ここに激しい戦いを繰り広げていた二人の人物が居た。

 

 「はああああ!!」(輝龍)

 

 黄金の龍の鎧を纏う輝龍バハムートアームズ。竜炎刀・陽炎と光龍剣を手に目の前の相手に斬りかかる。

 輝龍の振るう刃を輝龍が対峙する相手はそれを二本の時計の針に似た剣で応戦する。

 輝龍が対峙するのは新たな十三異界覇王、偽りの平成ライダーの歴史を統べる魔王。世界の歴史を塗り替える虚飾の魔王、歪曲逢魔時王アナザーオーマジオウである。

 

 「フン。この程度で俺に勝てると思ったか。」(アナザーオーマジオウ)

 

 輝龍を蔑む声音で輝龍に問うアナザーオーマジオウ。それに対して輝龍は仮面の下の顔を怒りの表情に染める。

 

 「皆を返してもらうぞ。」(輝龍)

 

 輝龍はそう言ってアナザーオーマジオウを前蹴りで蹴り出す。距離が空いた瞬間に輝龍は戦極ドライバーを操作、竜炎刀・陽炎と光龍剣にエネルギーをチャージしてX字の斬撃を放つ。

 強化された斬撃は遂にアナザーオーマジオウに直撃、ダメージを与えた。だが、その次の瞬間には空間にガラスの割れ目のような裂け目が生じてそこから輝龍が放ったものと全く同じ斬撃が輝龍に向かって飛んで来た。

 咄嗟に防御する輝龍だったが強化していた攻撃ということもあり吹き飛ばされ変身が解除されてしまった。

 地面に転がる大樹はアナザーオーマジオウを睨む。

 倒れる大樹を見下ろすアナザーオーマジオウは変身を解除する。アナザーオーマジオウの変身者、加古川飛流は大樹に近づく。

 

 「お前では俺を倒すことは出来ない。俺を倒すことができるのはオーマジオウ、常盤ソウゴだけだ。その常盤ソウゴもこの世界に居ない以上はお前に打つ手は無い。」(飛流)

 

 飛流の言葉に歯を食いしばりながらも立ち上がろうとする大樹。

 その大樹に対して飛流はクウガ、アギト、龍騎のアナザーライダーを召喚する。

 召喚されたアナザーライダーが大樹に襲い掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 事の始まりは大樹と飛流が戦い始めるよりも数時間ほど遡る。

 世界と世界のはざま、かつてジオウたちとファブニールが衝突したそこに残る3体の十三異界覇王が揃っていた。

 

 「残るは俺達だけになったってわけか。」(???)

 

 茶髪に青色のメッシュが入った男、永遠の記憶を内包したエターナルメモリを使う不死身の兵士である大道克己。またの名を仮面ライダーエターナル、蒼炎永遠王仮面ライダーエターナルである。

 

 「もう誰にも邪魔が入ることは無い。最後に勝つのは俺だ。」(???)

 

 王であることを示す服装で誰に対しても攻撃的な意思を隠さない青年、加古川飛流。この後に大樹と戦うこととなる十三異界覇王である。ジオウたちが戦った改ざんされた歴史により誕生したアナザーライダー、その頂点であるアナザーオーマジオウである。

 そして、克己と飛流の他に、最後の十三異界覇王がいた。それは、二人と違い人間の姿をしてなかった。不気味な一つ眼の姿をしているそれは、輝龍=大樹に撃破された魔蛇が呼び出した最凶最悪の十三異界覇王である。

 

 「矮小な人間如き、貴様ら等がこの我を打ち倒すことは出来ぬ。」(???)

 

 大樹たちのいるこの世界、始まりの仮面ライダーである仮面ライダー1号=本郷猛が悪の秘密結社ショッカーと戦っていた。そんな中、1号と2号、1号と2号の力を受け継いだV3、世紀王と呼ばれるBLACK、闇の力と戦った仮面ライダーアギト=津上翔一が時空を超えて協力して対峙した巨悪があった。。

 ショッカーが誕生する以前、遥か古の時代より地球の覇権を握っていた秘密結社が存在した。その秘密結社の名は暗黒結社ゴルゴム。

 そのゴルゴムを支配する創世王、その創世王と創世王の座を巡り争った存在が居た。名前を失った彼は永い時間を眠り続けていたが人類の創造主である闇の力の消滅により覚醒した。時空を超えた暗躍により新たな肉体を手に入れた彼はその姿から邪眼と呼ばれるようになった。

 邪眼はBLACKの力の源であるキングストーンを奪い、創世王へと至ろうとした。だが、1号、V3、BLACK、アギトの4人の仮面ライダーを前に敗北したのだった。

 この場にいる邪眼は全ての仮面ライダーを打ち倒しただけではなく、BLACKとシャドームーンのキングストーンを手中に収めたのだった。最後の十三異界覇王、邪悪創世王邪眼。ゴルゴムを統べる創世王と同等の力を手に入れた最凶の十三異界覇王である。

 邪眼は相対する克己、飛流ですらも気圧されるほどの邪悪な気を放っていた。

 

 「最後に残った貴様らを下し、ここに我が暗黒の治世を敷こう。」(邪眼)

 「それは大層なことだな。地獄を楽しませてやるよ。」(克己)

 「うるさい、最後は俺が勝つ。」(飛流)

 

 話はそこで終わった。それから彼らはそれぞれの本拠地となる場所、克己は風都に、邪眼はある廃発電所、飛流は都内某所の洋館に移動した。

 それぞれの場所に移った十三異界覇王、その中で彼らは同時に動き始めた。

 その頃、大樹たちはそれぞれの場所で平穏な時間を過ごしていた。

 

 「それで、今週末はどうするの?シュウちゃんと一緒にどこかに行く?」(万夏)

 「そうだな、こないだスコールたちに会ったばかりだし。まあ、母さんと普段から出かけているって話だしな。どこに行くかは本人と要相談かな。それとも、二人だけでどこか行く?」(大樹)

 「私は良いよ。二人でも、シュウちゃんが一緒でも。」(万夏)

 

 大樹と万夏は学園内の廊下で週末の予定について話していた。

 

 「よし、調整完了。準備OKだよ、かんちゃん。」(颯斗)

 「うん、じゃあ、始めるよ。」(簪)

 

 学園の整備室では颯斗と簪が打鉄弐式の整備を行っていた。

 

 「はあああ!!」(一夏)

 「まだまだよ!」(鈴音)

 「わたくしも居ましてよ!!」(セシリア)

 

 同じ頃の一夏は箒、鈴、セシリアとアリーナでISの訓練をしていた。

 

 「おし、ここいらでその数式を使うんだよ。」(陸)

 「あっ、本当に解けた!」(シャルロット)

 「ふむ、じゃあ次はこの問題だな。」(ラウラ)

 

 陸とシャルロット、ラウラは勉強会をしていた。

 IS学園でそれぞれが平穏な時を過ごしていた。それは織斑家にいる修羅、春奈、秋人や篠ノ之神社にいる正則と束、黒江も同様だった。

 そんな中、異変が起きたのだった。

 

 残る十三異界覇王の中で最初に行動を起こしたのはアナザーオーマジオウこと加古川飛流だった。

 

 「さあ、始めるぞ。」(飛流)

 

 飛流はそう言うと自身の変身アイテムであるアナザーウォッチを起動する。

 

 《オーマジオウ。》

 

 くぐもった音声が響き、飛流はアナザーオーマジオウウォッチを自身の肉体に押し当てる。次の瞬間、飛流の姿が歪められた歴史によって誕生した仮面ライダー、アナザーライダーであるアナザーオーマジオウへ変身した。

 アナザーオーマジオウは右手を掲げると頭上に巨大な時計を出現させる。

 時計には1から20まで数字が刻まれており、それぞれの数字には歪な歴史より誕生したアナザーライダーの顔が浮かび上がっていた。

 時計の針が10、アナザーディケイドを指し示す。その瞬間、巨大な灰色のオーロラが現れ、アナザーオーマジオウを中心に東京と隣接する都市まで包み込み、消えたのだった。

 

 

 

 

 

 灰色のオーロラが現れ、消えた直後のIS学園。そこには大樹を除いてすべての人間が姿を消していた。

 

 「万夏、万夏!」(大樹)

 

 つい先程まですぐ隣りにいた恋人の姿が消えた。大樹は彼女がいないか呼びかけるも反応が帰ってくることはなかった。

 さらに、万夏と話す中で聞こえていたIS学園にいる生徒や教員の話し声が一切聞こえてこないことに気付く。

 大樹は近くの教室を確認する。どこの教室ももぬけの殻となっていた。先程まで人がいた痕跡だけ残して人だけが消えていたのだ。

 

 「一体、何が起きているんだ。まさか、残っている十三異界覇王か。」(大樹)

 

 学園中を走り、一夏、颯斗、陸ら仲間たちの姿も探すが彼らまでもが消えてしまっていた。

 アリーナまで来て、誰一人としていないこと、電話で織斑家と篠ノ之神社に連絡するも誰一人として出ることは無かった。

 

 「皆、一体。」(大樹)

 「残っているやつがいたのか。」(飛流)

 

 何が起きたか分からない大樹の背後に加古川飛流が姿を見せた。

 飛流の方へ振り向いた大樹は飛流の放つ風格から彼が常人ではないことに気づいた。

 

 「あんたは。」(大樹)

 「俺は加古川飛流、全て仮面ライダーの力を持つ王だ。」(飛流)

 

 飛流はアナザーオーマジオウウォッチを起動、大樹の目の前でアナザーオーマジオウに変身する。

 大樹は目の前の人物が十三異界覇王だということを理解、即座に仮面ライダー輝龍バハムートアームズに変身した。

 変身した二人は両手に武器を持って戦いを始めた。そして、その結果は輝龍の敗北だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 アナザークウガ、アナザーアギト、アナザー龍騎の攻撃から大樹はバハムートロックシードを解錠することで対応しようとした。だが、それは3体のアナザーライダーの攻撃よりも一瞬だが遅かった。

 アナザークウガの腕が、アナザーアギトの牙が、アナザー龍騎の火炎が大樹に当たると思われたその瞬間、アナザーライダーと大樹の間に巨大な何かが立ちふさがった。

 

 「何!?」(アナザーオーマジオウ)

 

 突然の乱入者の姿を見てアナザーオーマジオウは驚愕する。

 大樹は目の前に出現した銀色を主体としたロボット、赤色を主体としたロボットを見ていた。

 タイムマジーン、大樹がいるこの世界とは別の世界、2068年で作られたタイムマシンである。そして、その2台のタイムマジーンより人影が降り立った。

 その人影を見てアナザーオーマジオウは内心に憎しみの炎を燃やす。

 

 「常磐ソウゴ!!」(アナザーオーマジオウ)

 

 大樹と同い年と思われる青年の名を呼ぶアナザーオーマジオウ。

 大樹はタイムマジーンから降りてきた人物たちが直感的に十三異界覇王の一体であるキルバスと戦ったときに出会った仮面ライダーたちであることを理解した。

 

 「加古川飛流、これ以上好きにはさせない。皆、行くよ!」(ソウゴ)

 

 ソウゴは近くにいる3人の仲間、明光院ゲイツ、ツクヨミ、ウォズに呼びかける。

 3人はソウゴの呼びかけに応じる。

 ソウゴ、ゲイツ、ツクヨミはジクウドライバーを、ウォズはビヨンドライバーを装着する。彼らはそれぞれのライドウォッチを起動、ドライバーにセットする。

 

 「「「「変身!!」」」」

 

 仮面ライダージオウ、仮面ライダーゲイツ、仮面ライダーツクヨミ、仮面ライダーウォズ。最高最善の魔王とその仲間たち、平成の時代に生きた全ての仮面ライダーの力を継承する仮面ライダーたちである。

 

 「なんか、行ける気がする!!」(ジオウ)

 




 新たな十三異界覇王、アナザーオーマジオウの手に落ちた万夏。そんな中で万夏は自身の負い目とも言える記憶と対峙する。
 常磐ソウゴことジオウの参戦、それでもなお戦況は思わしくなかった。

 「ここで何もしないわけにいかないんだよ。」

 仲間を、愛する者を奪われた大樹は自身の身を顧みずアナザーオーマジオウとの戦いを行う。
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