IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍 作:柏葉大樹
十三異界覇王大戦を仕組んだ魔蛇を撃破してから、時間が経ち大樹たちは3学年へ進級していた。
平穏な時間を過ごす中で新たな十三異界覇王、アナザーオーマジオウが出現した。
アナザーオーマジオウの手により多くの人々、仲間たちが消される中、孤軍奮闘する大樹。だが、その圧倒的な力を前になすすべ無かった。そんな時、キルバスとの戦いで出会った仮面ライダージオウこと常磐ソウゴたちが救援に駆けつけたのだった。
side三人称
十三異界覇王の一人、歪曲逢魔時王アナザーオーマジオウの前に仮面ライダージオウ、仮面ライダーゲイツ、仮面ライダーツクヨミ、仮面ライダーウォズが並び立つ。
「俺の世界のお前たちは俺が殺した。別の世界のお前たちも同じように殺してやる!」(アナザーオーマジオウ)
「これ以上はやらせないよ、加古川飛流。皆、行くよ。」(ジオウ)
「ああ。」(ゲイツ)
「ええ。」(ツクヨミ)
「わが魔王、仰せのままに。」(ウォズ)
アナザーオーマジオウに対してそれぞれが武器を手に取るジオウたち。倒れていた大樹も何とか立ち上がるも膝に手をつく。
「君は休んでいて。こいつは俺たちが倒す!」(ジオウ)
「いや、待て。俺も、っ!」(大樹)
自身も戦おうとする大樹だったが、先程までのアナザーオーマジオウとの戦いによりかなり消耗していた。
その大樹を置いて、アナザーオーマジオウと戦闘を始めるジオウたち。
ジオウはジカンギレードを、ゲイツがジカンザックスでアナザーオーマジオウに斬りかかる。それにアナザーオーマジオウは時計の針を模した2本の剣で対応する。
アナザーオーマジオウの隙を突くべくウォズがジカンデスピアでアナザーオーマジオウに飛び掛かる。
アナザーオーマジオウはジオウとゲイツを相手に切り合いをしながら、ウォズを迎撃しようとする。そこをツクヨミが時間操作でアナザーオーマジオウの動きを封じる。
「小癪な!!」(アナザーオーマジオウ)
動きを封じられたアナザーオーマジオウはアナザーライダーを召喚、アナザー響鬼とアナザーカブトにツクヨミとウォズを攻撃させる。
アナザー響鬼がツクヨミを、アナザーカブトがウォズを攻撃する。
アナザーライダーからの攻撃により時間操作を中断させられたツクヨミ。クロックアップしたアナザーカブトの攻撃を受けてしまうウォズ。
「やっぱり、一筋縄じゃいかない。」(ツクヨミ)
「別世界とは言え、我が魔王のアナザーライダーである加古川飛流だ。これくらいできて当然だろう。」(ウォズ)
反撃を受けてなお、冷静さを失わないツクヨミとウォズ。
その二人の視線を向けるアナザーオーマジオウ。その背後をジオウとゲイツが斬りかかる。
攻撃が当たる直前、アナザーオーマジオウの額にある角が回転する。するとジオウとゲイツの動きを予め知っていたかのように回避、攻撃の直後のスキを攻撃する。
攻撃を受けて飛ばされるジオウとゲイツ。予想していたとは言え、軽くはないダメージを受けてしまった。
「痛たたた、やっぱり俺の力って強いな。」(ジオウ)
「恐らく、ソウゴの力はすべて使えるだろう。オーマジオウの力を持っているんだ、かなり厄介だぞ。」(ゲイツ)
自身と同じ力を持った相手、決して生半可な相手ではない。それでも、ジオウもゲイツも、ツクヨミもウォズも勝負を諦めていなかった。
幾度も戦いを繰り広げた因縁の相手、その別世界の存在との戦いはジオウたちに譲れない強い思いを抱かせていた。
《ジオウⅡ!》
《ゲイツリバイブ、剛烈!!》
ジオウとゲイツは新たなライドウォッチを起動、ウォズとツクヨミはその変身までの時間を稼ぐべくアナザーオーマジオウへ向かっていく。
アナザーオーマジオウは召喚したアナザーライダーをウォズとツクヨミに向かわせ、自身はジオウとゲイツ、正確にはジオウを狙って躍りかかる。
襲い来るアナザーライダーに対し、ツクヨミは事前にジオウから渡されていたアギトライドウォッチを、ウォズはシノビミライウォッチを起動する。
ウォズはフューチャーリングシノビに、ツクヨミはアギトアーマーに変身。向かってくるアナザー響鬼とアナザーカブトに対抗する。
その間に、ジオウはジオウⅡへ、ゲイツはゲイツリバイブ剛烈となる。
向かってきたアナザーオーマジオウに、ジオウⅡは最強武器のサイキョーギレードを、ゲイツリバイブはジカンジャックローノコギリモードで応戦する。
双剣で襲いかかるアナザーオーマジオウに、未来を先読みして対抗するジオウⅡと持ち前の防御力とパワーでゴリ押しするゲイツリバイブ。
最強格の仮面ライダー同士の激闘は凄まじく、その余波だけで大樹は身動き一つ取れずにいた。
「っ、くっ!」(大樹)
精々がその余波に耐えて戦いの行方を見守ることしかできなかった。
クロックアップを使用するアナザーカブトにウォズはシノビの力で翻弄、クロックアップを使用する相手の攻撃を全て躱していた。
「やはり、矢車が変身したアナザーカブトでないならこの程度。そろそろ終わりにするとしよう。」(ウォズ)
そう言うとウォズはジカンデスピア鎌モードにエネルギーを集める。そこから複数体に分身、四方八方から光の手裏剣を放ち、アナザーカブトにダメージを与えた。
「これで終わりよ!」(ツクヨミ)
ツクヨミはジクウドライバーを操作、右足にアギトの紋章を吸収してアナザー響鬼にライダーキックを放つ。
アナザーカブトもアナザー響鬼もアナザーウォッチを破壊するまで行かなくてもかなりのダメージを受けた。
アナザーカブトとアナザー響鬼は攻撃を受け、アナザーオーマジオウの方へ飛ばされた。
「流石にアナザーライダーで足止めはできないか。」(アナザーオーマジオウ)
「ソウゴ!一気に決めるぞ!」(ゲイツ)
「ああ!ゲイツ!」(ジオウ)
ジオウとゲイツはそれぞれの武器にエネルギーをチャージする。アナザーカブトとアナザー響鬼、2体のアナザーライダーが自分たちとアナザーオーマジオウの間に入った瞬間に自分たちの武器を振り抜いた。
高められた一撃をジオウとゲイツはアナザーオーマジオウに対して同時に放った。
二人の放った一撃はアナザーライダーの力の源、アナザーウォッチを確実に破壊することができるものだった。波の相手であれば十分すぎるほどのその一撃、2体のアナザーライダーを撃破したその攻撃をアナザーオーマジオウは武器ではなく自身の拳で降り払い無効化するのだった。
その様子を見たジオウたちは予想していたが一切のダメージを負っていないことに驚愕を禁じ得なかった。
「この程度で、俺を倒せると思ったか。この程度で、この俺を倒せると思うな!!」(アナザーオーマジオウ)
そう叫ぶと、アナザーオーマジオウは頭上に時計盤を出現させる。
時計盤の針が数字の10と20を指し示す。次の瞬間、アナザーオーマジオウの両隣にアナザーディケイド、アナザージオウの幻影が出現する。
2体の幻影はアナザーオーマジオウと重なり、アナザーオーマジオウの瞳が怪しく輝く。
アナザーオーマジオウは腰にある漆黒のオーマジオウドライバーを操作、ジオウⅡとゲイツリバイブの周囲を歪なキックの文字が囲み、アナザーオーマジオウの正面には紫色に染まったカード状のエネルギーが10枚出現した。
それを見たジオウⅡは自身の特殊能力である未来の先読みを発動する。
数秒後の未来、アナザーオーマジオウの攻撃を受けて変身を解除され、自身とゲイツが命を落とすその未来を見たジオウⅡ。
ジオウⅡはゲイツリバイブを顔を見合わせる。
仮面越しから事態を把握したゲイツリバイブ。その瞬間にはゲイツリバイブライドウォッチを操作していた。
「死ねええええええ!!」(アナザーオーマジオウ)
殺意を込めて放たれたアナザーオーマジオウの一撃。それに対してジオウⅡは再度サイキョーギレードにエネルギーを集め、二度目の必殺技を放つ。
ぶつかり合う二人のジオウの攻撃。その勝敗はジオウⅡの攻撃が容易くアナザーオーマジオウに粉砕されていくことで着いた。
必殺技のぶつかり合いはアナザーオーマジオウの勝利となり、ジオウⅡはその衝撃でふっ飛ばされてしまう。
「うわああああ!」(ジオウ)
ジオウⅡは地面に転がり、変身が解除されてしまう。それを見たアナザーオーマジオウは因縁の相手の死に様を確認するべく近づこうとした瞬間だった。
自身の知らない方角から投げられた武器、竜炎刀を躱したアナザーオーマジオウ。投げられた方角を見るとそこにはボロボロになりながらもアナザーオーマジオウを見据える大樹の姿があった。
「なら、お前から殺してやる。」(アナザーオーマジオウ)
アナザーオーマジオウは双剣を持ち、大樹の方へ向いた。その瞬間、アナザーオーマジオウの目の前にゲイツリバイブが武器を構えていた。
ゲイツリバイブはパワー特化の剛烈からスピードに特化した疾風に変身しており、爪モードのジカンジャックローでアナザーオーマジオウに攻撃する。
アナザーオーマジオウは大樹に注意を向けていたことや、自身の攻撃をゲイツリバイブが受けていたと思っていたことからゲイツリバイブの攻撃を受ける。
決して大きなダメージを与えたわけではないが、アナザーオーマジオウを後退させることができた。そして、変身が解除されていたソウゴが立ち上がり、ジオウライドウォッチとグランドジオウライドウォッチを起動させていた。
「変身!」(ソウゴ)
《グランドタイム!クウガ、アギト、龍騎、555、剣!響鬼、カブト、電王!キバ、ディケイド!W、オーズ、フォーゼ!ウィザード、鎧武、ドライブ!ゴースト、エグゼイド!ビルド!祝え!!仮面ライダー!グランド!ジオウ!》
クウガからビルドまでの仮面ライダーの名が呼ばれ、ソウゴは仮面ライダーグランドジオウに変身する。
グランドジオウは体の各部の仮面ライダーのレリーフに触れる。
仮面ライダー龍騎サバイブ、仮面ライダー555ブラスターフォーム、仮面ライダー電王クライマックスフォーム、仮面ライダーゴーストグレイトフル魂が召喚され、ゲイツリバイブと共にアナザーオーマジオウを攻撃する。そこへ、ツクヨミとウォズも加わり、アナザーオーマジオウへ攻撃を加えていく。
強化形態の仮面ライダーたちの攻撃を受け、さすがのアナザーオーマジオウもダメージを受けると思われた。だが、彼らの予想に反しアナザーオーマジオウはたった一人で召喚された仮面ライダーたちと互角と渡り合い、それらを強化した武器で消滅させるのだった。
予想していた以上の力を見せるアナザーオーマジオウ。それに対してジオウたちは即座に行動に移した。
ゲイツリバイブは高速で大樹の元へ駆け寄り、この場を離脱する。
ウォズフューチャーリングシノビとグランドジオウが武器から斬撃を放つ。
ツクヨミがアナザーオーマジオウを時間停止で動きを封じる。
動きを封じられたアナザーオーマジオウはそのままグランドジオウとウォズの攻撃を真正面から受けてしまう。
「よし!」(グランドジオウ)
「それでは、我が魔王。ここは退きましょう。」(ウォズ)
「今なら安全に撤退できる。撤退して今後のことを考えましょう。」(ツクヨミ)
グランドジオウは電王のレリーフに触れると、電王の専用マシンであるデンライナーを召喚する。召喚したデンライナーに乗り込んだグランドジオウとウォズ、ツクヨミもゲイツリバイブと同じくこの場を撤退するのだった。
ジオウたちの攻撃を受けたアナザーオーマジオウは煙を振り払う。その時にはもう、グランドジオウたちの姿は無かった。
アナザーオーマジオウは変身を解除、姿を消したジオウのことを考え憎しみで表情を歪める。
「逃げたか、常磐ソウゴ。だが、逃げていられるのも今のうちだ。次に会った時こそ、お前の最後の時だ。」(飛流)
飛流はそのまま灰色のオーロラを出現させ、この場から姿を消したのだった。
side万夏
私は迷い込んだこの場所についてある程度分かった。
私の今いる場所がIS学園のどこかということは分かった。でも、詳しい位置まではなぜか分からなかった。扉を開けてもこの部屋から出られない、と言うよりも扉を開けて外に出たと思ったらこの部屋に戻ってしまう。それに、今の私には皆と連絡を取る方法もない。普段持ち歩いているスマホもなく、部屋の中には外に連絡を取る手段も無かった。
「もしかして、新しい敵?それなら、ここはどこなの。」(万夏)
さっきまで、一緒だったはずの大樹がいないことで不安な気持ちが芽生えてくる。
初めて会ったときから一緒にいることが当たり前だった。前世の記憶を取り戻して、付き合うようになって、一緒に戦っていることが私の中で当たり前になっていた。
いつだって、皆のために戦って、皆をまとめてきた大樹。
そんな大樹は、大ちゃんはいつも私のそばにいた。こんな形で離れることなんて無かった。IS学園に入学して、初めての臨海合宿でのことで大ちゃんが撃墜された時にも感じた不安感がどんどん強くなっていく。
「大ちゃん、会いたいよ。」(万夏)
届くか分からない、でも、自分の気持ちを口にしないと芽生えた不安が私を蝕みそうだった。
side三人称
万夏が大樹への思いを募らせる中、大樹はソウゴたちと共に沢芽市のヴァルハラに移動していた。
そのヴァルハラには幸いにも仮面ライダー龍玄=呉島光実と仮面ライダーナックル=ザック、仮面ライダー斬月=呉島貴虎がいた。
「つまり、東京は新たな十三異界覇王の手に落ちたということか。」(貴虎)
「話が早くて助かるよ、仮面ライダー斬月。アナザーオーマジオウ、加古川飛流は自身の力で東京にいる人々を異世界へ取り込んでいるだろう。」(ウォズ)
初対面であるソウゴたちの説明を聞いた貴虎たち。
今回の相手である新たな十三異界覇王、その力はかつて貴虎たちが対峙したオーバーロードたちを彷彿させた。
「多くの人々を異空間に閉じ込め、そこからアナザーライダーと呼ばれる存在を生み出す。それだけではなく、歴史を書き換え、未来さえも見る力を持つ。そんな相手と君たちはどうやって戦ったんだ?」(光実)
光実の問いにソウゴが口を開いた。
「俺たちが加古川飛流に勝ったのは、皆で力を合わせて何とか勝てたんだ。それに、俺自身の力も。」(ソウゴ)
そう言うとソウゴは腰に黄金のベルト=オーマジオウドライバーを装着する。
《祝福の時!!オーマジオウ!!》
ソウゴは真の姿である仮面ライダーオーマジオウに変身する。
「全ての平成ライダーたちの力、俺が受け継いだ全ての仮面ライダーの力に、未来の俺も加わって何とか倒したんだ。今の加古川飛流は俺でも勝てるか分からない。」(オーマジオウ)
変身したオーマジオウの圧倒的な力を感じ取った大樹、貴虎、光実、ザック。その圧倒的な力を持つソウゴでも勝てるかどうか分からないという加古川飛流の力に貴虎ら3人は苦い表情となる。その中で、傷を負いながらも大樹は立ち上がり、席を離れる。
「大樹くん!どこへ行くんだい!?」(光実)
「あいつのところに、加古川飛流のところへ行く。」(大樹)
大樹の言葉にその場にいる全員が大樹を止めようとする。
「最善とは言えないな、仮面ライダー輝龍、柏葉大樹。いくら君が十三異界覇王を倒せる力を持っているとしても、あの加古川飛流は容易く太刀打ちできる相手ではない。」(ウォズ)
「俺達に任せて、お前は待っていろ。」(ゲイツ)
厳しくもその言葉の真意は大樹のことを思っての言葉。だが、大樹はその言葉に振り返ることなく、会議室の扉を開ける。
「だからって、何もするなって?」(大樹)
背を向けたまま発した言葉には感情が感じられなかった。否、今にも爆発しそうな感情を抑えているからこそだった。
「仲間が、親友が、家族が、あいつの手にあるのに何もするなって。あいつは、あいつは俺の大切な人たちに手を出したんだ。ここで何もしないわけにはいかないんだよ。」(大樹)
振り向いた大樹の表情は、憤怒と殺気に満ちたものだった。
「例え、俺が死んでも、あいつから絶対に取り戻す。絶対に。」(大樹)
そう言った大樹はそのまま部屋から出てしまう。
その表情を見て、言葉を聞いた光実とザックは会議室から出て大樹を追いかける。
大樹の姿を横目で見るオーマジオウは変身を解除する。
その場に残った貴虎はソウゴたちに問いかける。
「それで、何か手はあるのか?」(貴虎)
「加古川飛流の力の源、アナザーウォッチを破壊する。」(ソウゴ)
「その前に消された人々の解放だ。やつは人々をアナザーディケイドの力でアナザーワールドに閉じ込めている。そのままでは、やつはアナザーライダーの他にダークライダーも呼び出せる。」(ゲイツ)
「私達でまずは加古川飛流を何とかする。あなた方には被害が出ないように、他の街へ警戒をお願いしたいです。」(ツクヨミ)
「分かった。できる限り、隣接する街への被害を食い止めるよう対策を立てよう。」(貴虎)
貴虎は残っている戦力を使って東京に隣接する都市の被害を食い止めることをソウゴたちに約束した。
敵の手に落ちた万夏。孤独に苛まれる中で、ついにアナザーワールドの魔の手が伸びる。
一人で加古川飛流の元へ乗り込む大樹。
「皆を返してもらうぞ。」
燃え上がる憤怒の炎で紅蓮の龍となる仮面ライダー輝龍。
大切な者を奪われ、その身を燃やす怒りの業火をアナザーオーマジオウへぶつける。